スマイルプリキュア!第34話「一致団結!文化祭でミラクルファッションショー!!」
季節はすっかり暑さも落ち付いて秋。
芸術の秋、食欲の秋。運動会に文化祭に、学校行事が盛り上がる季節です。
れいか「それでは多数決の結果、2年2組の文化祭の出し物は、“ファッションショー”に決定しました。」
ぱちぱちぱち。とみゆきのクラスで拍手が起こります。今日は、文化祭に出店するクラスの出し物をみんなで意見を出し合って決める日だったようです。
みゆき「ファッションショーかぁ〜〜なんだか楽しそ〜〜」
あかね「ホンマやな〜〜気分はパリコレや」
クラスの約半数の票で決まったファッションショー。しかし、多数決で決めたと云っても不満な人はいるわけで……。
豊島「つまんね。俺帰るわ」
みゆき「……。」
あかね「え……」
れいか「あ――――」
豊島「ファッションショーが面白いのって女子だけじゃん……。」
突然立ち上がったのは、みゆきの斜め前の席に座っていた豊島くん。不満気にロッカーに置いていたギターケースを背負って教室から出て行ってしまいました。
豊島「俺やらねぇから―――」
バシっと教室の扉を閉めて、豊島くんはそのままいなくなってしまいました。突然帰ったクラスメイトに不穏な空気が漂う教室。シーンと静まり返ってしまいます。
みゆき「 みんなの文化祭…一体どうなっちゃうの〜〜…… 」
みんなで一緒に作り上げるステージ、衣装、音楽。色々な思い出ができる素敵な文化祭が、みゆきの学校にもやってきました。
果たしてみゆき達は豊島くんを説得して、クラスみんなで文化祭を成功させられるのか!?
・・・
マジョリーナ「黒っ鼻?ジョーカーの持ってくるものはいつも胡散臭いだわさ…」
コトリ。と黒く染まった赤っ鼻を机に置くマジョリーナ。
マジョリーナ「だけど。足りないのは作戦だわさ……!そうだわさ!5人同時に動きを止める方法があるだわさ!」
ふとそこにあった本を適当にめくって、マジョリーナはあるページを見て作戦を閃きます。そこには、バイオリンを鳴らして妖精達が耳を塞いでいる絵が描かれていました。
マジョリーナ「ひゃーーーっひゃっひゃ!」
スマイルプリキュア!第34話「一致団結!文化祭でミラクルファッションショー!!」
やよい「豊島くん、文化祭の準備に参加してくれるかな………。」
れいか「多数決で決めたのが、良くなかったのでしょうか……。」
なお「そんなことないと思うけど……」
あかね「何がそんなに気に入らへんのやろ……?」
ん〜……。っと5人は頭をひねります。
みゆき「でも…せっかくの文化祭だもん。みんなで一緒にやりたいな!」
キャンディ「そうクル!みんないっしょだったらたのしいクル!」
あかね「せやな!悩んだって始まらへん!」
れいか「豊島さんに、なぜ参加したくないのか聞いてみましょう」
なお「そうだね、それでみんなで文化祭を成功させる方法を考えよう!」
やよい「私、ママに言ってファッションショーの資料集めておくね!」
あかね「おぉ!それええなー!やよい頼むでー!」
帰り道、そんな感じでみんなで豊島くんを説得する事に。
・・・・・
そうして翌日から、学校の朝の休み時間と放課後に文化祭の準備が始まりました。
2年2組はファッションショーの出し物をするにあたって、やよいはファッション関係の仕事をしているやよいの母・黄瀬春の仕事に使っていた資料をクラスで参考にする事に。
やよい「こんな風に、本物のファッションショーではモデルさんだけじゃなくって色んな人の努力で舞台が完成しているんだって」
そう言ってやよいは、持ってきた本をめくりながらクラスのみんなに説明します。本には、様々な衣装をデザインする人、作る人、着る人を中心に、音楽や照明、それにステージの装飾などやる事がいっぱいです。
やよい「服を作る人やライトを当てる人、舞台を作る人。たくさんの仕事があるらしいよ」
「やよいちゃんのお母さんってファッションの仕事をしているのよね」
「すごいねー」
やよい「えへへ……。あ、後ね、テーマを決めることが大事だって言ってたよ」
「テーマ?」
「どんな服を作るかって事だろ?」
みゆき「っはーい!それなら絵本をテーマにするのはどうかな?」
「絵本?」
待ってましたとばかりにみゆきが手を上げます。
みゆき「うん!みんなが好きな絵本の登場人物になるの〜。絵本なら普段着られない服が着られて楽しいんじゃないかな〜〜」
キラキラと色んな童話を連想するみゆき。いや、鶴の恩返しは無理だと思うけど……。
「なるほど〜、絵本か〜」
「面白そうだね」
「私、お姫様みたいなドレスが着たい!」
「動物とか妖精さんも可愛いね!」
みゆき「じゃあチームにしてもいいかも〜。白雪姫チームとか〜、桃太郎チーム〜それでみんなでステージに上がろうよ!司会する人も服作る人も、みんなで衣装着てやるの!」
「それいいね〜」
「楽しそう〜」
「じゃあ俺、さるカニ合戦チーム!猿やるぜ!」
「おれ栗やる〜〜」
「お前は“うす”だろ?」
「ど〜いう意味だよ!」
みゆきの提案で話も綺麗にまとまり、クラスが賑わう中、ガララっと一人豊島くんが教室に入って来ました。
豊島「あ……。」
みゆき「あ、豊島くんおはよー!」
豊島「………。」
みゆきが元気良く挨拶しますが、豊島くんは黙って荷物を教室に置きます。
みゆき「ねぇねぇ、豊島くんなら何をやってみたい?今ね、みんなでどんな衣装着るのがいいか話してたんだ!」
豊島「――――っ知らねぇよ。………オレはやんねぇよ!」
荷物を置くなり豊島くんはみゆきにそう言って教室から出て行ってしまいました。
みゆき「あ………。」
あかね「―――っていうか、何であんなんなん?」
みゆき「――――。」
あかね「あ!みゆき!」
背を向けて教室を出て行った豊島くんに、何か考えついたような顔でみゆきが後を追いかけました。
みゆき「豊島くん待って!」
豊島「なんだよ……」
みゆき「豊島くんも一緒にファッションショー盛り上げようよ!みんなでやればきっと楽しくなると思うから……」
豊島「………興味ねぇから。」
みゆきのスマイルにも応えずに背を向ける豊島くん。
「豊島」
豊島「――――お前ら」
すると、みゆきの後ろから豊島くんを呼び止める声が。いつも豊島くんと一緒にいる野川くん、木村くん、宗本くんの3人でした。
豊島「なんだよさっきの!!文化祭で一緒にバンドやろうって言ってただろ!!?本気じゃなかったのかよ!!」
「それは……やりたかったけど……」
「おれたちだけの意見でクラスの出し物は決められないよ…」
豊島「勝手だな。オレはバンド以外やらねぇからな!」
そう言って怒鳴りながら豊島くんは行ってしまいました。
みゆき「豊島くん、バンドやってたの?」
「あぁ。あいつ、ギターめちゃくちゃ上手いんだよ」
「文化祭で演奏しようぜ、って気合い入ってたんだよな」
みゆき「そっか……。そうだったんだ……。」
ふと、文化祭の出し物を決める多数決の時、バンド演奏に4票入っていたのを思い出しました。
・・・・・
午前の授業が終わってお昼休み。
みゆきは4人を誘って中庭のテラスで今朝起こったことを話しました。
あかね「けどなーそれって豊島のワガママとちゃう?」
なお「バンドやりたいのはわかるけど、クラスの出し物だしねぇ……」
バンド演奏は多くて5〜6人。クラスでの出し物には向いていません。
れいか「やはり、もっと意見を交換した方が良かったのでしょうか……。」
やよい「でも、クラスみんなでバンドはできないし……。全員一致の出し物にするって難しいと思うけど……。」
集団行動では、全員の目的・意見が一致するのは簡単じゃありません。一人一人の意見があって、時にはそれがぶつかり合います。意見をまとめる時、一致できない時、どちらかが、あるいは両方が納得して妥協・我慢する事もよくあります。
キャンディ「ファッションショーはおもしろくないクル?」
「「「「「え――――……。」」」」」
唐突な質問がキャンディの口から出てきたので、5人は一瞬呆気にとられてしまいました。
あかね「え?いや、オモロいと思うけど……」
みゆき「――――!!そうだよ!!豊島くんにもファッションショー楽しいかも−って思ってもらえばいいんだよ!」
なお「うん、そうだね!」
れいか「準備を進めながら誘ってみましょう。」
やよい「豊島くん、興味持ってくれるといいね!」
あかね「よっしゃ!!いっちょやったろかーーー!!」
「「「「おぉーーーーー!!!!」」」」
・・・・・
虚しくギターを空弾き(アンプに繋がずにエレキギターをそのまま弾く事)する豊島くん。ぽろろん、とこれまた虚しく軽い音がこぼれます。
放課後
みゆき「豊島っくーーーん!!」
豊島「どわぁ!?」
授業も終わって教室を出ようとした豊島くんを5人が引き止めます。
みゆき「見て見て!ファッションショーは絵本を題材にやろうと思うの!豊島くんも似合う服あると思うし、一緒にやろう!!」
豊島「はぁ!?……や、やらねぇよ!!」
豊島くんは、みゆきの勢いに若干圧倒されながらも、くるりと回り込んで逃げるように教室から出ていきました。
みゆき「あ…ちょ……」
あかね「あかんか〜〜……」
・・・
家庭科室
一方、文化祭の準備は順調に進んでいました。まずは、テーマとなる物語を決め、そしてモデルの体型に合わせて採寸する作業です。詳しくはハートキャッチプリキュアを参照。
「へぇ。すっげぇな緑川……。」
家事から何からを一人でこなすなおは、ミシンを実に慣れた手つきで扱っていました。
「やってみる?」
「えぇ?!」
と、そんな感じで順調に衣装作りは進んで行きました。
・・・
屋上で一人弁当を食べる豊島くん。誰も話す相手もいなくて淋しそうに箸をつつきます。
あかね「豊島これ見てみ〜〜〜」
豊島「―――?」
あかね「じゃ〜〜〜ん!三匹の子豚やで〜〜」
衣装で作った豚の鼻を付けて、あかねとみゆきとやよいは豊島くんを笑わそうとしますが……。
豊島「くだらねぇ。てか似合いすぎだろ」
あかね「せやろ?おおきに〜〜〜……って豚鼻が似合う乙女がおるかーーーー!!!!」
沸騰するあかねを抑えるみやきとやよい。ふてくされて豊島くんも喧嘩腰です。
・・・
お次はれいかです。
れいか「ファッションショーにおすすめのBGMはありませんか?」
豊島「別にねぇよ。」
・・・
今度はなお。
なお「このシーンの照明なんだけど…何色がいいかな〜〜」
豊島「知らねぇよ。」
・・・
もういっちょみゆき。
みゆき「決めポーズはこうかな?それともこう?」
豊島「邪魔だよ!」
美術の授業中の作戦。しかし、やっぱり邪見にされてしまいます。
・・・
みゆき「はっぷっぷー。」
あかね「く―――豊島手ごわいな。」
みゆき「なかなかノッてくれないね〜〜。」
れいか「でも準備の方は順調に進んでいますね。」
なお「うん。早くしないとますます入りづらくなっちゃうよね……。」
やよい「………。」
・・・
やよい「豊島くん!これ見て!」
そう言ってやよいは、帽子に羽を付けたピーターパンの帽子を豊島くんに見せます。
豊島「なんだよそれ。」
やよい「昨日衣装で作ったんだけど、豊島くん、この羽付き帽子が絶対似合うと思うの!」
豊島「…・・・。俺はやんねぇって言ってんじゃん。」
ですが、やよいの誘いも断る豊島。それを見ていたなおは、ついにぶっちん怒りました。
なお「豊島!!いい加減にしな。これはみんなで決めた事なんだから――――。あんたの言い分は筋が通ってないよ!」
豊島「だから何だよ?お前には関係ないだろ?」
なお「関係―――――大アリでしょーーーーー!!!!!」
みゆき「うわーちょっとなおちゃん!!」
あかね「タンマーー!!!」
なおが暴走する前に、みゆきとあかねでなんとかなおをなだめますが、その間に豊島くんは教室を出て行ってしまいます。
なお「だってぇ……。」
・・・・・
約束していたバンド演奏。4人で一緒にやるハズだった。
だけど、多数決じゃ絶対に負けるのはわかってた。
でも、ファッションショーなんて……。
しかも、他の3人は負けたのに悔しくないのか。
本当にバンドがやりたかったのは、結局自分だけじゃないのか―――。
豊島「………。」
・・・・・・
豊島くんの様子とは逆に、ファッションショーの準備は問題なく進んで行きました。
今日は、完成した衣装の衣装合わせです。
みゆき「できた!」
やよい「可愛い〜〜」
れいか「みなさん、とても素敵です」
「なんか照れるよなー」
「私もモデルできるなんて思わなかった!」
やよい「全員がモデルやろうって云うみゆきちゃんのアイデア、すっごく良いよね!」
みゆき「えへへ。みんなが主役になれたらなーーって。みんな最高に似合ってるね」
ガララ。っとそこに豊島くんが入ってきました。見慣れたクラスのメンバーは見慣れない格好をしていて、まるで自分だけが取り残されたような劣等感をどこかで感じてしまいます。
みゆき「豊島くん!!見て見て、みんな素敵でしょ!豊島くんも一緒にやろうよ!後もうちょっとで完成だけど、豊島くんm」
豊島「俺には関係ねえし!!!」
みゆきの言葉を遮るように怒鳴る豊島くん。その声で静まったクラス全員がさらに静かに沈みます。
あかね「あんな……。意地張らんと、あんたも参加したらええやん!!」
豊島「―――――。」
あかねの言葉が聞こえているのか、いないのか。そのまま口を真一文字に結んで、自分の机から荷物だけ取り出して、豊島はそのまま帰ってしまいました。
あかね「ちょ――――豊島!!!」
「豊島、本当にやらないのかな……。」
「私も最初はダンスやりたかったけど、ファッションショーもやってみたら凄く楽しいのにね〜」
「うん。もったいないよね〜」
「でもさー。本人がやりたくないって言ってんだから、星空ももう誘わなくっていいんんじゃね?」
みゆき「え……?……」
ここに来てまだ反発する豊島の態度には、さすがにクラスのみんなも呆れている様子。みんな豊島のことはほっといて、自分達だけで文化祭を成功させようと言い出しました。
みゆき「わたし……わたしはこのままじゃ……なんかやだな……。」
あかね「――――。せやな。ウチも豊島だけノけ者になるのは好かんわ。」
やよい「うんうん。」
なお「なんとかして、みんなでやりたいね」
れいか「誰一人欠けることなく、クラス全員が参加できる文化祭にできないでしょうか…。」
みゆき「―――うん。やっぱり私、もう一度豊島くんと話してみる!!」
・・・・・
みゆき「豊島くん、どこに行ったのかな……」
みゆきが豊島くんを追って校舎を出ると、中庭の外れで一人ギターを淋しく弾く音が聴こえてきました。
みゆき「―――――。」
一人座り込んでギターを弾くその姿に一瞬みゆきは言葉を失いながらも、そっと豊島くんに歩み寄ります。
豊島「はぁ――――。なんでこんな感じになったんだろ……。俺だって、みんなと楽しくやりたいよ……。」
後ろにみゆきがいるのに気づかないのか、豊島くんは誰に言うでもなく、一人ぼそっとそう呟いていました。
みゆき「あ―――――。」
マジョリーナ「ひぇっひぇっひぇっ!見つけただわさ!!」
その時――――。とある作戦を思いついて楽器を探していたマジョリーナが、豊島くんとみゆきを見つけます。
「世界よ、最悪の結末バッドエンドに染まるだわさ!白紙の未来を黒く塗りつぶすだわさ!」
みゆき「豊島くん!!」
みんなで頑張るなんてかったるい。自分のやりたいことだけやりたい。文化祭なんてくだらない。どうせ……うまくいかない。
マジョリーナ「ひぇっひぇっひぇっ!人間共の発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくだわさ!!」
あかね「みゆき!!」
バッドエンド空間の気配を感じ、急いでみゆきの所へ駆けつける4人。
マジョリーナ「ひぇっひぇっひぇっ!今日のアカンベェはこいつだわさ!!」
「出てよ!!ハイパーアカンベェ!!」
狙われたのは豊島くんのギター。ギターアンプもどこからかやってきて、ハイパーギターアカンベェに。
『ハイパ〜〜〜〜アカンベェ〜〜〜!!!』
みゆき「豊島くんのギターが!!」
キャンディ「いそいでへんしんクル!!」
「「「「うん!!!」」」」
「“プリキュア・スマイルチャージ”!!!!!」
「Go!!Go!!Let’s go!!」
「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」
「太陽サンサン熱血パワー、キュアサニー!」
「ピカピカぴかリンじゃんけんぽん、キュアピース!」
「勇気リンリン直球勝負、キュアマーチ!」
「シンシンと降り積もる清き心、キュアビューティ!」
「「「「「5つの光が導く未来、輝け!スマイルプリキュア!!!!!」」」」」
『プリキュア!今日こそコテンパンにしてやるだわさ!!』
『アカンベェ〜〜!!!』
そう言ってアカンベェはギターになった自分自身を弾いて、不協和音を鳴らします。
「きゃああ!!」
余りの爆音に耳を塞ぐ5人。これでは攻撃ができません。
サニー「なんやこの音―――!?」
ピース「耳がおかしくなっちゃう―――!」
『ひゃーっはっはっは!音の攻撃はよけられないだわさ!』
ビューティ「凄い不協和音です!」
マーチ「頭割れそう!!」
キャンディ「うるさいクル〜〜〜!!!」
くるくるっとターバンのように自分の耳を頭に巻きつけるキャンディ。
キャンディ「あ。これならすこしへいきクル…」
『今日こそ勝つだわさ!!』
「「「「「きゃあああ!!!」」」」」
キャンディ「みんな!!」
耳を塞ぐのに精一杯で、5人共反撃どころか、攻撃を避ける暇もありません。
『そぉれ!!』
『アッカ〜〜ンベェ!!』
「「「「「うわ〜〜〜!!!」」」」」
キャンディ「たいへんクル!!プリキュアがピンチクル!!」
『アカ!アカ!アッカ〜〜ンベェ!!』
キャンディ「どうするクル………」
耳を巻いたキャンディは、咄嗟にギターとアンプがコードで繋がっているのに気づきます。
キャンディ「そうクル!!」
『Let’s Go!! BA・NA・NA!!!』
キャンディ「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ―――――!!」
キャンディがバナナデコルで出したのは巨大なバナナ。それを急いで食べるキャンディ。
『プリキュア!覚悟するだわさ!』
キャンディ「えーい!!クルーー!!」
『ハ〜〜〜イパ〜〜〜〜!!?』
『なんだわさ!?』
キャンディが食べ終わって残ったバナナを皮をアカンベェ目掛けて投げました。
それを踏んづけたアカンベェは、バナナの皮で足を滑らせ、その場で一回転、そのままアンプの上に倒れてアンプを壊してしまいます。
『そんなバナナーーーー!!??』
『アッカ〜〜〜〜〜!?』
ビューティ「音が消えました!」
マーチ「やった!」
サニー「でかしたで!キャンディ!」
キャンディ「みんな!いまクル!!」
「「「「「ペガサスよ!!私達に力を!!!!!」」」」」
天まで羽ばたく天馬の翼。白きペガサスは純情の印。その輝きを受けて、5人は純白の衣を纏う。
「“プリキュア・プリンセス・フォーム”!!!!!」
「開け!ロイヤルクロック!!」
奏でるリズムと共にキャンディのひと押しで、時計の針がひとつ、進みます。
「みんなの力を一つにするクル!!」
「届け!!希望の光。」
「はばたけ!!光輝く未来へ!!」
描く星の繋がりは鳳凰の星座に。その聖なる力を宿して。
新たな力、何度でも諦めずに、立ち向かう、不死鳥の燃え上がる力をその翼に。
「“プリキュア・ロイヤル・レインボー・バースト”!!!!!」
『アカンベェ〜〜〜……!?』
「輝け!」
『アッカ〜〜〜〜〜〜〜ンベェ〜〜〜〜〜…………』
謎のデコル(天使デコル?)を手に入れて残りのデコルは12個に。
マジョリーナ「はぁ―――はぁ――――。なんか疲れただわさ……。覚えてるだわさ!!」
・・・・・
ハッピー「キャンディ!お手柄だったね!」
キャンディ「キャンディもみんなのなかまクル!キャンディにできるコトをやるクル!」
ハッピー「そうだね!自分にできることをやって、みんなで頑張ろう!――――あ!そうだ!!」
ピース「?」
・・・・・
豊島「ん――――あれ?」
目を覚ました時、さっきまで弾いていたギターがなぜか後ろに置かれていた事に豊島くんは気づきました。
豊島「俺のギター!」
慌ててギターを拾い上げ、それを大事そうに抱える豊島くん。
みゆき「豊島くん、ギター大切にしているんだね。」
豊島「星空……。」
みゆき「――――。」
豊島「うん―――。そうなんだよ、俺、ギターくらいしか取り柄がなくってさ――。ごめんな、本当はクラスでバンドするの無理ってわかってたんだけど……。」
みゆき「ねぇ豊島くん……。っどぉーしても豊島くんにしかできないことがあるの!!!」
両手を合わせてぐっと豊島くんに歩み寄るみゆき。
みゆき「協力してもらえないっかな!?――――みんなで最高の文化祭にしようよ!!」
自分にしかできないコトをする。みゆきの考えたアイデアとは……。
・・・・・
文化祭、当日
れいか「お待たせしました。2年2組の“絵本の国のファッションショー”です。」
照明を落としたステージが一気に照らし出されます。豊島くんの合図で野川くん、木村くん、宗本くんの3人は、それぞれの楽器を演奏します。
テーマはピーターパン。やよいが豊島くんに見せたピーターパンの羽付き帽子はぴったり豊島くんに似合っていました。
『笑う笑えば笑おう ハッピーの魔法(はい!はい!)』
『光より早く届け 笑顔たち(スマイルクル!)』
お姫様のドレス、妖精の服、ミツバチに3匹の子豚、桃太郎、鬼、浦島太郎、乙姫様。
白雪姫に七人の小人と王子様。木こりに魔女と、続々ステージをくるりと回りながら歩いていきます。
『あのね背中を見れば 今日のテンションがわかる』
やよいは“赤ずきん”の赤ずきん。狼と一緒にステージを歩きます。
『部屋で隠したってな お見通しや』
あかねは“アラビアンナイト”の踊り子の衣装。アラジンと一緒に登場です。
『涙のあとを拭っても(だいじょうぶクル!)』
れいかは“かぐや姫”のかぐや姫です。月を背にこれまたキレイに着こなしています。
『心配かけたくなくっても(どっかでくるりん)』
なおは“不思議の国のアリス”のアリスと。忙しいウサギと一緒に走ります。
『目と目で通じる 言葉があります』
『それがみんなの才能!(さいのう!)』
『花も嵐も乗り越え ここにいるよ(はい!はい!)』
最後はお姫様になったみゆきがピーターパンと一緒に踊ります。
『もしも力になれたら 嬉しいな』
『歌う歌えば歌おう 涙拭いて(いぃ!いぃ!)』
『辛い時こそ笑顔は 贈り物!』
一度はすれ違ってたけれど、ちゃんとお互いを分かり合って協力して。そして、最後にはたくさんの笑顔がそこにありました。
みゆき「みんなで輝ける、最高の文化祭になりました。みんな笑顔でウルトラハッピー!!」
20××年。地球は未曾有の危機に瀕していた。バッドエンド王国からの侵略者が地球を終焉へと導こうと企んでいたのだ。
街の人々をバッドエンドに変えようとする侵略者たちに対抗すべく、選ばれし5人の戦士の前に巨大なロボット“鉄人戦士ロボッター”が現れた。
れいか「なんですか?それ?」
空を飛ぶジョット!ビームも発射!極めつけはロケットパンチ!
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あかね・なお「しーん……。」
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