妖狐×僕SS 第05話「春の蜻蛉」
桜が散る。
「モウスグアエルヨ」
手紙を書こう。メールを送ろう。それは白鬼院凛々蝶(しらきいん りりちよ)が唯一自分の悪癖を避けて相手と触れ合う手段だった。文で伝える想い。それは相手への悪態も、自分への虚勢も無い。
他の主人とSS(シークレットサービス)はお互い親密(?)な関係で生活しているようだが、自分と御狐神双熾(みけつかみ そうし)は違う。彼はいつも自分を見てくれているがその実、彼自身の事は全く見せてくれない。犬とボク。彼の事を知りたい・・・。凛々蝶は自然とそう思う様になった。
話は変わって反之塚連勝(そりのづか れんしょう)との下校中、冒頭の謎メールが凛々蝶の携帯に届く。ストーカーじみたメールの内容に、普段からその手の事は慣れていると凛々蝶は軽くスルー。普通なら襲われるフラグですが、凛々蝶は普通の人間ではない。そこは連勝もわかっているので深くはつっこみません。
「凛々蝶様お帰りなさいませ☆☆☆彡」
「凛々蝶様のいない時間をただただ死んだ様に過ごしておりました・・・凛々蝶様が居らして私は初めて生を受けるのです。」
「それは不便な事だな・・・。」
校門でキラキラオーラを全開させている双熾。一般女子にも影響が・・・。そして連勝は本当に高校生に見えない・・・。
だけど。そんな彼だからこそ、誰よりも自分の事をわかってくれている。それだけで彼女も彼には言葉では感謝しきれないものが溢れていた。
「いつも本心とは違う事を言ってしまうのにを彼は気づいてくれる・・・僕は彼の事があまりよく解らないのに・・・」
そう。だから。彼には言葉で、文でこの想いを伝える事にしよう。小さい頃からそうだった。よく文通をしていた彼を思い出す。その時と同じように、彼に想いを伝えてみよう。今は、この、感謝の気持ちを。
桜散る。
そう思って凛々蝶様は一人でレターセットを買いに。双熾に送る手紙なので、双熾に送って買いに行くのは敢えて避けて。ですが、逢魔が時、魑魅魍魎が先祖返りを狙う時。
「ヒトリデナンテアブナイヨ」
気にいったレターセットを買った帰り道。“あの”メールが届きます。
「ワタシタチ ニ ヨルノヤミ ハ キケン」
「(こいつも先祖返り・・・?)」
近くにいる―――。そう思った瞬間後ろから手が――――。
「あ――!」
「凛々蝶様に何がご用でしょうか・・・。」
ぐっとその手を掴む双熾の聞いたことがないくらい沈んだ声。相手は酔っ払いでしたが、一人で遅くまで歩いていた凛々蝶に双熾は抗議します。怪しいメールの一件、なぜ自分に言ってくれなかったのか。なぜ自分を置いて一人で行ってしまうのか。あなたを守れないなら、僕に意味はありません。
「意味なら・・・ある。」
驚いて落としたレターセットを再び拾い上げる。君が、僕だからと言ってくれた。他の誰でも無い、僕自身を見てくれた。そう言いたくて。君が・・・。気づいてくれた・・・。
そうだ・・・。だから僕は・・・。僕も気づきたいんだ・・・君の事に。
「凛々蝶様―――――!!!」
閃光!それは刀と刀が激しくぶつかった衝撃――――。
凛々蝶と同じく角を生やした鬼の・・・仮面?
「君か?僕のところへくだらんメールを送ってきたのは?」
「あぁ、そうだ。少しも怯えないのでワタシもつまらんと思っていたのだ・・・。貴様もあの程度の“プレイ”では、物足りなかったか―――――?」
「久しぶりだな!!我が“肉便器”たちよ!!!」
「肉――・・・。」
突然現れた謎の変態仮面。凛々蝶と同じ鬼の血を引く男、青鬼院蜻蛉(しょうきいん かげろう)。それは、双熾の元主人であり・・・凛々蝶の婚約者!?
「久しぶりだな――――!!!豚共!!!」
というわけで実は凛々蝶より先に妖館に入居していた蜻蛉。それはSSである髏々宮カルタ(ろろみや かるた)の主人であった。ていうか、カルタに首輪が・・・。
「カルタちゃんになんて格好を!!prprprpr!!メニアック!!!」
メイド奴隷カルタに目を輝かす雪小路野ばら(ゆきのこうじ のばら)。ただこいつ・・・。
残夏や渡狸とは幼馴染であり、そこに双熾がSSとして一緒に連れ添っていたコミュニティらしい。よくそんなキャラとコミュニケーションとれるな。渡狸には文字通り家畜のように遊ばれていた記憶が・・・。あんな〜こと〜こんなこと〜あった〜でしょ〜。
いつもは遠征してなかなか妖館にはいない蜻蛉。沖縄土産というわけで、アイアンメイデン、荒縄、鞭、三角木馬、ギャグボールをプレゼント。初対面の野ばらは警戒心MAX。自分より変態度の高いキャラは相容れないのでしょうね。しかし、雪女化してしまったので木綿の食べていたうどんが・・・。
「それ以上近づくんじゃないわよ。」
「極寒プレイか?悦(よ)いぞー悦(よ)いぞー」
凛々蝶は小さい頃に文通をしていてその相手が蜻蛉だったそうだ。親が勝手に決めた許嫁とは良く言うものだが、さすがに凛々蝶は初めて見る蜻蛉には反発。だけど、蜻蛉は調教しがいがあるとかでお気に入りの様子。当然双熾にとってみればこれはままならない事情ですが・・・。
「人は必ずSかMかに別れているのだ!!!」
そしてふとした事から彼は全ての物体をSとMで分類し出した。
「許嫁殿はSを装っているが、その実Mの素質があるようだ・・・。ちなみにお前(双熾)もSだな!しかも表に出さない分ワタシよりさらにネチっこい!おまえ(渡狸)はM!おまえ(残夏)はS・・・!食べたいか?食べられたいか?(カルタ「食べたい・・・」)S!!・・・お前(野ばら)はS!」
「さぁ、このワタシ自らめくるめくSとMの世界に導いてくれよう!!あの子供はS!あの男はM!S!あっちはSと見せかけてのM!!m!!一見S風のM!!・・・フハハハハハハハハ!!!このエレベーターは待たせるな、S!んー風呂!熱い、S!だがじんわりと気持ちよくなっていくM!桶いい音だS!菓子、ベタつくな・・・S!だが美味いM!!・・・この水槽固い、S!M!S!M!S!!S!M!!M!S!!!・・・カーペット、ふかふか、なかなかの踏み心地、M!そんなに踏まれたいか?ならば踏んでやろう!!どうだどうだぁ!!屋上、高いぞぉ、S!!夜、暗いぞぉ、S!!」
と、彼のSM判定は続き、いつの間にか飛行機の時間だとか。
「何をしにきた・・・。」
彼は彼なりに妖館に来た凛々蝶の顔を見に立ち寄ったそうです。
「ではさらばだ!性玩具共!!またこの私が調教しに来てやる!!!」
そうして嵐のように彼は過ぎ去っていった。
言葉とは。果たして真実だけか。想いだけか。手紙とは、何を届けるのか。小さい頃。彼女が大切に待っていた。記した。思い出。
というわけで蜻さまがエンディングまで調教していきました。
エンディングテーマ
「SM判定フォーラム」
青鬼院蜻蛉(杉田智和)(自称S)
Takumi(S)
CHI-MEY(S)
大久保友裕(M)(アニプレックス)
「家畜共が集まってピーキャーピーキャー騒いでる」
「三角木(ピー)に浣ちょ(ピー)鞭に荒縄出揃った。」
「人生はSかM 始めよう 未だ目覚めぬ時―――――」
「よし、それではワタシが貴様ら家畜共をSかMかに分別してやる!!」
「縛られて(ウッ!)嬉しいか(イェ!)それならお前はエ・ム・だ!!」
「叩いて(ウッ!)嬉しいか(イェ!)それならお前はエ・ス・だ!!」
「あぁ〜特にどっちでもないかも、なんて奴は邪道だ!!」
「ワタシから!言わせれば!全員( ピー )だ悦いぞー悦いぞー!」
「肉(ピー)器!」
「肉(ピー)器!」
「肉!肉!肉(ピー)器!」
「肉(ピー)(ピー)!」
「肉(ピー)器!」
「M奴隷共!喜べ!!」
以下声優まとめ。
中村悠一(\(^o^)/)オワタ!?
日高里菜(M)
宮野真守(B)血液型!?
花澤香菜(どちらでも可)可!?
細谷佳正(N)エヌ?
日笠陽子(M)
杉田智和(注)
江口拓也(ドM)
一人は寂しい。だから彼を待っていた。彼の綴った言葉を読んだ。彼の事を知りたい。彼の事を。
それは遠い昔。そして、今。
桜が散る。
愛玩動物上等!!次回、「考えるよりも」
ここまで飽きずに読んだ貴様はM!!
そしてこんなに小さい字まで読む貴様はS!
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