【FGO】第七の聖杯 絶対魔獣戦線 バビロニア【第3節 ギルガメッシュの災難 3-1】
七度目の聖杯探索の舞台は紀元前2655年。
それは人間が神と袂を分かった最初の時代。
人類を滅ぼさんと結託した「三女神同盟」の魔の手。
ウルクを飲み込もうとする滅びの予言。
絶対的な終焉を前に、今、最大の戦いが幕を開ける-------!
・前回まで
エルキドゥと名乗る謎の青年の罠にかかるも、道中出会ったマーリンの魔術で無事切り抜けたカルデアマスターとマシュ。
一行はこの時代の最重要人物、ギルガメッシュ王のいるウルク市に到着。そのまま、王がいるジグラッドに足を運んだ。
(なんというラノベ臭のするタイトル・・・。)
マーリンの顔パスだったね。
一行は、王の間と呼ばれたところに案内された。
ジグラッドの上階、街が一望できる高台に王の間はあった。
王の間、というが玉座らしきものが中央に置かれている以外は何もない広間である。
ただ、中央にある玉座には尋常ではない量の紙の束が積み重なっている。
その紙束は、次から次へと兵士が持ち込んできては、大声で玉座の前にいる人物に報告を上げ、紙束を重ねて去っていく。
そして玉座の前には、大声で指示を出す“王”がいた。
目の前で次々と行われるやりとり。聞いているのが精一杯な中、アナが口を開いた。
尻込みする気持ちはわかるけど、こっちも世界の危機で動いているんだ。
え、ちょ、こ、心の準備ががが・・・。
忙しく神官と書簡に向けていた赤い眼光がこちらに向いた。
一瞬だけ目が合った。その瞬間全身の汗が迸った。今まで色々な時代の「王」に会ってきたが、そのどれにも無かった緊張感だ。
威圧、いや、もはや殺意的であるともいえる。英雄は目で殺すとか誰かが言っていたがアレだ。
これが高ランクカリスマの持ち主・・・最古の王。
ギルガメッシュはひと目みただけで一瞬で興味を無くしたようだ。その視線は次の神官が渡した書簡に移っている。
マーリンの物言いから、彼はギルガメッシュから何か探し物を命じられていたことがわかった。今まで一切こちらには話してくれなかったが。
えええ!?なんという野蛮なやり方!?
ごめんアナ。後でマーリンは倒そう。
とりあえずカルデアから連れてきたエジプト王に協力してもらいました。
とりあえず眉間に皺が凄い寄っているのがわかる。いつ怒鳴られるか、そう覚悟した。
えぇ!?伝家の宝刀ピラミッド挟み撃ちでもダメですか・・・!?
(大地の声?)
え、えと私の名前は
い、いかん雑種から下郎に降格(?)してしまったぞ。
よしマシュ、まずはこいつをとっちめよう。
・・・。確かにアーチャーのギルガメッシュはカルデアのデータに登録されている。今目の前にいるのはキャスタークラスのギルガメッシュだが。
そうだ、せめてこの時代の聖杯について―――。
ギルガメッシュは何も無い空間から杯を取り出した。かのこの世の全ての財宝を納めた蔵「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」だ。
そしてその手に持っているのは・・・。
おうけい。じゃあこうしよう。
あくまで姿勢はそのままで、今まで以上の大声で笑うギルガメッシュ。もちろんその目は1ミリも笑っていない。
上空を猛スピード・・・。天船・・・・。どこかで・・・。
あ、やっぱりあの時の。
王様!空から女の子(子?)が!
どういう警戒の仕方だそれ。
もうこちらは用済みということか・・・。
そして始まった。予定外のイシュタル戦、なぜかギルガメッシュに巻き込まれる形でこちらも加わることに。
キャスターのギルガメッシュは、「王の財宝」の出力を最小限に抑えている。アーチャークラスだからこそのあの出力なのだろう。
代わりに、発動する宝具「王の号砲」は、ウルク市に配備する幾千もの「ディンギル」と呼ばれる砲台の一斉射撃。これはあの魔獣用に建造された北壁に設置された砲台で、弾として「宝物庫の財宝」が装填されている。財宝の「神秘」を魔力に変換。爆発力に変えて攻撃するエミヤも得意とする「壊れた幻想」の量産版である。
ウルク市内にいるのに、ウルク市からの一斉射撃という矛盾はこの際野暮なのでおいておこう。
あたり一面に立つ土埃。そこにイシュタルの姿は――――。
つづく