【FGOシナリオキャプチャ】創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ / 黒き最後の神 第12節 「前進衝動/人々と彼女」2/2
街中に溢れるカリの群れ、武器を持って戦うものの、その数の多さに皆戦意を喪失してしまう。
彼女は進んだ、ひたすら、前へ。
その姿に、人々は武器を手にとった。
・・・・・。
・・・・勿論、話します、けど・・・。
ということは、矢による超遠距離射撃・・・・。そんなことができるのは・・・・。
しかも、今聞こえるこの声は・・・・・!
やっぱり見逃してはくれないか・・・。
できる・・・かな。でも、無謀な気がする。
アーシャちゃん!
ボーダーにあった(イシュタルの)へそくり宝石でよければ・・・。
ほどなくして、アジャイが馬と馬に繋がった荷車を連れてきた。講堂の裏の馬小屋にあったものらしい。
予想通り、ウィリアム・テルがいると思われる方角から矢が一直線に飛んできた。
しかも、馬に向かって飛ぶ矢は馬には当たらず、馬具に弾かれて運悪くラクシュミーの肩に刺さってしまう。
続けて2射目、またも矢はラクシュミーの腕に刺さる。
打ち出される矢は、そのどれも一直線には飛ばず、目標に当たる直前にその軌道を変え、ラクシュミーの身体へと飛んだ。
ラクシュミーも自分に矢が飛んでくるのを読んで、剣で払い落とすが、ウィリアム・テルの矢は想像以上にブーストされて加速しており、剣で打ち落とすのは困難だった。
幾度となく身体を貫かれ、血を流そうとも、彼女はその体でまっすぐテルと対峙した。
接近すればこっちのものだ!!!!
く、せっかくここまできて・・・・!
テル!あなたは家族思いのいい人のはずだ!
こちらの追撃するスキも与えず、ウィリアム・テルは姿を消した。
街へ戻った。カリも聖獣もいなくなっていた。
そして、
うん、よかった・・・・・かな。
・・・・・。わかりました、話します。
彼女に説明する。
空想樹、それを採伐した後、異聞帯がどうなるか。
そこに居た生き物が、全て消滅してしまうことを。
そうだ、彼らは、例え武器をとって命がけで戦っても、この世界では消滅してしまう。
前へ進めば進むほど、彼らの存在する時間は短くなっていく。
残るのは、異聞帯を移動できるカルデアだけ。
今までに無い強い力を喉元を掴まれた。
その痛みは、今までなるべく考えないようにしてきた自分への痛みでもあった。
またあとで話そう、彼女の目がそう言っていた。
寝る前に、彼女から場所と時間を指定されていた。
みんなが寝静まってから、その場所へ向かう。
あなたは、、、、確か、、、、ロシアで、、、、、
あ、あの!
・・・・・・。
あの少女?はもういない、とりあえずラクシュミーに話を合わせた。
自分でも、まだ結論の出ていない部分がある。
けど、
思っていることを、正直に話そう。
正しい人類史と異なる人類史、そこに住む人々。
自分たちはたまたま、正解だと判断された道にいただけ。
そこに生きる人に罪はなく、そして救いもない。
知らず知らず、気づかずに彼らは人理の影に消えていく。
ロシア、北欧、中国、既に3度も、消える命の光をこの目で見てきた。
自分が救えるもののなんと小さいことか。
自分ができることのなんと少ないことか。
朝まで眠れず、消えた彼ら彼女らの顔がずっと残っている。
背負っているものの重みで、しにそうになる。
でも、それしか、今までの世界が助かる道が無いのなら・・・・・・・。
ーーーーーーだから、戦ってます。
パツシィ、ゲルダ、そして歌を歌った少年。
彼ら彼女らは、もうどこにもいない。
会話が終われば、街は静かだ。
ただ、風の音に紛れて、人々の眠る息が、心地よく流れていた。
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生きるための戦い。
だがそれは余りにも犠牲が多すぎる。
7つの間違った世界を否定して、自分たちの世界が正しかったと証明する。
そんな、あり得ないほど過酷で、選択肢の無い旅だと改めて実感しました。
勝つたびに失うものが増えていく、そんな旅でも迷えば、全てを失ってしまう。
怖い、そして、苦しいですよね。