第137話「迫りくる恐怖 神の居城「アーククレイドル」」
絶望の魔人。破滅の未来。
希望の星。進化の証。
「これでオレたちのモンスターが3体とも復活したぜ!」
「いけっ!遊星!!」
●「あぁ、オレは《ブラックフェザー・ドラゴン》の効果発動!!」
《ブラックフェザー・ドラゴン》
☆8/闇属性/ドラゴン族/ATK2800/DEF1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分がカードの効果によってダメージを受ける場合、代わりにこのカードに黒羽カウンターを1つ置く。このカードの攻撃力は、このカードに乗っている黒羽カウンターの数×700ポイントダウンする。1ターンに1度、このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除く事で、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力を黒羽カウンターの数×700ポイントダウンし、ダウンした数値分のダメージを相手ライフに与える。
「黒羽カウンターを全て取り除く事で、相手モンスターの攻撃力をカウンターの数だけ700ポイントダウンさせ、さらに、ダウンした数値分のダメージを相手に与える!!」
《ブラックフェザー・ドラゴン》:黒羽2
●「《ブラックフェザー・ドラゴン》に乗っているカウンターは2つ。よって、《機皇神マシニクル∞3》の攻撃力は1400ポイントダウン!そして、その分のダメージを受けて貰う!!」
「“ブラック・バースト”!!」
《機皇神マシニクル∞3》
ATK4000→2600
〔ぐ――――っ。〕
アポリアLP4000→2600
●「黒羽カウンターが無くなった事で《ブラックフェザー・ドラゴン》の攻撃力は1400ポイントアップする!!」
《ブラックフェザー・ドラゴン》
ATK1400→2800
「これで《ブラックフェザー・ドラゴン》の攻撃力が“マシニクル”を上回ったぜ!」
●「《ブラックフェザー・ドラゴン》、《機皇神マシニクル∞3》に攻撃!!」
「“ノーブル・ストリーム”!!」
《ブラックフェザー・ドラゴン》
ATK2800
○
↓
△
ATK2600
《機皇神マシニクル∞3》
〔ぬぅっ―――!〕
アポリアLP2600→2400
○〔《機皇神マシニクル∞3》の効果発動!!墓地の機皇帝のパーツを1枚除外する事で、“マシニクル”の破壊を無効にする!《グランエルG》を除外!〕
「遊星!一気に勝負だ!!」
●「いけ!!《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》!!」
「“バーニング・ソウル”!!」
《スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン》
ATK4500
○
↓
△
ATK2600
《機皇神マシニクル∞3》
〔ぐああぁぁ!!〕
アポリアLP2400→500
○〔《機皇神マシニクル∞3》の効果、墓地の《グランエルA》を除外、“マシニクル”の破壊を無効にする。〕
「やった!」
「これでヤツの残りライフは500。」
3つの絶望が彼にはあった。
〔バカな・・・。このワタシが・・・、負けるだと・・・。〕
愛してくれた者を失った絶望。愛する者を失った絶望。何ひとつ愛せなくなった絶望。
「アポリア!これがお前の絶望を上回る、オレたちの希望!!」
進化の否定が、未来の滅亡が、世界の窮地が、無限の力が、破滅の恐怖が、新たな進化が、希望の未来が、窮地の突破が、無限の想いが、恐怖の象徴が。
ワタシの絶望が―――。
3つの星。
進化の道。
未来を止める抑止力が、イリヤステルが、たった3人の男たちによって阻止された。
それが、“絆”
●「最後の攻撃!!いけ!《シューティング・スター・ドラゴン》!!!」
「“スターダスト・ミラージュ”!!!」
〔あああああああああああああああああああああああdっfgがrnmぐfnryz―――――――!!!!!〕
アポリアLP500→ 0
〔(ここまできて・・・、我々の計画が失敗するというのか・・・。)〕
そうして彼は、爆ぜた。
旧バッドエリアの海に沈む巨大なDホイール。
最終進化形態とも云っていた自らの胴体と共に、下へ下へ、沈んでいった。
絶望をまだ背負い続けて―――。
「遊星。」
「ジャック。」
「やったな。」
「あぁ、オレたちが勝ったんだ!」
暗雲が消える。絶望も消える。何もなかったように、街は本来の色を取り戻し始める。そう、これは、ただのワールド・ライディング・デュエル・グランプリ。
『ついに決まったぁぁーー!!予想不可能な展開が続いたWRGP決勝、まさに歴史に残る大激戦!その末に初代チャンピオンの名誉を掴み、Dホイーラーの頂点に立ったのは・・・。チーム5D’sだぁぁ!!!』
街中に響く大歓声。
「「「やったぁーー!!」」」
「やったやったー!オレたちが優勝したんだー!オレたちが・・・、」
「やったわね、遊星。」
「よくぞ、よくぞやってくれました不動遊星!チーム5D’s!ネオ童実野シティの平和は保たれました。」
『さぁ!ジャック・アトラス、クロウ・ホーガン、そして不動遊星、堂々の凱旋だぁ!』
「遊星―!」
「ジャック、クロウ!」
「やったね!」
「あぁ。」
ようやく戻ったみんなの笑顔。
「「「ジャックーーー!!!」」」
「やったね、ジャック!」
「アトラス様!」
「素敵だったわぁ!」
「当然の結果だ。」
これで全てが元通り。
「チーム5D’s」
「!」
「チームラグナロク。」
「ついにやり遂げたな。」
「お前たちも祝福してくれるのか?」
「当たり前だろっ」
「受け取るぜ!」
新たな友も増えた。
「みなさん、おめでとうございます。」
「ミゾグチ、戻ってきたのか。」
「えぇ。」
「ありがとう。みんな、」
それぞれの想いを託され、乗り越えて現在がある。未来に待つ破滅のためにやってきたアポリア。
街を守る事で未来が変わるのかはわからないが、それでもこの笑顔のために今まで戦ってきたんだ。
「決定的瞬間を独占取材なんだから!」
「これで、イリヤステルの野望は消えた。」
しかし、最後まで所在不明だったあの部屋のモニュメントが、サーキットの完成を示す。
インフィニティ∞。
突然の地鳴り。
「なんだ、これは?」
「おい!」
クロウが指す空には、白ひげが一発かましたようなヒビが。
「何が起きているんだ・・・。」
ヒビはそのまま広がり、空間を砕く。
「空が、割れていく・・・。」
「嘘、だろ・・・。」
そしてそこから降りてくる。
絶望を嘆いて降りてくる。
もうひとつの破滅。
全ての終焉。
「あれは、“アーククレイドル”!!!」