【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

モーレツ宇宙海賊第十九話「四人の絆」







 宇宙の海は皆の海。古より、海は少年を一人前の男に鍛え上げてきた。同じように今、宇宙の海が少女を鍛え上げる。突然の海賊稼業体験で少女達は、荒波逆巻く大海原に叩き込まれる。そして、船乗りとなった…



 隔離された乗組員の代わりにヨット部による海賊行為で、「私掠船免状」の更新を終える茉莉香。さらに元部長、ジェニー・ドリトルを誘拐し、ヒュー&ドリトル社を見事に打ち負かす。宇宙大学へとジェニーを送り届けて一件落着・・・。無事に学生生活に戻る茉莉香であったが・・・。




 激烈、炸裂、強烈、破裂、爆裂、モーレツ宇宙海賊第19話「四人の絆」



 カロリー控えめのフレンチ風ランチ。午後の昼下がり、優雅に中庭の一画に円卓を並べ、学生のランチとは思えないほど豪勢な料理の数々を慣れた手つきで食べているのは姉のグリューエルと妹のグリュンヒルデのセレニティ姉妹。


グリュンヒルデ「お姉様、海賊楽しかったですわね。」

グリューエル「えぇ。またの機会があれば必ず呼んでくださるように、改めて茉莉香さんにお願いしておきました。」


 前回の弁天丸侵入作戦の時に既にオデット二世に密航していた事を気にもせずにグリューエルは言う。


グリュンヒルデ「お姉様、すっかり茉莉香さんと仲良しですわね。」


 ムッとした顔のグリュンヒルデ。



グリューエル「えぇ、茉莉香さんと一緒にいると退屈しませんわ。」

グリュンヒルデ「同じ学院に通い、部活も同じではありますが、やはり皇女と海賊。余り仲良くし過ぎるのは問題があるような気がしますわ」

グリューエル「それは、セレニティ王家でも握りつぶせない程の問題ですか?」


 物騒な単語は自分より言い慣れている姉。歯止めの効かないグリューエルの行動は茉莉香が必死に表に出さないように頑張っているところでもあった。


グリュンヒルデ「と、とにかく私は仲良―――。」

グリューエル「今にして思えば、ゴンザエモン様が私に弁天丸のIDリングを預けたのも偶然ではなかったのかもしれません。」


 手にとったパンにバターを塗りながら、グリュンヒルデの言葉を遮ってグリューエルが言った。


グリュンヒルデ「と、おっしゃいますと?」


グリューエル「私達はこの宇宙で、出会うべき絆で結ばれていたのでしょう。」

グリュンヒルデ「絆・・・ですか。」


 照れる素振りも見せずに空を見上げて語る姉のソレは、妹のヒルデからすれば惚気話以外の何物でもなかった。




・・・・・・・・・・・・・・・



マミ「茉莉香、ちゃんと食べなよ?」


 珍しく弁当を残したまま木にもたれ掛かる友人にマミは忠告した。


茉莉香「食べるより寝ていたい感じぃ・・・」

マミ「試験の次の日みたいな?」

茉莉香「あぁ・・・それそれぇ・・・。」


 目を閉じたまま流し気味に答える茉莉香。言葉の意味は、テスト前の一夜漬けの反動の話だろう。


茉莉香「何もする気がしなくてぇ、ただのんびりしていたいって感じぃ・・・。」

マミ「宇宙海賊が陸に上がって、日光浴かぁ・・・。」

茉莉香「う〜ん。」

マミ「日干しになっちゃうよねぇ・・・。」

茉莉香「それもいいかもぉ・・・。」


 茉莉香はマミの言葉に最低限の文字数で返しながら背伸びをした後、そのまま伸ばした体を芝生に託して横たわる。





・・・・・・・・・・・・・・・


 一方、病院船ベン・ケーシー。


 一同の心配の種であった女子高生による弁天丸の代行営業も終わり、海賊免許の更新も無事に成し遂げた今の状況で、乗組員達もする事無しに病室でゆっくりしていた。



百眼「住めば都とは、良く言ったもんだなぁ・・・」

クーリエ「ほんと。軍の病院も意外と悪くないわねえ」

三代目「食事がちょいと不味いけどな。」

ミーサ「まぁ、寝てるだけで収入があったりしたんだし、いいじゃないの」

ケイン「あれ以来、船長に動きが無いのが気になるな。」


 ほっておいても自分から何か起こすのは今回の一件も含めて乗組員の知る所である。ゆっくり何もしていないのが逆に心配なくらいであった。


ルカ「大丈夫、船長ものんびりしてるわ。」


 立体表示(ホログラム)させたオセロのボードを挟んで、ケインの反対側からルカが言った。


シュニッツァー「たまには休息も必要だろう」

ルカ「のんびりし過ぎなきゃいいけど。」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 翌日。


リン「さぁ、中継ステーション行くよ!」

「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」


 各自大きめのバッグを抱えて中庭に集まったヨット部員達にリンは勇ましく言った。


リン「ヨット部のシャトル券、今年の分も残り少ない!ったく――なんでこんな形なのかわかんねぇけどまあいいや!」


 そう言いながらリンは、同じ絵柄で平行方向に繋がった公共機関の回数券特有の形状をした紙のパスチケットを取り出した。


リン「とっとと行って、ちゃっちゃとやっちまおうぜ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 宇宙へ出るには宇宙船が必要である。船は当然港にある。港、中継ステーションは静止衛星軌道より高い位置にあり、地上から行くには空港で専用シャトルに乗る必要がある。ヨット部は実践的に宇宙船での演習も部活動の範囲のひとつとして、毎年部費の一部からシャトル券を買っている。




 白鳳女学院から空港行きのバスに乗り、到着したらオデット二世が停めてある中継ステーションへ向かう。道中、終始ぼーっとしている茉莉香を若干不安気に見つめるセレニティ姉妹。仕事が終わってから一気に緊張が解けたのか、弁天丸船長は燃え尽き症候群状態であった。






ウルスラ「練習航海とか、海賊とか、今年は中継ステーションに何回来たかなぁ?」

サーシャ「こんなにしょっちゅうステーションに来るなんて、船乗りさんみたいだね!」

真希「Now!!We are フナノーリー!!」


 宇宙船と云わず宇宙にある人工物には大概人工重力機関が備わっている。惑星地表の重力を人工的に作り出す事で、人間本来の動きを無重力で制限させないためである。ただ、常時人工重力で飛んでいる弁天丸とは違ってオデット二世は基本的に無重力で運転している。初めのうちはふわふわ漂っているだけだった人も、今となっては慣れた調子であちこち飛び交っている。


ヤヨイ「それにしても、丁寧にメンテされてますよねー古い宇宙船(ふね)なのに・・・。」

リリィ「まだまだ現役でいけるよ、先輩達に感謝しないとね!」

ヤヨイ「頑張って掃除します。」


 ブラシを片手にオデット二世のブリッジを改めて見回すヤヨイとリリィ。



「どいてどいて〜〜!」

「よ!」「は!」「とう!」「まってぇ〜!」


 無重力のGが無い場合、物体が自分の重さでどこかに引っ張られる事がない。もちろん、無重力空間で物体を動かすにも、その物体の質量と重量を越える運動エネルギーが必要ではあるが、女子高生の力でもたいていの物なら無重力下で移動は可能である。

 色々と大詰めにしたダンボールを持ってブリッジ通路を抜ける。



 宇宙船は航海とそのための整備に余念を欠かしてはならない。どんな面倒くさがりやな船乗りでも船の整備は行う必要がある。たいていの船乗りは業者に任せる事が多いし、実際ヨット部も専用の委託業者がいるが、リンは部活動の一環としてオ航海後のオデット二世清掃を部活動にしていた。




アイ「あ!ディンギーだ!」


 リンはオデット二世を収納している専用ドッグの隅にあった倉庫のロックを解除した。シャッターが開いて中から出てきたのは一人乗り用のヨット通称(ディンギー)であった。


アイ「うち、ディンギー持っていたんですか?」

リン「当たり前だろ。ヨット部なんだから。」

アイ「初めて見ましたよ〜。ちょっと古いけどいい船。部長!この子達出していいですか?」


 ディンギーは一人乗り専用の小型船の中でもさらに小さい機種になる。ヨット部では最新式のディンギーのシュミータが揃えてあるが、実物を見るのは茉莉香も初めてだった。


リン「出してどうするんだ?」

アイ「乗るんですよ〜」


 当然、と言った顔でアイは答えた。


リン「へぇ。ま、いっか。後でシャトルに積み込もう」

アイ「やったぁ!みんなで整備してあげるね〜。」



 生き生きとした顔で、ディンギーの翼に顔をすり寄せるアイ。彼女は中等部の頃に、ディンギーの大会で優勝経験を持っている。そのために機体にはそれなりの愛着があったのだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



リン「てなわけで、あっという間だったけど、第一日目終了!」

「「「「「「「「「「おつかれさまでしたー!」」」」」」」」」」





 一旦目処がついたところでリンはその日の活動をそれまでとした。わいわいきゃっきゃやりながらの作業となると効率はそれほど良くないため、日程を予め二日に分けていたのだ。



茉莉香「部長、私ちょっと弁天丸の片付けで、ステーションに残りまーす」

リン「おぉー。ってかいいのか?お前一人で。」

グリューエル「手伝いましょうか?」

茉莉香「ありがとうグリューエル。くじけた時にはお願いするよ」


 茉莉香の頭上で様子を見ていたグリューエル。その後ろで未だに寝ぼけた様子の茉莉香の顔をグリュンヒルデは心配そうに見つめる。


グリューエル「お早い“おくじけ”、お待ちしておりますわ」


 にっこりいつもの皇女スマイルで返すグリューエルの言葉にブリッジはどっと笑いで溢れた。







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 オデット二世に積んでいた連絡艇(ランチ)に一人で乗り込んで、弁天丸を浮かべている軍の錨泊空域を目指す。オデット二世の清掃作業の終わりに合わせて発進したので、飛行計画(フライトプラン)の提出は発進と同時に行う事になる。中継ステーションを離れる際の管制官との会話で弁天丸のニュース見ました。と言われて若干茉莉香は照れくさくなった。


茉莉香「せっかく宇宙に来んだからやる事やらないとね。」


 宇宙服を着て、連絡艇の外に出た茉莉香は、そのまま慣性移動して錨泊空域の弁天丸の船体に着地した。最初にヨット部のみんなと来た時のように、先代船長で茉莉香の父でもあったゴンザエモンのIDリングを使って弁天丸のセキュリティを解除する。




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百眼「お。弁天丸にお客さんだ」


 病院船での百眼の電子端末が、それまで映っていた麻雀の卓上ディスプレイの上から、短い警報音と警告メッセージを重ねて表示させた。センサー/レーダー系を指揮する百眼は、弁天丸の電子データ関係も把握しているので、専用の回線をいくつも張り巡らせている。


三代目「泥棒か?」

百眼「やー、船長だ」

ミーサ「大人しくいていられないのね」

三代目「ま、まさかまた船出したりするのかな。」


 先日の悪夢を思い出して三代目が若干焦りの色を見せる。


百眼「今回は一人だから、そりゃ無いだろ。」

クーリエ「うんうん。」

ミーサ「少し様子を見ましょ。ツモ!ツーワンコン!」

三代目「い゛!?」



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 最初に連絡艇を搬入する際にちょいとやらかした格納庫の清掃から始める茉莉香。とはいっても、頻繁に整備が必要なところは専用の掃除ロボットがいる。先端に塵物質吸着素材を付けて回転させながら器用な3本足でロボット達は縦横無尽に格納庫を行き来している。


茉莉香「ある程度片付けてからじゃないと、ヨット部のみんなにも、クルーのみんなにも手伝って貰えないというか・・・。」




 一番酷かったのは打ち上げパーティ兼チアキちゃんお別れパーティをした食堂である。数々の散らかった食べ残しや無駄に凝った部屋の装飾も含めて、女子高生達の手が深くまで入り込んだところであった。


茉莉香「なんだかんだ言って、私にも弁天丸の船内イメージとかがある訳で・・・。」


 実際のものじゃない大昔の弾丸式のモデルガンを船長室の壁に飾り直したり、通路のあちこちに散乱していたゴミ袋を運び出しやすいように一箇所にまとめる。中には明らかに忘れ物であるものも入っていたが。


茉莉香「ふむ。果たしてヨット部が持ち込んだゴミなのか、それともクルーの私物なのか・・・。訳がわかんなくなってきたよお」


 ファンシーなくまとかあひるとかのぬいぐるみならまだいいが、女性向けではないアダルトなファッション雑誌とか微妙である。



茉莉香「う〜む・・・・あ、そうだ」



 ブリッジの船長席まで戻る茉莉香。船長席にあるコンソールはそれ以外の電子戦、航法、火気、レーダー/センサー、機関を簡易的にだが操作できる。普段は担当の席でその道のエキスパートが担当しているので船長席は各担当から送られてくるデータを閲覧するだけの事が多い。


 やっと最近使い道が慣れてきた船長席のコンソールをゆっくりぽちぽちと叩く茉莉香。


茉莉香「名案、名案。」


 一気圧を保持し、窒素と酸素とその他微量物質を混ぜて空気を作り出す生命維持装置のところで、人工重力を「0G」に設定する。弁天丸の船内は基本的に常に重力下での運用を目的に設計されているので、滅多に人工重力を切る事はない。部屋に固定されていないものは無重力下では散らばってしなうためだ。



茉莉香「どおおおりゃああ!!ゼロGの力を見よぉー!!」


 しかし無重力下でのひとつの特権として、たいていの物体は地上よりは何十分の一の力を加えるだけで動かす事ができる。重力環境下では常に下に引っ張られるため、引かれる力に物体の質量がもろに影響される。しかし、無重力では何か外部からエネルギーが物体に与えられない限り、その物体はそこに留まるのみである。女子高生ひとりの力は人口重力圏内では何日あってもゴミを運び出せるかわからない。茉莉香は無重力下でまとめたゴミを一気に重ねて通路を渡った。



茉莉香「って・・・・しまったああああ!!!」




 しかし、どんな物体にも限らず、無重力空間では固定されていないものは空間中に散らばる。人工重力を切ってから気づいた茉莉香は、みんなが仮に寝泊りしていた乗組員の部屋へ向かった。案の定、散らかったままベッドや机の上に置きっぱなしだったお菓子やビンゴカードのゴミが部屋の中に浮かんで充満していた。



“ゴミの集める時はG有り!”“ゴミを運ぶ時はG無し!”



 なぜかGと書かれた文字の横に黒い虫も一緒に描かれている・・・。張り紙を見直して気づいた茉莉香は、ブリッジに戻って再び人工重力をオンにした。


茉莉香「順番よ順番!ウルスラやリリィ達にも手伝わせればよかったなぁ、もう。一番散らかしてたのはあの子達じゃない・・・。あ」



 重力があればゴミは机や床に散乱するだけである。掃除機をかけてゴミを袋やダンボールにまとめる。愚痴を零しながら持ち上げて途端、ダンボールの底が抜けて再び散らばる中身を見て、茉莉香はみんなの誘いを断った事を若干後悔した。


茉莉香「どりゃああああああああああ!!!名づけて、“ダスト・G・大作戦”!!」



 通路奥のダストシュートに勢いよくダンボールとゴミ袋を詰め込んで、トドメとばかりに景気よくボーリングのように一番大きい袋を叩きつけた時、高い電子音が茉莉香のポケットの端末から飛び出した。


茉莉香「あ!しまった!!?」


 茉莉香の住む海明星、及びその静止衛星軌道上に浮かぶ中継ステーションは銀河標準時間を元に活動している。宇宙には朝昼夜はないため、銀河系で定められた時間軸を基準に、ほとんどの惑星とステーションはそれに合わせて活動している。なので、中継ステーションから発着するシャトルも、行き先が深夜に迫るとシャトルの運行は翌日まで行われない。


茉莉香「待って待ってぇ!」


 終電を逃す事のないようにセットしていたタイマーに気づいて、猛スピードで連絡艇を飛ばして中継ステーション発、新奥浜空港行きのシャトルへ走る茉莉香。




茉莉香「やば・・・マスターロック・・・。出入口忘れた・・・。まぁいいや、システムはマスターロックしたし・・・明日・・・・・・へーい、マスター、また明日・・・。」


 オデット二世の清掃と弁天丸の清掃作業でへとへとになりながら自分が何を言っているのかも良くわからずに茉莉香はシャトルの座席に姿勢深く埋まっていった。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




茉莉香「は!・・・・・明日が、来た。」


 それから記憶が無いものの、目が覚めて自分の部屋の天井を見て昨日の事が直前まで起こっていたかのように錯覚する。ベッドの横には脱ぎ散らかした制服と荷物がそこにいた人物が蒸発したかのように散らばっていた。






リン「さぁ!大掃除二日目だ!」


 景気よくヨット部の部歌を唄いながらステーションの通路を歩く一同。


「「「「「「「「「「おぉー!!!」」」」」」」」」」

茉莉香「おー」


 寝た気がしたような、しないような。ふわふわした感じで茉莉香はグリューエルと共に各所のコントロール端末を整備・調整していた。


グリューエル「茉莉香さん。ギボシ端子のメスダブルを下さい・・・・。茉莉香さん?」

茉莉香「は!あぁ・・・・ごめんごめん。ちょっとぼーっとしちゃってた・・・。ぐえ!」



 グリューエルの言葉ではっと起きた拍子に目の前の工具箱につまづいて茉莉香は、前に倒れる。幸い重力は軽く入っている程度なので怪我の心配は無い。
 しかし、茉莉香を心配するグリューエルや茉莉香自身の気づかないところで、茉莉香のポケットから飛び出した弁天丸のIDリングが自分の存在を必死に主張するように光ながら飛んで行く。軽く下に引っ張られる程度の重力ではすぐに落下せずに飛び出した勢いのまま通路を抜けて髑髏の顔を模した指輪は持ち主を失ったままさ迷った。





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リン「機関室のセーフティリレーか。」

ヤヨイ「はい。」

グリューエル「随分古そうですわね」


 ヤヨイが機関室から持ってきたのは、オデット二世の通常推進機関を支える安全装置の一部品だった。


リン「予備はないのか?」

ヤヨイ「これが最後の一個だったみたいで・・・。」

リン「そっかぁ・・・部室のジャンク使って直してみるか。」


 船の足である機関室の安全装置ともなれば、無視する事もできない。航行にあたっての整備に手を抜くと何が起こるかわからない宇宙空間では命取りになる。使えるようにするにはパーツが足りないようで、リンは部室に戻って改めて作る事にしたようだ。





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茉莉香「さぁて、昨日の弁天丸の続きだ!今日でケリを着ける!!」


 再び連絡艇から弁天丸に向かう茉莉香。ここまで来たら自分で全部やっておきたい。出入口の戸締りは昨日し忘れていたが、軍の錨泊空域だけあって、さすがに泥棒も易易とは入ったりしていない。マスターロックの手間を省いて早速乗り込み、残りのゴミを一掃する茉莉香。



茉莉香「どうりゃあああああああああ!!」



 ゴミ袋とダンボールをダストボックスにまとめて、連絡艇に積み込む茉莉香。重力下では相当な重さのダストボックスも無重力下では強めに足を蹴って押し出すだけで簡単に押す事ができる。



茉莉香「―――っと。ゴミだが私物だかわからない物は、皆に分別させよう・・・。終わった・・・。うし!」


 仕事が明けてようやく全ての“やらなきゃいけない事”を終わらせ、夏休みの宿題を終えたような達成感を味わいながら、茉莉香は連絡艇を中継ステーションに飛ばした。


茉莉香「よぉし!コンテナはヨット部の倉庫に仕舞いだぁ!」



 ダストボックスを詰めた連絡艇のコンテナをそのまま中継ステーションのオデット二世の倉庫に閉まって鼻歌混じりに通路を歩く。



茉莉香「我ら〜白鳳〜白い〜おと―――ん?ミーサ?どうしたのこんな時間に?」


 上機嫌で歌う茉莉香の歌を遮って、弁天丸の専用チャンネルからの暗号通信の受信音が誰もいない通路で鳴り響いた。


ミーサ『そうなのよ、急に決まっててんやわんや。』

茉莉香「いつ!いつ退院なの!?」

ミーサ『明日よ』

茉莉香「快気祝いとか用意しとく?」

ミーサ『いらないわよ放課後でいいから、弁天丸のマスターロック解除しておいてね。』

茉莉香「うん、じゃあね」

ミーサ『おやすみなさい。』



やっといつもどおりの日常を取り戻せたような気がして、茉莉香は終始にやけたまま自分が帰宅しているのに気づかなかった。




茉莉香「あぁ〜いいなぁ。今日は取り分け美味しいよ。」


 晩御飯は梨理香さん特製のポトフだった。ちくわぶ、大根、、たまご、がんもどき、はんぺんなどなどが鍋の中で綺麗に並べて煮込まれている。茉莉香は丸くカットされたこんにゃくを箸を掴んで梨理香に言った。




梨理香「そうかい。・・・そろそろお前もポトフを作って貰おうかねぇ・・・。」

茉莉香「教えてくれるの!」

梨理香「あー、弁天丸の船長になったって事はねぇ、加藤家の秘伝を受け継いだって事でもあるんだ。お前にはもう作れるハズだよ。」


 意味深気な目つきに変わった梨理香の言葉の意味を深く考えず茉莉香は聞いていた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・



リン「う〜ん、部室を探せばなんとかなると思ったんだけどなぁ・・・。」



 船が宇宙を駆け巡るこの時代にP○PやWi○、プレ○テからG○、果てはドリ○ャスにSF○などヨット部の部室から出てきたのは骨董品級の機械やパーツだった。それ以外にも用途不明の小型カメラや謎の注射器など、使い道をあまり考えたくないものまで発掘してしまった。というか、ここは本当に女子校なのか。


茉莉香「ていうかなんでこんなものがあるんですか?」



リン「しょうがない。とりあえずそっとしておくか。」



 結局、ヤヨイが持ってきたセーフティリレーに使えそうなパーツはヨット部にはなかった。


リン「工作部に頼んでパーツを作ってもらうか・・・。高くつくなぁ・・・。」


 腕組みして出費の事を考えるリンを見ていた茉莉香は、またけたたしくなる弁天丸からの通信に出た。ただ、昨日とは違ってミーサの声色が尖っている。


茉莉香「あぁミーサ、弁天丸着いた?私もそろそろ行くから」

ミーサ『そろそろじゃなくて今すぐ!!!』

茉莉香「!?」


 焦りというより若干苛立ち混じりに聞こえた声に反射的に茉莉香はヨット部を飛び出して空港に向かった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



茉莉香「あぁ!みんな久しぶり〜」

三代目「船長!」

茉莉香「お帰り〜」


 毎日見ていた顔に久しぶりに会えて素直に茉莉香はほっとしていた。


ミーサ「お帰りはいいから、早くマスターロック解除」

茉莉香「へ?ロック?あぁ、そういや重力来てないね。どうして?」


 ミーサの言葉で真っ暗にいる自分達の状況に気づいた茉莉香。わざわざみんな揃っているのに重力オフにしてブリッジを非常灯の灯りだけで過ごしているのは変な話である。


クーリエ「ブリッジのシステムにロックがかかってますからねえ」

茉莉香「は?」

ケイン「ハッチからブリッジまではあっさり来られましたが」

ミーサ「早く解除して頂戴。戸締りの無用心さについては、その後話すとして」


 ミーサの声色に若干苛立ちが混じる。他のみんなもどこか呆れた様子で言った。


ミーサ「ったく、昨日の通信最後まで聞いてた?」

茉莉香「あぁ、ごめんごめん。」


 そういえば鍵を掛け忘れたままだった事を今更思い出し、茉莉香は制服のポケットに手を入れる。


茉莉香「あれ?あれ・・・?」



 しかし、そこに入れておくようにしているハズの指輪の感触がしない。


茉莉香「あぁ、そうだ部活のパーカーに入れてたんだー。ヤバイヤバイ、幸か不幸か入れっぱなしだったからー・・・。あれ・・・?あれ・・・?」


 手探りで記憶を辿るが、弁天丸を最初に開けて最後にシステムに鍵かけた時以来触った記憶は無い・・・。申し訳なさそうに茉莉香は自分がやってしまった事を申告した。



「「「「「「えぇ!?IDリングが無いぃ!!!?」」」」」」」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



茉莉香「リング〜、リングや〜い」

ミーサ『これじゃあ船動かないじゃない』

茉莉香「だってぇ・・・」

ケイン『どこで落としたんですか?』

茉莉香「それが解れば探してないわよ〜」


 自分の寝室、船長室、通路、食堂、格納庫。自分が行った場所を片っ端から考えてみるが、大掃除の際にほとんどのところへ行っているので探す範囲はかなり広範囲になる。仕方なく手分けして探すものの、掃除の際に一緒にゴミに出してしまったらもう一巻の終わりである。


三代目『指にはめておけばいいのに。』

茉莉香「男用だからサイズ合わないのよー」

クーリエ『話を総合すると船長が最後にマスターロックをしたのは昨日ね・・・。』

シュニッツァー『恐らく船長がIDリングを落としたのはクラブ活動中だろう。』

百眼『自分の行動を思い出せー』

茉莉香「と言われても・・・。」


 ロックがかかっていてシステムに火が入っていない以上、船内は常時作動している生命維持装置のみが動いている状態であり、後は船内の照明も全て非常灯の灯りが頼りであった。とりあえずペンライト片手に要所要所を探すクルーだが、当てもない作業にさすがに呆れ果てていた。


ミーサ「絶対あるわよ。」

茉莉香「他所で落としたんだったら?」

ミーサ「宇宙で落としたのでなければ大丈夫。船長の行動をたどれば必ず見つかるわ。」


 含みを込めたような余裕のあるしゃべりをやめて、冷たい声色になった今のミーサを見ていると、梨理香さんが時々言う「血塗れドクター」の異名が茉莉香にも見えてきた。


茉莉香「ど・・・どうしよう。」


〜〜〜〜



 『いえ、お渡ししたいんです。受け取ってください。』



〜〜〜〜



 あの時、グリューエルはそう言って茉莉香に指輪を渡した。先代の弁天丸船長である加藤ゴンザエモンがグリューエルに預けたIDリング。それが巡って今自分の手元にある。いやあったのだ。とっさにグリューエルの顔が浮かび、ますます申し訳なる茉莉香。


茉莉香「はぁ・・・何がありがとうだよ・・・。」


 あの時の自分の責任感を今の自分に見せつけてやりたくなって思わず茉莉香は呟く。







『お困りのようですわね?』


茉莉香「え!?」


『お手伝いしますわ』



 その時、弁天丸に接近する2つの船影があった。ひとつは中継ステーションの連絡艇。そしてもうひとつはオデット二世の格納庫に置くことになった最新型の偵察船サイレント・ウィスパー。しかし、ブリッジのシステムをロックしている今の弁天丸にはそれを知る術は無かった。



ウルスラ「だぁーー!」



 手動で格納庫を開いて乗り込んできたのは白鳳女学院ヨット部。戸締りもしないまま、開けっ放しの今の弁天丸ではシステムに気づかれずに侵入する事など容易である。そこでブリッジまでやってきたグリュンヒルデは、今まさに弁天丸クルーが探していたIDリングを手に取って掲げていた。


グリュンヒルデ「弁天丸、起動ですわ!!」


 グリュンヒルデは船長席のコンソールにそっと髑髏のリングを近づける。IDリングは弁天丸の船体のどこからでもその反応を瞬時に認識でき、コンソールに虹色の筋を躍らせた後、ブリッジの照明が光を取り戻す。


グリューエル「マスターロック解除確認!システム正常!」


 いつの間にか脇に現れたグリューエルが副長席から慣れた手つきで報告する。指輪を探して弁天丸クルーはブリッジを離れている。気が付けばブリッジに現れたヨット部員は、白鳳海賊団の時の定位置についていた。


翔子「レーダー/センサー系以上なーし。」

アイ「操舵系スイッチオン!」

ヤヨイ「主機、副機共に安定。」

サーシャ「通信系――」

ウルスラ「――オールグリーン!」

リン「火気及び監製系戦闘準備完了!」

グリュンヒルデ「さぁ!」

「「「「「「「「「「海賊の時間だぁ!!!」」」」」」」」」」



 船長のいないブリッジで慣れた手つきで配置につく女子高生海賊。慌てて何事かと茉莉香は船長席の後ろのドアから飛び込んできた。


茉莉香「違う違うちが―う!何やってんのみんな!」

グリュンヒルデ「茉莉香さんがお困りと伺って馳せ参じましたわ」

茉莉香「お困りと伺って、って・・・。グリュンヒルデ、一体どうやって聞いたの?」



百眼「サイレント・ウィスパーか。」


 いつの間にかブリッジに戻ってきた百眼達が言った。自分の持ち場についている見慣れない女子高生達の新鮮な光景に目をやっていた。


百眼「確かにあいつの地獄耳ならお茶の子さいさいだー」


 サイレント・ウィスパーは、最新の偵察機としての優秀なコンピュータが備わっている。長距離を航行している船を的確に索敵できる性能を持ち、電源が入っていない弁天丸の船内無線を拾うのは訳もなかった。


グリュンヒルデ「茉莉香さん、船長席をお借りします。それとこの指輪、オデット二世に落ちてましたわ。」


 そう言ってグリュンヒルデは、茉莉香の落としたIDリングを茉莉香自身に手渡した。


茉莉香「ありがとう。これが弁天丸のIDリングだって良く解ったね」

グリュンヒルデ「部長に手伝っていただいて解析しましたわ」

リン「おまえこんな大事なもの落とすなよー。下手すりゃ銀河帝国も黙っていねぇぞ?」

茉莉香「え、これってそんなヤバイネタが・・・」


 ぎょっとして茉莉香は自分の手に戻ったリングを見つめる。


グリューエル「困りますわ、ゴンザエモン船長からお預かりした大切な絆ですのに。」

茉莉香「絆・・・。」

グリューエル「私とゴンザエモン様と茉莉香さんとの絆です。そして、ヒルデも入れて四人の絆ですね。」

グリュンヒルデ「―――!」


 ふと妹を見つめるグリューエル。何かと茉莉香の事を話す自分の姉に嫉妬をしていた妹に気づいていたのか、全て解っていたかのように、グリュンヒルデに言う。


茉莉香「うん。そうか。まぁ、改めてよろしくね。二人とも。」


 海賊と姫。グリューエルと茉莉香。そしてグリュンヒルデ。幾度の冒険を乗り越えたその絆は、決して揺るぎない。


グリュンヒルデ「はい!」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 補給のために中継ステーションのドッグに弁天丸を停泊させる。本来は病院船に隔離された時に星系軍からの手当で船は全部メンテナンスされていたが、何分海賊営業と艦隊戦の大捕物があったので、本来の船内備蓄より大幅に減っていた。弁天丸クルーの了承を得て、ブリッジで動かすのは白鳳ヨット部である。初めて乗り込んだ時は打って変わって凛々しい顔つきでアイは弁天丸をバックさせる。


アイ「ふぁー・・・。」


 集中を切って額の汗を拭うアイ。


クーリエ「やるねえー、白鳳ヨット部。」

ケイン「顧問が良かったのさ。」


 短期であるが、ケインはヨット部の顧問として活動していた事があった。


クーリエ「あの子は新人でしょ?」

ケイン「あはは・・・・。」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ランパート「あったぁ!あたしのぬいぐるみー!」


 コンテナの中にまとめた荷物をみんなで分別する。


三代目「それスペシャルレア?」

ランパート「三代目さんも集めてるんですか?」


 ランパートは弁天丸のみんなが呼んでいるあだ名で三代目に聞いた。


ランパート「トレードしましょうか?」

三代目「マジで!?」


茉莉香「そこ!ちゃっちゃか片付けて!」

三代目「荷物ぐちゃぐちゃにしたの自分のくせにー!」



 三代目は、茉莉香がヨット部のみんなの持ち物だと思っていたぬいぐるみの一部を抱えて抗議した。どうやら私物らしい。


茉莉香「つべこべ言わない!私物の質量制限、厳しくするわよ?」

三代目「えー!やだいやだい!船長のバカー!」


 茉莉香の一言を聞いた三代目はそのままぬいぐるみを抱えて部屋を出て行った。結局後でランパートのぬいぐるみとトレードしたらしい。



グリュンヒルデ「やっぱり茉莉香さんは、女子高生より船長の方がお似合いですね。」

グリューエル「そうですわね。」


ミーサ「血は争えない。か。」

グリュンヒルデ「王族と同じですわね。」


茉莉香「え・・・何それ?」


ミーサ「ふふふ。」


 本人の知らないところで囁くグリューエル達。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 そしてヤヨイが、ついでに持ってきていたオデット二世のセーフティリレーの部品を持ってリンに報告。


リン「セーフティリレーを見つけた?」

ヤヨイ「はい!」

リン「っしゃあ!これさえ交換すればオデット二世の大掃除は終わりだな。」


 ひとまず当面予定されていた事項はこれで全て終了。もちろん表向きには、今までの航海は秘密。という事になっているが。


アイ「これで晴れてティンギーに乗れるよ。」

ナタリア「アイちゃん、今度教えてね!」

アイ「え、教えると言っても・・・・。」


ウルスラ「あ、そうだ!元先生、また先生になってくださいよ!ヨット部の顧問とか」


 様子を見ていたケインにウルスラは唐突に言った。


ケイン「え?・・・おいおいそいつぁ・・」

アイ「お願いします!」

ケイン「んえぇ?」


 アイはケインが弁天丸の操舵手と知っているので、尊敬の眼差しを送った。

アイ「わたしにも宇宙船(ふね)の事色々教えてください!」


「「「「そーだそーだ!」」」」




 真剣に迫るアイに、上手いことはぐらかす方法を考えていたケインの後ろからさらに賛成の声があがる。





 ケインは白鳳女学院の体育教師兼ヨット部顧問の仕事を、当時ミーサと共に行なっていた。もちろん理由は茉莉香の護衛であるが、その道中ではヨット部の面々にも多大な信頼を得ていた。わーきゃー騒ぎ出したコンテナの一画を微笑ましく茉莉香は見ていた。


ケイン「おほん。じゃあ、考えておきましょう。」


「「「「「はーい!!!」」」」」


 とりあえず言わないとこの場は収まらないと判断し、ケインは二度とやらないと愚痴を零していた仕事をいつかやる事になってしまったのだった。



・・・・・・・・・・・・・・・・



 一通りの分別も終わったところでヨット部員は中継ステーションに戻り、海明星・新奥浜空港行きのシャトルに乗った。


グリューエル「・・・・・茉莉香さんがいませんわ」

リン「ごく自然に弁天丸に乗って行ったな。」


グリューエル「・・・・。またお手伝いさせてくださいね。」


グリュンヒルデ「お姉様。抜けがけはナシ、ですわよ・・・?茉莉香様と海賊をされる時はヒルデも共に・・・。」


 お互いを横目で見て、そして微笑む。茉莉香を中心としたサークルの中、今後も彼女の力になっていくと決めた二人。セレニティ星系を救った事もあるし、もちろん友達として純粋にそう想うところでもある。百眼に言わせれば「罪作り」らしいが。



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茉莉香「“絆”か。」


 言葉にしてみればさっぱりと、しかしその重さはずっしりと、信頼、仲間、それらは宇宙では何より大切なネットワークである。

 弁天丸に残って船長室で自分の席に座ったまま、髑髏のリングを見つめる。父親と自分の絆。そして、このリングがグリューエルとグリュンヒルデに出会わせてくれた。


 ふと見つめたリングの不思議な波長を感じつつ、そっと机にリングを置く。


茉莉香「―――!」


 すると指輪を置いた位置を中心に、何本もの線が蜘蛛の巣状に広がっていく。茉莉香はその線がひとつひとつ、船長しか見る事ができないデータファイルのフォルダである事に気づくのに少し時間がかかった。



 気づいてすぐ、色々なタイトルがふられたフォルダのひとつに「加藤家」と書かれたファイルがある。何気なくたん、と叩くとディスプレイには写真が添えられた材料やその分量、手順が書いてあるとあるデータが表示された。




茉莉香「あー!これかー!」





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 母が楽しそうに横で娘の手料理の様子を見る。小皿に少々、煮込んだ鍋から具を乗せてすすっと啜る。


茉莉香「うん。できたよ!」



 茉莉香が口に運んだその味は、母がいつも作っている得意料理の味だった。




















 偶然引っ張り出したディンギーで全国大会に挑む。まずは特訓、さっそく現れたコーチは意外なアイツ!?そして波に乗る船長。乗れるのか、乗れるのか。




次回「茉莉香、波に乗る」




 乗れるのか?



 
















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↑原作版チアキちゃんかわゆす