【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

妖狐×僕SS 第12話「二人になった日」





 ここはメゾン・ド・章樫(あやかし)。

 通称妖館。

 シークレットサービス付きの最高級マンション。

 その実態は、妖怪の先祖返りたちが住まう秘密のマンション。

 癖のある住人ばかり住むそこで、僕は出会った。


 僕のシークレットサービス、御狐神くんに。

 昔、僕と手紙のやり取りをしてきたのは、蜻蛉のふりをした彼だったと知った。

 その後、彼は静かに事情を話して謝罪した。

 手紙は全て大事に保管している と。

 元々自分が持っていて良いものではないので 僕が望むのならこの手紙は返す と。



 君が持っていていい と答えた。

 君に宛てたものだから と。

 そう言ったら また泣きそうな表情で微笑んだ。



 そうして 僕は 決心したのだ






「反ノ塚さんも僕のお父さんと同じ妖怪の先祖返りなんですよね・・・。」


その子は河住小太郎(かわすみ こたろう)。妖館のキッチンで父親の手伝いをしている男の子。河童の先祖返りである父親と一緒に妖館に通っている。


「妖怪の先祖返りは始祖と同じような要素を持って、稀に記憶も受け継ぐんですよね。それって生まれ変わりとどう違うんですか?」


 たまたま門の辺りでぼーっと立っていた小太郎を見かけた反ノ塚連勝(そりのづか れんしょう)は、父親に顔合わせ辛い小太郎の気持ちを察して木綿になって屋上に運んであげた。


小太郎「お父さんが死んだらまた生まれ変わるんですか?お父さんは来世で岡さんと違う人と結婚して僕じゃない子供のお父さんになるんですか?」

連勝「・・・・。えーっと・・・。いつからそんな事考えてたの?」


 小太郎が普段からしっかりしている子だというのは知っていた連勝だが、こんな子供がそんな難しい事を考えているのに素直に関心していた。


小太郎「初めて知ったんです。お父さん達の話を聞いて先祖返りがそうだって・・・。」

連勝「ふぅん・・・。すげぇな、そんな先の事まで心配できんのか。俺、夜何食うかも考えてねーわ」


 自分達は特別な存在。反ノ塚連勝という人間は、過去に同じように存在していた。先祖返りとして。ただそれを知らないのは自分だけ。姿・形・声・性格は全く同じに生まれ変わっても、普通は記憶までは受け継がれない。だからこそ、生前と違う人生を歩み、違う生き方ができる。
 ただ、先祖返りが全部そうとは言えず・・・。小太郎は、自分の父親が生まれ変わって、全く同じ人格になった時、自分のお母さんじゃない人、自分じゃない子供と一緒にいる風景を想像してしない、こう、なんとも言えない気持ちになった。




「じゃあタイムカプセルを埋めよーー!!!」



 そんな中、茂みから現れたおせっかいなウサギさん、夏目残夏(なつめ ざんげ)。

残夏「そんなに心配ならお父さんに手紙を書けばいいのさ〜☆」

小太郎「な、なんでタイムカプセルなんですか?」

残夏「そりゃあ勿論手紙を読むのは 来世の河住さんだからだよ」


 内緒話をする時みたいに人差し指を口の前に立ててニコリと笑う残夏。


小太郎「来世のお父さん宛に・・・?」

残夏「そう。そこに『ママ以外の人と結婚しないで〜』とか『パパの子供は僕だけだよ〜』とか書けばいーじゃん☆」

連勝「おい・・・」


 百眼の先祖返りである彼には、未来、過去、人の心の全てが見える。勿論そこには他人には触れられたくない心の傷だってある。小太郎の素直な気持ちを敢えて声に出していじわるに言う残夏を見て連勝が声をかける。


小太郎「でも・・・・。でも。」

残夏「大丈夫、まかせなって☆」


 思わせぶりにニヤケ顔。何か企んでいる癖に、それを隠すように誤魔化す彼の心を、この時はまだ連勝は解らなかった。



「まずは仲間を集めよう☆何事もみんなで楽しく行わなくっちゃ!」


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渡狸「タイムカプセル?俺は不良(ワル)だぜ、そんな遊びに付き合って・・・」

カルタ「じゃあわたし、わたぬきにてがみかく。」

「え」


 ラウンジでパフェを食べいたカルタ。それに付き合っていた渡狸を見かけた残夏は早速声をかける。

カルタ「らいせの わたぬきに てがみかく。あ、でも・・・。らいせのわたぬきと らいせのわたしが なかよしじゃなかったら・・・。てがみ よんでもらえない かも・・・?」


渡狸「ばかやろーーー!!仲良しにきまってらー!!」



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カルタ「でも、らいせってどんなの・・・?」

残夏「どーなってたらいいと思う〜〜?」



カルタ「わたしは ちゅうかまんに なりたい。あんこや おにくや ピザや ベルギーチョコレート カスタード シチュー・・・。ちゅうかまんの おなかのなかは つねにステキなもので みたされている・・・。わたしのおなかのなかも つねにステキなもので みたしていたい・・・。」


残夏「でも最終的には食べられる側だよね?」

カルタ「たべられるしゅんかんまで・・・たべていたい・・・。」(キラキラ


 なんという理想。食への究極の愛がここに。


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連勝「土硬て〜〜。」

野ばら「早くしてよね、付き合ってやってんだから。」

連勝「へ〜い。」


 一方、連勝は雪小路野ばら(ゆきのこうじ のばら)も誘ってタイムカプセルの穴を掘っていた。


連勝「しかし俺ら3人こうしてると親子みたいだな。タレ目とか似てるし」


・・・。



「レンレン穴掘れた〜?」

「今埋めたところよ」


 哀れ木綿は土の下に。


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連勝「まぁ、そんな訳でだ。お前も参加するか凛々蝶?」

凛々蝶「はっ。タイムカプセル?君は子供か?高校生にもなってそれに付き合えと?」

「まぁ無理にとは言わねーよ、じゃ」


 しかし立ち去ろうとする連勝の服の裾をちんまり掴んで引き止める。


「ふん。まぁ丁度偶然レターセットを机の上に広げていたのでな、ついでだ参加してやろう。」

「偶然ねぇ・・・。」

「おい勘違いするな!本当に偶然だからな。菓子折りに添える手紙を書いてたんだ・・!」

「へいへい・・・。・・・。」


 いつもの強がりで言ってしまったものの、今回は本当の事だからと念を押す凛々蝶。


連勝「でもおまえ変わったな。来たばっかの時は構うなとか言ってたのに」

凛々蝶「・・・・・・・・・こ」

「こ?」

「こ、これからはもう少し他人と接触していこうと思わなくも・・・・お、思う。」

凛々蝶「た、多分当分は悪態をつくばかりで君達を不快にさせてしまうけどな・・・」


 ショートパンツの裾を掴んで目線を下へやったまま顔を赤くして凛々蝶は言う。回りを否定ばかりしてきた彼女のそんな、純粋な変化を見て思わぬ連勝はその頭をくしゃっと撫でる。



「いーよ。俺は鈍くできてるからな」



凛々蝶「こ、後悔しても知らんからな・・・。」

連勝「おう。かかってこいや」


 お兄様・・・。


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双熾「お兄さまがタイムカプセルをですか」

凛々蝶「うん・・・君も気が向いたら参加しろと言っていた。それと、これ・・・。」


 先ほど机で広げたレターセットのひとつか、菓子折りと添えられた手紙をすすっと差し出す凛々蝶。


「この間のメロンは結局落としてしまったからな。ふん。まぁつまらない物には変わりないが。」

「そんな・・・この様なお気遣いを・・・!この間のメロンも腐らないように処理して大事に保存しています」

「いや 食べろ」

 なんとも言えない至福の表情で彼は言う。


双熾「それにしてもこれをいつの間に・・・?」

凛々蝶「別に・・・昼休み中の買ってきたんだが何か?」

「そんな危険を犯してまで・・・!!!ありがとうございます・・・永遠に大事に致しますね・・・!」

「食べろって」





 そうして双熾もタイムカプセルに誘い、少しずつ自分から誰かを誘う事にも慣れてきた様子。


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『他人の中で傷つけたり傷ついたりして・・・・』

『変わったな』


 ここへは一人になるために来たのに不思議だ

 関わっていこうと思えた


 ここの人達に出会って

 彼に出会って

 変わりたい


 傷つけるかもしれない。

 傷つけられるかもしれない。


 でももう、一人になって逃げるのはやめるんだ

 もっとちゃんと自分になって御狐神くんの側にいたいんだ・・・。




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連勝「で?何書いたんだ?」

凛々蝶「来世の自分なんてよく分からないからな、とりあえず差し当っての目標でも書いておいた」

連勝「そうだよな、分かんねえよな。そんなもんだ」


 ランドセルを下に敷いて白紙の紙に鉛筆を当てたまま動かない小太郎を連勝は横目で見つめた。


「小太郎、お前も来てたのかい?」



 そこにやってきた(現れた?)小太郎の父河住丈太郎(かわすみ じょうたろう)。

小太郎「うん。その係船柱どうしたの・・・」


 どこから出したかわからない係船柱に片足をかけ、偏ったハードボイルドなポーズで葉巻をくわえる。


丈太郎「お前もタイムカプセルに残したい言葉があるって?センチメンタルだね」

小太郎「来世のお父さんに手紙を書いてるんだ・・・。でもなんて書けばいいのか分からない・・・。」

丈太郎「来世の俺は本当に俺か?見ず知らずのおっさんに手紙は書けねぇよそりゃ・・・。」

「え・・・?」

「人は出会いで出来てるのさ。いろんな物や人、感情とのな。母さん(あいつ)やおまえと出会ってない俺は俺と呼べないのさ・・・。ふ、ロマンチックすぎるか・・・?」

「そっか・・・。僕のお父さんは、お父さんだけだね・・・。」


 あくまで人生は今。流れる時間は現在。そこに生きている人達のもの。


 輪廻転生、時間は廻るけど、今はこの時が一番。


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「フッフッフ〜☆めでたしめでたしッ☆かな〜〜〜」


 少し離れたところで自慢げにわざとらしく笑うウザギ。


凛々蝶「なんだその満足気な笑みは・・・また何か知ってたな?」

連勝「へぇ〜。おまえって優しいのか!」

 何かを発見したようにまっすぐに残夏を見て、連勝は純粋に思った事を口にした。


「何考えてんのかと思って最初焦ったわ」


 そんな純粋な感情を受信してしまった百眼の先祖返りは、照れくさそうに目線を逸らし――――。


凛々蝶「ふん。お節介の間違いじゃないのか?」

残夏「ふふふーさぁて〜ど〜かな〜」



「あんた達、何無断で穴掘ってんのよ・・・主犯は誰?」

ちの「だれだー!」


 そこにやってきたのはメイド長の童辺あゆむ。とメイドその2小人村ちの。


凛々蝶「僕は彼から聞いた」

連勝「こいつが」

残夏「ぴっ(なぜか渡狸を指して)」

渡狸「俺!?」


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「来世の俺は、本当に俺か?」


 僕たちはこの言葉を

 ずっとずっと先で思い出す事になる。


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 一通り持ち寄った手紙を箱に収めた一同。


「さてぇ☆これで全部かなぁ〜?」

凛々蝶「待て、御狐神くんが」

連勝「ん?凛々蝶、この手紙間違いじゃね?」


 そう言って連勝は一番上に重なっていた「御狐神君へ」と書かれた凛々蝶の手紙を拾い上げる。


連勝「御狐神サンに渡すんじゃねぇの?菓子箱の方にタイムカプセルの手紙添えちゃったんじゃねぇ?あはは恥ずかしー、何て書いたの?」


『でももう一人になって逃げるのはやめるんだ。もっとちゃんとした自分になって御狐神くんの側にいたいんだ』



「キャーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」


 桜の木の下で断末魔に近い悲鳴が木霊する。


渡狸「な、なんだ!?」

野ばら「どうしたの凛々蝶ちゃん?」

連勝「珍しく取り乱してんなぁ・・・。手紙ならまだ読んでないかもしんないじゃん、とりあえず電話――」

「はっ!!」


 連勝の言葉でビギナーとは思えないスピードで携帯を操作する凛々蝶。相手はもちろん・・・。


双熾『はい。』

凛々蝶「手紙を読むなぁ!!!!」



しばし沈黙・・・。なんとなく見守るみんな。



『読みました。』


「ああぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


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 公園でしばしテラ自己嫌悪。


「てゆーか、このままこうしてると〜〜そーたんここに来るんじゃない?」


 残夏の忠告でとりあえず合わせる顔と心の準備のために旅に出た。


 まるで告白したみたいじゃないか・・・。そんなつもりじゃ・・・。

 第一告白なんてこの僕からは最も遠い行為なのに・・・。


『はっ。何を言っている?図にのるなよ?』



 毎日真逆の事をしている様なものじゃないか・・・!



 別に恋人になりたいなんて、浮ついた事は考えてなかった。

 君には感謝してる。

 変わりたいと思えたその勇気をもらえた。

 だからもっとちゃんとした自分になって、ほんの少しでも、そのお返しができたらって・・・。


 もぞっと動いて携帯の存在を思い出す。あれから電源を切ったままなのでせめて消息くらいはちゃんと言っておこうと電源を入れる。が、その瞬間「楽園のPhotograph」が流れ出す。


うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁ。ま、まだ心の準備が何の作戦も立ててない・・・!



〜プラン1:速攻〜


「無事なので探さないで下さい!!」


 ・・挙動不審すぎる・・・。根本から解決しないと・・・。



〜プラン2:とにかく説明〜


「あの手紙に深い意味はありません。今まで電話が繋がらなかったのは電波が悪かったからです。」


・・説明くさい!嘘っぽい!



〜プラン3:何でもないフリをする〜


「え?あの手紙?深いイミはないよ★それより話題変わるけどさー★」


・・誰なんだ・・・!!


 と、とにかく電話が切れる!できるだけ自然に弁解するんだ!


「あの手紙に深い意味はない!!(第一声)」

『凛・・・』「ただあくまで仕事のパートナーとして末永いご縁を祈願しただけ(?)だが何か!?」

「とにかく僕は!君に対して特別な感情なんてないんだからな!」

『はい。存じております。』

「へ・・・ぞ、存じる・・・?」

『はい。凛々蝶様もそう仰ていますし、それに。』

『そこまで図々しくはありません』


 帰ってきた言葉はいつもより平坦で、嫌に距離がある声色だった。


『身の程は弁えているつもりです。自分の質、立場、至るまでの経緯。・・・貴女にはとても聞かせられない様なそんな事もしてきた人間です・・・。そんな僕がこうして貴女の側に居られるだけで幸せなのです』

『他でもない“僕”に向けて手紙やメールを下さる。それにどれ程意味があるか・・・これ以上の幸せはありません。』

凛々蝶「そんな事は・・・」

『なんて、貴女をさも聖域のように言いつつ妄想するのです。更なる幸せを望んではいません。想うだけならタダでしょう?』

『解りましたか?僕はこんな男です。』


 懺悔のような、贖罪のような、救済なんていらないと言っているかのように自分で遜る本音。それが彼の弱い部分でもあった。


 そうか。御狐神くん、自分の事が嫌いなのか・・・。どこか知っていた気がする。

いつもふと自嘲する様なところがあったから、冷めた目をする事があったから、淋しそうだったから、解る。



 解るよ。僕も自分の事が嫌い。だけど変わろうと思えた。君を好きになって、そんな勇気が持てた。



君がくれた。




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 ふと、妖館に来たばかりの頃の桜の下の出来事を思い出す。


〜試してみますか?〜


 その言葉には果たしてどれほどの意味が詰まっていたのか。今なら解る。だから、今度は自分から。お互いに自分が嫌いな僕ら同士なら、今度は僕から。



「凛々蝶さま・・・」



 夕日に染まる公園で、御狐神くんを見下ろしながら遊具の上に立つ。

 怖い。今まで自分を守るために沢山他人を傷つけた。だから少しでも君の勇気になるなら・・・。


 今度は僕が傷ついていい。

「好き・・・」

「―――――」




「君が 自分の事を好きになれなくても、僕は、好き・・・」

「凛・・・」

「好き・・・好き・・・。好・・・」


 下手に強がらずに、自分では素直な気持ちで出た言葉。でも、彼に伝わっただろうか。もうそんな事すら考えている時間もないまま、気づけば僕は彼の両腕の中にいた。



「凛々蝶さま――――っ!!」

「愛してます・・・っ!愛してます・・・!凛々蝶さま・・・・。」

「愛してます・・・愛してます。」


 僕が好きと言った言葉全部に彼は返事をくれた。


公園の外灯に明かりが灯り、徐々に夕陽の赤が紺色に染まる。



こんな、僕の言葉が君の力になれたのなら、嬉しい。こんな嬉しい事ない・・・。


「あー大人がエロい事してる――――。」

!?

「みっ!御っ!御っ!?」

「はい・・・?」

「御っ!見っ!か、嗅ぐな!子供の情操教育上宜しくない!は、離れよう!」

「凛々蝶さま、まるで夢のようです。」

「聞いているのか?(イラ」

「手紙を貰った時、勘違いをしてはいけないと自分を律していたのです」


 細く澄ませた色の違う両目がそっと耳まで近づく。


「でないと箍(たが)が外れそうだったから・・・」


 そして、その瞳は自分の目線とまっすぐ重なり――――。



「本当はね。死ぬほど嬉しかったのです。」







第10話「二人になった日」








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そうして・・・僕らは・・・。


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・・・・


・・。



・。



『学校』



カルタ「売店でアイス買う・・・。」

凛々蝶「その手に持っているのは何だ?」

カルタ「これはソフトクリーム」


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『進路』



連勝「ドモホ○ンリンクルの雫がずっと垂れてるのを見てるだけの仕事ってどうやったらつけうッスかねぇ・・・。」

担任「・・・彩春館製薬に入社するんじゃないか?」


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『海』



蜻蛉「ただいま帰ったぞ!肉便器(M)ども!!」

童辺「あの子達なら海へキャンプへ行ったわよ・・・。」



・・・・・・・



蜻蛉「見つけたぞ家畜(M)ども!!この私から逃げられると思ったか!」

カルタ「カゲさまだー」

渡狸「て、てめぇ!こんなところまで何しにきやがった!!」

連勝「はいはいおいで。混ざるんでしょーそこのイカ解体して〜」

野ばら「凛々蝶ちゃん!日焼け止め塗ってあげる〜」



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『文化祭』


「「「女装キタ━(゚∀゚)━!」」」


渡狸「ギャーーーー!!!」

蜻蛉「その姿で客引きか?Mすぎるな!!悦(よ)いぞ悦(よ)いぞー!」

残夏「流行りの男の娘ってやつ?」

双熾「たいへんよくお似合いですよ」

渡狸「うるさーーーい!!」

蜻蛉「せっかくドMが痴態を晒しているのだ。これは動画に収めてやらんとな(S)!」

残夏「だよね〜〜★」

双熾「可愛らしいですよ、渡狸さん」

渡狸「ぎゃーーーー!!」



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ピロリーン(着メロ)。

連勝「ん?動画がついてる」

凛々蝶「?」

連勝「タイトル『男の娘陵辱』?」





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『風呂』


野ばら「凛々蝶ちゃん、テストどうだった?」

凛々蝶「ふん、みんなのおかげでなかなかの点数だったとだけ言っておこうか。」

カルタ「わたしは、おかしをとりあげられた」



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『初デート〜車内〜』



双熾「今日はどちらに行かれましょうか?」

凛々蝶「う・・・うん。」




『初デート〜服屋で〜』


双熾「凛々蝶さま、たいへんお似合いです。」

凛々蝶「う・・・・。」




『初デート〜双熾の部屋で〜』


双熾「お飲み物です。」

凛々蝶「御狐神くん。お、お手洗いをお借りする!」

双熾「どうぞ。」







「見てしまいましたね・・・。こんな僕でも好きだと仰ってくれましたよね?」

「こんな君だとは聞いてない!!!」



 禁断の・・・フォトグラフ。



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「凛々蝶さま、ひとつだけ夢があるんです・・・」

「夢?なんだ・・・?」

「嘘でいいんです。今日この場限りの、軽薄な嘘でいいんです凛々蝶さま。」

双熾「子供が欲しいんです。家族が、欲しいんです・・・。いつか・・・。」



 見た事もない



 遠い、君の子供の頃の事を想った。想像した。



「そうか・・・」



 淋しくて・・・愛しかった・・・。



「でも・・・適当に答えたくない・・・。大事な事・・・だから。」


「凛々蝶さま・・・。はい。その方が嬉しいです。」



 沢山の日々を経て二人で考えよう。


 時間は重みだ。僕はそう、思う。







 凛々蝶さまの紡いできた時間。


 御狐神くんの紡いできた時間。


 この先何度も思い出す事になる。長い長い時間のお話。



 二人で紡ぐ、長い長い・・・時間の・・・・・・・。




































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だーーーーーーーーーーー!!!終わってしまいました。「妖狐×僕SS」。


 ほぼ最終話はフルに文字起こしてお送りしました。果たしてこれをちゃんと見ている人が何人いるのか・・・。


 私はもう原作まで一気に買い集めて読破してしまったぐらいはハマってしまいました。DVDも近々買わねば・・・。


 総じてギャグ・シリアス・そして恋愛をバランス良く取り入れたアニメだったと思います。キャストも選りすぐりの中でしっかりそれぞれのキャラクターを演じていて良かったし。毎回EDには度肝を抜かされてきましたね。

 また、ここは原作で言うプロローグにすぎません。なので、原作を読むとここから先が一気に動きます。妖狐×僕SSという作品を本当の意味で理解するのには、やはり12話だけではここが一番綺麗にしまります。


 この後の二人が迎える困難・障害。それを敢えて読みたいというドMな方はどうぞ、遠慮なく原作も読んでみてください。

 アニメは一旦ここで終わります。もちろんこの感想も。



 なのでまた次回まで楽しみに待っているがいい!!肉便器たちよ!!








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