ナンバーズ68「崩壊への序曲 スフィア・フィールド砲の脅威!」
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遊馬「最後の仕上げ?アストラル世界を滅ぼすってどういう事だよ!?」
Dr.フェイカー「簡単なことだ。お前たちにはアストラル世界を滅ぼす弾丸になってもらう。この“スフィア・フィールド砲”のな!」
遊馬「弾丸!?スフィア・フィールド砲?」
アストラル『遊馬!下を見るんだ!』
遊馬「――――これは!」
電磁渦巻く虚無の穴。その先には闇が広がり、コンベアから流れるゴミの塊を飲み込んでいく。
遊馬「ここは、あの時のゴミ処理場!?」
そう。全てはハートランドの地下に広がる謎の穴。
Dr.フェイカー「ふはははは、これから君達が行くところはスフィア・フィールド砲の発射口だ。そしてそれは、アストラル世界に向けてある。」
「『何!?』」
いつかのナンバーズを回収した時の記憶のピース。それは、豪炎となったエネルギーを打ち込まれ、崩壊する世界の光景。
アストラル『そうか…この記憶は、私の世界が――――。』
Dr.フェイカー「今までの攻撃とはレベルが違う。そう、このスフィア・フィールドは、ナンバーズの力を1つに集約させた弾丸。それを一気に打ち放つ事により、アストラル世界は――――。」
カイト「ハルト!!」
Dr.フェイカーがその恐ろしい計画を丁寧に説明している間に、改心したトロンによって《魂吸収》(というか回収した)カイトは復活。急いでハルトの部屋へ向かいますが、既にそこにハルトの影はありません。
カイト「ハルトはどこだ!?オービタル、今すぐハルトの行方を探せ!」
オービタル「カ…カシコマリ!!」
ワールド・デュエル・カーニバル。通称WDCの開催によって、世界各地に点在す有能なデュエリストをひとつの場所に集結させる。そして予選はハートピースを集める勝ち抜け戦。これによって最低でも5戦しなければ第二ステージへと駒を進められず、さらに第二ステージでは、デュエルコースターを使ったスピード勝負。これにより一気にデュエルの勝敗を加速させ、その後絞られた8人をぶつけて意図的にリサーチをする。つまり、ここまでで多くの決闘者同士をデュエルさせ、ナンバーズがより多くの一人の人間に集中するのを狙ったんでしょうな。後は、カイトやゴーシュ・ドロワを使い、集まったナンバーズを回収、もし3人が敗れても、決勝で《スフィア・フィールド》を使ってそのまま弾丸にして撃つだけ。なんて簡単なお仕事...
スフィア・フィールド砲の引き金となるべく、洗脳されたハルトは制御装置の中へ。トロンはフェイカーの思い通りにはさせないと言っていたけど、そもそもハルトの魂を返してしまったら意味がないんじゃ…。と云ってもあのままトロンが消滅なんかしたら、ハルトは一生目覚めない事になるので結局しょうがなかったのかねぇ。
なんだかんだでハルトが利用されている事を知っていたオービタルはここに来てカイトに真相を打ち明けます。ハルト一直線な兄貴は、オービタルの誘導の元、ハルトが向かったゴミ処理場へ。
カイトや遊馬がハルトと連呼する中、Dr.フェイカーの計画もいよいよ大詰め。アストラル世界を滅ぼし、バリアンの力で世界を支配すると言いました。つまり、フェイカーとしてはアストラル世界を滅ぼすことは、最終的な望みではなくて、あくまで過程みたいです。推測の域は出ませんが、恐らくバリアン世界の住人はアストラル世界をなんとか滅ぼそうと思っていて、人間界を支配する力と引き換えにDr.フェイカーにアストラル世界を滅ぼすように持ちかけたのではないかなーと思ってます。
そんな独りよがりな大人の事情に巻き込まれ、自分が何をしているのかも知らずに悲鳴を上げるハルト。アストラル世界の命運とハルトの命、そして、遊馬たちは脱出できるのか!?
ナンバーズ68「崩壊への序曲 スフィア・フィールド砲の脅威!」
明里「みんな無事?」
鉄男「明里さん!遊馬のやつがフィールドと一緒に消えちまって・・・」
キャッシー「それに小鳥も―――。」
事の異変を察知して鉄男を発見した明里は、そのまま小鳥が会場から遊馬を追ってハートランドに向かった事を知ります。
カイト「こ…これは!?」
一方、崩壊するハートランドの中、輝きだしたエクストラデッキの「超銀河眼の光子龍」に気づくカイト。
カイト「苦しんでいるのか…ハルト……。」
明里「小鳥ちゃん!小鳥ちゃん!」
崩れたハートの塔の下を翔ける小鳥。ハートランドの方へ飛んでいった《スフィア・フィールド》を追います。
オービタル7「カイトサマアア」
シャーク「待っていろ、遊馬――――。」
IVへの憎しみはトロンに代わり、それを否定し、代わりに約束を果たしてくれた遊馬を追って、病室を抜け出したシャーク。もはや思い人を探して町をさ迷うドラマ仕立て。
しかし、道中で瓦礫を持ち上げようとする小鳥(ヒロイン)を発見。なんと瓦礫の下にうずくまっていたのはカイト(ヒロイン)であった。
シャーク「あれは――――。」
小鳥「シャーク!?」
オービタル「オマエハアノトキノ!?」
シャーク「オレが瓦礫を支える。その間にお前はそいつを引っ張りだせ。」
ヒロインが遊馬を追って走っていたら、ヒロインがヒロインを助けようとしているのを目撃して、ヒロインはヒロインを助けようとしていたヒロインに声をかけて、ヒロインと一緒にヒロインはヒロインを助けた。こんな感じでヒロインゲシュタルト崩壊。
小鳥「ありがとうシャーク。」
シャーク「礼はいい。さっさとそいつと逃げろ。」
カイト「逃げる訳にはいかない。こうしている間にも、ハルトが――――。」
小鳥「ハルトくんが!!?」
事情を知らない小鳥は、いつかのキャラメル事件以来会っていないハルトの事を思い出します。カイトの唯一の弟と云う事ぐらいしか知らない小鳥ですが、オービタルを問い詰めて、事の真相を知ってしまいます。
小鳥「スフィア・フィールド砲!?」
アストラル世界を滅ぼすために作られた最終兵器。Dr.フェイカーはそれを完成させるために、カイトにナンバーズを集めさせ、エネルギーを溜めていた―――。
カイト「いくぞ、オービタル。」
シャーク「おい、待て。まだ話は終わっちゃいねぇ!」
カイト「礼はいらない、と言ってなかったか?生憎オレは感謝の言葉なぞ持ち合わせていない。期待しても無駄だ。ならば、デュエルの申し出か?それなら後にしてもらおう。もっとも、お前とは、既に決着が着いているハズだが…。」
シャーク「て…てめぇ……。」
ハルト以外のほぼ全ての生物にデフォルトで喧嘩を売るカイト。簡単にシャークの怒りを買ってしまいます。つくづく敵を作りやすい男(18)です。
シャーク「オレは礼が欲しいわけでも、こいつとデュエルがしたいわけでもない!!オレは……オレは遊馬を助けたいだけだ!!」
小鳥「――――!」
なぜかヒロインより先に言ってしまったシャーク。
シャーク「《スフィア・フィールド》のなかには、まだあいつがいるかもしれねぇ。そのまま兵器にされたら――――。オレは遊馬を見殺しにはできねぇ!オレの代わりにトロンを倒してくれたあいつを!!答えろクソロボット!!スフィア・フィールド砲はどこから発射される!!??」
小鳥「お願い!私も遊馬を助けたい…。もちろん、ハルトくんも。遊馬もずっとハルトくんを心配してた…。その事はあなただってわかってるでしょ――――?」
カイトとハルト。世界はそれだけだった。カイトの中ではそれ以外は邪魔モノ。そして、最大級の邪魔ものが、今ハルトと同じ場所で苦しんでいる。
カイト「いくぞ、オービタル。」
小鳥「カイト!!」
カイト「助けたければついてこい。地下のゴミ処理場に、ハルトも遊馬もいる。」
小鳥「カイト―――。」
ナニコレふつくしい……YUJYO。
一方、トロンとのバトルでライフ50まで減らされた疲労も相まって、着実に衰弱しているゼアルウラ。
アストラル『遊馬、せめて君だけでも助けたいが―――』
遊馬「バカいえ、お前一人を残せるわけねぇじゃねぇか―。オレもお前も、そしてハルトも、みんな一緒に助かるんだ!オレは最後まで、絶対に諦めねぇ――――。」
端末が壊れ、まともな通路が使えずに立ち往生するヒロインチーム。頼みのオービタルのナビゲーションもシステムにアクセス出来ずに手を拱いている状態。そんな時、小鳥の機転で明里に連絡。明里が用意したデータマップを使って、ゴミ処理場への通路を見つけます。
小鳥「わかってる。みんなのためにも、必ず助ける――――。だから、無事でいて。遊馬。」
・・・
ハートランド「んふっふっふっふ。やはり来てしまったなぁ、カイト。弟の叫び声が、君の耳には聞こえたのかな?」
カイト「貴様―――――!!?」
ゲートを開いた先、ゴミ処理場へ到着した一行を待っていたのは、ふわふわホバリングする機械に乗ったハートランド。そして、その上に聳える巨大な大砲こそ、スフィア・フィールド砲であり、その中枢で電磁波を出しながらくぐもった声を上げているハルトが見えます。
カイト「ハルトーーー!!!ハルトーーーー!!」
いまや巨大な砲弾となった《スフィア・フィールド》に手をついて苦しむ遊馬。ナンバーズの力を全て吸収するそのエネルギーは、遊馬の体力すらも吸い取っていきます。
ハートランド「Dr.フェイカーの邪魔をする者は、誰であろうとも容赦はしない。さぁ!やってしまいなさい!邪魔者を排除するのだ!!」
ハートランドがそう叫ぶなり、壁の中から大量のオボットが登場。このままではまとめて【スクラップ】にされてしまう―――。
バリアン製のオービタルも無駄に変形して、ドリルとカッター(という男の2大ロマン)で応戦します。
ついでにシャーク達もリアルファイトに参加。ONEPIECE初期のサンジ並のキック力を見せつけ、次々と鉄製のオボットをボコボコにしていきます。さすが、決闘者で不良なだけはあります。
しかし、多勢に無勢。《スターダスト・ドラゴン》を一体立てたところで、《血の代償》を発動した【代償ガジェ】にはお手上げなように、質より量で押し負ける一同。
ハートランドもその真意を明かし、ハルトはDr.フェイカーのために力を使っている事、そして、Dr.フェイカーの目的は自分の目的のひとつでもある事を語ります。
ハートランド「ワタシは嬉しいのだよ。Dr.フェイカーの長年の夢が、まもなく達成される事が…。それは私の夢にも繋がる。私はDr.フェイカー様に全てを懸けてきたのだ。だからこそ、誰にも邪魔をさせるわけにはいかない。君達も、あの九十九遊馬と一緒に消えてもらおう。」
「さぁ!地獄の門よ、開け!!!」
ガタタタタ。と唐突な機械音を上げて、立っている床が徐々にスライドを始めます。全ての床は、壁に引っ込み、中心から下の空間につながっていくように引っ込みます。
ハートランド「この世界はアストラル世界と通じている。お前たちはこれでお別れだ。」
シャーク「奴ら、オレ達をゴミと同じように捨てる気だぜ!!」
小鳥「あの穴に落ちたら――――もう。」
Dr.フェイカー「まもなくハルトはスフィア・フィールド砲の引き金となる。それによって、この父の夢が、願いが、全ての望みが現実のものとなるのだ―――!!」
ハートランド「さぁ!奴らを叩き落せ!」
少なくなった床面積で、それでもなおオボットは増援を繰り返してシャーク達を襲います。
シャーク「くそ!どんどん湧いてきやがる!おいクソロボット!こいつらなんとかできねぇのか!?」
オービタル「ダカラクソロボットトハナンダ!コノフリョウザメ!!」
小鳥「喧嘩している場合じゃないわ。このオボット達はどこから指示を受けて動いているハズよ。それを突き止めて破壊すれば―――」
オービタル「オォ!?ナゼソンナカンタンナコトヲ――?サッソクシラベルデアリマス!」
そういってオービタルは小鳥の提案で周辺をサーチ。
オービタル「スベテノシジハホストコンピューターカラデテイルデアリマス。ソコヘキョウセイテキニアクセスシ、タイリョウノデンアツヲカケレバ――――アリマシタ!アソコデス!!」
シャーク「説明はいい!さっさとやらねぇか!」
オービタル「メイレイスルナ!オイラハオマエノシモベデハナイ!」
カイト「やれ!オービタル!」
オービタル「カ、カシコマリ!!」
「カシコマリングダ!!オイラ!!」
「“ずっとオイラのターン!!”」
それは伝説の向上だが、まさかこんなクソロボットに言われるとは―――。
オービタル「ギョエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」
しかし、大量の電圧でショートさせるハズの端末を、自分ごと感電させてしまったのか、周囲のオボットが止まると同時に、オービタルも動かなくなってしまった。
ついでにハートランドの乗り込んでいた機械も浮上できなくなり、そのまま真下の穴に真っ逆さまに落下。さらば、小杉。
小鳥「オービタル!!」
カイト「よくやった!オービタル!」
オービタル「カイトサマニオホメノコトバヲ………ホンモウデアリマ―――ス」
結局自分自身の回路も焼き切ってしまったのか。そのまま自身の顔のライトもゆっくり消えていきました。
小鳥「ありがとう。オービタル。」
スフィア・フィールドのエネルギーが弱まり、遊馬も少しだけ体力を回復します。
アストラル『遊馬、ゼアルを解くぞ――』
遊馬「アストラル――?うわ!」
そうしてゼアルは解かれ、元の遊馬とアストラルの体に戻った二人。
アストラル『いけ、遊馬。』
遊馬「え――――。」
アストラル『今なら、君だけは脱出できる』
遊馬「何言ってんだ!お前も一緒に逃げんだよ!」
アストラル『それはできない。私は、この《スフィア・フィールド》の中だけでしか存在できなくなっている。なぜならば、私はナンバーズそのもの。』
遊馬「そ―――そんな。」
そう言ってアストラルは、遊馬にシャーク・ドレイクとホープを渡します。
遊馬「これは――?」
アストラル『希望。そして、未来。』
遊馬「アストラル――――!お前!!」
アストラル『行くんだ遊馬。行ってハルトを助け、アストラル世界を救って欲しい。』
そう言ってアストラルは光に包まれ、遊馬を《スフィア・フィールド》からはじき出します。
遊馬「アストラル!!!」
アストラル『遊馬、君に未来を、託す。』
シャーク「遊馬!」
小鳥「遊馬!」
外へ出て、シャーク達のところへ落ちる遊馬。すぐに《スフィア・フィールド》を見上げるも、そこにアストラルの姿はなく、代わりに不気味な声がゴミ処理場に響きます。
Dr.フェイカー「余計な事をしてくれたな。だが、何をしようと無駄なこと、もうじきお前たちは、アストラル世界と共に吹き飛ぶ。あのスフィア・フィールド砲によってな!!」
遊馬「Dr.フェイカー!!」
託された思い。遊馬は、アストラルが残したホープとシャーク・ドレイクを思い出します。
遊馬「シャーク、カイト、オレに力を貸してくれ!アストラルに託された希望と未来を守るんだ!」
シャーク「希望と…未来…?」
そう言って下向きに笑いながらも遊馬からカードを受け取るシャーク。カイトも、ネオギャラクシーアイズに語りかけ、黙って遊馬に歩み寄ります。
遊馬「オレ達の心は決まったぜ!みんなの未来を懸けて、デュエルで勝負だ!!Dr.フェイカー!!!!」
Dr.フェイカー「面白い。コンピュータが自動修復するまでの暇つぶしにはもってこいだ。そのナンバーズも返してもらわねばならんしな。よかろう相手になってやる。」
小鳥「遊馬、シャーク、カイト。あなたたちこそ、みんなの希望。守って、未来を――――。」
次回、「集いし三勇士、未来を懸けたラストデュエル!」
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