【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

ナンバーズ72「雌雄決する時!!遊馬VSカイト WDCもう一つの決勝戦」





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 充填されたスフィア・フィールド砲の暴走により全壊してしまったハートの塔。ピンクのハートを模したモニュメントが地中に埋もれる姿を見つめて、カイトはコートの袖に腕を通した。


 長く感じたこの大会も、夕焼け色に染まった町並みを眺めてその終わりを実感していた。ずっと夢に見ていたハルトの病気を治す事。父親の本当の想いを知る事。たった一日でどれだけの出来事があっただろうか。沈む夕陽に、彼の顔を重ねる。



「 俺は今まで、ハルトのためにナンバーズハンタ−として戦ってきた…。 」
「 だが……、だが俺は…… 」


ハルト「兄さん、行くの?」


 扉の向こうからハルトがカイトを呼びかける。ここ数ヶ月、見ることのなかったハルトの歩く姿にカイトは改めて全部終わったのだと実感する。


カイト「あぁ。」


 ぐっと力を入れた兄の拳をハルトは見た。何かを決意したのだ。


ハルト「兄さん…。」

カイト「大丈夫、俺は絶対に負けない。」


 夕陽を背に、振り返ったカイトは静かに弟にそう言うと、遊馬に指定された場所へ向かうために部屋を出た。



 第一回WDC(ワールド・デュエル・カーニバル)。数々の歴戦のデュエリスト達が一同に結集した大規模なこの大会で、異世界からの復讐者トロンを見事打ち破った九十九遊馬。優勝者に送られる「願い」を遊馬は、カイトとのリベンジマッチを要求。全ての試合が終了し、今ここに、ここにいる者にしか語られないもう一つの決勝戦が行われた。





遊馬「アストラル、なんだか体がビリビリしてきたぜ…」

アストラル『ふ。ワタシもだ』


 夕陽が一段と輝いて見える橋の広場で、二人はカイトの到着を待っていた。


遊馬「カイトは強ぇ。初めてアイツに出会った時、オレたちはメタメタにやられちまった…。お前とゼアルになって、皇の鍵の中で戦った事もあった…。ハルトを救うために、タッグデュエルをした事も、その度にカイトは強ぇ奴だって思った。でも、そう感じれば感じるほど、オレの超えなきゃいけない目標になってたんだ!オレは、お前と一緒に必ずアイツに勝つ!」


鉄男「遊馬のヤツ、気合い入ってんな」

徳之助「なんかオレも緊張してきたウラ!」

等々力「遊馬くん、カイトに勝てるんでしょうか?」

鉄男「わからねぇ、だが、これが事実上の決勝戦だ」

キャッシー「大丈夫、遊馬なら必ず勝ってくれるニャ!」


 日も暮れ初めるハートランド。人通りも少なくなった河沿いの風景に、透き通るほどの子守唄が響きます。


小鳥「――――!」

キャッシー「ニャんの音?」


遊馬「カイト!」


暮れゆく夕陽の中から滑空してきたカイトは、旋回して徐々に高度を落とし、遊馬の前で力強く着地しました。


カイト「待たせたな。」



ゴーシュ「へへ。見せて貰うぜ、お前らのノリを―――。」


 大会運営委員を勤めていたゴーシュとドロワも二人の勝負を見届ける様子。


オービタル7「カイトサマ!アンナ、トンマナユウマナド、タタキノメシテヤッテクダサ〜〜イ!」

ドロワ「カイト…。」







遊馬「カイト、今日こそ決着を着けてやる!勝負だ!」

アストラル『デュエリストのプライドを掛け、君に挑む。そして勝つ。』


カイト「遊馬、アストラル、俺の全力を懸けて受けてたってやろう!」


「へ!やってやるぜ!デュエルディスク、セット!!」

「デュエルモード、フォトンチェンジ!!」

「Dゲイザー、セット!」



『ARビジョン、リンク、完了』


「「デュエル!!!」」





・・・・・


 ハルトとフェイカー。モニターカメラで兄の勇姿を見ようと、二人で部屋でその様子を眺めていました。


ハルト「兄さん。」




 燃え上がる決闘者の魂。頂上を取るのは遊馬かカイトか。
 アストラル世界の希望、ホープをその手に、フォトンの力・光の化身、ギャラクシーアイズに挑む。
 事実上の決勝戦にして意気揚々とする遊馬。だが、カイトにはここにきて迷うものがあった―――――。















第72話「雌雄決する時!!遊馬VSカイト WDCもう一つの決勝戦!」



鉄男「いっけぇ!」

小鳥「遊馬あ!負けたらただじゃおかないからね!」


遊馬「アストラルも、むっつりしてないで頑張るのよ!」

「えぇ――!?」


遊馬「じゃ―――お前まさか、コイツのこと見えてんの!?」


 後ろでむっつり顔をしているアストラルを指して遊馬は驚きます。


小鳥「なんだか見えるようになっちゃった☆」

「えええええええええええ!!!」


アストラル『どうやら、この間の戦いの影響で、ワタシの姿が見えるようになったものがいるようだ。』

遊馬「――ってぇことは、シャークやカイトも!?」


カイト「どうした?アストラル、遊馬、かかってこないのか?」


 騒ぐ遊馬をいつもの調子で悟すカイト。熱血な遊馬に対しては、カイトはどこまでも冷静です。


遊馬「わかってるぜ!先攻はオレが貰う!いくぜ」

●「オレのターン、ドロー!」

●「オレは、《ガンバラナイト》を攻撃表示で召喚!」


《ガンバラナイト》
☆4/光属性/戦士族/ATK 0/DEF1800
フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードが攻撃対象に選択された時、このカードの表示形式を守備表示にする事ができる。


鉄男「あ、あいつ!いくら《ガンバラナイト》が攻撃を受けたら守備表示になると云っても――」

等々力「トドのつまり!普通攻撃力0のモンスターを攻撃表示で出すなんて、有り得ま――――ううん!とにかく頑張れ、遊馬くん!」


アストラル『遊馬。』

遊馬「な、なんだよ。」

アストラル『それでいい。』


 常に何かしら文句を言うのは今に始まったことじゃない。だから、素直に肯定されたのは、遊馬にとっても素直に嬉しかった。


●「へ!オレは永続魔法《ゼロゼロック》を発動!このカードの効果によってフィールドにいる攻撃力0のモンスターには、攻撃できない!」


《ゼロゼロック》
永続魔法
フィールド上の表側攻撃表示で存在する攻撃力0のモンスターを攻撃対象に選択できない。


アストラル『カイトなら、序盤でギャラクシーアイズを出してくる事も十分に考えられる。《ガンバラナイト》の効果と合わせて、二重の策で迎え撃つ。』


 《ゼロゼロック》によって攻撃表示でも攻撃対象にならなくなった《ガンバラナイト》。仮に《ゼロゼロック》が破壊されたとしても、《ガンバラナイト》で守備表示にすればダメージを受けることはない。


遊馬「オレはこれでターンエンド!さぁ、かかってきやがれ!!」


カイト「 遊馬、確かに貴様は強くなった……。だが―――― 」


○「俺のターン、ドロー!!」

○「俺のフィールドにモンスターがいない時、コイツを特殊召喚できる!現れろ!《フォトン・スラッシャー》!!」


フォトン・スラッシャー》
☆4/光属性/戦士族/ATK2100/DEF 0
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは特殊召喚する事ができる。自分フィールド上にこのカード以外のモンスターが存在する場合、このカードは攻撃する事ができない。
(※アニメ効果)


○「そして俺は、《フォトン・クラッシャー》を通常召喚!!」


フォトン・クラッシャー》
☆4/光属性/戦士族/ATK2000/DEF 0
このカードが攻撃した場合、このカードはダメージステップ終了時に守備表示になる。



遊馬「――――攻撃力2000以上のモンスアt−が2体―――。この護りが分かってて、敢えて召喚するつもりか――!?」


○「俺は攻撃力2000の《フォトン・クラッシャー》と攻撃力2100の《フォトン・スラッシャー》をリリース!!」


「闇に輝く銀河を、希望と光と成りて、我がしもべに宿れ!!光の化身、ここに降臨!!」


 高く打ち上げる紋章が象るのは、宇宙そのもの。大いなる銀河の瞳に宿して、彼の龍は天高く咆哮する。


○「現れろ!!《銀河眼の光子竜》!!!」


《銀河眼の光子竜》
☆8/光属性/ドラゴン族/ATK3000/DEF2500
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在する攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースし、手札から特殊召喚する事ができる。このカードが戦闘を行う場合、その戦闘を行う相手モンスター1体とこのカードをゲームから除外する事ができる。この時、除外した相手モンスターがモンスターエクシーズだった場合、そのエクシーズ素材を全て墓地に送る。この効果で除外されたモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールド上に特殊召喚される。この時、このカードの攻撃力は、この効果で墓地へ送ったエクシーズ素材の数×500ポイントアップする。
(※アニメ効果)





遊馬「――ギャラクシーアイズ……!」

カイト「銀河の藻屑と消えよ!ギャラクシーアイズで《ガンバラナイト》を攻撃!!」

遊馬「おおっとカイト!!《ゼロゼロック》の効果で、攻撃力0のオレの《ガンバラナイト》には、攻撃できねぇ!!」


○「俺は速攻魔法《銀河爆風(ギャラクシー・バースト)》を発動!!このカードは、俺のターンの終わりまでギャラクシーアイズの攻撃力を半分にし、相手フィールドの表側表示のカードの効果を2枚まで無効にできる!!」


《銀河爆風(ギャラクシー・バースト)》
速攻魔法
相手フィールド上に表側表示で存在するカードを2枚まで選択して発動する。このターンのエンドフェイズ時まで、自分フィールド上の「光子」または「フォトン」と名のついたモンスター1体の攻撃力を半分にし、選択したカードの効果を無効にする。



《銀河眼の光子竜》
ATK3000→1500


○「《ガンバラナイト》のモンスター効果と《ゼロゼロック》の効果を封印!!」


遊馬「俺の護りが―――!」

アストラル『さすがはカイト。ワタシたちの手のさらにその先を考え、ギャラクシーアイズを召喚したと云う事か。』


○「ギャラクシーアイズで《ガンバラナイト》を攻撃!!」


「“破滅のフォトンストリーム”!!!」



遊馬「ぐああああああああああ!!!」


遊馬LP4000→2500


 爆風に呑まれて吹き飛ぶ遊馬。フェイカー戦では共闘し、頼もしかった相手ですが、こうして対峙するとその力に圧倒されます。



鉄男「いきなり1500のダメージ!?」

徳之助「やっぱりカイトには敵わないウラか?」

キャッシー「そんなことニャいーーーー!!!」


 ビビビビビ。と、徳之助に猫乱れひっかき。


小鳥「そうよ遊馬!立ちなさーーい!」

遊馬「わかってるってんだっよ!」


 両手を肩の上の地面について、バネのように飛び上がって向き直る遊馬。


遊馬「へへ。カイト、デュエルは始まったばっかりだぜ!」



カイト「 遊馬、いつもそうだ…。お前は何度でも立ち上がってくる―――。前を向いて―――。 」


○「―――俺は永続魔法《戦闘重力(バトル・グラビティ)》を発動!!このカードはモンスターをコントロールしているプレイヤーがバトルしなかった時、1000ポイントのダメージを受けることになる!!」


《戦闘重力(バトル・グラビティ)》
永続魔法
自分のターンに自分フィールド上にモンスターが存在し戦闘を行わなかった場合、エンドフェイズ時にそのプレイヤーは1000ポイントダメージを受ける。


遊馬「ちょ―――!なんだよそれ!」

アストラル『ギャラクシーアイズを相手に、必ずバトルしなければならないという事か―――!』

カイト「そういう事だ。」

○「カードを1枚伏せてターンエンド!!」


○「《銀河爆風》の効果は終了し、ギャラクシーアイズと遊馬の《ゼロゼロック》の効果は元に戻る。」


《銀河眼の光子竜》
ATK1500→3000


カイト「いかに策を弄しても、俺には通用しない。」

遊馬「そうだよなカイト。やっぱお前とのデュエルはこうでなくっちゃな!」

カイト「―――?」


 遊馬はデュエルディスクを操作して、カイトが行なったプレイングを振り返ります。


遊馬「―――こうきて、―――ああきて、―――こうなったか。―――っくー!!面白ぇよな!!?」


カイト「面白い?俺の戦術のどこが面白い?」


遊馬「戦術なんて知らねぇよ!俺は、心のドキドキを言ってるんだよ」

カイト「心のドキドキ……?」

遊馬「あぁ!このドキドキがデュエルなんだ!これがかっとビングなんだ!」


 はしゃぎながら、遊馬は自分の胸に手を当ててカイトに語ります。


アストラル『―――。』


遊馬「そして、デュエルをすれば相手のことがすっげぇわかる!仲間になれるんだ!!」

カイト「―――」

遊馬「そりゃ見ろよ!こうやってデュエルのドキドキが伝わって、みんな集まってくれたんだ!」


鉄男「遊馬ぁ…」

等々力「トドのつまり」

徳之助「そうウラ。」

キャッシー「きゃっと!」


オービタル7「ドキドキリング!」

ドロワ「相変わらずだな。」

ゴーシュ「適わねぇノリだぜ」



小鳥「私もドキドキしてる―――。遊馬とカイトのデュエルに―――。」



ハルト「心の…ドキドキ。」



遊馬「このドキドキがあれば、みんな仲間になれる!デュエルで一つになれる!カイト、お前もそうだろ!?」

カイト「だったらお前の全力をこの俺に見せてみろ。」

遊馬「え―――」


カイト「ナンバーズだ。俺の真の勝利は、ナンバーズを倒してこそ。さぁ呼べ!ナンバーズを!!」


遊馬「―――あぁ。見せてやるぜ!オレのかっとビングを!!!」


●「オレのターン、ドロー!!」


●「オレは《ゴブリンドバーグ》を召喚!!《ゴブリンドバーグ》の召喚が成功した時、手札のレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる!!」


《ゴブリンドバーグ
☆4/地属性/戦士族/攻1400/守 0
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する事ができる。この効果を使用した場合、このカードは守備表示になる。


●「来い!!《ガガガマジシャン》!!!」


《ガガガマジシャン》
☆4/闇属性/魔法使い族/ATK1500/DEF1000
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動する事ができる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルとなる。
(アニメ効果)


カイト「――――。」


遊馬「オレは、レベル4の《ゴブリンドバーグ》と《ガガガマジシャン》でオーバーレイ!!」


「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!!」


「現れろ!!《No.39 希望皇ホープ》!!!」


《No.39 希望皇ホープ
ランク4/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF2000
レベル4モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
(※アニメ効果)


鉄男「来たぜ!ホープだ!」

キャッシー「チャンスよ!」

小鳥「遊馬!」



カイト「……ホープ。」


●「希望皇ホープで、ギャラクシーアイズを攻撃いい!!」


キャッシー「キャット!?ホープの方が攻撃力が低いのに、ニャんで!?」


●「オレは、オーバーレイユニットを一つ使い、ホープの攻撃を無効にする!!」


○「何を狙っているのか知らないが、忘れたのか!?《戦闘重力》の効果で、バトルをしないお前は、1000ポイントのダメージだ!!」


アストラル『遊馬!』

遊馬「おう!!」


●「オレは速攻魔法《フラッシュ・エフェクト》を発動!!」

アストラル『バトルフェイズ中にモンスター効果が発生した時、そのモンスター1体の攻撃力を800ポイントアップさせ、フィールドにいる全てのモンスターの効果を無効にする!!』


《フラッシュ・エフェクト》
通常罠
バトルフェイズ中にモンスターの効果が発動した時、発動できる。このバトルフェイズ中、効果を発動したモンスター1体の攻撃力を800ポイントアップする。その後、全ての効果モンスターの効果は無効化される。


カイト「な……なんだと!?」


ドロワ「これじゃ―――ギャラクシーアイズの効果が!」

ゴーシュ「モンスターを除外できねぇ!」


●「ホープの攻撃力は、3300にアップだああ!!」


《No.39希望皇ホープ
ATK2500→3300


「そして、ギャラクシーアイズと希望皇ホープのモンスター効果は無効となる!!」


カイト「遊馬―――お前―――。」


アストラル『これで、ギャラクシーアイズの効果でモンスアt−が除外される事はなく、ホープの効果によってバトルが無効になる事もない。』


遊馬「つまり!攻撃力を上げた上で、バトルを続行!!ギャラクシーアイズの効果も受け付けねぇぜ!!」


カイト「――――!!」


●「行け!!希望皇ホープ!!!」


○「させるか!罠発動、《模擬戦闘》!!!互いのモンスターはバトルの間、攻撃力は半分となり、破壊されない!!」



《模擬戦闘(バトル・シュミレーション)》
通常罠
モンスター同士が戦闘を行う時に発動できる。このバトルフェイズ中、お互いのモンスターの攻撃力は半分になる。また、この戦闘でモンスターは破壊されない。


《銀河眼の光子竜》
ATK3000→1500


《No.39 希望皇ホープ
ATK3300→1650


ドロワ「上手い―――!」

ゴーシュ「バトルのダメージを最小限度に抑えたか―――!悪くねぇノリだ」

オービタル7「カイトサマアア!!!」


遊馬「まぁだまだあああああああ!!!」

カイト「何――――!?」



●「オレは速攻魔法《バイ・バインド》を発動!!このターン、オレのフィールドで攻撃力の下がったモンスター1体を対象に発動!バトルの間、そのモンスターの攻撃力を倍にする!!」


《バイ・バインド》
速攻魔法
このターン攻撃力が下がった自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動する。このターンのバトルフェイズの間、選択したモンスターの攻撃力は倍になり、選択したモンスターと戦闘を行うモンスターは、「戦闘で破壊されない効果」の対象にならない。


《No.39 希望皇ホープ
ATK1650→3300


カイト「なんだと―――!?」


アストラル『さらに、《模擬戦闘》の効果は無効になり、相手モンスターを破壊できる!!』


カイト「まさか―――ギャラクシーアイズが――――!」



●「いっけぇ!ホープ!!」


「“ビッグ・ホープ・剣・スラッシュ”!!!!!」



カイト「ぐああああああああああ!!!!」



カイトLP4000→2200



●「全ての罠・魔法の効果は終了し、ホープの攻撃力と効果は元に戻る!」



《No.39 希望皇ホープ
ATK3300→2500


●「オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」



遊馬「っく―――!!やったぁ!!カイトに大ダメージだぜえ!!!」


 よほど裏をかけたのが嬉しかったのか、くるりとバック転をきめてそのまま両手を上げて大はしゃぎする遊馬。


カイト「ん――――。」


カイト「 あいつは何度失敗しようと…どんなピンチにたたされても…諦めず、必死になって立ち上がってきた…。そう、デュエルを心の底から楽しんで……。だが、今のオレは……。 」


 倒れた体を起こして、嬉しそうにはしゃぐ遊馬を、どこか羨ましそうな目で見つめるカイト。


アストラル『――――カイト。』


 立ち上がったまま俯くカイト。遊馬、アストラル、そして希望皇ホープをゆっくり見つめるカイトは、何かを決心したように表情を固くします。


ドロワ「カイト…まさか―――」


遊馬「?」

カイト「遊馬、アストラル。」

遊馬「カイト?」






・・・


ハルト「兄さん、やっぱり!?」






・・・


カイト「これで、終わりだ。」


そう言って構えていた左手のデュエルディスクを下げるカイト。


カイト「もう。デュエルはできない。」

遊馬「―――?」


カイト「このデュエル、サレンダーする。」


































・・・・・


 勝利などいらない。



 栄誉も、誇りも。



 ただ、弟を救いたかった。



 ただ、もう一度、一緒に笑って過ごせる日々が来て欲しかった。



 そのために、魂を売った。



 そうして、得た力で多くの魂を犠牲にしてきた。デュエルはあくまで手段であり過程。弟を救うために必要だったから、その力を望んだ。



 効率良く相手に勝ち、効率良くカードを回収する。



 ただ、それだけの、手段だった。



 勝ち負けなんて問題じゃない。



 絶対に勝たなければいけない。負ければ弟は二度と治らない。



 戦いに意味を見出せず、それ以前に求める事もしなかった。



 いつも一人で、ひたすらカードを狩り続けた。いつしかその作業に、愉悦を感じていた事も今となっては痛いくらい思い出せた。



 全てが終わりへの勝利だった。チャンスは一度きり。そこにチャレンジもないし、諦めもない。あるのは、覚悟だけだった。



 それはあいつも同じだ。負ければアストラルを失う。負ければその存在を失う。だけど、あの二人は違う。目的はナンバーズを集めること。なのに、あいつらは何であんなに―――――。




 笑って―――――。





・・・




遊馬「何言ってんだよお前、なんで、デュエルができないって――――!!」


・・・


ハルト「やっぱり――――兄さん……。」



カイト「俺にはもう、デュエルをする意味を―――見出せないんだ」


遊馬「カイト……。」


カイト「俺はこれまで、ハルトのためだけにデュエルを行なってきた。だが、ハルトが救われた今、俺の戦う意味は全て消えた。だから―――俺は、もう……。」



遊馬「ふざけんな!!お前はオレの目標なんだ!!勝手にやめるなんて、オレが絶対に許さねぇ!!」

カイト「遊馬、俺はお前のようにもう熱くデュエルをする事はできない。」

遊馬「―――!」


ドロワ「カイト……。」


アストラル『カイト。それは違う。』


カイト「―――!」


アストラル『遊馬は、ナンバーズを集めるためにワタシと共に戦い、勝利は、ワタシに失われた記憶をもたらしてくれた…。だが、それは過去の集まりに過ぎない。遊馬とのデュエルは、もっと大切なものをワタシにもたらしてくれた。』


カイト「大切なもの――――。」


アストラル『それは“仲間”だ。デュエルを通じて、心と心で語り合い、絆を深めていった仲間。カイト、君もそうだ―――。ワタシにとって君は、大切な仲間だ。記憶は過去のものだ。仲間は未来にある―――。君も、もう過去に縛られる必要はない。そして、この事に君も気づいていたのではないか……?だから君もこの場所に来たのではないか…?』





・・・



 いつの間にか惹かれていたのかもしれない。


「 やっぱりデュエリストはみんな仲間だぜ! 」


 知らず知らずに憧れていたのかもしれない。


「 新しい自分にかっとビングさせてくれる!! 」


 だから、自分も仲間が欲しくて―――。


「 オレはハルトに約束したんだ!必ずお前に会わせてやるって―――! 」



・・・



カイト「俺は――――」


遊馬「カイト!!」


カイト「――?」


遊馬「カイトビングだ!!カイト!!」


 ぐるっと後ろへ回って後方宙返りをきめようとするも、バランスを崩してこける遊馬。


遊馬「へへ、オレは感じていたぜ!お前のドキドキを!」


カイト「遊馬――――。」


アストラル『ふ…。』


遊馬「だが、お前のドキドキはこんなもんじゃねぇ!もっとだ!もっと、見せてくれよオレに!感じさせてくれよ!!カイトビングを!!」



・・・・・



 諦めずチャレンジする心。恐れずに向き合う心。


 九十九一馬の残した、繋がる想い。


フェイカー「カイト…。全ては私のせいだ…。私たち大人の思惑が、カイトを苦しめ続けていた…。それが今も…。」


ハルト「大丈夫だよ、父さん」

フェイカー「…。」

ハルト「兄さんの目は、遊馬に答えようとしている。」



・・・・・



 過去じゃなくて未来。


 全て終わったと、そう思っていた。


 だけど、目の前のあいつは、まだまだ先を見ている。俺より、ずっと―――先を―――。



カイト「ふ。ドキドキじゃ飽きたらねぇ―――。この先に何が待つかわからない。だが、切り開いてやろう!俺の道を、俺のデュエルを!!」




アストラル『カイト。』

遊馬「カイト…。」








トロン「どうやらカイトは、自分のデュエルを取り戻したみたいだねぇ。」



 夕陽がよく見える橋の広場。そんな橋の広場がよく見える展望広場。


トロン「九十九遊馬、まったく不思議なやつ……。一馬の息子か。」


 仮面の下で静かに微笑む。少年のような、それでいて、大人びた笑顔を半分隠して。


トロン「さぁ帰ろう。ボク達の場所に。クリス。トーマス。ミハエル。」


ミハエル「はい…父様。」


 最後にもう一度広場を見つめる、かつてIIIと呼ばれていた少年。


ミハエル「遊馬、いつか、きっと。」


 そうして事件の発端となった一家は、ハートランドから姿を消した。








・・・


遊馬「さぁ、来いカイト!!」


○「いくぞ!!俺のターン、ドロー!!」






 未来に向かって引いた一枚。世界は希望に溢れ、デュエルはこんなにも楽しい。



 それは彼にとって、一番ドキドキしたドローだった。






次回、最終回!!「幻の大激突!ダブル希望皇VSダブル銀河眼!!」