スマイルプリキュア!第43話「れいかの道!私、留学します!!」
私の名前は青木れいか。
この学校の生徒会長をしています。
学ぶ事を怠らず、目標を定めて、一度やると決めた事は最後までやり遂げる。
それが、私の“道”です。
「青木さん!」
その日は生徒会の仕事がひと段落して教室へ戻ろうという時でした。
ふと、廊下でれいかは後ろから駆けてきた先生に呼び止められました。
れいか「先生?」
先生「おめでとう!イギリス留学の選抜メンバーに、あなたが選ばれたわ!!」
れいか「え―――――――!」
それは余りに突然の別れ、このままずっと同じだと思っていた道が、ふとしたきっかけで別の進路を辿る。
それは新たな世界への一歩と、そして別れの時。
やよい「先生、それって全国から優秀な生徒が選ばれていくっていう、あの―――?」
先生「そう!謂わば日本代表よ!」
みゆき「どういう事……?」
突然告げられたれいかの留学。友だちとして嬉しい気持ちと、遠くへ行ってしまう寂しさでなんとも複雑な感じです。
れいか「あ、えと、一年生の時に申し込んでいたんです。」
やよい「それって、いつから行くんですか……。」
先生「一ヶ月後よ、ちなみに期間は1年。」
みゆき「一ヶ月後……。」
やよい「一年……。」
具体的な日数にみゆきとやよいはさらに表情を曇らせます。
れいか「―――――――。」
突然のイギリス留学。このままじゃれいかと離れ離れになってしまう!?
友だちは!?プリキュアは!?
みゆき達と自分の進む未来に、れいかが導き出した“道”とは……
第42話「れいかの道!私、留学します!!」
放課後。
あかね「それは凄いなぁ……!おめでとう、れいか!」
部活が終わってみゆき達と合流したあかねとなおに、れいかは留学の話をしました。
れいか「ありがとうございます。」
なお「れいか、留学なんて考えてたんだね。知らなかったよ」
あかね「しっかし、そんなんに選ばれるなんて大したもんやで」
れいか「でも―――――」
素直に感心しているあかねとは裏腹に、思いつめた顔でれいかは立ち止まりました。
れいか「でも、留学したら……プリキュアが……。」
「―――――。」
みゆき「それは――――きっとなんとかなるよ!!」
今は同じ町、同じ学校で共に行動する5人ですが、留学すればれいかは遠い国へ行ってしまいます。もちろん本の扉を使って会う事もできますが、日本とイギリスでは大きさ時差があります。日本で昼間にアカンベェが現れても、れいかのイギリスは真夜中だったという事もあるでしょう。それはれいかにとってはかなりの負担になるはずです。
みゆき「ね!」
れいか「しかし―――――」
みゆき「それに、今すぐ行っちゃうわけじゃないし大丈夫だよ」
落ち込んだ様子のれいかに今できる満面のスマイルでみゆきは励まします。
れいか「そう―――――ですね……。」
みゆき「それじゃあれいかちゃん、また明日」
れいか「はい―――。」
4人と別れたれいかは、それでも一人思い詰めた様子で家に向かって歩きました。
・・・・・・
【青木邸】
その夜、さっそくれいかは家族に留学の話をしました。もちろん、日頃の勉強が報われたともあって、家族も大喜びです。
静子「海外留学だなんて、しっかり準備しないと。あら、そうだわ、確か押入れにいいものが――――ちょっと待ってて。」
れいか「お母様、準備なんてまだ早いです。」
出発は一ヶ月先ですが、母静子はもうその気みたいです。
淳之介「ははは、でも凄いよ。昔ボクも申し込んたけど、ボクは結局行けなかったからね。だから本当におめでとう、れいか。頑張れよ」
れいか「はい――――――。」
素直に応援されて、少しずつれいかの気持ちは留学に向きつつありました。
れいか「お爺さま、宜しいでしょうか?」
曾太郎「あぁ。」
すっと、静かに障子を開けてれいかは曾太郎に留学の話を改めてしました。
れいか「この度、念願だっイギリスの留学が決まりました。」
曾太郎「あぁ…よく頑張った。」
れいか「ありがとうございます。お母様もお兄様も、先生も友だちも、皆とても喜んでくれて……とても……光栄です……。」
曾太郎「……。」
言葉ではそう言うものの、まだどこか迷いのあるれいかの言い方に気づいたのか、曾太郎は一度置いた筆をとって半紙に向き直しました。
曾太郎「れいか。」
れいか「はい!」
そうしていつもより崩した書体で書かれた「道」をれいかにそっと差し渡す曾太郎。
れいか「これは―――――、“道”ですか?」
曾太郎「左様。では、これは――――?」
そう言ってもう一枚、今度はもっと崩した「道」が書かれた半紙をれいかに見せる曾太郎。最初の時よりだいぶ崩れてはいますが、それでもその字は「道」でした。
れいか「これもまた……変わった“道”ですね……。」
曾太郎「だがどちらも道には違いない。寄り道、脇道、回り道、“道”とは様々だ―――。れいか、お前が描く“道”とは、一体どんなものであろうな……」
れいか「――――――。」
なんとなく曾太郎の言っていることがうまく飲み込めずにいるまま、れいかはただ静かに、その「道」を眺めていました。
れいか「( 私はいつも目標を定め、それに向かって歩いてきた。周りの人たちも皆それを応援してくれたから……。でも、私は……。 )」
それから自分で書いてみるものの、曾太郎のように崩れたような字ではなく、きっちりと同じ「道」が、れいかの部屋に溢れていました。
れいか「( 私の行くべき道は……。 )」
ジョーカー「やれやれ。結局最後まで使えない人たちでしたぁ……。」
まるで吐き捨てるように3人のシルエットが描かれたカードをペアで床に投げ捨てるジョーカー。ペアになったカードはそれぞれ、ジョーカーを押し付け合うババ抜きのようにその場で消滅しました。
ジョーカー「別の手を考えなくは……。5人で戦うプリキュア、その要……。チームの頭脳であるキュアビューティを排除すれば……」
弄ぶように5人5色のカードの中から真ん中の青いカードを抜き取り、不気味な笑いを浮かべながらジョーカーはカードを舐めまわすように見つめていました。
ジョーカー「ふふふふふふ。試してみる価値は、ありそうですねぇ……。」
・・・・・
なお「れいかはさ、なんで留学したいと思ったの?」
午後のひと時。空いた時間を公園で過ごす5人。池の水面に映る自分の顔を見つめているれいかに、なおはそっと話しかけました。
れいか「海外で学んで、自分の可能性を試したいと思ったんです。それに、そう言う経験が宝物になるとお爺さまが仰ったので……。」
みゆき「――じゃあ、やっぱり行かなきゃ!」
あかね「そうやで」
れいか「――――――。」
なお「れいかはさ、昔からみんなのためにって、いつも誰かを優先して頑張ってきたでしょ?でもこんな事滅多にないんだからさ。たまには自分を優先して、ワガママになってもいいんだよ」
れいか「なお……」
それはなおなりのれいかへの後押しでした。それに合わせるかのように、みゆき達もれいかに呼びかけます。
キャンディ「れいかのゆめがかなうなら、キャンディもうれしいクル!」
やよい「そうだよ!応援するよ!」
れいか「皆さん………。ありがとうございます。」
みんなの気持ちにれいかは思わず頭を下げて礼を言いました。
みゆき「これで……いいんだよね……。」
生徒会の仕事があると先に戻ったれいか。残った4人の中、みゆきが静かに確かめるように言いました。
キャンディ「みんなどうしたクル? なんでそんなかおしてるクル?」
やよい「うぅ―――!」
あかね「泣いたらあかん!笑って見送らんと……。」
キャンディ「こりどういうことクル?」
留学というものがわかっていないキャンディは、みんなが落ち込んでいるのがわかりません。その意味を、みゆきはキャンディに話しました。
みゆき「あのね、れいかちゃんは遠い国へ行くの。だからもうすぐお別れしなくちゃいけないの。」
キャンディ「そんなのイヤクル!!キャンディはれいかといっしょにいたいクル!!」
なお「キャンディ、ワガママ言っちゃだめだよ。れいかのためだもん」
キャンディ「みんなはそれでいいクル!!?キャンディはイヤクル!!そんなのイヤクル!!」
もちろん悲しいのはキャンディだけじゃありませんが、れいか自身が選んだ道を4人が止めるのは、結局れいかの道を塞いでしまう事になってしまいます。
わかってはいるけど、別れるのは寂しい。それでも、みゆき達が選んだ結論は、スマイルで送り出してあげようという事でした。
静の動作を常に意識した弓道は、時間を止めたり動かしたりする。
矢を射るまでの動作で既に集中を極限まで高めて的に射る。残心のまま、やっと零す息でようやく時間は動き出す。
しかし、放った二射とも、的の中心からは逸れていました。
れいか「―――――――はぁ……」
ジョーカー「心が乱れてますねぇ……?」
れいか「――――!?」
残心を止めた瞬間、すぐ隣であの不吉な声がれいかに囁きました。
挨拶と同時にジョーカーはバッドエンド空間を作り出し、弓道場を中心に闇の世界を展開させます。
弓道着姿でも袴からスマイルパクトを取り出したれいかは、それをジョーカーに向けて変身しようと構えます。
ジョーカー「まぁまぁ、そう焦らずに。」
パチン。射場から的の方へ飛び上がったジョーカーが指を鳴らすと、れいかは吸い込まれるよぬい的の中へ取り込まれてしまいました。
なお「これは―――――!?」
みゆき「れいかちゃん!!!」
・・・・・・・
気がついた時、闇に染まった空間にれいかはいました。自分の体がどこかへ移動したとわかった時、突然頭上からスポットライトに照らされ、自分の服が弓道着から制服に戻っているのにれいかは気づきました。
ジョーカー「よぉこそぉ〜〜〜!!ワタシの部屋へ」
れいか「く――――――!!」
遥か上のポールに立つジョーカー。れいかはきっ、と睨んでスマイルパクトを構えます。
『Lady?』
「“プリキュア・スマイル・チャージ”!!!」
『Go Go!! Let’s go beauty!!』
「しんしんと降り積もる清き心、キュアビューティ!!!」
ジョーカー「せっかちですねぇ……。」
ジョーカーがそう言うと、突然頭上の巨大なくす玉が2つに割れて、辺り一面が明るくなります。くす玉にはなんと、れいかを留学を祝うかのように「祝!!留学!!」と書かれていました。
ビューティ「……?」
ジョーカー「留学決定、おめでとうございマース!」
れいかがジョーカーに連れてこられたそこは、大きなはサーカスのテントのステージでした。
ビューティ「これは一体……。」
ジョーカー「ですから留学のお祝いです。アナタいなくなっちゃうんでしょぉ?」
ビューティ「くっ―――――。」
いつもの不可解なプレッシャーを隠すように、軽快な口調でジョーカーは事情を話しました。
ジョーカー「ワタシ凄く嬉しいんです。だぁって何もしてないのに、プリキュアが一人減ってくれるなんて…」
ビューティ「貴方の思い通りには――――――!!!」
突き出すパンチとキック。しかし、のらりくらりと躱してジョーカーはサーカスの綱渡りのロープまで移りました。
「出てよ、ハイパーアカンベェ!!」
虚空から取り出した鏡に黒っ鼻を投げうつジョーカー。
『ハイパ〜〜〜アカァ〜〜ンベェ!!!!』
・・・・・
なお「れいか……一体どこへ……?」
バッドエンド空間の中心に駆けつけたみゆき達は、そこで弓道の稽古をしていたハズのれいかの弓だけを発見します。
キャンディ「イヌデコルでさがすクル!!」
『Let’s go!! I・NU!!』
キャンディ「ワンクル!!」
そう言って犬の鼻になったキャンディは、れいかの匂いを辿って的場にあるひとつの的をみゆき達に示しました。
キャンディ「ここクル!」
やよい「ここって言っても……」
やよい達には、ただそこに的が並んでいるようにしか見えません。
みゆき「とにかく変身しよう!」
・・・・・
ジョーカー「ふふふ。頑張りますねぇ。でも、もうプリキュアをやめるアナタがなぜ戦っているんです?」
ビューティ「私は、プリキュアをやめるなど……」
ジョーカー「おや?では――――――――――留学を取りやめると?」
笑顔2割増であざ笑うジョーカー。れいかの迷う心を確実に揺さぶってきます。
ジョーカー「アナタの目標だったのデショウ?せっかくのチャンスを棒に振るうんですか?」
ビューティ「―――――!」
ジョーカー「それは残念です。でもぉワタシ、アナタを見直しますよ〜〜」
ビューティ「どういう事です?」
ジョーカー「だぁってぇ、留学しないという事は、アナタ皆さんの期待を“裏切る”のデショウ?」
いつの間にか小さいテレビを取り出して、ジョーカーはその画面にれいかの想い出を映し出しました。
ジョーカー「お友達も家族もみぃ〜んな、アナタの留学を自分の事のように喜んでいたのにぃ、やめるなんて言ったらどんなにがっかりする事か〜〜〜〜〜。そんなヒドイコトを……。」
ビューティ「……!!」
ジョーカー「とてもステキですねぇ……」
ビューティ「それは―――――!!」
ジョーカー「それなら……素直に留学すればいいジャナイですか〜〜」
ジョーカーがそう言うと、カガミアカンベェの鏡面が光出し、れいかにイギリスの幻を映し出します。
ビューティ「これが……」
ビックベンの鐘の音。どこまでも広い空と町並み。それはれいかがずっと憧れていた自分の未来への道そのものでした。
ジョーカー「アナタが歩むべき未来ですよぉ…。アナタはアナタ。皆さんは皆さん。何よりその皆さんがアナタの未来を喜んでくれているのでショウ?何を迷う事があるんです?アナタは夢を叶え、皆さんは喜び、ついでにワタシも嬉しい。」
ビューティ「――――」
ジョーカー「誰もが喜ぶ最高の未来ジャナイデスカ?」
バチンと映像が途切れて鏡に映し出されたキュアビューティ。
ジョーカー「サァ、どうぞステキな留学を。キュアビューティ、いえ、ただの青木れいかさん。今まで本当に――――――」
バチン。さらに瞬間。今度はキュアビューティの変身が解けてしまい、れいかは変身前の制服に戻ってしまいました。
れいか「これは―――――どうして……!?」
ジョーカー「それが答えデショウ?任期満了。円満卒業。アナタはもうプリキュアでは無い」
友だちの応援。行きたかった留学。だけど訪れる別れ。それでもみんなは応援してくれる。行きたいと思う気持ちと行きたくないと思う気持ち。
どちらが本当でどちらが偽物なのか。
どっちも本当なのだとしたら、自分はなんてワガママな人間だろう。
人生は道。どちらかしか選べない。
自分も行きたい。皆も行っておいでと言ってくれる。
だけど。
だけど。
ハッピー「れいかちゃん!!」
サーカステントの中に、ハッピーの声が木霊しました。
ジョーカー「おや?せっかくです、皆さんにもお祝いに参加して貰いましょう!うまくいけばここで全員……。」
そう言ってジョーカーは、弓道場で変身していたハッピー達を自分の空間へ引き込みました。
ハッピー「ここは……?」
ジョーカー「ようこそ皆さん。」
マーチ「れいか!!」
あかね「れいか――――――!?」
ガッシャン。サニーが駆け寄ろうとしたその時、ジョーカーはれいかと自分を囲むように檻を出現させてサニーの行く手を遮りました。
ジョーカー「ほらもう教えてあげないと……。自分はもうプリキュアではないって―――――。」
マーチ「どういう事……?」
ジョーカー「プリキュアは、アナタ方4人だけになったというコトです。」
『アッカーーーンベェ!!!』
ピース「きゃああ!!!」
ジョーカーの巧みな話口に動揺する4人。その隙に付け入ってアカンベェが攻撃を仕掛けます。
ハッピー「ピース!!!」
キャンディ「れいか!!プリキュアじゃなくなったなんてうそクル!!」
れいか「――――――。」
ジョーカー「ならばなえ変身しないんでしょうねぇ……。れいかさんは、自分の夢のために遠い外国へ行く事を決めたのデス。」
『アッカンベェ!!!』
ハッピー「うわあああ!!!」
れいか「ハッピー!!!」
檻の外で暴れるアカンベェ。ジョーカーとれいかが一緒にいる事もあって、戦闘に集中できない4人は、苦戦を強いられていました。
ジョーカー「お友だちなら、笑って送り出してあげましょうよ」
サニー「そんなん、わかってるわ!」
ピース「友だちを応援するのは、当たり前だよ……」
マーチ「れいかの夢が……叶うところなんだ……」
ハッピー「友だちだから……わたしたちが笑って送り出してあげなきゃ……。」
それが友だちとしての役目。例え、離れ離れになっても、いつも想ってる。いつも繋がっている。
ハッピー「笑って……。」
どんなに遠くたって心はすぐそこにいる。だから、寂しくなんか
ハッピー「ごめん、やっぱ無理」
れいか「え――――――」
ハッピー「友だちがいなくなるのに笑えるわけないじゃない!!!!!」
れいか「――――!」
マーチ「あたしだって、本当は寂しいよ!!!」
サニー「でも、れいかが行きたいんなら―――――」
ピース「それを……応援したいから……。」
友だちだから一番相手の事を想ってる。だから遠くに行っても大丈夫。でも、一番想ってる相手が遠くに行っちゃう辛さは、そんな理屈じゃ片付けられない。いつまでも一緒にいたいから、青木れいかは、友だちなんだ。
「れいかちゃん!!!」
「れいか!!!」
「れいか!!!」
「れいかちゃん!!!!」
ハッピー「い……いやだああああああ!!!!」
キャンディ「いやクルーーーーー!!!!」
浮かべたスマイルを涙で流し、叫ぶように、訴えるように、檻に捕まって嘆くハッピーたち。
れいか「私も……行きたくない」
自分の道。
ハッピー「れいかちゃん――――」
れいか「私も、行きたくないです!!」
それはただただまっすぐに。
れいかは涙を浮かべてハッピーたちに駆け寄り、そして、今まで溜め込んでいた不満・不安を涙と一緒に流します。
れいか「私も行きたくない!!もっとみんなと一緒に居たい!!!皆と別れて、離れ離れなんて……そんなの……そんなのやだああああああああああああああ!!!!」
「れいか!」
「れいか!」
「れいかちゃん!」
「れいかちゃん!」
キャンディ「れいか〜〜〜〜!!!!」
いつだって笑っていられた。だけど、それでも。やっぱり悲しい時は悲しい。笑顔だけでこのまま別れたら、きっと後でずっと止まらない涙流すだろう。だから、今は、この涙が全ての答え。
ジョーカー「ハ―――――ッハハハハハハハハハハハハ!!!!!なんと情けない姿!!イイデショウ、ならばここで全員仲良くオシマイにしてあげます!!!」
『ハイハイハイハイ!!!!』
れいかに襲いかかるアカンベェ。しかし。
れいか「お待ちなさい。」
『ハイ―――――?』
マーチ「れいか…。」
ジョーカー「おや?プリキュアをやめた人がなんの真似ですかぁ?」
れいか「言ってません――――――。プリキュアをやめるなんて、私は一言も、言ってません!!!!」
涙の先の強い決意。人生、道、目標、友だち、家族、プリキュア。
強い意志こそが戦士の力。れいかの決意の念は、辺り一面に氷柱を巻き起こし、その中心で吹雪く姿は、神々しいほどに眩く、そして清く、輝いていました。
れいか「私の名前は青木れいか。またの名を―――――――――」
「キュアビューティ!!!!!」
ジョーカー「な、なんじゃそりゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!???????」
怒濤の勢いで、黒っ鼻の中に取り込まれたジョーカー。それをさらに外側から取り込んで、アカンベェの力を吸収して新たにジョーカーは変貌を遂げました。
ビューティ「参ります。」
対向して、氷の刃を構えるビューティ。アカンベェの力を凝縮したジョーカーがそれを迎え打ちます。
ジョーカー「ぬ!!――――ぐ!!!―――なぜ再び戦うのです!?周りの期待に答えて、大人しく留学すべきでしょう!!」
ビューティ「それはアナタの考え!!私の答えじゃない!!」
ジョーカー「夢を捨て、人を裏切るというのですか!?アナタらしくもない!!」
ビューティ「はぁぁ!!」
ジョーカー「“道”を見失いマシタかああああ!!!!???」
極大の光線。それを氷の盾で弾くビューティ。
ビューティ「いえ!!!見つけたのです!!!」
ビューティ「寄り道!!脇道!!回り道!!しかしそれらも全て“道”!!!」
ジョーカー「アアアアアア!!!!」
繰り出される激しい剣戟。氷のつぶてと悪の波動。
ビューティ「はあああああああああああ!!!!」
一閃。弾き飛ばしたのはジョーカーの剣。
ジョーカー「なっ―――――!?」
ビューティ「私が歩く私の道!!!!私が決める私だけの道!!!!」
ジョーカー「ハア!!!」
カガミアカンベェの特性を使って分身するジョーカー。数え切れないほどの数のジョーカーがビューティを囲みます。
ビューティ「例えそれが、遠回りだとしても……これが嘘偽りの無い、私の想い、私のワガママ―――――――」
二刀の剣の柄を合わせて一本の氷の弓にするビューティ。そのまままっすぐ、スポットライトにあたったジョーカーに狙いを定めます。
「私の―――――“道”です!!!」
ジョーカー「何いいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!????」
構える一射は迷いの無い決意そのもの。それはどんなに悩み、苦悩しても曲がらないれいか自身の想いそのもの。
「“プリキュア・ビューティ・ブリザード・アロー”!!!!!」
ジョーカー「どぉわあああああああ!!!?」
ジョーカーに的中した極大の氷の矢はそのまま空間を切り裂き、暗いサーカステントから明るい青空が現れました。
ハッピー「ビューティ……凄い……。」
ビューティ「皆さん、今です!!!」
「開け!ロイヤルクロック!!」
奏でるリズムと共にキャンディのひと押しで、時計の針がひとつ、進みます。
「みんなの力を一つにするクル!!」
「届け!!希望の光。」
「はばたけ!!光輝く未来へ!!」
描く星の繋がりは鳳凰の星座に。その聖なる力を宿して。
新たな力、何度でも諦めずに、立ち向かう、不死鳥の燃え上がる力をその翼に。
「“プリキュア・ロイヤル・レインボー・バースト”!!!!!」
ジョーカー「おっと!?」
『アカンベェ〜〜〜……!?』
「輝け!」
『アカ〜〜〜〜〜ンベェ!?』
・・・・・・
・・・・・・
みゆき「留学、断っちゃうの……?」
れいか「はい。」
なお「せっかくのチャンスだったのに……」
れいか「そうかもしれません。でも、私はここに居たいんです。皆さんと一緒にいられる今を、大切にしたいんです。」
「「「「――――――れいかああああ(ちゃああああん)!!!!!!!」」」」
私の名前は、青木れいか。
目指す未来に向かって……大切な未来へ歩き出す。
それが私の「道」です。
ついに舞台は大詰め!!
その時みゆきは、ある想い出の友だちの事をみんなに話す。
全ての物語はここから。星空みゆきのその過去とは……。
次回、「笑顔のひみつ!みゆきと本当のウルトラハッピー!!」
↑挿入歌「あなたの鏡」歌:青木れいか/キュアビューティ (cv.西村ちなみ)
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