スマイルプリキュア!第30話「本の扉で世界一周大旅行!!」
※注意:今回の話で突っ込んだら負けな物「VISA、パスポート、時差、税関、食費、外貨、現地語、作画、新商品」
それは新学期が始まってしばらくの事でした。
あかね「なぁなぁ、みんなは夏休み、家族でどっか旅行行った?」
やよい「うんうん……」
みゆき「行ってなーい…」
れいか「私も行っていません。」
なお「ウチは家族が多いから、なかなかみんなでは行けないんだよねぇ」
あかね「ウチも店があるから…どこにも行かれへんかったわ。」
夏休みといえば、旅行も定番ですが、5人は家族で出かける機会がなかったのが心残りの様子です。
やよい「海外旅行とか、行ってみたいなぁ…。」
みゆき「………は!!」
やよいの一言でキャンディの耳を引っ張って遊んでいたみゆきが閃いたところから、今回の物語は始まります。
・・・
みゆき「ここは不思議図書館だよ!世界中どこへでも行けるじゃない!」
「「「「おぉ〜〜!!」」」」
不思議図書館。それは妖精の世界メルヘンランドとどんな繋がりがあるのかはイマイチ謎だけど、とにかく世界中の本がある不思議な空間。みゆき達はここをスマイルプリキュアの秘密基地として現在使っている。ここにデコルデコールを置いておけば絶対に安全だといつも思う。
出たり入ったりする方法は、ひとつ。3段以上ある本棚の本を、右にずらして、左にずらして、真ん中を開くように開けるとこの不思議図書館に来る事ができる。そして、出る時は同じ動作をしながら、行きたい場所を念じればそこに一番近い本棚に繋がる。という仕組み。
つまり、本棚から本棚へ、ありとあらゆる場所を行き来できる。以前みゆき達は、動物園やテレビスタジオ、南極大陸なんかにもこの図書館を使って行ったことがあるのだ。
みゆき「わたし、絵本に出てくるようなお城に行ってみたい!」
なお「あたしはモンゴルの大草原を走って、それから世界中の美味しいものを食べ歩きたい!」
あかね「それええな!テレビでやってたんやけど、台湾ってメッチャ美味しそうなのがいっぱいあったで!」
れいか「私は、万里の長城を是非この目で見てみたいです!」
やよい「私は、ぜ〜〜〜ったい!自由の女神!」
キャンディ「ぜーんぶいっちゃうクル!!」
みゆきがどこからか取り出した地球儀に飛びついてはしゃぐキャンディ。
「「「「「全部―――――!!?」」」」」
・・・・・・
みゆき達が不思議図書館ではしゃいでいた一方その頃…。
暗い。暗い。暗雲立ち込めるバッドエンド王国。
ジョーカー「そろそろデコルがいっぱいになる頃デスネ…」
シャカシャカシャカ。
鋭く、冷たいカードを切る音だけが、不気味に部屋に響きます。
ジョーカー「プリキュア…なんとしても…止めなくてはなりません。」
いよいよデコルも残り2つ。平和を奪う悪の軍団バッドエンドに立ち向かい、世界を守る5人のプリキュア。今日は本棚使って世界旅行。VISA?パスポート?そんなの知らない!
第30話「本の扉で世界一周大旅行!!」
みゆき「それじゃあいくよ!」
「「「「はーい!!(クル!)」」」」
5人は早速荷物をまとめて、本棚の前へ。決まった手順でみゆきは本棚に手を伸ばして本をスライドさせます。
カチャリ。カチャリ。カチャン。
すっかり慣れた本の扉の開き方。眩い光が本棚から溢れ出すと、その光に包まれて……。
次の瞬間には、広がる大空の下に悠然と輝く大きな大きな宮殿が目の前に広がっていました。
みゆき「うわーーーー!!本当に来ちゃった!!フランス、ヴェルサイユ宮殿!!」
本の扉を通じて飛び出したのは、みゆきのリクエストでやって来た、フランスにある歴史的世界遺産にもなっているヴェルサイユ宮殿です。
早速、5人は金銀に輝く装飾など、豪華に彩られた宮殿内を歩きます。
みゆき「お姫様になったみたーい!」
キャンディの両手を掴んでくるくるっと回るみゆき。行ってみたかったところだけあって気分はすっかりお姫様です。
キャンディ「みゆき!ドレスデコルをだしてクル!」
みゆき「うん!」
「Let’s go!! D・R・E・S・S!!」
アントワネット宜しく、もっさり耳を上で束ねて、フリルが幾重にも重なったピンクのドレスを着たキャンディ。
やよい「かわいい〜〜!」
やよいが思わずキャンディに向けてカメラをパシャリ。
みゆき「こんなお城に住めたらいいな〜」
あかね「こんだけ広かったら、掃除が大変やな」
それよりも背景スタッフが大変だと思います。だから作画ががが。
れいか「ここは、あのマリー・アントワネットが暮らした宮殿として、とても有名なんですよ。」
「「「「へぇ〜〜〜…」」」」
へぇ。ってみゆきも知らなかったのか…。
・・・・
宮殿の外に出て、なおは近くの売店で売っていたマカロンに舌鼓。
なお「あむ….んぐんぐ…。このマカロンおいしーー!」
やよい「いくよー」
もってきたカメラを三脚立てて(三脚はどこから…)タイマーをセット。ヴェルサイユ宮殿を背景に。5人でピース。
やよい「はい、ピース!」
パシャ!
あかね「ほな、次行こかー!」
・・・・・・・・・
本の扉で世界旅行。続いては…。
あかね「やってきました!台湾!」
あかねのリクエストでやってきのは、独特な装飾とどこか懐かしい匂いの織り交ざった、台湾の商店街を5人は歩いていました。
れいか「ここは九份といって、かつて金が採掘され、とっても賑わった街だそうです。」
みゆき「ときどきここに来れば、いろーんな美味しい物が食べられちゃうねー!」
そう言って湯麺(らしきもの)をすするみゆき。注文はどうしたのでしょうか。いつの間にか翻訳デコルや、為替デコルを集めたのかな。
あかね「ウチもここに出店して、日本のお好み焼き、みーんなに食べてもらいたいわー」
かちゃん。
そんなあかねの隣に積み上げられたどんぶり。なおはそこに今さっき完食した器をさらに重ねます。
なお「んんーー!!!すいませーん!おかわりー!」
あかね「どんだけ食べんねん!」
ひとしきり食べて店を出たところで、九份の街を背景にパシャリ。
やよい「はい。ピース!」
・・・
本の扉で世界旅行。続いては…。
なお「モンゴルキターーーーーー!!!!」
リクエストしたなおは、力いっぱい叫びながらサッカーボールでひたすら大草原をドリブルしています。あかねの目の前をドップラーしながら横切っていきました。
あかね「あんたは新幹線か…」
やよい「こーーーんな広いところ初めてーーー!!」
モンゴルの中でも特に有名なのがモンゴル大平原。360度見回しても地平線しかない広大な平原は、草木香る草原の緑と空の青の二色しかありません。
みゆきもごろりと寝転がって大空と草原を交互に見ながらのんびり。
みゆき「ここなら、毎日ゴロゴロ〜。気持ちい〜ね〜。」
れいか「ここは、牛、羊、馬などと一緒に遊牧生活を送る方々が暮らしています。」
暮らしていますっていうか。目の前にいますね。遊牧民が暮らすテント(パオ)が草原に点在していました。遊牧民は、自分たちの家畜たちが常に餌不足にならないように、一定の期間を置いて、草が生えている土地へと大移動するんですよね。
遊牧民に不思議がられながらも記念写真。キャンディもドレスデコルで羊の格好に。
・・・
本の扉で世界旅行。続いては…。
れいか「中国。万里の長城にやってまいりました。」
道の探求者、れいかのリクエストでやってきたのは、中国最大の名所。衛生軌道上からでも見えるという山々を跨いでどこまでも続く城、万里の長城です。
みゆき「すごーーーーい!ながーーーい!」
れいか「この万里の長城は、敵の侵入を防ぐために作られた…壮大な城壁、です。」
すっかりガイド役になってしまったれいかの説明する目の前でシャッターをひたすら切るやよい。
なお「はむ。….むぐ….。」
そして別のところでは、串焼きを頬張るなおとそれを見て呆れるあかね。
あかね「いつ買うたんや、それ?ていうか、よぉ食べんなぁ…。」
なお「走ったらお腹すいちゃって…。」
あかね「まぁ、よぉ走ったもんなー」
れいか「さぁ!登りましょうか。」
「「「「え゛」」」」
れいかの一言に、4人は目の前の急角度の階段を見つめます。
れいか「千里の道も一歩から。万里の長城もこの一歩からです。」
理屈は良くわからないですが、とにかく道の探求者としては是非ここを抑えておきたいれいか。しかし、ゴールの見えない万里の長城を見て4人は戸惑います。
あかね「なぁなぁ!あっちの方がもっと楽に登れそうやけど。」
「「「うん。うん。」」」
そう言ってあかねは、逆の方向を指さします。れいかが進んでいる方向もあかねが差す反対側もどちらも終端は見えませんが、れいかの道は上り坂、あかねの道は下り坂です。
れいか「険しい道を登ってこそ、頂上から見える景色も素晴らしく見えるものです。」
しかし、珍しくワクワクしているれいかを止められず。
なお「なるほど。よーし、腹ごなしに走って、次の美味しいものに備えよう!」
あかね「まだ食べる気なん?」
一通り登ってれいかが満足した後、今度はやよいのリクエストです。
・・・
やよい「ハロー!ニューヨーク!」
アメリカ合衆国ニューヨーク港内、リバティ島に建てられた自由の女神像。松明に光を灯し、自由を歌う女神の姿にやよいは目を輝かせます。
みゆき「あー!これ見たことあるー!」
キャンディ「これダレクル?」
れいか「自由の女神です。この像は、アメリカの独立100周年を記念してフランスから送られたものです。」
あかね「んー。このホットドック美味いなぁ…。なぁ、なお?」
売店で買ったホットドックを頬張るあかね。同じものを買いに行ったなおを横目でみると、なおはあかねの5倍はあるかというくらいの大きなホットドックを食べていました。
あかね「うぉ!ウチとおんなじもん買うたハズやろ!」
なお「これふたつ目。」
あかね「ホンマよう食べんな…。」
なお「走ったらお腹すいちゃってぇ〜」
あかね「すごい消化力や……。」
緑川家のエンゲル係数が気になる今日この頃。
やよい「うわー。感激……。」
みゆき「やよいちゃんどうしたの?」
やよい「あのね、わたしの大好きなタイヨウマン(例のフィギュア)がここで敵を“ソーラーフラッシュ”で倒したんだよ!!」
「こぉ〜んな風に!ふっ!ほっ!ジャスティスヒーロー、タイヨウマン!」
「出たな!悪ものめ!“ソーラーフラッシュ”!!!」
おでこからビームを出す仕草をして(本人的には)ビシっと決めたやよい。すると、近くで見ていたニューヨーカー達から(生)温かい拍手が。
やよい「あははは。サンキュー、ベリマッチ……!」
あかね「アメリカまで来て何してんねん。」
やよい「いくよー!はい、ポーズ!」
記念写真は自由の女神を背景に、おんなじポーズでパシャリ。どうみてもなおは3本目のホットドックを持っています。
・・・
その後も、思いつくままに、気ままに世界旅行。
エジプト「ピラミッドとスフィンクス」
イタリア「ピサの斜塔(ちょっと傾き過ぎ?)」
チリ「イースター島のモアイ像」
終始なおは何かしら食べています。そんなに大食いキャラだったかしら。
・・・
さて。のんびりゆったりマイペースなみゆき達とは対照的に、どことない緊張感の中、アカオーニはジョーカーに呼び出されていました。
アカオーニ「ジョーカー、何の用だオニ?」
ジョーカー「アカオーニさん。これまで一体何度プリキュアと戦いましたか?」
唐突にジョーカーにそう聞かれ、とりあえず一戦一戦思い出しながら指を折って数えます。
アカオーニ「ん?いち、にい、さん、し、ごお、ろっく、しっち、はち、くう、じゅう。うーん。ジョーカー、指貸してオニ!」
ジョーカー「そんなにいっぱい戦っているというのに、まだ倒せないとはネエ。困りましたネェ…。解っているのですか?ピエーロ様にも我慢の限界というモノがアリマス。」
アカオーニ「ピエーロ様、怒ってるのかオニ!?」
ジョーカー「このままでは、アナタもどうなるか……」
アカオーニ「なんだとオニ!」
ジョーカー「デコルが全て揃ってしまえば一大事。私が行こうかと思ったのですが、生憎別の用事がありまシテねえ。」
アカオーニ「オレが行ってくるオニ!今度こそプリキュアを倒してくるオニ!デコルも集めさせないオニ!」
ジョーカー「……お任せしてイイんデスネ?」
アカオーニ「ま、任せろオニ!」
ジョーカー「ふう。それではよろしくお願い致しマス。」
冷たいプレッシャーをかけつつも、丁寧な口調でもう言いつけた後、ジョーカーはトランプに隠れて消えてしまいました。
アカオーニ「あー。今度こそプリキュアを倒さないと、オレ大ピンチオニーーー!!」
・・・・
CMで見覚えのない新商品が見えた後。
・・・・・
広大な木々がどこまでも緑続く大地を、蛇がうねるように幅の広い大きな河がどこまでも続きます。一行は船デコルでも使ったのか、小さな帆を張った帆船に乗って、河を下っていました。
みゆき「アマゾン河!!」
やよい「おっきーー!!」
れいか「アマゾン河は南米大陸を流れ、その流域面積は世界最大です。」
「「「「へぇ〜〜〜。」」」」
あかね「うお!サルもおるで!トリも!」
川辺に集まる動物達にはしゃぐあかね。かつて秘密基地探索で動物園に行ったこともあってか、やはり動物は好きみたいですね。
あかね「あ!あそこ!」
なお「ん?」
どこかで獲ったのか、バナナを頬張りながら、あかねの差す方向になおが視線を合わせると。
あかね「ワニ!ワニ!ワニや!」
いや、ワニはさすがに危ないでしょ…。
・・・
みゆき「今日は色んなところに行けて楽しかったねー」
キャンディ「オモシロかったくるー!」
れいか「とても貴重な体験ができました。」
やよい「い〜〜っぱい写真も撮れた!」
なお「色んな美味しいものが食べられた!」
あかね「ほんま、なおはよう走って、よう食べたもんなぁ」
なお「ロシアのピロシキと、スペインのパエリアも食べたいんだけど…」
あかね「いい加減にしなさい」
一体お金はどこから出てくるのか、私、気になります。
れいか「さて。名残惜しいですが、今日はそろそろ帰りましょうか。」
やよい「じゃあ最後にもう1枚!」
最後は、アマゾン河を背景に記念写真。なんで世界旅行の最後がアマゾン河なんて場所なんでしょう……。
そしてここで撮れた衝撃写真。怪奇!!空飛ぶ赤鬼!!アマゾンに現る!!
やよい「へ…。えええええええええええええええええええ!!!!」
ファインダーから目を離して、みゆき達の後ろを見るやよい。写真と同じ格好でそこにはアカオーニの姿が。
「「「「「アカオーニ!!」」」」」
アカオーニ「プリキュア!見つけたオニ!!」
「世界よ、最悪の結末バッドエンドに染まるオニ!白紙の未来を黒く塗り潰すオニ!!」
虫だって絶望する。だいぶ前にそう教えられた視聴者は、サルや鳥やワニからバッドエナジーが出たって不思議ともなんとも思わない。
「ふはは!動物共の発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくオニ!」
キャンディ「みんな!もうすぐデコルがそろうクル!」
みゆき「そうだ」
れいか「後二つでいっぱいになるはずです。」
アカオーニ「そうはさせないオニ!今日はオレ様、絶対に勝つんだオニ!!」
「出てよ、スーパーアカンベェ!!!」
まさかの有機物に取り付いたス〜〜パ〜〜アカンベェ。アマゾン河を泳ぐ魚に憑依して、巨大な姿に。
れいか「あれは―――おそらくピラニアです!鋭い歯を持った肉食の魚で―――」
やよい「肉食!?私達食べられちゃうう!!」
「「「「「ええええ!?」」」」」
『スーパーアカンベェ!!』
アカオーニ「スーパーアカンベェ!プリキュアをひねり潰して、デコルを全部奪うオニ!!」
「そうはさせない!みんな!」
「“プリキュア・スマイルチャージ”!!!!!」
「Go!!Go!!Let’s go!!」
「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」
「太陽サンサン熱血パワー、キュアサニー!」
「ピカピカぴかリンじゃんけんぽん、キュアピース!」
「勇気リンリン直球勝負、キュアマーチ!」
「シンシンと降り積もる清き心、キュアビューティ!」
「「「「「5つの光が導く未来、輝け!スマイルプリキュア!!!!!」」」」」
アカオーニ「プリキュアにデコルを揃えさせるわけにはいかないオニ!いけ、スーパーアカンベェ!!」
『ス〜〜パ〜〜!!』
「「「「「たあああ!!」」」」」
水中から飛び出すピラニアアカンベェ。ハッピー達は迎え撃とうと飛び出しますが、くるりと翻ったアカンベェは、そのまま尾びれを振り回し、ハッピー達を弾き飛ばします。
『ス〜〜パ〜〜アッカンベェ!!』
キャンディ「デコルはわたさないクル!!」
そのままキャンディが乗っているボートに突っ込むアカンベェ。咄嗟にデコルデコールを抱えて(いつ持ってた?)ボートから飛び出すキャンディ。しかし、丁度それを読んでいたかのように、ピラニアアカンベェは、キャンディをそのまま食べてしまいました。
「「「「「ああ!!!」」」」」
アカオーニ「やったオニ!デコルを手に入れたオニ!」
ハッピー「キャンディ!!」
アカンベェを追って、ハッピー達も川の中へ飛び込みます。
しかし、相手は水中でも自由に動ける魚のアカンベェ。対して水中戦は未経験のスマイルプリキュア!なので相手の突進攻撃を一方的に受けてしまい、相手にとっては袋の鼠、水を得た魚です(まさに)。
ハッピー「ぷは!水中じゃ思うように動けない――!」
サニー「このままじゃうちら不利やで…!」
ビューティ「何かいい手を考えなければ。」
キャンディ「プリキュアに、チカラをとどけるクル!!」
するとそこでキャンディが機転を働かせ、アカンベェの中から「イルカデコル」発動。デコルデコールからでもデコルの力はちゃんと使えるんですね。おもちゃの方は普通に遊べるのに、本編は使わないなーと不思議だったんですけど。
アカンベェの口の中から飛び出した光は、そのまま泳ぐ5人に届き、なんと光が消えると下半身が魚になってしまいました。
サニー「体が、人魚姫みたいになってる!!」
「「「「えぇ?!」」」」
驚いて自分の体を潜って見ると、腰から下は魚になった5人の姿が。
サニー「しかも、水の中でも普通にしゃべれるし!」
マーチ「これってデコルの力?」
ビューティ「きっとそうです!という事は――キャンディは無事です!」
ハッピー「早く助けよう!」
「「「「うん!!」」」」
サニー「ウチが行く!!」
「“プリキュア・サニー・ファイヤ”!!!」
まずはサニーの先制攻撃。しかし、水中で放つ炎のスパイクはあっという間に鎮火…。
サニー「あかん!水の中じゃ火ぃ役にたたへん!」
ピース「私が―――!」
ビューティ「ピースちょっと待って!」
「“プリキュア・ピース・サンダー”!!!」
『アガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!??』
「「「「あ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛わ゛!!!!」」」」
アカオーニ「ギャワワワワワワワワワワワワワワワワワワワ!!!!」
水は電気を良く通す。能力バトルの鉄則ですね。おかげで周囲一帯電流が走り、その場の全員が感電する羽目に。
『ア・・・カ・・・ガ・・・。』
ビューティ「水の中でのピース・サンダーは…、とても危険です……。」
ピース「えへへへ……。ごめんなさい。」
キャンディ「あぁ……。」
ピース・サンダーで感電したアカンベェの口から、感電したキャンディがふらふらになって出てきました。
ハッピー「キャンディ!!」
キャンディ「キャンディ、デコルをまもったクル……。」
ハッピー「偉いね、キャンディ」
『スーパーアカンベェ!!!』
感電した体から回復して、再びハッピー達にアカンベェが向かってきます。
ビューティ「みなさん、早く陸へ!」
陸へ飛び出した5人。デコルの効果も切れ、足も戻って陸に着地。追いかけて飛び出したアカンベェに向かって構えます。
ハッピー「みんな、行くよ!!」
「「「「「ペガサスよ!!私達に力を!!!!!」」」」」
天まで羽ばたく天馬の翼。白きペガサスは純情の印。その輝きを受けて、5人は純白の衣を纏う。
「“プリキュア・プリンセス・フォーム”!!!!!」
「届け!!希望の光。」
天馬に跨り、それぞれのキャンドルに火を灯す。
「はばたけ!!未来へ!!」
描く星の繋がりはペガサスの星座に。その聖なる力を宿して。
「“プリキュア・レインボー・バースト”!!!!!」
5つの光は虹色へ。眩く輝いてアカンベェを包み込みます。
『アカンベェ〜〜〜……!?』
「輝け!」
アカオーニ「くーーー!!プリキュアめ、ピエーロ様に怒られるオニ!!」
※ピラニアは無事アマゾン河に帰りました。
そうして残った最後の2つのデコル。
みゆき「やったー!」
これでデコルデコールの最後の2つが埋まります。
キャンディ「デコルがぜーんぶあつまったクルー!」
最後のデコルがまさか、アマゾン河でゲットできるとは、誰が思ったであろうか。
・・・・・・・・・・
ジョーカー「とうとうデコルが揃ってしまいましたか。しかし、なんとか間に合いましたねえ。プリキュアを倒す準備は、整いました……。」
暗躍するジョーカー。その手には、黒い球(鼻?)が…。
・・・・・・・・・・
そうして5人は、デコルを持ち帰って、みゆきの部屋へ。
あかね「ついにロイヤルクィーン様の復活や。」
みゆき「早く会いたいー、ロイヤルクィーン様」
なお「これでメルヘンランドが救われるんだよね。」
キャンディ「そうクル!」
れいか「思えば、長い道のりでした。」
やよい「ドキドキする…。」
キャンディ「それじゃ――――いくクル!」
そう言ってキャンディは、サクラデコルとブタデコルをデコルデコールにセット。
「「「「「うわーーー……。」」」」」
眩い光がデコルから溢れて、部屋を照らします。一瞬部屋中が真っ白になったと思ったら、次の瞬間……。
キャンディ「くる?」
テーブルの上には、見覚えのないものが置かれていました。
キャンディ「こりはなにクル?」
しかし、キャンディがわからない以上、この場にいる全員がわかるハズがありません。白く彩られたそれは、鏡のようにも、時計のようにも見えます。色合いはスマイルパクトと似たような感じで、小さな5色の鏡が真ん中にはめ込まれています。
悪の皇帝ピエーロを封印するためにその身を犠牲にしたロイヤルクィーン。バッドエンド王国が再びピエーロを復活させれば、妖精の世界メルヘンランドも、地球の平和も崩壊してしまいます。それを防ぐためにバッドエンドより先にロイヤルクィーンを目覚めさせる事がプリキュアの使命でした。
しかし、ロイヤルクィーンは復活せず、代わりに現れたこれは―――。
キャンディが攫われた!?さらにレインボー・バーストが効かない黒い鼻のアカンベェ!?ジョーカーの新たな作戦、そしてキャンディに隠された真実。
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