【ホロの話】ファンメイド制作後記
制作裏側の話。こんなことあったよー的なやつ。
真っ赤な空を見ただろうか。
これを動画にして20万人のお祝いにしようと決めたのは、5月頃。まだ15万人の頃だった。
「真っ赤な空を見ただろうか」を選んだのは、元々この歌が大好きだったことが理由のひとつだ。
学生の頃、バンド活動をやっていた時にこの曲もよく演奏していた。
だから、歌詞の意味とか、情景とかは魂まで刷り込まれている。
「情熱」「親愛」「夕焼け」「微笑み」これを歌い上げてくれたマスターに感謝をしながら映像を当てはめた。
声をかけて快諾してくれた渡綱先生に、イラストのイメージを伝える。曲の雰囲気は「おはよおっはよー!」と普段の明るさ全開なマスターよりは歌枠の時にたまに現れるアイドルなマスターだ。
それをできるだけ曲のイメージに合わせてお互い具現化できるようにプロットを練った。
1番サビ、バーのマスターをやる前の姿。ふと立ち止まり夕焼けを見つめる。自分の存在。バーチャルな存在。でも確かにそこにいる。だけど曖昧な存在。
ちょっとだけ寂しい想いがある。服装はマスターになる前なので、私服のイメージ
今よりちょっと若い、誰も知らないマスター。だから顔は見えない。
2番サビ、バーのマスターになった姿。成長、駆け抜けるように今を進む眩しさ、でもたまに立ち止まって、ふと静かに夕焼けを見つめる。1番の時よりも赤く、真っ赤に燃えるような夕焼け。
ちょっと物憂げな雰囲気。ぼそっと「もう夜か...」みたいなこと言ってる雰囲気。
Cメロからラスサビ、明るい昼間と暗い夜、その中間。星が見え始める夕刻。近くで輝く星、遠くで輝く星。遠い遠い空の向こう側、目指す場所。
買い出しから戻り、暗くなりはじめた店内。バッグを置き、テーブルを拭く。店の電気をつけ、看板をCloseからOpenにくるりと回し、勢いをつける。
そこにあるのはいつもの風景。日常。
何気ない微笑み。
だけどそれが真っ赤な空のように眩しい。それは空を見れば思い出す微笑み。
暗い空の上、星は遠い、太陽は燃えるように赤い、夕刻。カウンターに座り、「マスター、おはよう。」と声をかけると返ってくる「微笑み」。
現在と過去、そしてマスターとは別の見えないもうひとりの誰か
ふと夕焼けの河原を散歩していたら、10代のがむしゃらだった自分の姿がシルエットで見えて、今の自分のシルエットと重なった。
「真っ赤な空の歌詞の解釈と混ぜる」
あの頃は、まだ何も苦しみを知らない、ただ夢に憧れていた。
でも、毎日が楽しくて眩しくて、今眺めている夕焼けのように赤い。
そのとき、誰かの悩みを聞いた。聞いてあげただけで答えは言わなかった。
自分には言う資格がない、その人の人生はその人のものだ。
でも、聞いてあげるだけだったらできる。
辛い悩みだったら、面白い話をして打ち消してやろう。
そんな笑いの絶えない場所を作ろう。
そして現在。
夢はまだ叶えている途中。今も夕刻の真っ赤な空を眺めている。
あのとき、悩みを抱えていたきみは、今は元気でいるだろうか。
この同じ真っ赤な空を見ているだろうか
そんなことをふと考えつつ、そのシルエットは窓の夕焼けの向こうに。
今日もBAR ROBELの開店準備を始める
「たった一度の微笑みに こんなに勇気をもらうとは」
どこか寂しい夕焼け、でもその場所はここにある。
その笑顔が何よりも力になる。
完成したのは8月初旬。こちらの予想を超えるスピードで20万人には既に到達していたが、記念枠はまだだったので、記念枠のタイミングでアップしようと決めていた。
最初は3パターンのイラストだけを依頼したのだが、こちらの意図を組んでくださり、アニメにして動かす提案や、Cメロの店内の風景も提案してくれた。渡先生、神...。
何回かイメージをすり合わせながら特にラスサビの1枚絵はイメージ通りに仕上げていただいた。最初見た時はもうこれしかないと思った。
もう1つ、この3DCG凄い!と唸っていたのが、spaceCold_ 氏が制作されていたBAR ROBELの3DCGだ。現実に溶け込んだこのBARのシーンを映像のどこかに使いたいと思い、氏に相談して承諾いただいた。翻訳を使いながらのやりとりで不安だったものの、それでもTwitterのアカウントを掲載するということで了承をいただけた。
こうしてなんとか動画は完成。
8月が終わりかけ、「もしや記念枠無い?」と不安になった8/30。記念枠の告知が来たと思ったらサムネはなんと渡先生のイラストだった。
いや、奇跡も奇跡。二人ではしゃぎながらも無事公開できて良かった。
たくさん常連さん、特に海外の方から反応いただいて嬉しい限り。
またこういう映像制作も自分の技術を上げるためにも作っていこうと思う。