【FGO関連書籍 感想】Fate/Grand Order-turas realta-(2)【コミカライズ】
久しぶりにレビュー記事とか書くよ。
邪竜百年戦争オルレアン
先日届いたFGOのコミカライズ、「Fate/Grand Order-turas realta-(2)」。
第二巻では、第一特異点Fのラストからオルレアンの中盤まで。
悪魔の瞳、その真意は
オルガマリー所長は、レフによってカルデアスに放り込まれ、消滅。
そして、この世界そのものも崩壊を迎えていた。
最後に彼は、自身を「レフ・ライノール・フラウロス」と名乗る。
そして、その眼に映る十字の紋様は、ゲームをやったことがある人なら誰もが一度は目にしたことがある。こういう演出もコミカライズならでは、ですね。
覚悟もできないまま、選択を迫られる
そして何より見どころなのが、藤丸立香という青年がどこにでもいる普通の一般人として描かれていること。
そう、ゲームでプレイする分にはプレイヤーのアバターの側面が強く、藤丸立香というパーソナルな部分は、ゲーム中の選択肢でしか覗うことができない。
しかし、コミカライズでは立香の表情、感情が全面に押し出される。
「人類を救う」その責任が全て自分に重くのしかかる。
その事実を受け入れきれない様子がコミカライズでは丁寧に描かれている。
それでも戦うことを選んだ。何もできない自分ができるただ一つの選択だから。
もちろん、藤丸立香という青年には、人類を救いたいなんて、崇高な願いは無い。
むしろ、冬木で体験した死と隣り合わせの戦いは、嫌でも聖杯戦争、サーヴァントとの戦いの恐ろしさを彼に植え付けてしまった。
目の前で消えた所長。キャスター、クー・フーリンの手助けがなければ自分たちもセイバーの前に殺されていたかもしれないのだ。
戦闘経験もない。強い味方もいない。それでも、それしか生き残る道がないから、彼は怯えながらも戦うことをロマン、そしてマシュの前で誓った。
そしてそんな立香に本当に申し訳なさそうに説明するロマンもまた、コミカライズならではの描写。
「その時代で死んではいけないのは、君とマシュだけだ」
「解ってます、俺だって死にたくない・・・でも・・・」
画して、フランスのオルレアン近郊にレイシフトした藤丸立香とマシュ。
しかし、そこでは歴史上ありえないワイバーンの群れが街を襲っていた。
目の前で次々と殺されていく住民。しかし、そんな彼らに向けてキャスター・ダ・ヴィンチは「避難しろ」という。
人理が修復されれば全てが元に戻る。今目の前で人が殺されていても何も問題はない。
それでも、立香は戦うことを選んだ。
目の前で人が殺されるのを見過ごせるほど、彼はセイギのミカタじゃない。
きっと、どっかのお人好しもそうしただろう。
そんな立香を見守るカルデア医療スタッフ。こういうカルデア側のスタッフが映るシーンいいですね。
現れたのはエクストラクラス、裁定者
ワイバーンとの戦いで出会ったはぐれサーヴァント、クラスはルーラー。ジャンヌ・ダルクと出会う。
しかし、この世界ではワイバーンを操り、殺戮を繰り返している人物もジャンヌ・ダルクというらしい。
どうしてジャンヌ・ダルクが二人いるのか謎のまま、街は、ジャンヌ生前の母と共に邪竜ファブニールの炎で灼かれてしまう。
この辺の描写も、血と煙と業火が生々しく描かれていて、ゲームの感じとはまた違う迫力を感じますね。
特にキャラクターの表情が場面ごとに様々で、その時どういう気持ちだったのかが描かれているのが見応えですね。
復讐の聖女と狂化された英雄達
現れたのは黒いジャンヌと、サーヴァント達。
復讐に燃える黒いジャンヌは、その復讐を持ってこの世界の人間を全て殺戮しようとする。
何の対処もできないまま、窮地に立たされた立香。こちらのジャンヌは魔力不足でまともに戦えない状況。
ゲームよりよりピンチ!という緊張感が伝わる瞬間。
特に色々考えるものの、何も浮かばない自分を責める立香は、コミカライズならでは。
「フランス万歳!」ガラスの馬車と不協和音
そこに颯爽と現れたのは、ガラスの馬車。マリー・アントワネットの宝具によって窮地を脱する立香。
こうやって並ぶとみんな華がありますね。まぁ、この時点では誰もが厄介な人たちだなんて微塵も思わないんですけどね。
自分への憎しみも肯定する聖女に、覚悟を決める立香
ワイバーンに襲われている兵士を助けるも、黒いジャンヌと勘違いされ、石を投げられるジャンヌ。
しかし、それでも「彼らが私を憎むことで立ち上がることができるのなら、それはそれでいいと思う」と彼女は笑う。
そんな彼女の想いに応えるために、立香はロマンの静止を無視して彼女と契約を交わす。
目の前に現れたのは、黒いジャンヌによって狂化されたバーサーク・ライダー。
絶体絶命のピンチだが、ジャンヌと契約することに賭ける立香。
ドラゴンライダー、真名マルタ
ジャンヌとの契約は成功するも、ライダーは真名を開放し、宝具を展開する。
巨大な竜タラスクの攻撃に対して、マシュはロード・カルデアスを展開。
この辺りの戦闘シーンはとても見ごたえがあります。攻撃1つ1つが重く、それが命のやり取りであることが嫌でも伝わってきます。
特に、タラスクの攻撃による絶望的な状況は、ゲームよりも緊迫感が違います。
「主の御業をここに」
奇しくもジャンヌの宝具はマシュと同じ守りの宝具。
しかし、ロマンは宝具の同時展開による立香の魔力枯渇を危惧する。
そう、戦っているサーヴァントと同様、それを支える立香もまた命がけなのだ。
しかし、魔力枯渇の危険があるものの、ここで何もしなければやはり待っているのは死。立香の覚悟にジャンヌが応え、宝具を展開。
聖女と聖女
優しい光に包まれるマルタ。彼女は、ここに来るまで多くの人々の魂を喰らってきた。
それは、黒いジャンヌにより狂化された状態で召喚されたため、自死も選べず、ただ殺戮を繰り返してきたからだ。
生前は聖女と呼ばれた彼女にはなんという皮肉な運命だろうか。
というか、ここでマルタが住民の血を啜るシーンがあるんですけど、すごくエロイので、ぜひ皆さん買って見てほしい。なんていうか、TYPE-MOON特有の血と色気っていうのがすごい出てる。
優しい光が閉じた後、彼女の胸にはジャンヌの旗が突き立てられていた。
「全く・・・聖女に虐殺させるんじゃないってぇの・・・・・」
最後にマルタは愚痴を零して消えていく。それは狂化が解け、彼女が解放された瞬間だった。
マルタは申し訳なさそうに自分の返り血がジャンヌを汚してしまったことを謝り、そしてドラゴンスレイヤー、ジークフリートの情報を残していった。
ちなみに、黒いジャンヌ側でアタランテが術ジルの手で触手海魔攻めされてるシーンがあるので、マニアの方は必見です(必見?)。
一行はジークフリートを探して、ガラスの馬車を走らせる。
こう、冒険してるなって感じがして凄くいいですね。
ゲームだとどうしても「移動」シーンは滅多に描かれないので、こう世界を自分の足で歩いているっていう感じが、絵から伝わってきます。
2巻はここで終わり。
見どころはやっぱりマルタとの戦闘シーン、そして、徐々に覚悟を決めて立ち向かっていく立香の心理描写でしょうか。
戦闘シーンはいわずもがな。ゲームとはまた違う緊張感、そしてそれぞれの戦い方が描かれていて見ごたえがあります。
立香はまだ戦いには慣れていない。でも目の前では次々と人が殺されていく。最悪の世界(冬木)を一度経験しているからこそ、彼はそこから立ち上がれたのでしょうね。
「後輩も頑張っているなら、先輩も頑張らないと」という言葉がより一層グッときます。
まだ、戦いは始まったばかり。敵のサーヴァントは後6体。
個人的にはコミカライズオリジナルで触手海魔アーマーの洗脳アタランテが出てくると、そっち系の人に一気に人気が出るんじゃないかと期待しています(ごめんなさい)。
Fate/Grand Order-turas realta-(2) (講談社コミックス)
- 作者: カワグチタケシ,TYPE-MOON
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/05/09
- メディア: コミック
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とりあえず買って損はしません。この表紙のカラー太ももだけでも価値はあります(迫真)