【復刻記事:FGO】「魔法少女紀行 〜プリズマ☆コーズ〜」 letztes 星原と水晶の国【II】
『復刻版:魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~ -Re-install-』告知CM
マスターが目覚めた場所は、見知らぬ景色。
そこは魔法少女が治める魔法の国だった・・・!?
突然飛び込んできたうさん臭い魔法のステッキに導かれ出会った少女。
右も左もわからぬ不思議な世界で、
友人を探しているという少女を助けることに―――
・前回まで
異世界に迷い込んだマシュとそのマスター。同じく異世界からやってきた自称魔法少女イリヤスフィールとそのステッキマジカルルビーと共に、攫われた友人を助けることに。
ついに最後の国「星原と水晶の国」に辿り着いたイリヤ達。
しかし、入国してすぐに敵生体(カレイドステッキ型)の襲撃を受ける。
攻撃を凌ぎながら一行は、サファイヤの案内でファースト・レディと美遊がいる城へ向かった。
ルビー「キラッキラのピカッピカで、なんだか実家に帰ってきたような安心感がありますねー。」
「・・・。(ただただ無言)」
もしかして、レディはイリヤを避けている?
草場(というか水晶)の影から飛び出した無数のステッキ。姿形がルビーとほぼ同じなだけになんだか複雑だ。(でも吹き飛ばすとちょっと爽快)
むむ、ラスボス前でもう無茶するタイミングか。。。
エレナ、君は。
う。
あ、ありがとうございます。
エレナが全力を出すにふさわしいかどうか。
(まぁ、ここまで同行しているのに、今更見極めるも何もないと思うけど・・・。)
一体一体のステッキは脅威ではないが、数は圧倒的にこちらを上回っている。
さながら織田の鉄砲隊。1発1発は脅威ではないものの、三千丁もの火縄銃の一斉掃射は防御不能の必殺攻撃。
止むことの無いステッキの襲撃に、イリヤは消耗していった。
空中から一度地上に降りる。飛行に使っている魔力を節約するためだ。
いくら無尽蔵に魔力を放出できるカレイドステッキでも、それを使用しているイリヤの魔力量は無尽蔵ではない。
体力の低下と共に、その出力はどうしても落ちてしまう。
ふらついたイリヤの背中を、そこにいたエレナが優しく押した。
呪文の唱える。突然エレナの目の前に魔導書が現れた。
そっと指で中の言葉をなぞる。何語かもわからない文字が浮かび、魔力の爆発を起こした。
豪快な爆発音と共に、ステッキの集団は一気に吹き飛んだ。
きみは?
エレナの言葉通りに、彼女を残して城へと翔けた。
最後に見た時、彼女は顔を逸らせていたから表情がわからなかった。
まるで長い眠りから覚めたかのように、彼女の人形(お供)が口を開いた。
久しぶりに彼女が聞いたその声で、彼女の表情に笑顔が戻った。
魔導書をめくる。それはかつて魔法少女として世界を救うべく戦ってきた彼女のスタイル。
光る呪文を宙に浮かべて、空へと解き放つ。
そこにある、懐かしい金星の輝き。
エレナの言葉に応えるかのように、彼女の真上には半径20mぐらいの大型の円盤がゆっくり回転しながら浮かんでいた。
これが彼女の戦い方。宇宙の神秘を力に変えて、大気圏外からの交友者の極大光線。
合図と共に巨大円盤から解き放たれる地球外の高エネルギー光線。
一瞬でステッキに「無」に戻す。
全てを包み込むその光の中で、確かに彼女は笑っていた。
もう二度と唱えることが無いと思っていた呪文。
魔法少女として捨てた姿。
それを思い出させてくれた、彼女の後ろ姿を見ながら。