【FGO】「魔法少女紀行 〜プリズマ☆コーズ〜」 letztes 星原と水晶の国【VI】
マスターが目覚めた場所は、見知らぬ景色。
そこは魔法少女が治める魔法の国だった・・・!?
突然飛び込んできたうさん臭い魔法のステッキに導かれ出会った少女。
右も左もわからぬ不思議な世界で、
友人を探しているという少女を助けることに―――
・前回まで
異世界に迷い込んだマシュとそのマスター。同じく異世界からやってきた自称魔法少女イリヤスフィールとそのステッキマジカルルビーと共に、攫われた友人を助けることに。
クロの体と人格を乗っ取った最初の魔法少女(ファースト・レディ)。イリヤは長い連戦を経て彼女を倒すことができた。
しかし、親友を失ったレディの悲しみを聞き、イリヤ達は言葉を失う。それは、かつて世界と親友のどちらかの選択を迫られたイリヤと同じだったからだ。
親友が世界の敵になり、抑止力としてレディは親友をその手で止めた。
そのレディ悲しみを、広間に現れたエレナは改めて彼女に問いかけた。
エレナがそう言う隣で、お供のライオンの人形がモゴモゴと何かを話しているように見えた。遠くてよくは聞こえなかったが。
そう言うとエレナは半ば無理矢理広間にいた全員を外に連れ出した。既に敗北しているレディに戦闘の意思はなく、かつての旧友であったエレナに複雑な表情を浮かべていた。
城の外に出ると一体のゴーストがこちらが来るのを待っていた。思いもよらぬ待ち人にイリヤは一瞬飛び上がった。
そうはいってもゴーストは話せない。霊体の彼らは言葉を話す肉体を持っていない。
何かを伝えたい、悲痛そうな雰囲気だけがゴーストを動かしている。
「お・ま・か・せ・あ・れー!」
その言葉を待っていたかのようにイリヤに向かって謎の光線を浴びせるルビー。
光線を浴びた直後、イリヤの前にいたゴーストは消えた。そして、イリヤは眠ったようにすぅと瞼を閉じたまましゃがみこんでいる。
しかし、美遊が話しかけたタイミングでイリヤは立ち上がった。
その目はイリヤではない別の誰かだった。
すこーん。
軽快な音を立ててクロの頭にイリヤの拳がヒットした。
雰囲気がどこかあかいあくまに似ている。気がする。誰だか知らないけど。
どうやら美遊には心当たりがあるらしい。話によれば、拘束されていた間、度々夢の中でミラーとレディのやりとりを見ていたというのだ。
もしもし?大丈夫?
突然出てきた謎の人格と、「世界を敵に回して親友に討たれたという虚で淵な設定」にルビーが興奮している。
ってことはマシュの件もミラーの影響ってことかな?
とりあえずこの世界から脱出するか、もしくは崩壊を止める手段を探すしか無いってことか。
滅菌魔法少女「切除します?」
固有結界の管理者であるレディがこのまま消えればこの世界も消えてしまう。
選択肢は無かった。むしろそれが最善だった。
二人は最後に笑いあって、消えた。
二人の人格が抜けた後、イリヤとクロは向かい合って両手を握って見つめ合っている状態だ。
ルビーがニヤける。
クロェ・・・。
リン「何よ?」
ルヴィア「何ですの?」
かくして今回の異世界騒動は無事収束した。
もうちょっとだけ続く。