スマイルプリキュア!第39話「どうなっちゃうの!?みゆきのはちゃめちゃシンデレラ!!」
図書室。それは色んな知識、言葉、物語が詰まった本がたくさんある場所。
絵本に出会って色んな友達ができたみゆきは、今日も素敵な物語を探して学校の図書室へ。
みゆき「今日は何を借りようっかな〜……」
放課後、人気もなくなった図書室を一人歩くみゆき。
たくさんある本の棚の間をくぐり、みゆきは絵本が置かれている本棚に向かいました。
みゆき「ん?」
ふとみゆきが気づいたのは、本棚にしまわれずに床に落ちていた一冊の絵本でした。白くきちんとした装丁に、ハートとスペードをモチーフにした紋章が真ん中に描かれています。
みゆき「変わった本……。こんな本図書室にあったっけ?」
みゆきは、絵本を拾い上げます。見たところタイトルも表紙もありません。
キャンディ「なんのほんクル?」
みゆき「えっと……」
カバンの中から顔だけ覗かせて、キャンディがみゆきに訪ねます。みゆきは深く考えずに、とりあえず読んでみようと1ページ目をぺらりとめくりました。
みゆき「ガラスの靴?」
めくったページには、何もない背景の真ん中で赤い台座に乗ったガラスの靴が描いてありました。
みゆき「ってことは……シンデレラの本かな?なんだかすごくリアルな絵だね」
描かれていたガラスの靴は描かれているというよりは写真に近い妙な現実感がありました。まるですぐそこに、本当に靴があるかのような不思議な錯覚。無意識のうちに、みゆきはその指でガラスを靴をなぞろうとすると……。
みゆき「ふぇ!?」
ずぶり。指が紙のページを抜けて本の中に沈んでしまいます。まるで水面に指を入れたように、波紋がページを波打ちます。
中に沈んだ指が、そのままそこにあるガラスの靴に触れると、突然靴が光りだしました。
みゆき「きゃ!?」
キャンディ「クル!!」
驚いて思わず絵本から手を放すみゆき。しかし、絵本は他に落ちることもなく、パラパラとページを勝手にめくりながらみゆきの前でふわふわ浮いていました。ページの間から溢れる光は徐々に大きくなり、ついにはみゆき自身を包んでしまいます。
みゆき「う、うわああああああああああ―――――」
虹色の光がどこまでも続く空。本の中に吸い込まれたみゆきは、地面の見えない空を通ってどこか遠くの場所へ……。
みゆき「ぶは!なにこれ……なんでわたし灰だらけなんだろ……?」
気がつくとみゆきは時代を感じるどこかの家のリビングにいました。着ていた服はいつの間にかボロボロの侍女の服になり、自分が飛び出してきた暖炉の灰で灰だらけです。
みゆき「―――――そういえばシンデレラって“灰かぶり”って云うんだっけ?」
以前誰かから聞いた気がする灰かぶりという言葉をみゆきは思い出します。ガラスの靴が描かれた絵本。そこを通ってやってきた別の世界。
みゆき「お、お城だーーー!!!!」
窓の外から見える景色は、みゆきの知っている日本の風景ではありません。それこそ、絵本の中でしか見ないような、レンガでできた家並みとどこまでも続く山と森、そして丘の上にそびえる青と白の城。
みゆき「それに……この格好……もしかして……。」
自分の身なりを改めて見直して、良く知っている状況に自分を照らし合わせます。
みゆき「シンデレラになっちゃった!!」
・・・・・・
マジョリーナ「こ、これは!?」
ウルフルン&アカオーニ「「ん?」」
新作の発明品に没頭していたマジョリーナは、自分の水晶玉が光りだしたのに気づき、思わず覗き込みます。
マジョリーナ「“あの本”が、メルヘンランドから出てきただわさ!」
何か待ちわびたように、マジョリーナの顔から怪しげな笑みが溢れます。
・・・・・・
一方変わってみゆきの七色ヶ丘中学校。みゆきが図書室へ本を探しに行くというのであかね、やよい、なお、れいかはみゆきが戻ってくるを待っていました。
あかね「みゆき遅いな〜……。」
れいか「どの本を借りるのか迷っているのではないでしょうか?」
あかね「はは、せやな」
頭を捻りながら目を輝かせて本棚の前でワクワクしているみゆきの姿をあかねが想像していると……。
『ない!ないない!ない!』
窓の外から聞きなれた声が聞こえてきました。
べた。それは、窓を通ってみゆきの机の上に着地しました。鳥のように羽ばたいて飛ぶその本は、みゆきの机に下りるや否や、物理法則を無視してページの中からにゅるっとポップが姿を現しました。
ポップ「ないでござんぐ――――――!!!!」
「「「ござ…?」」」
事態を察知するよりも、散々キャンディが人前でしゃべるのに慣れてしまった4人は、ほぼ情景反射で侵入者を同級生の集まった視線から隠します。
あかね「あ、あは……」
れいか「ナ、ナンデモナイデゴザルー……」
やよい「フフフフフフ」
なお「あっははははは」
明らかに挙動がおかしい4人ですが、こういった事も今に始まった事でもないため、クラスのみんなも敢えて深く考えません。
キャンディ「クルー!!!たいへんクルー!!!!」
「「「くる??」」」
と、今度は図書室の方から、絵本を頭に乗せてキャンディが教室のドアを勢い良く開けました。
あかね「あは……は……」
なお「たいへんくるーーーー!!!」
再び抜けられる疑惑の目。場が持たないので4人はポップを机から回収し、キャンディを抱えて急いで教室を出ます。
・・・・・・
ポップ「おぉ!この本、この本でござる!キャンディ良く見つけてくれたでござる!」
ポップはキャンディが持ってきた本を大事そうに受け取りました。
れいか「ポップさん、さっきから何の話をしているのですか?」
ポップ「うむ。実はこの絵本、メルヘンランドに伝わる“はじまりのシンデレラ”なのでござる。」
「「「「はじまりのシンデレラ?」」」」
迷い込んだ世界はみゆきの憧れのシンデレラ!魔法にロマン、王子様との舞踏会とガラスの靴!しかし、それを邪魔する悪い継母と義姉は、実は魔女と狼と赤鬼!?無事にハッピーエンド目指して、星空・シンデレラ・みゆきは物語を駆け回る!!
スマイルプリキュア!第39話「どうなっちゃうの!?みゆきのはちゃめちゃシンデレラ!!」
むかしむかし、あるところに、シンデレラというおんなのこがいました。
シンデレラはいつもいえじゅうのおそうじやせんたく、りょうりやくつみがきでおおいそがしのふびんなおんなのこでした。
みゆき「ラララララ〜〜〜〜Fu〜〜〜!」
……あれ?
みゆき「わたしは〜〜〜〜、シンデレラ〜〜〜〜〜!」
さっそく誰に言われるでもなく赤い絨毯の箒掃きを始めたみゆき。どこもかしこも見慣れた世界は、みゆきがいつか行ってみたかった豪華な洋館そのものです。自分の憧れだった世界の主人公になれて、すっかりみゆきは上機嫌。
・・・・・・
ポップ「みゆき殿は、シンデレラの世界に入ってしまったのでござる」
キャンディが持ってきた“はじまりのシンデレラ”のページをめくると、そこには楽しそうに掃除をするみゆきが描かれていました。
あかね「みゆき……めっちゃ楽しそうに掃除してる……」
やよい「話ではここは辛そうにやるんじゃなかったっけ?」
れいか「ポップさん、この“はじまりのシンデレラ”というのは、どういうものなんですか?」
れいかはポップの言っていた事が気になって訪ねてみます。それを聞いてポップもようやく落ち付いた様子で話してくれました。
ポップ「この本は、世界中のシンデレラの本とつながっていて、全てのシンデレラの幸せの源なのでござる。」
シンデレラは最後、王子様と結婚していつまでも幸せに暮らしました、という
ハッピーエンドです。そのハッピーが、“はじまりのシンデレラ”を元に作られたハッピーのようで、この物語でシンデレラがハッピーになるからこそ、世界中のシンデレラの物語もみんなハッピーでいられるのだとか。
ポップ「もしこの本が悪ものの手にわたってしまったら……」
マジョリーナ「その本を寄越すだわさ!!」
気がつくと、屋上にいる5人のさらに上にウルフルン、アカオーニ、マジョリーナの3人が絵本をしげしげと見下ろしていました。
あかね「あんたら!なんでここに!?」
マジョリーナ「その“はじまりのシンデレラ”を戴きにきたんだわさ!」
ウルフルン「その本の世界をバッドエンドに染めるためにな!!」
メルヘンランドから飛び出した“はじまりのシンデレラ”。それをマジョリーナは探知してここまでやってきたようです。
ポップ「もしこのシンデレラがバッドエンドになってしまったら、世界中のシンデレラがバッドエンドになってしまうでござる!」
ウルフルン「“はじまりのシンデレラ”、オレがいただくぜ!!」
アカオーニ「オレ様オニ!!」
マジョリーナ「あたしだわさ!!」
絵本を目の前にしていきなり襲いかかってくる3人。あかね達は変身する暇もありませんが、3人は我こそはと他の2人を押しのけるのに必死で、本を前にして小競り合いを始めます。
キャンディ「クル!」
キャンディが絵本を守ろうと、そのページの上に被さって身を呈しますが、その拍子で絵本から再び光が――――。
「「「「「「「!!!!!?」」」」」」」
ポップ「あ!!」
ウルフルン&アカオーニ&マジョリーナ「「「どぉわあああああああ!!!?」」」
あかね&やよい&なお&れいか「きゃーーーーーーーーーー!!!!」
キャンディ「クルー!!!」
7人(と一匹)は絵本の光で吸い込まれ、みゆきと同じように虹色の空をどこかへ向かって飛んでいました。
ポップ『キャンディ!皆の衆!』
キャンディ「クル?」
ポップ「かくなる上は、キャンディ達も本の登場人物となって、シンデレラをバッドエンドから守るのでござる!!」
ポップは絵本の外から吸い込まれたみんなに呼びかけます。
ポップ「頼んだでござるーー!!」
・・・・・・
みゆき「ふんふんふふ〜〜〜ん」
みゆき「なんでシンデレラになっちゃたかわかんないけど、最後は王子様と結ばれて――――ハッピーエンドになるんだもんねー!!!」
ポップ達の事情に気づかずに、一人エンディングの妄想を膨らませるみゆき。物語の終わりを考えているけど、元の世界に戻る気は今のところないみたいです。
みゆき「よーし!頑張るぞー!」
そんな中、どこかで見覚えのあるシンデレラの1シーンをみゆきが思い浮かべていると……。
「ヒーッヒッヒッヒ!そうはさせないだわさ!」
みゆき「え!?」
どこからともなく聞こえた声に反応して、みゆきは階段の上にいつまにか立っていた3つの影に気がつきました。
姉いち「あたいは意地悪な姉そのいち!!!」(裏声)
姉に「あだくしはいぢわるなあ゛ねそのに゛おに!!!(あたくしは意地悪な姉その2オニ)」(かすれ声)
継おばあちゃん「そしてあたしは意地悪な継おばあちゃんだわさ!!!」(素)
「「「おーっほっほっほっほっほっほ!!!」」」
見るに耐えない光景が展開される中、みゆきは一人圧倒されてしまいます。これは色々と酷い話です。
みゆき「どうしてあなた達が!?」
今まで散々色んな変装に騙されてきたみゆきですが、今回はあまりの気色の悪さにさすがに誤魔化されなかったみたいです。
マジョリーナ「この世界をバッドエンドにすれば、世界中のシンデレラがバッドエンドになるだわさ!」
みゆき「そうなの!?」
なぜか事情を全部話しちゃう継おばあちゃん。
姉いち「オレ達が猛烈なバッドエンドにしてやるぜ!」
みゆき「そうはさせないもん!わたしはぜ〜〜〜ったい、幸せなシンデレラになるんだから!」
びしっと姉いちに宣言するみゆき。こうして脚本と何ら差支えの無いシンデレラストーリーが繰り広げられるのでした(一部人外)。
・・・・・・
まずは洗濯。とても3人分とは思えない量の洗濯物を一枚一枚きれいに井戸水で洗って干す作業です。
みゆき「せんたく、せんたく、ランララ〜〜〜ン!」
くるくるとミュージカルでもやっているかのように回りながら、みゆきはシーツを洗って物干しにかけていました。
姉いち「ぷるぷるぷるぷるぷる!!!!」
みゆき「あぁ!?」
しかし、みゆきが洗濯に夢中になっていると、姉いちが自分の犬特性を利用して、泥のついた体でシーツの前でぶるぶるっと体を震わせて泥を飛ばします(この名前わかんね)。おかげで姉いちの体(というか服)についていた泥は、ほとんどシーツについて汚れてしまいました。
みゆき「洗濯物が〜〜〜〜!!」
姉いち「うるっふー!」
・・・・・
なんとかシーツを洗い直して、今度は屋敷中の床のモップ掛けです。
みゆき「お掃除お掃除らんらら〜〜〜ん」
気を取り直して、床の端から端までモップを丁寧にかけていくみゆき。おかげで、みゆきが磨いたところはピカピカにきれいになっていました。
姉に「ごめんあ゛っさーせええええええ(ごめんあそばせ)」
ドスンドスンと汚れた足で靴も履かずに裸足のまま廊下を突っ走る姉そのに。おかげでみゆきの磨いた部分もすっかり汚れて台無しです。
みゆき「あ〜〜〜、ピカピカにした廊下が〜〜〜。うぅぅ……。」
・・・・・・
なんとかモップ掛けもきれいに終わらせ、一息尽く暇もなく今度は夕食の用意です。
みゆき「ふんふんふんふ〜〜〜〜ん。お料理お料理らんらら〜〜〜ん。」
慣れない釜戸で火を熾して、鍋に自分の好きな食材を入れて煮込むみゆき。良くお母さんと料理しているので、簡単な料理ならみゆきも得意なのです。
継おばあちゃん「ヒーッヒッヒッヒ!……う?」
すると今度はせっかく作った料理からモクモクと怪しげな煙が。慌ててみゆきはなんとかしようとしますが、思わず足元を滑らせて……。
みゆき「え、あ、え?あーーーーーー!!!」
がっしゃーん。床には割れた皿、じゃがいもやたまねぎの入った箱も倒して中身が床に散らばってしまいました。
みゆき「うぅ……とっても美味しいお料理が……」
継おばあちゃん「勝手に失敗しているだわさ……。」
・・・・・・
『こうしてふたりのあね(?)とままはは(?)にじゃま(?)されながらも、シンデレラはつらいひびにたえて、すごしていました』
ポップ「むむ〜〜〜。なんと卑劣な!ええい!キャンディ達の出番はまだでござるか!」
ぺらぺらと絵本をめくって、新たに追加されるページをひたすら読み進めるポップ。
・・・・・・
姉に「な゛んかぎたオ゛ニ(なんか来たオニ)」
姉いち「ん〜〜〜?こりゃ城からの招待状だな?」
ふと意地悪な姉達の会話を箒を掃きながら聞き耳を立てて盗み聞くみゆき。
姉いち「王子がお嫁探しの舞踏会を開くんだとさ」
みゆき「キターーーーーーーーーーーーーーーーーー(゚∀゚)!!!!!」
待ちに待っていたイベントフラグみゆきのテンションは一気に最高潮に。
みゆき「いよいよだーーー!」
マジョリーナ「シンデレラ!」
みゆき「え?」
マジョリーナ「お前を舞踏会には行かせないだわさ!」
みゆき「うわあ!?」
がっしゃーん。と継おばあちゃんが天井から下がったロープを引くと、みゆきの真上から小さな檻が落っこちてきて、みゆきを閉じ込めてしまいました。
みゆき「そんな……これじゃあ舞踏会には行けないわ……」
ほろり。と演技臭い口調でみゆきは言いました。というのも、舞踏会に行く機会を潰されて、魔法使いに助けて貰うのはシナリオ通りですから、みゆきもここまでは想定内です。
みゆき「な〜〜んてね、大丈夫。お話だと魔法使いさんがシンデレラを助けにきてくれるも〜〜〜…………」
みゆき「……。」
やよい「……。」
閉じ込められても余裕のみゆきでしたが、ふと目線の先にミノムシ状態で縛られていた魔法使い風の帽子を被ったやよいを見つけて言葉が止まってしまいます。
やよい(魔法使い)「魔法使い役のやよいでーす……。ごめんなさいシンデレラ、捕まっちゃいましたー。」
出会って速攻うるうると涙を零す魔法使い。
継おばあちゃん「ヒッヒッヒ!お話ンお通りにはさせないだわさ!」
みゆき「そんな〜〜〜……。」
『こうしてシンデレラは、いじわるなままははとあねのせいで、ぶとうかいにいけなくなってしまいました。』
・・・・・・
『そうしてよるになり、シンデレラのおりのなかにいれたまま、ままははとあねふたりは、おうじさまのぶとうかいへ、いってしまいました』
継おばあちゃん「さぁ!夜になっただわさ!舞踏会に行くだわさ!」
姉二人「いやっふーーーーーーー!!!!」
みゆき「うぅ……」
あかね「みゆき!」
なお「やよいちゃん!」
暗くなったお屋敷の中で、みゆきがしょんぼりとしていると、どこからともなく二人の声が聞こえてきました。
みゆき「え…?その声はあかねちゃん?なおちゃん?」
あかね「こっちやこっち!」
みゆき「あー!」
するり、とやよいミノムシのロープを伝って、2匹のオレンジと緑のネズミがやってきました。
みゆき「もしかして、シンデレラの友達のネズミさん役?」
あかね(ネズミ)「なんでウチらがネズミやねん……」
なお(ネズミ)「まぁまぁ…。―――――今助けるからね!」
そうして二人、もとい二匹はガジガジガジとミノムシになったやよいの葉っぱとロープを歯でかじって解いてあげました。
キャンディ(トカゲ)「ぎゅっところんで」(?)
気がつけば、ピンクの怪獣の着ぐるみを被ったキャンディが、カボチャを持ってそこにいました。
みゆき「あ!キャンディはなんの役なの?」
キャンディ「トカゲさんクル〜〜〜!」
やよい「ありがと〜〜〜。」
二匹のおかげでやっと魔法使いとしてやよいが登場。
あかね「やよい!ど〜んと魔法をかましたれー!」
やよい「任せて!」
ぽん。と何もないところからやよいが出したのは、チョキの形をしたステッキでした。
やよいが掲げると、魔法の杖(?)に雷が落ちてきて一気に杖が帯電。
やよい「“ちちんぷいぷいのぷ〜〜〜〜い”!!!」
新技か何かかと思う攻撃力を連想させつつも、雷の杖から飛び出した魔法(雷撃)はネズミ2匹とトカゲ一匹、そして、カボチャに当たって大変身。
「“ぷ〜〜〜い”!!!」
もうひとつ、今度はみゆきに魔法(雷撃)を当てるとこちらも大変身。ネズミは馬に、カボチャは馬車に、トカゲは運転手になりました。
そしてみゆきも雷魔法で一転、シンデレラに大変身。シルクのふりふりな服は、プリキュアの服装と違っておしとやかで、おてんばなみゆきには妙に新鮮な姿です。
みゆき「これこれ!これだよーーー!」
やよい「はい、ガラスの靴どうぞ」
みゆき「おぉ!?ありがと〜」
最後にやよいが出したガラスの靴を履き終えて、シンデレラの完成です。
やよい「魔法は12時で解けちゃうから、それまでにお城を出てね」
みゆき「ガッテン承知!」(死語)
みゆき「――――おほん、判りましたわ。」
『こうして、2ひきのネズミさんのちからをかりて、シンデレラはまほうでドレスとばしゃをもらい、おうじさまのいるおしろへむかいました』
・・・・・・
キャンディ(運転手)「はいよー!クル!」
手綱を握るキャンディは、妙に勇ましいです。
あかね(馬)「な〜〜〜んで、ウチらが馬やねん」
なお(馬)「まぁまぁ……。」
みゆき「わぁ〜〜〜……。きれいな満月」
空にはまん丸お月様。
「そう!満月と云えば……狼男!!」
みゆき「え?シンデレラに狼男なんて出てこないよ!」
姉いち「ウルッフフフフフ(麗)シンデレラの意地悪な姉そのいち。その正体実は……」
物理法則を無視して、意地悪な姉そのいちは、空に浮かび上がってカボチャの馬車を見下ろしていました。
ウルフルン「狼男だったのです!すぅ―――――――、ぶわーーーーーーーーーーーー!!!!!!!1」
狼男は息を大きく吸い込むと、そのまま一気にカボチャの馬車に吐いた息を吹き付けます。
狼男の口から吹き出す息は暴風となり、激しく馬車を揺らしてそのまま来た道へと追いやっていきます。
なお「ひぃーー!」
あかね「そんなんありかーーー!?」
ぼふん。狼男の余りの息に、ついに馬車にかけた魔法が解けて、シンデレラのドレス以外元のネズミとカボチャとトカゲ(?)に戻ってしまいました。
キャンディ(トカゲ)「うぅ……」
ウルフルン「いやっはーーー!!」
みゆき「だ、だいじょうぶ……?」
あかね(ネズミ)「でもあかん、カボチャの馬車が壊れてしもた!」
みゆき「えぇ!?」
シンデレラの横には、先程まで立派に出来た馬車が、今ではぱっくり半分に割れたただのカボチャに戻っていました。
※(残ったカボチャは後でスタッフが美味しくいただきました)
ウルフルン「ウルッフッフフフフフフ!これじゃあもう舞踏会には絶対間に合わねぇよな!あーばよーーーーーー!!」
スタスタスタとコミカルに空中を走りながらお城へ戻っていくウルフルン。
『こうしてわるいオオカミオトコのしわざで、シンデレラのカボチャのばしゃは、こわれてしまいました。』
キャンディ「だいピンチクル……。」
ポップ「シンデレラのお話、この先どうなっちゃうでござるか!?」
『こうはんにつづく』
・・・・・・
そこは色とりどりの輝く装飾が施された華やかな舞台。
天井から下がるシャンデリアは、豪華にデコレーションされた雲が浮いているよう。
床は一面磨き上げられたタイルで、自分自身を鏡のように写します。
そんな舞踏会場の真ん中には、なぜか世界観に似通わない「道」という掛け軸。
れいか(王子)「お待たせしました。私は麗華王子。みなさん、今夜は私の花嫁を決める舞踏会にようこそ!」
西洋の儀礼服にその細い腕を通して、きちんと束ねた髪から漂う清潔感、そして美麗に整ったノリノリの演技で、麗華王子はシンデレラを待っていました。
れいか「誰も―――――来ません。」
しかし、舞踏会場は麗華王子を除いて人っ子一人いません(人外除く)。
「「「ここにいるわよ!!!」」」
姉いち「他の招待客はアタシが全部追い払ってやったわよ!」
そこに再びドレスを着込んだ狼っぽい意地悪な姉そのいち、オニっぽいあねそのに、魔女っぽい継おばあちゃんが現れました。
姉いち「踊っていただけますか王子様?」
姉に「あっしとおどーオニ(私と踊るオニ)」
継おばあちゃん「あたしとだわさ」
あまりの珍妙な来客にたじろく王子。無理もありません。
姉いち「ここはお前の出番とは違うだろ」
継おばあちゃん「うるさいだわさ!あたしだって結婚したいだわさ!」
れいか「お……お断りします」
姉に「だれがとおどらないとだめおに(誰かと踊らないとだめオニ)」
継おばあちゃん「あたしたち3人の中から選ぶだわさ」
姉いち「シンデレラなら来ないぜ!カボチャの馬車はオレが壊してやったからな!」
れいか「―――――みゆきさん!」
『せまるちんみょうなおやこに、おうじさまはだいピンチです。』
・・・・・・
『それでも、シンデレラはあきらめませんでした』
みゆき「まだ!まだ終わりじゃないよ!」
走りにくいガラスの靴を脱いで、みゆきは裸足のままお城へと走ります。
みゆき「馬車が無くったって、舞踏会にたどり着いてみせる!」
あかねとなおもみゆきに捕まって、一緒に城を目指します。
みゆき「シンデレラを……バッドエンドになんか……絶対させないんだからーーーー!!」
あかね「みゆき――――その意気や!頑張れみゆきー!」
キャンディ「ファイトクル!」
みゆき「あ!」
しかし、裸足で森の中を走るのは一苦労。木の根に足を取られ、ドレスのまま転んでしまいます。
やよい「おーい!先にお城で待ってたけど、全然来ないから心配したよ。」
と、その時。空から箒に乗って魔法使いやよいが降りてきました。
やよい「急がないと舞踏会に間に合わないよ」
あかね「これや!!」
やよい「……え?」
あかねはやよいの乗ってきた空飛ぶ箒を見て閃きました。お城へ一気に行くにはもうこれしかありません。
『シンデレラは、まほうつかいののってきたほうきにのって、おしろへむかいました』
れいか「あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜!誰か〜〜〜〜!」
「結婚結婚」と連呼してくる謎のサーカス軍団に途惑うれいか王子。事情はわかっているだけに早くシンデレラの到着を望むばかりですが……。
れいか「―――!?」
「「「???」」」
舞踏会場から外に出ると、空から流れ星のようなキラリと光るものが。
キャンディ「クル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
みゆき「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」(熱血)
見上げるとそれは、超高速でこちらに向かってくる魔法の空飛ぶ箒に乗ったシンデレラでした。
「「「ええええええええええええええええええ!!!???」」」
そのまま箒の勢いは止まらずに、シンデレラは城に突っ込みました。なんともアグレシッブな登場ですね。
みゆき「ぜぇ……ぜぇ……」
れいか「大丈夫ですか?」(キリッ)
みゆき「あ――――。」
ボロボロになりながらも必死にここまでやってきた灰かぶりに、王子様は手を差し伸べました。
れいか「私と、踊っていただけますか?」
見慣れたいつもの顔とは違う、別の一面。まとめ上げた髪も、青を基調としたその衣装も、全て彼女を王子様と言わしめていました。一瞬、これがれいかだとわかっているみゆきでも顔を赤くするくらい、今のれいかはみゆきにとっては王子様なのでした。
みゆき「―――――――。は、はい……。喜んで」
いつの間にか魔法使いとネズミとトカゲは空気を読んで、どこかで二人を眺めていました。
れいか「とは言ったものの、実は私、ダンスなど踊った事がないんです…。どうすればいいのか……」
みゆき「大丈夫!わたしだって踊ったことなんかないけど、なんとかなるって!せっかくの舞踏会なんだから、一緒に楽しもうよ!王子様!」
れいか「――――そうですね!」
・・・・・・
豪華絢爛に彩られた会場はしかし、二人の前ではもはや意味は成しません。二人のその目には、お互いのことしか映っていません。今、この場においては、星空みゆきと青木れいかは、シンデレラと王子様なのですから。
あかね「一段落やな」
やよい「素敵―――――。」
・・・・・・
ポップ「ふぅ。なんとか無事に舞踏会を成し遂げられたでござる。」
“はじまりのシンデレラ”をずっと読んでいたポップは、みゆきとれいかが踊っているページを読んで一安心していました。
しかし、ゆっくりと流れる時間はあっという間に終わってしまいます。
やよい(魔法使い)「シンデレラ!0時まで後5分だよ!」
なお(ネズミ)「魔法が解ける前にお城を出よう!」
あかね(ネズミ)「途中でガラスの靴を置いとくのも忘れたらあかんでー」
みゆき「オッケー!」
無駄に意気込むみゆき。ここはシンデレラが王子様とのダンスを惜しみながらも去っていくという話なのですが……。
あかね「それじゃあ、走り去るシンデレラとそれを追いかける王子様、スタートや!」
みゆき「ごめんなさい王子様。ワタシ行かなくちゃ〜〜〜〜」
急によそよそしく走り出すみゆき。それに合わせてれいかもノリノリです。
れいか「こほん。おぉ、どこへ行くと言うのです!お待ちください!」
そうしてみゆきは会場の外へ。城の時計塔を背中に、長い階段を降りていきます。
「「「ちゃーーーーーーー!!!」」」
ウルフルン「ちぇ!舞踏会は終わっちまったか!」
アカオーニ「でもまだまだハッピーエンドには早いオニ!」
マジョリーナ「ここは通さないだわさ!」
みゆきが駆け足で階段を下りる中、箒で突っ込んだ際に飛ばされていた継おばあちゃん達が戻ってきました。
あかね&なお(ネズミ)「「チューーーーーーーーーーー!!!」」
すると、あかねとなおはマジョリーナとアカオーニの髪の中(ズラ?)へ飛び込み、中を引っ掻き回してくすぐりました。
マジョリーナ「ややややめるだわさひゃひゃひゃひゃひゃ!!?」
アカオーニ「うはうはうはははははははははは!!?」
ウルフルン「おいおい!何やってんだおめぇら!」
やよい「あなたなんか、わたしの魔法で――――、ちちんぷいぷいの〜〜〜〜あう!」
やよいが杖を構えてやっつけようとした時、くすぐられてたまらず走り回っているマジョリーナがやよいにぶつかり、思わず杖を落としてしまいます。
ウルフルン「ふ、全員こてんぱんにしてやるぜーーーどわぁ!!」
と、今度はウルフルンの方にアカオーニとマジョリーナがぶつかり、そのまま倒れてゴロゴロと階段を転がり落ちていきました。
やよい「うぅ……」
れいか「大丈夫ですか?」(キリッ)
倒れたやよいを抱きかかえるれいか。思わずやよいは顔を赤くしてしまいます。
やよい「あ――――――はい。」
あかね「そこいらんドラマ展開すな!」
なぜか魔法使いまで王子様に惚れつつも、後ろでみゆきはせっせとガラスの靴を脱いでいました。
みゆき「ぃよいしょー!これで良し。」
れいか「後はこれを私が拾って」
みゆき「シンデレラは0時までにお城を出る!」
ウルフルン「けっ!そうはさせねぇぜ!!こうなったら……」
「出てよ、アカンベェ!!!」
『アカンベェ〜〜〜〜〜〜!!!』
ガラスの靴を奪うためにウルフルンはガラスの靴をアカンベェにしてしまいました。
アカオーニ「なんで赤っ鼻オニ?」
ウルフルン「あ、間違えた!ええいこの際なんでもいい!そのガラスの靴、拾えるものなら拾ってみやがれ!」
みゆき「王子様がガラスの靴を拾えないと、お話がめちゃくちゃになっちゃう!!」(既に手遅れ感)
みゆき「こうなったら、みんな!」
やよい(魔法使い)「あぁ……あの、わたし元の世界にスマイルパクトを置いてきちゃったみたい」
れいか(王子様)「私もです」
あかね(ネズミ)「あ!でもうウチら」
なお(ネズミ)「この格好じゃあね……」
みゆき「ええ!?う〜〜〜〜……一人だって……負けないもん!」
「Lady?」
みゆき「プリキュア・スマイルチャージ!!!」
第一話(とDXns)以来のハッピー変身バンクですね。
「Go!Go!Let’s Go!Happy!」
ハッピー「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!!」
ハッピー「五つの光が導く未来!輝け、スマイルプリキュア!」
ハッピー「ぁぅ……やっぱり一人じゃ決まらないねぇ……」
あかね「てか五つの光ちゃうやん!」
シンデレラの世界でキュアハッピーVSアカンベェ。
『アカンベェ!』
ハッピー「むぅ――――」
『アカンベェ』
ハッピー「―――――。」
『アカンベェ』
ハッピー「―――――ってあれ?戦わないの?」
『アッカンベェ〜〜〜〜!』
ハッピーが構えるものの、アカンベェは向かってくる気配がありません。それどころか、ハッピーを無視して、お城の入口へとジャンプしてハッピーから遠ざかりました。
ハッピー「え?何?何なの?」
れいか「ハッピー!急いでください!」
ハッピー「え?」
れいか「早くアカンベェを浄化して、ガラスの靴を取り戻さないと、0時までもう時間がありません!」
魔法が解ける残り時間はあと3分もありません。物語のつじつまを合わせるには、どうしても魔法が解ける前にガラスの靴を王子様が拾わなければ、シンデレラの物語は先に進みません。
ハッピー「あぁ!そういうこと!?」
『アカンベェ〜〜〜』
ハッピー「待ってーーー!!」
デカっ鼻や黒っ鼻などがありましたが、そのどれもパワーを強化したものに過ぎず、得てして逃げることが今回の目的であったウルフルン達にしてみれば赤っ鼻でもなんの問題もありませんね。まぁ、プリンセスフォームが今のままではできないので、黒っ鼻だったらバッドエンド完全勝利でしたが。
キャンディ「すばしっこいクル!」
あかね「あかん、もう時間が……」
城を端から端へと逃げるアカンベェ。元が靴だからでしょうか、走るのも速いです。
『アッカ〜〜〜〜ンベェ!』
ハッピー「うわあ!」
しかも、ただ逃げるわけではなく、ハッピーが息を切らしている隙を突いて攻撃してきたりと、なかなか手ごわい相手です。
空中から塔へ叩きつけられ、アカンベェにやりたい放題されています。いつもは5人のコンビネーションで戦っているので、勝手が違うのも影響しているんでしょうか。
「「「「ハッピー!!」」」」
やよい「あと1分!」
キャンディ「そうクル!アメデコルをつかうクル!」
何がそうなのかはわかりませんが、ここでキャンディが介入。
『Let’s Go!Sweets!!』
『ア……ベ……?』
すると、空に突然雨雲が出現しました。しかし、アカンベェの真上に現れた雨雲から降ってきたのは、たくさんの飴でした。
『アガ〜〜〜!?』
たくさんの飴の雨で、アカンベェは飴に埋まって動けなくなってしまいます。
「「「「飴の……飴????」」」」
あかね「ダジャレかい!」
キャンディ「ハッピー!いまクル!」
ハッピー「みんなの大好きなシンデレラを、バッドエンドにしちゃだめんだからーーーーー!!!!」
「ペガサスよ!わたしに力を!」
ハッピーは一人、プリンセスキャンドルを構えて一人でプリンセスフォームへ。
『アガ!?』
あかね「今日のハッピー、めっちゃ気合い入ってんな!」
れいか「ハッピーのシンデレラへの愛が、これほどとは……!?」
「“プリキュア……………”」
構えるハッピーは気合い200%。
「“シンデレラ・ハッピー・シャワー”!!!!」
愛と気合いでいつもより多めに充電されたハッピーシャワーはガラスの靴アカンベェに見事命中。
『アカンベェ〜〜〜〜!!』
ハッピー「うわ〜〜〜パワーが強すぎるぅぅぅ」
打ち込んだ“プリキュア・シンデレラ・ハッピー・シャワー”は勢いが強すぎたのか、ハッピー自身もその勢いで自分の元いた屋敷まで飛んでいってしまいました。
そして時刻は午前0時。
れいか「ガラスの靴、確かに預かりました。」
やよい「そして……」
みゆき「ばふ!」
変身も解けて、シンデレラの魔法も解けて元の灰かぶりに戻ったみゆき。
みゆき「シンデレラは、無事0時までに家に帰りましたとさ。ガク………」
『こうして、シンデレラはわるいガラスのくつをなおして、おうじさまのところへおいたまま、おしろからさっていきました。』
・・・・・・
ポップ「やったでござる!次はいよいよラストでござる!」
完全に実況役になってしまっているポップ。めくるページの物語をそれはもう真剣に読んでいました。
『そしてつぎのひ、シンデレラをさがしておうじさまはまちにおりてきました。おうじさまは、シンデレラがはいていたガラスのくつをむすめたちにはかせ、ぴたりとあうものをさがしていました。』
れいか「私たちは、ガラスの靴の持ち主を探しています。ガラスの靴がぴったり入った方こそ、私の結婚相手です。」
話を筋をすっとばして正体までわかっているれいか王子は、まず真っ先にみゆきのいる屋敷にやってきました。
れいか「ガラスの靴をこちらへ」
マジョリーナ「はい王子様!」
どさりと大臣が置いた靴は、なんと特大サイズのガラスの靴。いつの間にか大臣役になっていたマジョリーナが作った偽物の靴でした。
あかね「でか!?」
マジョリーナ「物語はまだ終わってないだわさ!このガラスの靴履いてみるだわさ!」
みゆき「あぁ!」
なお「いつの間にかいなくなったと思ったら!」
あかね「まだ諦めてなかったんかい!」
アカオーニ「あーしがはくオニ(私が履くオニ)!!」
すると、まだ意地悪な姉役を一人だけでやっていたアカオーニが屋敷から飛び出し、偽物の靴に足を通します。マジョリーナが仕掛けた靴なので、当然足にはぴったりはまりました。
「「「いやったーーーーーーーー!!!!」」」
「「「「「えええええええええええええええ」」」」」
アカオーニ「いやぁ!うれしいおに!しんこんりょこーは鬼ヶ島おに!」
ぱりん。
みゆき「あ、割れた。」
「「「あああああああぁぁぁぁぁ」」」
しかし、所詮はマジョリーナが作った偽物。世界の修正が入ったのか、偽物の靴は簡単に割れてしまいました。
キャンディ「みゆき!あったクル!こっちがほんもののガラスのクツクル!」
するとみんなが気を取られているウチに、キャンディは王子様の馬車の中から、本物のガラスの靴を見つけてきました。
マジョリーナ「あー!こら返すだわさ!」
マジョリーナが飛びかかってきますが、キャンディはすらりと躱し、しかしその拍子に靴まで投げてしまい、それを追うウルフルンとアカオーニは2匹のネズミにひっかかれ、みゆきの顔面スライディングが綺麗に決まりました。
物を引き寄せるみゆきの頭はガラスの靴も見事に吸い寄せ、こつんとみゆきの頭でワンバンした靴は、そのまま勢いを失ってすっぽりとみゆきの足にはまりました。
やよい「入りましたシンデレラ!ガラスの靴ぴったりです!」
れいか「シンデレラ!結婚してください!」(公式プロポーズ)
みゆき「はい!喜んでー!」
改めて王子が差し伸べた手を取るみゆき。みゆきが王子に触れた瞬間、世界は反転していつもの学校の屋上に戻りました。
ポップ「おぉ!?」
みゆき「あ、戻った。」
マジョリーナ「くー!悔しいだわさ!」
ネズミに引っ掻かれて倒れていた3人は悔しそうに消えていきました。
・・・・・・
みゆき「みんな、ありがとう。」
あかね「なんや?改まって」
みゆき「わたし一人じゃシンデレラを幸せにできなかったから。シンデレラのお話は、シンデレラが魔法使いさんや、ネズミさんに助けられて幸せになるお話でしょ?みんながいたから、ハッピーエンドになれたんだよ」
あかね「まぁ……それもそうやな。」
やよい「役に立ててよかった。」
なお「みゆきちゃんだってすごく頑張ってたよ!」
れいか「頑張り屋のみゆきさんは、シンデレラにはそっくりだと思いますよ?」
みゆき「うひひ……。」
ポップ「しかし、大筋は合っているでござるが…少しお話が変わってしまったでござるな。大丈夫でござろうか」
キャンディ「クル!だいじょーぶクル!もっともーーっと、たのしいシンデレラのおはなしになったクル!!」
みんなが大好き絵本の世界は、いつもハッピーエンドで終わる。
だけどその幸せは、色んな登場人物の助けがあって、だからこそみんなで最後に笑顔になれる。
今ある物語も。そして、これからも。
みんな人には譲れない大事な宝物がある。それは、夢?思い出?それとも友達?
次回、「熱血!あかねの宝さがし人生!!」
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