妖狐×僕SS 第10話「裏切りの妖狐」
伝わるモノは少なく。
伝えたいモノは多い。
言葉は反発し。
心は素直に。
突如戻ってきた青鬼院蜻蛉(しょうきいん かげろう)。早々に強制帰宅歓迎パーティへ凛々蝶(りりちよ)たちを巻き込む。
蜻蛉「貴様には鞭だ!!」
残夏「何でボクいつも鞭なの?」
北海道(M)土産と四国(S)土産のSMグッズを配る蜻蛉。一応カルタには蟹だったり鰹だったりをしっかり買ってきてあげている。
蜻蛉「貴様には鞭だ!!」
残夏「何でボクいつも鞭なの?」
野ばら(S)にもちょっかいを出して極寒プレイ(S)に悦びながら回りを振り回して一人で盛り上がる蜻蛉(S)。いつの間にかカルタに首輪(M)を付けているが、そもそもカルタにはSもMも無い気が・・・。
蜻蛉「まぁ・・・貴様には大事な話もあるからな・・・」
蜻蛉のおかげでコーヒーの約束が一日伸びてしまいます。しかし、それとは関係なく蜻蛉に真剣な眼差しを向ける双熾(そうし)。
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「(毎日・・・手紙を書いていた・・・。)」
翌日、学校へ行くとカルタがいない事に気づく。おかげでテンションダダ下がりの渡狸(わたぬき)。
蜻蛉に振り回されっぱなしだが、考えれば考えるほど双熾に申し訳ないと思ってしまう凛々蝶。
自分にだけに向けられていた唯一の言葉だった。その手紙をただただ祈るように待った。
その言葉が。その手紙が。
蜻蛉「昨夜ぶりだな!許嫁殿!この私自らが迎えに来てやったぞ!」
放課後、校門(M)前で待ち伏せていた蜻蛉。後部席にはチャイナドレスのカルタも。慌てて渡狸が突っ走ってきます。
渡狸「カルタ!!大丈夫か!!?」
カルタ「ぺきんダック!!」
渡狸「第一声が!?」
双熾が迎えに来ると思っていた凛々蝶は、蜻蛉の誘拐じみた招待に猛抗議。しかし、この世に二種類(SとM)の人間しかいないと思っている蜻蛉には、双熾(S)も自分(S)も変わらないと思っているみたい(笑)
蜻蛉「そこの主婦はS!子供もS!!あのリーマンはM!あの犬はドM!!この運転手はM!!」
凛々蝶「やめんか!」
蜻蛉「おっと、ガラスで頭を打ったぞ!なかなか痛いなぁ、このガラスドS!しかし到着しないなぁ・・・渋滞か?この道路もそれなりのS!!」
中華料理店
蜻蛉「うおっ!?このテーブル滑りが悪いなぁ、なかなかのS!!と見せかけて下克上されたいM!!」
カルタ「かげさまたのしそう。」
渡狸「おれ、楽しくない。」
凛々蝶「帰りたいんだが・・・」
蜻蛉「いいだろう!この私が一人で輪姦(まわ)して輪姦して輪姦しまくってやるぞ!!ふははははは!!」
水族館
蜻蛉「ふむ。イワトビペンギン。一見可愛らしくM風だが、実は気性の荒いS!」
凛々蝶「帰りたいんだが・・・」
渡狸「カルタがいない!?」
カルタ「いわし。かれい。まぐろ。おいしそう・・・。」
お茶
蜻蛉「んんん。このココア甘い、M!」
凛々蝶「帰りたいんだが・・・」
蜻蛉「ジャンジャーエール辛い、S!」
映画
蜻蛉「映画館暗い、M!!おぉ!!と、飛び出してきたぞ!!3D、S!!」
凛々蝶「帰りたいんだが・・・」
ショッピング
蜻蛉「このマネキン、クールビューティS!!こっちはMだな。」
凛々蝶「帰りたいんだが・・・」
夜景
蜻蛉「夜景・・・ドS・・・。」
凛々蝶「もう自力で帰るから鞄と携帯を返してくれないか!!?」
蜻蛉「おぉっと反逆か!?反逆のドMか!?」
帰宅
と散々いろいろ使い果たしながら凛々蝶帰宅。もちろん夜にコーヒーを飲むという双熾の約束の時間はとっくに過ぎていた。
とりあえずお詫びのメールをするも“あの”双熾から返信がなかなか来ない。「そわそわ」が時間と共に弾幕になった時、気分を害して嫌われたのでは、といういつものネガティブモードに・・・。
なんとか素直に誠意を込めて謝れるようにと、とりあえずメロンを抱えて双熾の部屋へ。しかし、やはりというか、散々シュミレーションしたにも関わらず、「とでも言っておこうか」が口を付いて出てしまう。
双熾「制服を着てらっしゃるという事は、今までご一緒だったのですね?」
凛々蝶「あ、あぁ。ついさっきまでな。悪かったと言えば満足かな?」
双熾「蜻蛉様との事を僕に謝罪される事はありませんが・・・・・・・案外、満更でもないのでしょうか?」
どこか冷たい眼差しで、今までに無いくらい冷たい声に聞こえた気がした。
凛々蝶「な・・・なんで・・・そんなわけ・・・。」
双熾「では凛々蝶様は、無意識のままに男に気を持たせるのがとてもお上手でいらっしゃるのですね。」
彼の口に似つかわしくない皮肉。あれだけ自分を讃え祀っていたこの男が、そんな冷めた目で自分を見ている・・・。彼は自分を犬だという。奉仕する事しか価値がない、下僕だと。それが全て。それ以上に何もなく、それ以下にもなれない。
双熾「覚えておいてくださいね・・・。この指ともう契約はなされたのだと・・・。」
それは、一人ぼっちにされた過保護なSSの、忠実な双熾の、最大級の嫉妬心でもあった。なるほど、蜻蛉の表に出さない(S)はここから来ていたんですね。
凛々蝶「今日はどうかしている・・・!!帰る!!」
満更でもないのかなんて・・・そんなわけないのに・・・ずっと帰りたかったのに・・・ボクは・・・。
ボクは御狐神くんと一緒に・・・。
零れる涙。いつの間にか流していた感情。悲しみ。想い。そして気づく。不整脈。でも・・・。
僕は、御狐神くんのことが。
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「う〜ん、悦(よ)い朝だ!」
結局。月が出ている間中。ずっとお互いに、お互いの事を考え、そしてお互いに、お互いを想い悩んでいた。
双熾「蜻蛉様、話さないでいただく事はできませんか?」
今まで何だかんだで気を使っていた蜻蛉。しかし、凛々蝶に話そうとしている事を双熾が止めます。おっしゃる事なら何でも致します。その言葉、凛々蝶のためであればまさしく真実。本当に何でもやってしまう。まるで、お願いされているこちらが下位であるかのように笑顔で。
蜻蛉「そんな貴様が、これほど頼んでいる事だ・・・」
「だが断る!!!」
どーん(S)!!
さすがの態度にチクリとしたのか、冷たい瞳を宿して、妖狐の姿で微笑む双熾。
「では、もう少し。お願いしてみましょう(S)」
「いいだろう!付き合ってやる!!(S)」
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マンションのロビーには似つかわしくない剣戟が繰り広げられる。鬼と狐。
「ふむ。たまには責められるのも悪くない。だが、ワタシのプレイも味わってみるがいい!!(S)」
エンディングテーマ
「SM判定フォーラム」
青鬼院蜻蛉(杉田智和)(自称S)
Takumi(S)
CHI-MEY(S)
大久保友裕(M)(アニプレックス)
「家畜共が集まってピーキャーピーキャー騒いでる」
「三角木(ピー)に浣ちょ(ピー)鞭に荒縄出揃った。」
「人生はSかM 始めよう 未だ目覚めぬ時―――――」
「よし、それではワタシが貴様ら家畜共をSかMかに分別してやる!!」
「縛られて(ウッ!)嬉しいか(イェ!)それならお前はエ・ム・だ!!」
「叩いて(ウッ!)嬉しいか(イェ!)それならお前はエ・ス・だ!!」
「あぁ〜特にどっちでもないかも、なんて奴は邪道だ!!」
「ワタシから!言わせれば!全員( ピー )だ悦いぞー悦いぞー!」
「肉(ピー)器!」
「肉(ピー)器!」
「肉!肉!肉(ピー)器!」
「肉(ピー)(ピー)!」
「肉(ピー)器!」
「M奴隷共!喜べ!!」
以下声優まとめ。
中村悠一(\(^o^)/)
日高里菜(M)
宮野真守(B)
花澤香菜(どちらでも可)可
細谷佳正(N)
日笠陽子(M)
杉田智和(注)
江口拓也(ドM)
豊崎愛生(M)NEW
峰健一(M)NEW
水嶋大空(Z)NEW
「どうかその広いお心でこの弱く微小たる者の願いを聞き届けては下さいませんか?」
「ふふふ。何が弱く微小だ、したたかで図太いドSが。貴様など、爽やかなオーラで周りをたばかっていて、その実(自主規制)だろうが。それを認めれば聞き入れてやっても悦いが?」
「分かりました。その汚名甘んじて被りましょう。僕は爽やかなオーラで周りをたばかっていて、その実(自主規制)鬼畜のド変態――――。」
「コラーー!!何してる!!マンション内で暴れるな良い大人が!」
偶然二人の現場に居合わせた凛々蝶。慌てて双熾を静止し、蜻蛉を問い詰めます。
「は。ずいぶん信用しているような。この男もワタシと同類だというのに、いや、同罪と云うべきかな?直接聞いてみるといい。その男他人を化かすのは得意だが、貴様に嘘はつけないだろう。」
「御狐神くん?」
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双熾「嘘ぐらいつけます。その方がいいくらいですから。ずっと、隠していくつもりでした。でも、他人の口から明かされるくらいなら、自分で言った方がいい。」
「凛々蝶様。蜻蛉様の言う通り、僕は貴方を騙していた事になります。」
彼の口から語られる言葉は、彼女にとって・・・。
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裏切り。騙し。それは狐の特権・・・。
信用。信頼。それは彼女にとって唯一の・・・。
想いが交錯し、過去が暴かれる。手紙に隠されたメッセージ。主人とSSのもうひとつの話。
次回「陽炎」
それはたったひとつのメッセージ。
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