第138話「未来への架け橋 虹の橋ビフレスト」
「(ゴドウィン。オレもお前と同じ道を行く!オレを導いてくれ。ネオ童実野シティを救うために!)」
「遊星が・・・死ぬ?」
先週の衝撃的な絵で終わった反動か、今週はやけにあっさりシェリーの言葉を飲み込む一同。
『それがアーククレイドルに来る遊星の未来よ。私はある人にその未来を見せられた。』
「遊星が死ぬだと?適当な事言いやがって。誰だ?そんないい加減な未来を見せたのは!?」
いい加減な未来を見せるってどういう事w
『・・・ゾーン。』
「ゾーン?」
『アーククレイドルの主。神の力を持つ男。遊星、私たちが異次元で出会った男よ』
それはいつぞやのセキュリティ潜入事件。ミゾグチの不退の覚悟が炸裂する中、襲いかかってきたシェリーに逆に襲いかかるブルーノがデュエルターミナルで異次元に飛んだあの一件。
「ヤツが・・・ゾーン。」
「そいつがイリアステルの黒幕か。」
『ゾーンがやろうとしている事は正しいわ。もし今、ネオ童実野シティを救えば遊星、あなたは死ぬ。そして未来の世界は滅びるのよ』
「シェリー!お前はネオ童実野シティが滅びてもいいっていうのか!!そんな事をすれば数千、いや、数万の命が犠牲になるんだぞ!!」
『けれどその犠牲で、将来何十億という命が助かるわ。そして遊星、あなたの命も。』
「多くの犠牲の上に手に入れる未来が、幸せの未来になるわけがない!ネオ童実野シティを消滅させるなんて間違っている!」
『あなた、死ぬ事になるのよ』
「やって見るまでわからないさ」
「お嬢様!お嬢様は一体どこにいるんです!?」
『私がいるのはアーククレイドル。』
「それでは、奴らに捕らわれて・・・」
『いいえ、ここにいるのは私の意志。ミゾグチ、私の事は忘れなさい。』
「お嬢様!!」
これにはさすがにショックを隠せない執事。恐らくシェリーが生まれてからずっと守り続けてきたパートナーのような関係だったために、こんなにあっさり捨てられるとは思ってなかったんだろう。
「遊星、あなたがアーククレイドルに来るというのなら、私は全力で阻止する。」
「なんだと!?それではオレたちの敵に回るというのか!?」
まっすぐな目でモニター越しに彼女は頷いた。その瞳は、誰かに誘導されたものではない。自分の意志でそこにいる、そう物語っている。
「なぜだシェリー!?お前はイリアステルを憎んでいたんじゃないのか!?」
『未来を見て私の考えは変わった。私はあなたたちとは違うの。』
「お嬢様―!!!!」
そこで通信は途絶える。共に戦い、死線をくぐり抜けた友との決別。
「シェリー・・・。」