スマイルプリキュア!第15話「ドタバタ!みゆきの母の日大作戦!!」
今日も今日とて世界は平和。今日の気分は白雪姫。秘密図書館でみゆき達がゆっくり午後のひと時を過ごしているところから、今回の物語は始まります。
クルクルクル〜っとキャンディは、本編ではまだ正式名称不明なビーズメーカーでお手製のペンダントを作っていました。カラフルに繋げたビーズにイチゴのデコルを合わせて完成です。
みゆき「わぁ、デコルもはめられるんだねー。ねぇ、みんなー見て見て!」
あかね「う〜ん、ちょっと後でな〜」
みゆき「うん?」
あかねの返事はみゆきの話半分な返事です。おや、と思いみんなの様子を伺うと・・・。
みゆき「みんな何してるの〜?」
やよいは大きなキャンパスを立てて何やら絵を描いている様子。あかねとなおは針と糸で何やら縫い物の真っ最中。慣れた手つきですいすい進めるなおに対してあかねは目を細めて口を尖らせてにらめっこ状態です。そして離れたところでどこから持ってきたのか、れいかは“ろくろ”で何やら粘土を器の形に仕上げてます。
みゆき「芸術の秋?・・・ってまだ夏にもなってないし。」
思った事をそのまま口に出しつつ自分で訂正。若干仲間はずれで寂しそうにしているみゆきにれいかが答えます。
れいか「お母様へのプレゼントですよ。」
みゆき「ぷれぜんと?」
なお「ほら、母の日だし」
みゆき「母の日?いつ?」
あかね「今日やん。今日。」
みゆき「きょお?」
やよい「みゆきちゃんはどんなプレゼントにしたの?」
なぜか話の流れを全く読まずにみゆきに尋ねるやよい。母の日が今日と初めて知った相手にそれはいじわるジャナイカ。
みゆき「ぷ・・・ぷれぜんと・・・」
どこを見るでもなく中空に目をやるみゆき。脳裏に自分のお母さんとカレンダーを浮かべます。でもお母さんの顔は出てきても、5月のカレンダーは上手いこと出てこない・・・。一瞬心を落ち着かせるも事の事態をやっと理解して思わずみゆきはしゃがみこみます。
キャンディ「どうしたクル?」
みゆき「母の日・・・・忘れてたぁ〜〜〜〜!!!」
「「「「えぇ〜〜〜〜〜!!!?」」」」
来たる5月13日。一年に一回の母の日。プレゼントを用意していないみゆきは果たして・・・。
っていうか、やよいの絵とかはともかく、れいかの陶芸は今日中に渡せないんじゃ・・・・。
ウルフルン「おーっとっとと、ってなんだ、アメちゃんじゃねぇか。」
大阪に行ったと聞いていたマジョリーナが帰ってきた途端にウルフルンにアメを投げ渡します。なぜに関西言葉に。
マジョリーナ「やるだわさ」
ウルフルン「あぁん、なんで?」
マジョリーナ「今日はいっぱい買えたからだわさ。まぁぷれぜんと・ふぉー・ゆー」
ウルフルン「へぇ〜珍しい。」
ドケチに定評のあるマジョリーナがわざわざ食い物を恵んでくれるとは・・・。そんな事を考えながらアメちゃんを口に入れ・・・ます・・・が。
ウルフルン「ぶーーー!!なんだこれマッズ!マッズ!!」
思わず顔中の毛を逆立てて口いっぱいに広がった納豆と餃子の味が詰まったアメを吐き出してしまいます。
マジョリーナ「なぁにするだわさ、せっかくの納豆餃子アメを」
ウルフルン「うるせえ!こんな不味いもん喰えるか!?」
マジョリーナ「んー!もうお前にはもう二度とプレゼントなんてやらないだわさ!」
ウルフルン「ったく―――。プレゼントなんてろくなもんじゃねぇぜ。」
というわけでウルフルンがプレゼントに嫌〜なイメージを持ったところから本編。
「ドタバタ!みゆきの母の日大作戦!!」
みゆき「いけなーい。母の日忘れちゃうところだった。」
キャンディ「みゆきはほんとにドジクル。」
赤く輝く本棚を通って自分の部屋に戻ってきたみゆき。
みゆき「でもまだ間に合うよ〜。お母さんのために、素敵なプレゼントを買っちゃうもんね〜!」
キャンディ「クル〜」
貯金でお馴染み、陶器で出来たピンクの豚の中からは大事に大事に貯めていたみゆきの全財産“75円”が見事に出てきました。だめだこりゃ。
キャンディ「これでなにがかえるクル?」
人間界の通貨の相場と経済事情を知らないキャンディは、目の前の穴の空いたものや茶色い硬貨をしげしげと見つめます。
一方、貯金箱の持ち主は豚の中身の残念さに机に顔を突っ伏して軽く現実逃避です。
みゆき「なんにも買えませーん。」
キャンディ「じゃあどうするクル?」
みゆき「どうにもなりませーん。」
みゆき「あぁー!これじゃあなんにも買えないよぉ・・・。」
とくに名案が浮かばずにとりあえずベッドに体を沈めるみゆき。
キャンディ「ところでハハノヒってなにクル?」
みゆき「そこから!?」
相変わらず人間界の風習には疎いキャンディが尋ねます。
みゆき「“母の日”って云うのは、お母さんに日頃の感謝を表す日だよ。」
キャンディ「カンシャ?」
みゆき「つまり、ありがとうって気持ちの事。」
キャンディ「キャンディもカンシャをあらわすクル!なにをあげればいクル?」
みゆき「別に何かをあげなきゃいけない訳じゃ・・・あ。」
キャンディに感謝の意を説明していると、自分の言葉の意味にみゆきは何か気付きました。
みゆき「そっか!閃いたぁ、母の日大作戦!」
キャンディ「キャンディもやるクルー!」
みゆき「それじゃあお母さんに見つからないようにしないとね。」
そう言ってみゆきは、キャンディをぬいぐるみのフリをさせて自分のフードの中に入れて一階に降りていきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みゆき「別に何かをあげるんじゃなくても、喜んでもらえる方法はあるよね?」
あくまで独り言のようにみゆきは自分に言いながらリビングへ。ふと覗くとみゆきの母星空育代(ほしぞら いくよ)さん(敬称)が鼻歌混じりに食器を洗っていました。それを見て早速お手伝いで日頃の感謝を表そうと思いつくみゆき。
みゆき「洗い物?私も手伝うよー」
育代「あらぁ、ありがと。」
ふたりでのんびりと食器を洗って拭いて・・・あっという間に終わらせます。
育代「みゆきのおかげでもう終わっちゃった、ありがと。」
みゆき「えへへ〜」
“お母さん嬉しそう・・・。こういう事で良いんだよね”
ふとお母さんのスマイルで思わずみゆきもウルトラハッピー。
“もっといっぱいお手伝いしたら、もっと喜んでもらえるかも”
みゆき「ねぇ、何か他に手伝う事ない?」
育代「え?どうしたの、急に?」
いつもより積極的な娘に少しだけ驚く育代さん。みゆきはここで早々にネタ明かし。
みゆき「だって今日は母の日でしょ?だから今日はいっぱいお手伝いするよ!」
育代「あぁ、そういう事〜。それじゃあ、お願いしちゃおうかしら?」
・・・・・・・・・・・・
キャンディ「そりはなにクル?」
みゆき「洗濯物だよー。」
お母さんから頼まれたのは洗濯物をまとめて、洗濯機で洗っておく事でした。タオルから服から籠の中には色々入ってます。
みゆき「毎日大変なんだなぁ・・・。」
自分は、服は脱いで着てというだけですが、ちゃんと手順を踏んで、洗って、乾かして、畳まないといけません。改めてこうしてやってみると見慣れた洗濯機も扱い慣れない別のものに見えてきて、お母さんのすごさ、大変さが伝わってきますね。
みゆき「洗剤を入れてっとー。これで良し!」
やけに色の着いた“洗剤”を洗濯機に入れてスイッチオン。
キャンディ「これでよしクル!」
・・・・・・
みゆき「そうだ!」
お風呂場から戻ってくると、お母さんはテーブルで雑誌を読んでゆっくりしているところでした。みゆきは静かにキッチンに行って、コーヒーをお母さんのところへ運んで淹れてあげる事にしました。
みゆき「読書のお供にコーヒーをどうぞ★」
育代「あらぁ、ありがとう」
みゆき「お母さんの大好きなミルクとお砂糖たっぷりのコーヒーだよ。どお?美味しい?」
肩から外れたまだ少し大きいエプロンを着たみゆきが、得意気に言います。カップを持ってお母さんはコーヒーを一口。すると・・・・。
育代「―――――!・・・・・・・。」
みゆき「どうしたの?」
中々返ってこない母の言葉を待ちきれない様子のみゆき。しかし、お母さんの表情は若干引きつっていました。
育代「う、うふふふふ・・・。」
みゆき「え゛・・・・ちょ、ちょっと失礼!」
お母さんの表情から状況を読み取ったみゆきは、もしやと思ってお母さんの手からカップを取って自分で一口。
みゆき「ぶは!なにこれしょっぱい!・・・まさか・・・。」
みゆきは自分が作った手順を思い返しながらキッチンに走ります。確か、お砂糖とミルクをたっぷり・・・。って
みゆき「やっぱり・・・砂糖と塩間違えたーー!!!失敗・・・お母さん、それ飲んじゃダメー。」
慌てるみゆきに対して苦笑いでなんとか返すお母さん。しかし、そこに追い打ちをかけるように洗濯機がエラー音をリビングまで響かせます。
みゆき「え、ちょ、なに!?」
駆けつけたみゆきは洗濯機を開くと、中に入っていた洗濯物が全部緑色に。まるでピッコロが入っている電子ジャーを彷彿させます(なにごとだ)。
みゆき「うわ!間違ってお風呂の入浴剤入れちゃった〜!どうしよ〜・・・。」
育代「洗い直せば大丈夫よ。」
みゆき「ご・・・ごめんなさい。」
それでもみゆきの気持ちを察してくれているのか。悪気が無いと判っていて怒る事はできませんね。そんなみゆきを逆に励ますお母さん。
・・・・・・・・・
みゆき「寝るときお布団がふかふかだったら、きっと嬉しいよね!」
とりあえず自分にできそうな事なら・・・。と寝室からお母さんの布団を屋上まで運ぶみゆき。さり気なく星空宅は“邸”と呼んだ方が似合いそうなけっこうな家ですね。
みゆき「よし、次はお掃除だ!」
キャンディ「おそうじクル〜!」
みゆき「おそうじ、おそうじ〜!家中ぴっかぴかにするぞ!」
今度こそはと意気込むみゆきですが、ふと窓の外を見ると、どすんと鈍い音を立てて干したハズの布団が庭に落っこちたのに気づきます。ちゃんと布団を固定してなかったんですから、風が吹いたらやっぱりアウトですね。
みゆき「た、たいへん!!―――うわああ!!」
しかし、今度は足元を見ずに駆け出したためか、掃除機の首に引っかかって景気よくその場に倒れてしまいます。
育代「み、みゆき!」
驚いて駆け寄るお母さん。顔を赤くしてなんとか振り返るみゆき。若干痛みで涙目です。
みゆき「えへへへ・・・。」
育代「だ・・・だいじょうぶ?」
みゆき「うぅ・・・・。」
しかし、勢いでフードから飛び出したまま必死にぬいぐるみのフリしてるキャンディも大変だと思いますけどね。
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みゆき「うわ〜〜!これじゃあお手伝いどころか、逆に迷惑かけてるじゃなーーい!」
尋常じゃない速さでベッドをごろごろするみゆき。結局感謝の気持ちは表せず、と云った感じみたいですね。
みゆき「はぁ〜、どうしたらお母さんに喜んでもらえるだろう・・・。」
ぴたっと止まって天井の一点を見つめるみゆき。
みゆき「ん?そういえば・・・。」
みゆきは、みんなが自分でプレゼントを作っていた事を思い出します。
みゆき「みんな何か作ってたよね?」
キャンディ「みんなたのしそうだったクル〜」
みゆき「楽しそう?」
キャンディ「そうクル。だからキャンディも、なにかつくりたくなったクル〜」
そういってキャンディは、首に付けている「くるデコビーズメーカー(商標価格¥3,990)」で作ったアクセサリーをみゆきに見せます。
みゆき「そうか・・・。自分で作ればいいんだ。お小遣いが無いから、プレゼントは諦めてたんだけど・・・。よし決めた!私も自分で作る!!お母さんに素敵な物をプレゼントして、ウルトラハッピーになって貰おう!」
起きてベッドから立ち上がり、天を見上げて指差します。
というわけで再び秘密図書館へ。
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あかね「そっかぁ、みゆきもなんか作るんや」
みゆきが出て行く時には作っていたプレゼントも、戻ってきたころには完成していました。
みゆき「うん。でも何を作ろうか悩んでてさー。それでみんな何を作ったのかなーって。」
やよい「わたしは、ちょっと恥ずかしいけど・・・」
そう言ってやよいは、キャンパスに被せてあるシーツを外します。すると、優しい笑顔と温かい表情をした女性が。キャンパスに描かれていたのは、やよいのお母さんでした。
「「「「おぉ〜〜〜。」」」」
れいか「素晴らしい似顔絵ですねぇ。」
みゆき「さっすがやよいちゃん!あかねちゃんは?」
今度はあかねターン。
あかね「うちはこれや!」
そう言って手に持っていたエプロンをみゆき達に見せます。それは、「おこのみやき あかね」と描かれたロゴをパッチワークで縫い付けた特製のエプロンでした。若干シワが目立つ感じに仕上がっていて、不器用ながらに頑張ったという思いが伝わってきますね。
あかね「お店で使えるエプロンを縫ってみたんやけどー・・・。勢い余って、自分の手ぇまで縫ってもおたあー・・・ははは。」
みゆき「だいじょうぶー!?」
あかね「あぁ、へいきへいきー。」
なお「あかねはこういうのは思ったより不器用みたいだね。」
やよい「なおちゃんは何を作ったの?」
なお「私はこれ。ティッシュカバー」
そういってピンクの布地にハートとカーネーションが描かれたポケットティッシュのカバー
をすっと出しました。
やよい「かわいい刺繍!」
れいか「なおは刺繍が得意ですからね」
みゆき「そんな特技があったの!?」
なお「いつも弟達の服を直してたらいつの間にかねぇ・・・・。」
みゆき「れいかちゃんは何を作ってたの?粘土?」
れいか「ただの粘土ではなく、陶芸です。」
れいかが机の上に置いたのは「母」と「感謝」の文字が入った湯呑でした。
みゆき「陶芸・・・。」
れいか「日頃お世話になっているお母様のために湯呑を焼いてみました。」
気軽に言うものの、1〜2時間でろくろから焼き上がりまでどうやって短時間で済ませたのか気になる・・・・。というかどうやって焼いたのだろうか。
みゆき「さすがれいかちゃん。こだわりが違うね。」
・・・・・・・・・・・
れいか「と、いうわけで。みゆきさんも何か自分の特技を生かしてみてばどうでしょう?」
一段落してみゆきの相談に乗る4人。
みゆき「なるほど・・・。でもあたしの特技って・・・例えば?」
れいか「そうですねぇ・・・。え・・・例えば・・・・・・・・・例えば?(ボソッ」
なお「え?・・・・そうだなぁ・・・・え・・・・と・・・・・たとえば?(ボソッ」
やよい「えぇ!?・・・えっとぉ・・・・えっとぉ・・・・たとえば?(ボソッ」
あかね「うええ!?・・・・ええ・・・そ・・・そやな・・・・た、例えば?(ボソッ」
みゆき「えぇ!?・・・・う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
“例えば”ループで一周してみゆきに。しかし、れいかも、なおも、やよいも、あかねも、みゆき本人でさえも、みゆきの特技が出てきません。
みゆき「だぁめだぁ!あたしの特技ってなんなんだろ・・・・。」
キャンディ「クル?」
じーっとみゆきを見つめるキャンディに目が合います。その時、キャンディの首元で光るデコルアクセサリーを見て閃くみゆき。
みゆき「それだ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウルフルン「あぁ・・・くそ・・・まだ口が不味いぜ・・・・。」
ご機嫌斜めに町を見下ろすウルフルン。納豆餃子はちゃんと歯磨きしないと取れないですよ。
ウルフルン「あー気分悪い!こうなったら今日は、徹底的にバッドエナジーを集めてやるぜ!」
ギラリ。と道行く人を睨みつけるウルフルン。しかし、そんな事は町の人には知る由もなく・・・。というか徹底的に集めてもカウントは1つしか増えないと思うけどね!
そういえばこの話は復活したピエーロを倒して終わりじゃないよね。たぶんピエーロのカウントは22話辺りでいっぱいになるので、順当に行けば後7話でピエーロ復活な訳ですが・・・。それともスイートみたいに、前半はVSメフィスト。後半はVSノイズみたいに新たな敵も控えているんでしょうか。まぁ、その辺の鍵は“レインボージュエル”とジョーカーが何か知っているハズ。
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あかね「ネックレス?」
みゆき「そう。これで作ってみようと思って」
大人の事情でも挟んでいるのか、未だに正式名称(くるデコビーズメーカー)を言わないままみゆきは早速使ってみる事に。
あかね「ええやんそれ。」
なお「だったら、チャームは手作りにしてみたら?」
みゆき「それだ!」
やよい「決まりだね。」
キャンディ「さっそくつくるクル!」
みゆき「よおし!素敵なネックレスを作るぞ!」
つくるくるーという訳で、ビーズを色を揃えて順番にセット。後はクルクル回せばネックレス状に繋がって出来上がり。でもこれだけだと物足りないので紙粘土と絵の具で赤い華のチャームを作ってネックレスのアクセントに。付けて完成。
みゆき「でぇきたぁ!・・・・・けど、なんか・・・・全然可愛くない。」
出来たネックレスを掲げて見ますが、どうやらそれでも物足りないみたいですね。わたしは全然それで大丈夫だと思いますが(展開を知っているいないに限らず)。
みゆき「うぅ・・・なんでわたしこんなに不器用なんだろ・・・」
あかね「別にそんな事無いと思うけどなー」
みゆきのネックレスを見て素直な感想を言うあかね。こういう時に正直に言ってくれる友達って大事ですね。
キャンディ「それならホシデコルをつかうクルー!」
そう言ってキャンディはスマイルパクトにホシデコルをセット。
『Let’s go!!H・O・S・H・I!!』
しかしそれを見たみゆきは慌ててパクトを取り上げます。
みゆき「うわ!だめ、それじゃあ手作りじゃなくなっちゃうよ〜」
あくまで自分の力で出来るものを作りたい。今回ばかりは便利なデコルに頼らずに感謝の気持ちを送りたいみゆきでした。でも、セットしたホシデコルは既に止まらず・・・。
キャンディ「クル〜〜〜!」
と思ったらキャンディに光が降りかかって、「3」を左に倒したように耳がびよーんと伸びてしまいました。
キャンディ「キャンディがキレイになったクル!」
・・・・・
みゆき「お母さんに渡すのやめようかな。」
ぼそっといじけ半分に言うみゆき。
あかね「なんでや!?」
なお「せっかく作ったのに〜・・・」
やよい「じゃあ、メッセージカードを作ってみたら?」
みゆき「ふぇ?」
やよい「プレゼントに短い手紙を添えるの」
あかね「それやったら、可愛いの売ってる店知ってんで!ちょっと参考に見に行かへん?」
みゆき「メッセージカードかぁ・・・。うん!それ行ってみよー!」
あかね「そうこな!」
落ち込んでいても気持ちを切り替えて明るくなれる。常にポジティブ思考でいられるのはみゆきの特技のひとつですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウルフルン「それじゃ・・・・・あん?なんだぁ?」
どこかの家の屋上に降りて早速仕事に取り掛かろうとするウルフルンの目に止まったのは、「母の日」フェアで賑わっている花屋さんでした。
ウルフルン「ハハノヒ?・・・なぁにがプレゼントだ!ムカつくぜ!!」
プレゼントという単語を聞いてウルフルンはさっきのマジョリーナとのやり取りを思い出しました。口の中にまだまだ残ってる納豆餃子味と苛立ちが合わさって、容赦無い怒りがこみ上げてきます。
ウルフルン「世界よ!!最悪の結末、バッドエンドに染まれぇ!!白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!!」
月夜に染まる町の空。怪しい光を灯した満月に晒されて、黒いオーラが人々を包む。希望が絶望に変わり、期待が落胆に変わり、愛情が無情に変わる。
気力を失った人々はその場で力無く崩れていく。悲しみの思い出、辛い思い出、何一つ良い事がこの先やってこないと思えるほど世界から光が消える。
「待ちなさい!!」
ウルフルン「あん?」
メッセージカードがあるお店に行ったのが功を奏し、すぐさま現場へ駆けつけるみゆき達。
やよい「あの人達・・・母の日のカーネーションを買いに来た人たちだ・・・。」
みゆき「ひどい・・・みんな!行くよ!!」
闇を照らす5つの光。輝く未来に終わりは無い。光の戦士は華麗に変身。
「“プリキュア・スマイルチャージ”!!!!!」
「Go!!Go!!Let’s go!!」
「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」
「太陽サンサン熱血パワー、キュアサニー!」
「ピカピカぴかリンじゃんけんぽん、キュアピース!」
「勇気リンリン直球勝負、キュアマーチ!」
「シンシンと降り積もる清き心、キュアビューティ!」
「「「「「5つの光が導く未来、輝け!スマイルプリキュア!!!!!」」」」」
ウルフルン「今日のオレはイラついてるんだ、アカッパナでやってやる!!」
ウルフルン「いでよアカンベェ!!」
カーネーションに闇の力を込めてウルフルンは、アカンベェに変化させます。
『アカンベェ〜〜〜!!!』
ウルフルン「やっちまえ!!」
『アカン、ベェーー!!』
ハッピーはネックレスをキャンディに預けていざバトル。しかし、5人の動きが思うようにいかずにアカンベェに翻弄されてしまいます。恐らく、先週までアオッパナと戦っていて、アカッパナの本来の動きについて行けない様子。
アオッパナはキュアデコルの力を使って変化させていない分、強さはアカッパナより落ちます。ただ、ここ最近ハッピー達はアオッパナばかり相手にしてきたので、同じ要領がアカッパナには通用しないという事でしょう。
ビューティ「これは・・・はっくしゅん!」
カーネーションの花粉にアレルギー物質は無いはずですが、そこはアカンベェ。花粉攻撃でみんなの目潰しとくしゃみを誘って攻撃を防ぎます。
ウルフルン「アカンベェ、まとめてやっちまえ!!」
ハッピー達と一緒にキャンディもなるべくそばで見守ります。しかし、それがウルフルンが目をつけて、キャンディをねらえとアカンベェに命令します。なんとかキャンディを抱えて攻撃を躱すハッピーですが、その時うっかりネックレスを落としてしまいます。
ウルフルン「ああん?なんだこりゃ?」
珍しいものでも見るかのように爪先で摘んで拾い上げるウルフルン。
ハッピー「あぁ!お母さんへのプレゼントが・・・。返して!」
ハッピーがネックレスに向かってジャンプしますが、それを避けてウルフルンは楽しそうに距離をとります。
ウルフルン「おっとぉ!プレゼントだぁ?てめぇもそんなくだらねぇ事してんのかぁ」
マーチ「なんだって!?」
ピース「ハッピーが一生懸命作ったのに!!」
ウルフルン「てめぇが作ったのかよ!!どうりでやたらヘタクソだと思ったぜ!!」
ハッピー「――!!」
笑い出しそうなくらい小馬鹿にした調子でウルフルンは言います。
ウルフルン「こんなもん、貰って喜ぶような奴がいるのかよぉ!」
ピース「ひどい―――。」
ウルフルンの言葉に憤慨する4人ですが、沈んだ声でハッピーは逆にその言葉を肯定します。
ピース「ハッピー・・・?」
ハッピー「全然上手にできてないもんね・・・それ。そんなんじゃお母さん・・・喜んでくれないよね・・・。」
自分でも心のどこかで思っていた事でもあった。もし自分が貰っても本当に心から喜べるだろうか。
もっと綺麗で素敵な、高そうなネックレスの方がいいんじゃないかって。そう思っていた。
だから、オオカミさんが言っている事は間違ってないかもしれない。
だって・・・わたしには・・・何ひとつ・・・胸をはって・・・できる事・・・なんて・・・。
「ハッピー、それはちゃうで」
「え・・・。」
ぽんと、サニーが肩を叩いてウルフルンの方へ歩き出す。
サニー「それ・・・。返してんか?」
ウルフルン「あぁん?」
静かに。でも徐々に早く。歩みが駆け足に変わる。
サニー「早ぉー返さんかーーーい!!」
ウルフルンの左手に握られたネックレスに向かって飛び込むサニー。それをするりと交わすも、サニーも勢いを乗せたまま何度もウルフルンの手を狙う。
ウルフルン「てめぇ・・・!」
あかねは別に縫い物が得意じゃない。でも、エプロンを縫ってあげたかった。特技を生かして作る必要なんか無い。特技が無いからって諦めちゃいけない。あかねは自然に、エプロンを送りたいと思ったから。それが不格好な出来栄えでも、あかねは母ちゃんに送ろうと思った。
サニー「うちの作ったもんかて、大概ブサイクや・・・。けどなぁ!!!」
サニーの言葉を繋ぐようにマーチが加勢する。
マーチ「例え不器用でも、気持ちを込めて作ったものなんだ!!」
マーチが蹴り出す強烈なキックをウルフルンは右手を防ぐ。しかし、その隙を付いてサニーの炎を灯した左足(なんという悪魔風脚)がネックレスを持った左手にクリーンヒット!
タイミングを見計らってキャンディがそれをキャッチ。
キャンディ「クル!」
ウルフルン「くっ!・・・そのヘタクソなガラクタがなんだってんだ!アカンベェ!!!」
キャッチしたキャンディ目掛けてアカンベェの蔦が凄いスピードで迫ってきます。
キャンディ「クル!?」
ビューティ「ふっ!!」
ウルフルン「何!?」
バシーン。と、キャンディの一歩前に出たビューティは、両手で攻撃を受け止めます。
ビューティ「上手いとか下手の問題では・・・ありません!」
気合いを込めてビューティが叫ぶと、両手の先から冷気が漂い、蔦の先の華をカチコチに凍らせてしまいました。
『アカンベェ・・・・!』
ピース「お母さんのために込めた思いが、一番大事だと思うから!!」
バリバリバリ!鉄塔の上に避難していたウルフルンを見て、鉄塔に左手を押し当てて電撃を流すピース。
ウルフルン「ぐおばばっばばばっば!!!」
“そうだ・・・大切なのは気持ち・・・。”
ハッピー「プレゼントが可愛いとか、そんなんじゃない・・・。」
みんなの言葉で想いを新たにするハッピー。自分のために必死で一緒に協力してくれるみんなの気持ちに応えたい。そして、自分の気持ちを伝えたい。
ハッピー「ここにいる人達もきっとそう・・・。お母さんに伝えたい事があるから・・・。だから!プレゼントをするんだ!」
ピース「ハッピー!」
サニー「ほんならはよ帰って、プレゼント渡しに行かなな!」
ビューティ「えぇ。」
ウルフルン「くっだらねぇ!プレゼントもその想いも、全部ぶっ壊してバッドエナジーに変えてやる!!」
ハッピー「そんな事絶対にさせない!!」
『アカンベェ〜〜〜!!』
駆け出す五人。凍った1つの変わりにもう1つの華で攻撃してくるアカンベェ。スピードに乗った重い一撃をハッピーが受け止め、そしてピースが華から伸びる蔦をパンチで押し込み、華の向きをアカンベェに向けさせます。
サニー「はああああああ!!!」
そして、サニーが後ろからその華を思いっきりパンチすると、ショックで飛び出した花粉がアカンベェとその頭に乗っていたウルフルンに命中。
ウルフルン「ぶあ!っくしょっ!!くしょん!」
『アカンベェ〜〜〜』
「なんとかしろアカンベェ!」
今度は根元の葉っぱを鋭くカッターのようにして飛ばしてきました。
マーチ「はぁぁ!!!」
風を操るマーチ。飛び交う葉っぱに突風を叩きつけて弾きます。
ウルフルン「何!?・・・・ん、どこいきやがった!?」
花粉で前が見えない隙に五人はウルフルンの視界から姿を消しました。野生のカンか、頭上の月を見上げるウルフルンは、満月の中に隠れた影に気づきます。
「そこか!!アカンベェ!!」
『アカンベェ!!』
「「「「「はぁ〜〜〜〜・・・・や!!!!」」」」」
狙い打つ2つの蔦を4人で弾きます。そして、もう一方の蔦を避けて、キュアハッピーはそのまま蔦を滑ってアカンベェに接近します。
ウルフルン「何!?・・・・なんだと」
ハッピー「不器用でもいいの!わたし、お母さんにありがとうって言いたい!」
キャンディ「ハッピーがんばるクル!!」
気合いを込めた分だけ力に変わる。今は、溢れる想いで心はいっぱい。浄化の力はハッピーな気持ち。
「“プリキュア・ハッピーシャワー”!!!」
光に包まれるアカンベェ。アカッパナを浄化したおかげで何週間ぶりかのデコルも回収。
キャンディ「ジュースデコルクル!」
これでドリンクバーいらない(え
ウルフルン「くそ!」
月夜に輝く満月が消え、さっきまでの平穏な空に戻ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みゆき「ボロボロになっちゃった・・・。」
キャンディ「みゆき・・・ごめんクル。」
落としてしまった責任を感じて、キャンディが頭を下げます。
みゆき「別にキャンディのせいじゃないよ。ていうか、元々あんまり上手くできてなかったしね。」
育代「あら、みゆき」
メッセージカードのお店に戻るのを忘れて、取り返したネックレスを見つめていると、向こう側から買い物帰りのお母さんの姿が。
みゆき「お母さん!?」
育代「お友達と一緒だったの?」
みゆき「あぁ、うん・・・・。」
育代「どうかしたの?」
みゆき「べ・・・別に・・・。」
言い出すきっかけが上手い事出てこなくて思わずはぐらかすみゆき。
正直に気持ちを伝えるのをためらっているみゆきの背中にキャンディが語りかけます。
みゆき「――――!・・・・。ねぇお母さん・・・。これ母の日のプレゼント」
そう言って背中手にずっと隠していたネックレスをお母さんの手にそっと差し出します。
育代「これは・・・みゆきが作ってくれたの?」
みゆき「うん。その、あんまり・・・上手くできなかったんだけど。」
みゆきがそう言い終わるより先に、お母さんはネックレスの首にかけてみゆきに見せてみます。
育代「ううん。とっても素敵。」
ずっと不安だったけど、素直にそう言ってもらえるとやっぱり頬がニヤける。必死で悩んで作って、必死で守り通した想いは本物だから。それが伝わって良かった。
みゆき「えへへ・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
みゆき「今日はごめんね。お手伝いちゃんとできなくて・・・」
育代「ううん。すごく嬉しかったわよ」
みゆき「失敗ばっかりだったのに?」
育代「みゆきは今日、お母さんのためにすっごく頑張ってくれたでしょ?その気持ちがお母さんとっても嬉しいの・・・。それにプレゼントまでもらっちゃったし。ありがとう、みゆき。」
真っ赤に染まる夕焼けと、自分の顔はどっちが勝っているだろうか。いつも一緒にいるのに改めてこうしていると、とても大切な事がたくさん解って、とても嬉しい事がたくさん伝わってくる。
ヘタクソでも嬉しい、そのエプロンに思わず笑いが零れる。
いつも楽しそうに描いていて、絵から伝わるその温もりにありがとうと逆に感謝したり。
いつも家族のために頑張って働いてくれるから、ティッシュを使う時はいつでも思っていて欲しい。
一緒に飲むお茶も美味しいし、一生懸命作ってくれた湯呑で飲むお茶はもっと美味しい。
・・・・・・・・・・・・
いつも子供っぽいと言われてすねたりするけど、今日はなんだか、その手に支えて欲しくて。
みゆき「・・・。」
思わずぎゅっと、母の手に寄り添ってみた。
みゆき「お母さん、ありがと。大好き!」
・・・・・・・・・・・・・
で。次の父の日っていつだったっけ(え
“わたし、プリキュアやめます!!”
次回はれいかの反抗期!?
やめるのやめようとするみゆきですが、れいかも頑固でやめるのをやめる事をやめません、そして何もかもやめます!(ゲシュタルト崩壊寸前)
前回密かに青木邸が気になるとか言ってたらもう出てきちゃったよ!
次回も笑顔でウルトラハッピー!!
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騙されないためだよ。