第124話「傷つけられたプライド」
「見せて貰おうか!貴様がプライドを賭けたカードの効果を!」
治安維持局。
「よ、ふぉ!は!」
家族を守るためにイリヤステルと戦うとか言っていた治安維持局長官は仕事そっちのけでゲームをしていた。
一応この街では最高権力者なのだが、そんな長官室にイェーガーを尋ねてジャックがズカズカと入ってくる。未だに顔パス程度は効くらしい。まぁ狭霧さんの手回しだと思うが。
「イェーガー!ヤツの行っている事は本当なのか!?」
「ヤツ・・・?」
「チームラグナロクのドラガンだ。ヤツを俺の噛ませ犬につかったのは本当なのかと聞いているんだ―――」
「噛ませ犬・・・?」
唐突に大昔の事を言われいまいちピンときてなかったようだが、思い当たる節を思い出したようで突如ドキリとしだした。
「さっ、さぁ!?何の事だが私にはさっぱり!?」
「やはり本当なのかァ!!?」
「ひぃぃぃぃぃ!!」
しかし、ポーカーフェイスには到底向かない人なので即バレる。
「なぜだ!なぜそんなことを・・・」
「ワタシには何をオッシャッテいるのか皆目検討ガ・・・」
「そうか・・・覚えていないのか・・・ならば!!」
「今この場で思い出させてやる!」
OP前から物騒に“胸ぐら掴んでバトルフェイズ”に突入しようとしたのでさすがにピエロも白状。
「は・・・話しマス!話しますから命ダケは!!」
ジャックは冗談と云う事を知らないので手加減も無しに殴りかかってくるかもしれないのは、さすがにピエロもよく知っているようだ。
「ご存知の通り、あの頃ゴドウィン長官には必要だったのです。自分の意のままに動く、デュエル界のカリスマデュエリスト。決して負ける事のない、キングの存在が・・・。」
「―――っ」
「(お前、本当に自分の力だけでキングなんて称号を手に入れられたと思っていたのか?)」
「モチロン、ワタシは反対しましたとも!そんな事をしなくトモジャックなら勝てるあんなヤツに負ける・・・ハズが無い・・と・・・。」
とここで“胸ぐら掴んでバトルフェイズ”は終了。沸点で暴走するかと思いきや、ジャックはゆっくりピエロを下ろし、そのまま一言も口を開かずに長官室を出て行ってしまった。
「はっ、殺されるかと思った・・・。」
「まさか、ドラガンがゴドウィンに頼まれてワザと負けてたなんて・・・」
ところ変わっていつもの蟹ハウスことポッポタイム。
ドラガンの口から聞かされたジャックの八百長デュエルに困惑するチーム5D's。
「エキシビションでドラガンの顔を見た時から何かあるとは思ってたけど、ショックだろうなジャックのヤツ。八百長で勝ってたなんて。」
珍しく同情するクロウ。ところでハラルドのルーンの瞳とかフィンブルの冬とかはどうなった?
「ジャックは関係無いよ!知らなかったんだから!ねぇ遊星?」
「あぁ」
龍亜がそういうものの、遊星は難しい顔をしていた。
「みんな!良いもの借りてきたよ!」
「それは?」
そんな空気をかき消すようにブルーノ登場。その手にもっていた“良いもの”とはいつぞやの黒歴史総集編『LORD・OF・THE・KING』。あの試写会からついにブルーレイ化していた栄光の映画にドラガンとのデュエルも収録されているとの事で早速見てみる事に。
ちゃんとした映画かと思ったらただのドキュメンタリーだったのか。
ていうか映画の印税とかジャックに入らないのかね?