【FGO】空の境界/the Garden of Order -Revival-【エンカウント / 疑似サーヴァント両儀式】
特異点Fが確認されている島国に現れた小さな揺らぎ。
そこではサーヴァントを招き入れ、帰さないという奇妙な現象が発生していた。
そこは、見慣れた、見慣れない21世紀の日本だった。
初めての現代風景にはしゃぐマシュ。
到着した場所は広々とした公園だった。
マシュの夢って?
そう、異常事態を検知してここに来たのだから、どこかに異常があるはずだ。
ビル、というか、あれはマンションだね。
でも、なんか薄気味悪いな。
誰かいる!
現場はすぐそこ、見える範囲で既に戦闘が起こっているのがわかった。
一人の少女がそこに立っていた。
顔が見える距離まで近づいた時には、周りのゴーストは消滅していた。
・・・はじめて見る。けど、あれ、でも、さっき夢で、、、。
そう言って有無を言わさずこちらに刃の切っ先を向ける。
何の変哲もない刃だが、さっきあれでゴーストを次々に霧散させていたのは見ていたから、油断はできない。
彼女の動きには無駄が無かった。
訓練された動き、というよりは、我流に近い。
鍛えたどうこうでできる動きではなく、ある種の直感・反射神経で動いている感じがした。
そして的確にこちらの死角をついて、そのナイフを突きつけてくる。
魔術的な反応は感じられないが、マシュには全て受けずに躱すように指示を出す。
しかし、躱しきれずに鎧でナイフを受けると、そこがスパっと、カッターで紙を切るようにすんなり切断されてしまう。
これは、ヤバイ相手かもしれない。。。
マシュもシールダーとして、相手の攻撃を受けることには他の英霊より数手優る部分がある。まして、こちらには危害を与える理由はなく、しばらく防戦に徹していると、少女はナイフをすっと下ろした。
ロマンは興奮した様子で言った。
魔眼、確かメデューサ達ゴルゴーン姉妹もそんな能力を持ち合わせていたっけ。
呆れた様子で少女は言葉を返した。どうやら、ロマンの説明は違うらしい。
つまり、寿命を斬った?
た、たぶんね。
(なるほど。わかりやすいといえばわかりやすいな)
すちゃ、とナイフをしまって少女はくるりと反転してマンションへと歩きだした。
慌てて声をかける。
サーヴァントの仕業。確かダ・ヴィンチちゃんも言っていた・・・。
一人じゃ大変でしょ。マスター不在じゃ消滅するかもしれないし。
あれ?フォウさんがどうかしました?
急に言葉に詰まったと思ったら、今までマシュの盾の後ろに隠れていたフォウに目が止まった。
ごめん、神出鬼没のアニマルというか、そもそも種別不明というか、マーリンが悪いというか。
はい?
ありがとう!両儀ちゃん!
少女はそう笑い、カルデアの仮契約サーヴァントになった。
これが彼女、両儀式との出会いだった。