スマイルプリキュア!第24話「プリキュアが妖精になっちゃった、みゆ〜!?」
世界を最悪の結末へ導くバッドエンド王国。そして、その絶望的な力を復活させた皇帝ピエーロ。しかし、同時にデコルを全て揃えたみゆき達は、ペガサスの力を手に入れ、プリンセスフォームへとプリキュアを進化させた。
聖なるペガサスの光を纏った5人の戦士は、その団結した力で皇帝ピエーロを打ち砕き、世界は平和になりました。めでたしめでたし。
みゆき「はぅ…?この人がロイヤルクィーン?」
バッドエンド王国からメルヘンランドに戻ったみゆき達は、デコルを集めると復活すると言われていたロイヤルクィーンに会うべく、ポップの案内でメルヘンランドの中央に建つ城にやって来ました。
あかね「でかっ!?」
当初思い描いていたアフロディテ様のようなしっとりとした女王様なのかと思いきや、その実、鎌倉の大仏サイズの超巨大な石像でした。あれだ!ハートキャッチの拳パンチの女神!
みゆき「ロイヤルクィーン様!聞こえてますかぁ!?」
みゆきは遥か高いとこにいるロイヤルクィーンの耳に向かって声を張り上げますが、静かに目を閉じた淡麗な顔はしかし、眠ったままです。
れいか「聞こえていないようですね…・。」
あかね「もしもーし!」
なお「あーのー!!」
やよい「やっほー!!」←(?)
みんな思い思いの起こし方で呼びかけてみますが、やはり一向に反応しません。そもそもこの大きさで普通に動くのでしょうか。確かにピエーロとサイズは同じぐらいですが。
なお「デコルを集めたらロイヤルクィーン様は目覚めるんじゃなかったの?」
キャンディ「おにいちゃん、どうして ろいやるくぃーん さま めざめないクル?」
ポップ「ム。それは……拙者も色々と書物を読みあさっているのでござるが……。」
どうやら本で調べているらしいですが、ピエーロとの戦いはそんなに昔の事だったんですね。
みゆき「わかった!クィーン様寝起きが悪いんだね?」
ポップ「ぶべ!」
みゆきの素っ頓狂な答えに思わずこけるポップ。
やよい「わかるー!私も朝早く起きなきゃ、って思うんだけど、お布団が気持ち良くって中々起きれないんだよねー…」
あかね「…そういう問題か?」
ポップ「そうでござる!せっかくメルヘンランドに来たのでござる、少し散歩してきたらどうでござるか?」
みゆき「いいの?」
ポップ「もちろんでござる!」
キャンディ「キャンディが めるへんらんど を あんないするクル!」
取り戻した平穏の中、みゆき達は妖精の国で一息つく事に。しかし、次のバッドエンドな展開が、早くも裏で始まっていた。
『いち!に!いち!に!』
城を出ると中世の騎士の格好をした妖精が隊列を組んで歩いてきました。
なお「可愛い〜〜!」
キャンディ「おしろをまもる へいたいさんたちクル!」
みゆき「こんにちわー!はじめましてーわたし達はー…」
『うわた!ああああ!』
すると、みゆき達に驚いた兵隊は、そのまま回れ右をして隊列も忘れて一目散にかけて行きました。
やよい「どうして?」
ポップ「皆人間を見るのは始めてでござるから、きっとびっくりしたのでござる。」
あかね「兵隊やのにお城守れてへんやん」
なお「みんな怖がりなんだねー」
れいか「驚かせてしまってすみません。」
キャンディ「みゆきたちも キャンディみたいになればいいクル!」
みゆき「え?どういうこと?」
ポップ「こうするでござる……っ!」
するとポップは、自分の尻尾をつまんで、先に生えている毛を5本、ぷちっと引っこ抜きました。
ポップ「ふ」
それをふっと吹きかけてみゆき達の方へ飛ばします。さながら孫悟空のような感じですが、ポップの毛を浴びた途端に……。
キャンディの体をベースにそれぞれのチャームポイントを取り入れた感じのスタイルで5人とも妖精になってしまいました。これもポップの変化の術の応用ですね。
ミユキ「そうだ!言葉の最後に何かつけようよ!キャンディのクル〜みたいに!」
キャンディは語尾に「クル」がつき、兄のポップは「ござる」口調が特徴ですね。妖精らしいと云えば微妙ですが。
ヤヨイ「かわいいー!じゃあわたし、“ヤヨ”にするヤヨ!」
ナオ「じゃあ、あたしは“ナオ”にするナオ!」
ミユキ「あ!じゃああかねちゃんは“やねん”にしよう!」
アカネ「なんでやねーん!」
ミユキ「れいかちゃんは、“です”とかどう?」
レイカ「そうですか?です」
「「「「「あはははは!!!」」」」」
妖精になってメルヘンランド探検。しかし、一方で蠢く闇の影……。
第23話「プリキュアが妖精になっちゃった、みゆ〜!?」
ポップ「16個のデコルでロイヤルクィーン様は復活するはず……。なのに、なぜお目覚めにならないでござるか……。」
一人図書館で、ロイヤルクィーンに関する文献を探っているポップ。メルヘンランドと世界の平和を懸けた皇帝ピエーロとの戦いでは、ピエーロとの壮絶な相打ちでお互いが封印されることになってしまった。ジョーカー達バッドエンド王国は、バッドエナジーを。プリキュア達メルヘンランドはキュアデコルを。それぞれ集める事でお互いの皇帝女王の復活を目指していたのですが、結局デコル全16個で現れたのは女王様ではなくペガサス。
ポップ「これからどうすれば…何か…何か手がかりは……皇帝ピエーロは消え去った。これでめでたしめでたし。本当にそうでござろうか……?」
ヤヨイ「可愛い町やよ〜!」
ミユキ「童話に出てくる町みたいみゆ〜」
キャンディ「まちだけじゃないクル!」
城から気球で町まで降りる6人(人?)。人間の目線ではミニチュアだった妖精の街並みも、妖精サイズで見ると大きくて立派な建物です。
そんな街並みを歩いていると、赤いずきんを被った妖精が、6人とすれ違って通り過ぎて行きました。
ミユキ「赤いずきん……あれってもしかして、赤ずきんちゃん!?」
キャンディ「そうクル!」
そう。ここは絵本と妖精の国メルヘンランド。そこは、妖精が絵本の物語の登場人物になりきって楽しく暮らしていました。
『どんぶらこ、どんぶらこ』
ミユキ「桃が流れてきたみゆ〜!」
アカネ「しかも、どんぶらこって……やねん!……これ言いにくいな…やねん」
川上から流れてきた大きな桃を見つけたミユキ達。すると目の前でぱかっと割れて元気な赤ちゃん………じゃなくて立派な男の子が出てきました。
『桃から生まれた桃太郎!!』
ミユキ「出た!桃太郎みゆ〜!」
今度は岩場で武器を持った40人(人?)の盗賊風衣装の妖精に隠れて、一人の妖精が岩の前で呪文を言い――――。
『ひらけーごま!』
呪文に反応して岩が横にずれ、中からたくさんの宝物が隠された洞窟が出てきました。
ミユキ「アリババと四十人の盗賊みゆ〜!」
キャンディ「メルヘンランドには、色々な妖精さんがいるクル」
ミユキ「スゴイみゆ〜」
ヤヨイ「オモシロイやよ!」
ナオ「カワイイなお!」
レイカ「素敵ですね。です。」
アカネ「この話し方、いつまで続けるんやろか……やねん。」
ミユキ「わたしも呪文唱えたいみゆ!」
あかねがそろそろしんどくなって来たのもおかまいなしに、妖精ミユキは岩場へ走り出しました。しかし、でこぼこした坂道、思わずでっぱりにつまづいてしまいます。
ミユキ「うわ!」
ヤヨイ「みゆきちゃ―――うわ!」
慌ててみゆきを止めようとやよいは身を乗り出しますが、同じ出っ張りに足を取られて二人ともコロコロと坂を降っていきます。頭が大きい妖精の体なので普段とバランスが違うみたいですね。
そこに颯爽と現れてぴたっとみゆきを体を抱きとめたのは、マントに帽子に長靴を履いた猫でした。
ミユキ「長靴!あなた、長靴を履いた猫のネコさんだね?」
ヤヨイ「うわ〜〜〜〜〜!!」
絵本のキャラクターと感動の対面を果たしている横で、ヤヨイは止まらずに下の湖までコロコロと転がっていきました。
『『ララ?大丈夫ララ?』』
そんなヤヨイを助けたのは、湖の中から現れた下半身が魚の人魚でした。
ヤヨイ「人魚さん!ありがとうやよ〜」
その後も5人は絵本の世界を満喫。
ナオ「かぼちゃの馬車なお〜、それそれ!」
なおはシンデレラの魔女が作ったかぼちゃの馬車に乗ったり。
『助けてカメ〜』
アカネ「ちょっと待って!よいしょ!やねん」
『ありがとうカメ〜、ボク竜宮城の使いカメ。助けてくれたお礼に……』
アカネ「竜宮城に連れてってくれんの〜!?」
『玉手箱をどうぞカメ』
浦島太郎の亀を助けて物語すっとばしてオチを渡されたり。
『お主が落としたのは金の斧か?銀の斧か?』
レイカ「どちらも落としておりません。です」
『お主は正直者じゃな。ご褒美に、いい子いい子』
金の斧銀の斧の湖の精霊になんだか誤魔化されたりしました。
ミユキ「やったー!お菓子の家だー!」
ヘンゼルとグレーテルのお菓子の家に来たり。
キャンディ「みんな好きなだけ食べるクル!」
アカネ「お菓子食べ放題やねん」
ヤヨイ「可愛くて食べるのもったいないやよ!」
ナオ「じゃあお先になお!」
ヤヨイ「あー!ずるい!わたしもやよ!」
二人共ハムスターがひまわりの種を頬張るようにして、壁にくっついていたクッキーをぱりっと食べました。
しかし、みゆきがネコの代わりにクッキーを取ってあげようとした時、5人は変身した時と同じ煙に包まれて、元の人間の姿に戻ってしまいました。
みゆき「うぅ………」
やよい「戻っちゃった―――。」
いきなり現れた体の大きな人間に、妖精たちはびっくりです。
『あわわわわわわ……』
やよい「お菓子おいしい……やよ?」
同じ口調で言っても妖精には、人間はまだ慣れない姿みたいです。
みゆき「はい。どうぞ」
しかし、そんな事情もおかまいなしに、みゆきは長靴を履いた猫にドーナツを取って差し出します。
『あ、ありがとうペロ!』
にこりと微笑むみゆきのスマイルに、長靴を履いた猫も笑って返します。
キャンディ「このひとたちは、でんせつのせんし プリキュアクル!ろいやるくぃーん さまのためにがんばってくれたクル!」
キャンディがみんなに説明すると、妖精達もやっと事情がわかったようで、不安を残していた表情も明るく輝き出しました。そういえばピエーロ達がいた以前は、みんな暗くなって家から出なかったとか聞きましたし、これもいい傾向なんでしょうね。
『一緒に食べるペロ!』
長靴を履いた猫もドーナツを半分に分けてみゆきに差し出します。
みゆき「ありがとう〜」
そうして、色んな妖精に囲まれて、お菓子の家でのんびり遊ぶことに。
やよい「なんか……嬉しい。」
なお「心が通じ合えば人間も妖精も関係ないね」
れいか「これぞ異文化交流ですね……。です。」
あかね「もう、それやらんでええで。」
気に入った様子で語尾を強調するれいか。普段と変わらないので1個余計なだけですよね。
みゆき「あ!あなたはアラジンだね?」
『うん!』
みゆき「それ、願いが叶う魔法のランプ?」
食い気味に質問するみゆきに、ちょっぴり引きながらも大事そうにランプを抱えてアラジンは言います。
『これはただのランプさ。願いを叶えられるのはミラクルジュエルさ。』
宇宙。小惑星群の中をゆったり回りながら漂う黒い塊。それはピエーロが浄化された時、鼻の中にあったもの。
宇宙は、オールスターズDX3では、全てのボスが行き着く場所として描かれていました。映画では、そこでブラックホールの力で蘇ったのですが、やはり通告通りに敗れたボスは宇宙をさ迷うみたいですね。
そんな宇宙空間に人影が。そう、こんなあっさりやられるハズが無い。ある意味怪しさで云えばダントツのジョーカーが、ピエーロの残したドリアン状の塊を手に取ります。
ジョーカー「お探ししました。」
ジョーカー「みなさん。起きてクダサイ」
そしてバッドエンド王国。プリキュアとの壮絶な戦いの末敗れたウルフルン達に、バッドエナジーを浴びせるジョーカー。
ジョーカー「おはようございます。」
すると、ウルフルン達はなにごとも無かったかのように目を覚ましました。
ウルフルン「な―――もう朝か?」
アカオーニ「良く寝たオニ」
マジョリーナ「うん?それはなんだわさ?」
むくりと起き上がったマジョリーナが、ジョーカーの持つ脈動するドリアンを指差します。
ジョーカー「皇帝ピエーロ様デス。」
「「「えええええええええええ!!!?」」」
ウルフルン「何でそんなお姿に!?」
ジョーカー「完全復活の途中、後一歩のところでプリキュアに邪魔されてしまったためです。」
ウルフルン「そうだ!プリキュア!!あいつらにオレたちは……」
ジョーカーの話で、これまでの経緯を思い出したのか、一気に怒りがこみ上げてきた様子のウルフルン。
アカオーニ「悔しいオニ!」
ジョーカー「静まりナサイ!!」
いつもの下から物言う謙った口調とは違ってぴしゃりと場を仕切るジョーカー。
ジョーカー「プリキュアごときでは、ピエーロ様は倒せません。これより皇帝ピエーロ様は完全態での復活を目指されます。」
アカオーニ「どういうことオニ?」
ジョーカー「みなさんには、今まで以上にたくさんのバッドエナジーを集めていただキタイ。」
そう言うとジョーカーは、既に集まったハズのデコルから作られた赤っ鼻を2つ取り出して、それを合わせてひとつの一回り大きな赤っ鼻をウルフルン達に見せました。
ジョーカー「デカっ鼻デス。」
ウルフルン「なんだそれはぁ?」
ジョーカー「プリキュアが新しい力を得ました。それに対抗する新しい手段デス。ただし、大変危険なので、取り扱いにはくれぐれもご注意を」
ウルフルン「っち!オレに任せろ!!バッドエナジーを集めればいいんだろ?」
ジョーカー「それからもうひとつ。ミラクルジュエルを探してください。」
いよいよ物語の中心に見えてきたミラクルジュエル。その居場所は?そして、正体は?
みゆき「ミラクルジュエルって何?」
キャンディ「そういえば、その みらくるじゅえる っていうの、ジョーカーがさがしてたクル!」
なお「ジョーカーが……」
『ミラクルジュエルは、メルヘンランドに伝わるお宝ペロ。手に入れれば、どんな願いも叶うペロ!』
あかね「ほんまにどんな願いも叶うん?」
『叶うペロ!』
れいか「それはまさしくお宝ですね。」
やよい「奪われたら大変だよ」
なお「どこにあるの?」
『どこにあるかはわからないペロ。でも、どこかにあるペロ!』
何の参考にもならない説明ですが、とりあえずどこかにあって凄いお宝だと云うのは伝わりました。
みゆき「へぇ〜。見てみたいなぁ〜…。」
ウルフルン「オレも見たみたいぜぇ」
みゆき「―――――!?」
「「「「「ウルフルン!?」」」」」
突如上空で堂々と5人見据えるウルフルンがメルヘンランドに、みゆき達の前に現れました。
みゆき「どうして?世界はハッピーエンドになったんじゃないの?」
ウルフルン「てめぇらごときにやられるオレ様じゃねぇよ!!」
「世界よ!!最悪の結末、バッドエンドに染まれぃ!!白紙の未来を黒く塗りつぶすのだぁ!!」
平和を象徴するかのような眩い空が、漆黒の闇夜に変わります。
キャンディ「バッドエンドくうかんクル!?」
さっきまで楽しそうに笑っていた、妖精達はがっくりと膝を付き、脱力し、その場でただただうちひしがれてしまいました。
「妖精達が発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を蘇らせていくのだ!!!」
新たな18カウントの時計が1つ、刻まれました。もちろんそれはみゆき達には見えず、倒したハズのピエーロの名前を聞いてあの瞬間を思い出していました。
みゆき「ピエーロ!?」
なお「ピエーロはやっつけたハズじゃなかったの?」
ウルフルン「ウルッフッフッフ。今日が本当のバッドエンドの始まりさ。」
そう言ってウルフルンは、ジョーカーから渡された一回り大きいデカっ鼻をお菓子の家にかざします。
「いでよ!!スーパーアカンエベェ!!!」
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ〜〜!!!』
いつもよりより漆黒のオーラに包まれて現れたのは、いつもより一回り大きいスーパーアカンベェ。
みゆき「スーパーだがなんだかわかんないけど、メルヘンランドのみんなから、スマイルを奪わないで!!」
「いくよ、みんな!!」
「“プリキュア・スマイルチャージ”!!!!!」
「Go!!Go!!Let’s go!!」
「キラキラ輝く未来の光、キュアハッピー!」
「太陽サンサン熱血パワー、キュアサニー!」
「ピカピカぴかリンじゃんけんぽん、キュアピース!」
「勇気リンリン直球勝負、キュアマーチ!」
「シンシンと降り積もる清き心、キュアビューティ!」
「「「「「5つの光が導く未来、輝け!スマイルプリキュア!!!!!」」」」」
ポップ「キャンディ!」
キャンディ「おにいちゃん!」
バッドエンド空間を感じ取ってポップも急遽図書館から駆けつけました。
ウルフルン「お前らさっき、ミラクルジュエルの話をしていたな。どこにあるぅ?」
ハッピー「え、どうしてあなたがミラクルジュエルを――――?」
ウルフルン「皇帝ピエーロ様がお探しなんだよぉ」
ポップ「ピエーロがミラクルジュエルを!?」
ウルフルン「どこだぁ?言えぇ!」
マーチ「知らないよ!」
ピース「知ってても教えないもん!」
ウルフルン「あっそう。ならもう用はねぇ、やれぇ!スーパーアカンベェ!!」
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
ハッピー「きゃ―――――!」
敵の動きに身構えるハッピーですが、予想以上に高速で飛び出したパンチをまともに受けて、そのまま後ろへ突き飛ばされてしまいます。
「「「「ハッピー!!!!」」」」
サニー「ぐ―――――――!!?」
後ろへ吹き飛ぶハッピーに気を取られ、サニーもパンチを受けてしまいます。
ピース「サニー!」
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
ビューティ「パワーアップしているようです!」
ウルフルン「こいつはすげぇ!いけぇ、スーパーアカンベェ!!」
口から高速でお菓子の生地状の砲弾を打ち出すスーパーアカンベェ。その速さと連続攻撃に、ピース達は避けるので精一杯です。
ピース「速い!」
マーチ「どうすれば……」
砲弾は3人を的確に捉えて攻撃の隙を与えません。
あまりに強烈な連続攻撃は、思わずウルフルンにも流れ弾を掠めます。強力な分、制御が難しいのでしょうか。
ハッピー「こうなったら………」
「“プリキュア・ハッピー・シャワー”!!!」
『アカアアンベェェェ!!!!』
赤っ鼻なら効くだろうと、放ったハッピーシャワーですが、スーパーアカンベェは、ばちん!っと両手でハッピーシャワーを叩き潰してしまいました。
ハッピー「そんな……」
サニー「今度はウチや!」
「“プリキュア・サニー・ファイヤー”!!!」
しかし、一度通用しなかった技が二度目通用するとは限りません。青っ鼻の時と同じように、スーパーアカンベェには、一人の浄化の力では足りないみたいです。
サニー「なんやて!?」
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
「「うわああ!!!」」
びーん、と伸びた腕を振りかざして攻撃してくるアカンベェ。何より、そのスピードは今までのアカンベェとは段違いです。
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
そのままぐるぐる回って伸ばした両腕を自分の回りにいるもの全部に攻撃するアカンベェ。
「「「うわーーーー!!!」」」
ウルフルン「うお!どあーーー!」
近くにいたウルフルンも巻き込まれ、そのまま木にひっかかったり。
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
サニー「つ…強い……。」
ビューティ「今までのアカンベェとは違います……」
ウルフルン「確かに危険な強さだぜぇ。うっかりしてるとこっちまでやられちまう。」
キャンディ「みんな……!」
ポップ「大ピンチでござる……!」
倒れ込むプリキュア。その横で、絶望感の中、ただただ虚ろに寝転ぶ妖精の姿が。
ウルフルン「ウルッフッフッフッフ。ハッピーエンドの物語なんかいらねぇ!メルヘンランドはもうお終いだ!」
ハッピー「お終い……じゃないよ!お終いになんか絶対にさせない!!」
サニー「そうや、こんなおもろい世界。終わらせたらあかん!」
ピース「みんなちょっと怖がりだけど、優しくて良い子達だもん!」
マーチ「この子達を悲しませるわけにはいかない!!」
ビューティ「メルヘンランドにバッドエンドはいりません!!」
それぞれの思いを胸に、戦士は立ち上がります。
ウルフルン「何を言おうと、お前たちには何もできやしねぇんだよ!!」
ハッピー「メルヘンランドは……わたし達が……」
「「「「「守ってみせる!!!!!」」」」」
決意を胸にして、5人の心がひとつになったその時、スマイルパクトが聖なる輝きを放ち、あのペガサスを模したステッキが現れました。
ピース「また出た!?」
ポップ「やはりそれは、伝説のプリンセスキャンドル!!」
マーチ「プリンセス・キャンドル?」
ウルフルン「ちっ、やれぇ!スーパーアカンベェ!!」
『ス〜〜パ〜〜アカンベェ!!』
一度ピエーロを倒すために起こした奇跡。その力が今またここに。事情は良くわからないけど、今はメルヘンランドに笑顔を取り戻すために、プリンセスフォームへと変身です。
ペガサスのキャンドルに自分のデコルをセット。
天まで羽ばたく天馬の翼。白きペガサスは純情の印。その輝きを受けて、5人は純白の衣を纏う。
「“プリキュア・プリンセス・フォーム”!!!!!」
「届け!!希望の光。」
天馬に跨り、それぞれのキャンドルに火を灯す。
「はばたけ!!未来へ!!」
描く星の繋がりはペガサスの星座に。その聖なる力を宿して。
「“プリキュア・レインボー・バースト”!!!!!」
5つの光は虹色へ。眩く輝いてアカンベェを包み込みます。
『アカンベェ〜〜〜……!?』
「輝け!」
ウルフルン「くーー!!踏んだり蹴ったりだぜ!」
・・・
そして、ウルフルンが消え、町は元の明かりを取り戻します。
レインボー・バーストで倒したスーパーアカンベェは、赤っ鼻2個分のデカっ鼻でした。だから、デコルも2個分出てくるのでしょう。
なお「デコルって16個だけじゃなかったんだ!」
キャンディ「デコルデコールにいれるクル!!」
今回はプリンとドレスのデコルですね。……あれ、前にあかねの鉄板焼きで巨大プリンを焼いていたような……。
『プリキュアの皆さん。』
みゆき「だ……誰!?」
突如空から響いてきた済んだ声に驚くみゆき達。
ポップ「ロイヤルクィーン様の声でござる!」
急いで城へ向かい、ロイヤルクィーンのいる王室へ。
ロイヤルクィーン『プリキュアの皆さん、良く来てくれました。』
みゆき「クィーン様……。」
あかね「起きてるー?」
ロイヤルクィーン『まだ目覚める力が無いのです。テレパシーで皆さんに話しかけています。』
ポップ「ロイヤルクィーン様!デコルを集めたのに、なぜお目覚めにならないのでござるか!?」
ロイヤルクィーン『皆さんが集めてくれたデコル。確かに受け取りました。しかし、その力でペガサスを呼び覚ます事で精一杯でした。』
みゆき「ロイヤルクィーン様が力を貸してくれたんだ!」
れいか「では、ロイヤルクィーン様がお目覚めになるには……もっとデコルが必要ということですね?」
ロイヤルクィーン『はい。』
ポップ「そういうことでござったか。」
キャンディ「ピエーロはまだいるクル……。」
ロイヤルクィーン『微かですが、ピエーロの気配を感じます。力を蓄えながら、真の目覚めの時を待っているようです。』
なお「真の目覚め……。」
あかね「まだ終わってへんってことか……。」
やよい「スーパーアカンベェ、とても強かったよね……。」
れいか「道のりはとても長そうです……。」
みゆき「大丈夫だよ!!みんなと一緒なら、どんなことも、何があっても、絶対大丈夫!!」
あかね「せやな!」
やよい「一人じゃ怖いけど…」
れいか「きっとやり遂げられます。」
みゆき「ロイヤルクィーン様!安心して待っていてください!!」
ロイヤルクィーン『ありがとうございます。』
来た時には眠っているだけに見えたその表情は、今は笑っているように見えます。
そうして妖精達とお別れして、みゆき達は人間界へ。
次回からはミラクルジュエルを探しつつ、デコル集めです。
まぁどう考えてもメルヘンランドにあると思うんですけどどうなんでしょう?
プリキュアのその手のアイテムはワケのわからない異空間とかに平気でありますからねぇ。
次回は(ひとりだけ)水着回!!そして、なおあかの人歓喜(わからない人はスルーしてください)
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