亜種特異IV [ 禁忌降臨庭園 セイレム ] 異端なるセイレム【第0節 プロローグ】
悪性隔絶魔境 新宿
深海電脳楽土 SE.RA.PH
伝承地底世界 アガルタ
屍山血河舞台 下総国
書くも眩き、救済の奇跡。
しかし、安堵するには早計である。
そも、2つ目は異例中の異例。月の世界の侵略成リ。
退廃と愛、偏見と欲望に満ちた四つの欠片。
最後の1つはまだ、残されている。
其は罪人なり 七つの縄の結び目なり
異端の地に贖罪を求むるは、悪魔の収穫なり
予兆が1つ、世界を侵食する。
少女が1人、迷信から謳う。
禁忌の庭園が、今開く。
「はい……。私は……親友が欲しい、と。」
「神の愛の届かない。とても、とても、可哀想な子を……。」
「でも……私なら、愛せると、思います。」
12月某日。食堂にクリスマスの飾り付けがつくようになったある日の朝。
マシュ・キリエライトは、廊下で、シャルル・アンリ・サンソンと顔を合わせた。
マシュは、キリっと顔付きを変え、見よう見まねで敬礼のポーズをする。
サンソンは、廊下の向こう側からふらふら歩いてくる人影に気がついた。
ロビンフッドは、力なくひらひらと右手を振った。
サンソンが語気を荒くする。彼が貴族呼ばわりされるのを嫌っているのをマシュは知っている。
その時、廊下のスピーカーから緊急警報が鳴り響いた。
会話は必然的に中断され、全員が放送に耳を傾ける。
ウーウー鳴り響く警報音に、両手で耳を塞ぎながらロビンが言った。
ロビンとサンソンに一礼して、マシュは管制室へと走っていった。
警報が止まってすぐ、マシュが管制室に姿を表した。
おはようマシュ、今日もふっかふかだね(寝ぼけ)
え、どこどこ?
ごめんなさい。
北米、ですか?
具体的な場所はどこ?
あまり見慣れない場所だなぁ。
暗闇?の中心には何が・・・?
5万人が消失・・・・!?
特大の魔力反応ってことは、逃亡した魔神が原因の可能性は?
いや、これはだってカルデア案件でしょ?なら、今すぐセイレムへ向かおう!
え....
つまり、信頼できる協力者からの報告を待つ・・・?
それは、冗談になってないですよ。。。
うん、とりあえずわかったよ。
招集からしばらくは待機時間が流れたが、それも2時間ほどだった。
ほどなく朝食を済ませたあと、再びダ・ヴィンチちゃんの招集に応じて、管制室に集まった。
最後?それは、どうして・・・?
一つのドローンも戻らなかったの?
あ、エジソン来てたんだ。
ていうか、作家陣がなぜここに?
・・・・・・原稿依頼?
モニタに映し出されたスケッチを見る。
うーん、これだけ見てもなんとも・・・。
あぁ、そういうことか。
お、落ち着いてください!
魔女・・・"裁判"?魔女"狩り"じゃなくて?
あ、なんかそこに本物さんがいますけど、、、
どういうこと?
冗談だよ、と微笑気味にそう言って、ホームズは取り出したヴァイオリンをケースにしまった。(そもそもどこから調達してきたんだ?)
了解しました。でも、どうやって調査を?
それって内部はどうなってるの?
よくそこまで解明できましたね。
同時代レイシフト?
え、その顔(獅子)で?
た、旅劇団!?
待った、話の流れから察するに、自分たちがお芝居の役者になるの?
ぼろくそだな!
誰も面白いとかオシャレだとか特許だとうか言ってないですよ。
・・・?今、変な
旅芸人ってことだけど、そうしたらマシュは?
了解しました。
管制室から戻り、マイルームで情報を整理する。
これが、最後のレイシフト・・・。
その後、マシュは先に管制室を出て、残った同行メンバーでレイシフトの打ち合わせをした。
部屋に戻るとマシュがいた。
マシュ・・・。
何かを怖がっているのか、こちらを見てくれない。何か書類の束を抱えているけど。
ソレ、何を読んでたの?
マシュ・・・?
自分の言葉で何かに気づいたようだ。書類を何度も見直して立ち上がった。
それだけ言い残して、彼女は部屋を出ていった。
・・・?
ものすごい後輩力を感じる・・・。
6時間後、最後の休憩を済ませて、管制室に集まる。全員出発準備は終わっていた。
マシュ?!
・・・・さすがマシュ!
自分からもお願いします!
頭を下げるマシュに合わせて、自分もダ・ヴィンチちゃんに頭を下げる。
そうか、マシュはあの後今回用意された台本を全部暗記していたんだ・・・!
自分の、座長の「妹」というのはどうですか?
え!?
・・・。
よし、じゃあ出発だ!
いざ、セイレムへ!
これが、最後のレイシフト・・・。
これが終われば、人理は、人類は、本当の意味で救われる・・・・・・!
「セイレムからは決して外には出られない」
「私の罪は、まだこの地に眠っているから」
「だから、だから、どうか。これ以上、無意味な悲劇を繰り返されないで!」