第114話「イェーガー捕獲作戦Ⅱ!」
「吐け!さぁ吐いてしまえ!!」
闇の中に蠢く。
その地下。
「ヒッヒ―――。」
ここはネオ童実野シティ。
嘲笑う。
声。
紅蓮の悪魔の仕業でございます騒動からはや何日、バーニングソウルの境地にたどり着いた元キング、ジャック・アトラスのその力は
「何ィ!?既に売り切れているだと!?」
見事に別の方向に向いていた。
「何故だァ!?」
「仕方ねぇだろ、新製品“激甘おしるこヌードル”は大人気なんだからよ。」
赤鬼柳?イリアステル?いやいや、今回はそんな話からちょっと逸れた、1つの家族の物語。
「――って、そんなもの買い占めるためにオレ達を引っ張り出すんじゃねぇよ!!」
「この店にあるという情報を手に入れるために、どれほど苦労したかお前にはわからんのか!?」
「んな事より働け!」
ジャック・・・。誰か彼をカップラーメンマニアにしたんだ・・・。
二人をなだめるブルーノ、だが、その横をDホイールに乗った若い男が横切る。
見ると男は前方の老婆の荷車をそのままひったくって行ったでは無いか。
しかし、相手はDホイールに乗っているし、今から追っても追いつけないだろう。
だが刹那、男の腕に伸びるワイヤー。ぐいっと引っ張られ、男は転倒。
倒れるDホイールと荷車。なぜか荷車からは“激甘おしるこヌードル”がw
何が起こったのか今イチわからないと云う状況に、空から謎のドレッドヘアの小さい男が現れるところから、今回のお話は始まる。
「ヒッヒッヒ―――いただきで御座います。」
どうやらこの小男の目的はひったくりではなく、荷車の中身だったようだ。遊戯王界でカップラーメンマニアと云えば、ジャックともう一人―――。
婆さんも小男に感謝し、男の懐の“激甘おしるこヌードル”をすごいスピードをひったくり、その内の1つを譲る。
「で、では遠慮無く、戴いていきます―――ヒーッヒッヒッヒ!」」
だが小男はそのまま婆さんのカップ麺をさらに2つ掴んで持って行ってしまった。
これではやってる事は犯罪ギリギリというかアウトというか。そして、
「あのいやらしい笑いは・・・」
間違えるわけもない。度々遊星たちの前に現れては迷惑なその声で散々状況を混乱させてきた、治安維持局副長官―――。
「イェーガー?」
「なんでこんなトコに?」
いくら姿を変えようが、まずは変声機を使うべきだったな。