【FGO ストーリー】Fate/Accel Zero Order 第四次聖杯戦争開幕
それは本来の世界から切り離された過去。
怨念と恨みと欲望が渦巻く聖なる儀式。
一度閉ざされた歴史の中で、再び第四次聖杯戦争の幕が上がる。
明け方。カルデア内にエマージェンシーコールが鳴った。
マシュと廊下で顔を合わせ、そのままロマンのいる制御室に入る。
半日前、最後に顔を合わせた時とはまるで別人のように真剣な顔つきでロマンが申し訳なさそうに言った。
普段は昼行灯な彼が最初から本題に入った。それだけ異常な事態なのだと悟った。
マシュが指したのは、以前レフの策略によって最初にレイシフトをした場所。炎の煙に包まれた死の匂いが漂う壊滅都市フユキだった。
二人の後ろから声がした。振り返ると諸葛孔明が愛用の煙草に火を着け佇んでいた。、もちろん、ここは禁煙だ。
彼は、現代の魔術師でありながら、サーヴァントの器を持っている極めて稀な存在である。マシュのようなデミ・サーヴァントとは違い、諸葛孔明という完全に別の器(霊核)を持ち合わせながら、ロード・エルメロイ||世として存在している。
サーヴァントの力を宿しているマシュとは違い、サーヴァントでありながら、魔術師として肉体を与えられた存在。それが彼である。諸葛孔明というのは名を貸しているだけに過ぎず、ステータスはあくまで諸葛孔明彼自身だ。
エルメロイの視線を落としながら言った。淡々としているが、言葉の言い回しにかなり棘がある。心底嫌っている、誰が聞いてもそれだけはよく伝わった。
そういうと彼はにこりと笑った。退屈しのぎに散歩でも行くかと誘うような軽い感じで。
ロマンに送り出されて再びフユキの地へ飛ぶ。
レイシフトする瞬間、諸葛孔明は嬉しそうな、寂しそうな、そんなどちらともとれない苦悶の表情を浮かべていた。