【FGO感想 ゲルダという少女】無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング 消えぬ炎の快男児 第3節「万物の霊長(前編)」【シナリオキャプチャ】
「彷徨海」からの連絡を受けたシャドウ・ボーダーが彼の地へと向かうためには、異聞帯の領域となった北欧を通過せねばならなかった。
氷の大地と炎の山脈に閉ざされた世界で見たものとは───
絶剣の驚異の乗り超えた後、
氷つく異世界で、彼はある少女と出会うことになる。
無垢な少女は、笑顔で訪問者を迎え入れてくれたが、彼女が抱えるこの世界の事情は想像を絶するものだった。
(よくあの極限的な状況でそんな繊細な気遣いが思いついたな・・・)
ホームズの具合は?かなり重傷だったし、あれから顔を見ていないけど・・・
大丈夫、気にしないで。
(そして、原初のルーンとなると、いよいよあれがシグルド確定ってことだな・・・)
(それはブリーフィング以外なら容認するということ?)
てへ・・・・・・?
りょ、了解です。
(まぁそうなるよね。)
???
巨人が生きているぐらいですからね。。
うんうん、そうだねー。
見つけたらまた切り倒すんですよね・・・?
そんな雑草みたいな・・・
うえええ!?
電力不足とか、霊脈が近くにないとか?
わかっています。そして唯一の戦力なのも。
(極限状況下だと、所長の生存本能に基づく意見はすごい説得力だな。)
了解です!
軽い仮眠とって体を落ち着かせる。
シグルド。
北欧の大英雄。
ふと思い出す。
あの瞬間、確実に自分の首は飛んでいたはずだ。
到着してすぐの出来事だ。
ロシアとは違う、白銀の世界に少しだけ心を落ち着かせていた。
いかに自分が楽観的だったかを痛感する。
戦う覚悟はできていた。
死ぬ覚悟も、できていた、と想う。
思い出せない。
あの時、オレは諦めなかったか。
忘れたい。
あの時、マシュに手を差し伸べていたか。
逃げ出したい。
あの時、死ぬつもりだったのか、生きるつもりだったのか。
わからない。
でも、また外へ出なきゃいけない。
怖い。
――――体の震えは、朝まで続いた。
前みたいな嵐がないといいんだけど。
(じーー)
うん。段々わかってきた、言葉の節々にある所長なりの気遣いが。
ダ・ヴィンチちゃんも無理をしすぎないでね。
良かった。フォウがいるとマシュもだいぶ落ち着くだろうし。
おぉ!なんか通販のダイエットグッズみたい!
スキー板だこれー!
やった!ありがとう、ダ・ヴィンチちゃんえらい!
それじゃあ、行ってきます!
平坦な雪原を颯爽と滑るオレルス・ボードは、まさに移動手段としては画期的だった。
スキーの速度で移動できるので、歩くより断然早いし、足にも負担がかからない。
すぐに、シャドウ・ボーダーの車体は見えなくなった。
不思議と綺麗に見えるね。
よく見ると、周りの凍った木だと思っていたものは、氷そのものだった。木が凍っているのではなく、氷の木が生えている。そんな光景だ。
マシュが空を指差すとその先に動く2つの影が見えた。
見慣れた生き物を見て少しだけホッとする。
フォウが何か言いたげだけど、あの鳥のことかな?よくわからない。
湖?
いや、フォウがこういう反応をした時は、たいてい何かあるはず。
よし、再調整済みの外骨格骼の暖機をしておこう。
しかし、巨人はなぜ襲ってくるのだろうか。もしかして人間が主食なのだろうか?
限定召喚したアビーの力を使って、巨人を一掃する。
大丈夫、問題ないよ。
なんてざっくりした規約・・・。
なるほど、そっか。理解した。ドクターらしいね。
氷の木々か・・・。
そもそも植物が無いんじゃ、生物が生きられない。
ここまで見たのは巨人と鳥2匹だけ。
本当に人類がいるのかもまだわからない。
なるべく見付からないように木の影を移動しよう。
ふふ、そうだね
・・・シグルドのこと?
確かに、あの仮面からは英雄らしからぬ邪悪な感じがした。
え?
突然マシュが何かを探すように周囲を見渡す。
咄嗟に耳に神経を集中させると、遠くの方から子供の悲鳴が聞こえた。
マシュ!
そこには巨人と少女がいた。どうみても巨人が少女を襲おうとしている。
戸惑う少女を前に立って巨人から身を隠すようにする。
翻訳の護符は働いているようだ。少女の言葉は変換されて、理解できる。
そういうわけには、いかないよ!
できるだけ少女と巨人を遠ざける。マシュは既にパターン化された巨人の動きを的確に読みとって攻撃を避け、時間をかけずに倒した。
お疲れ様、外骨骼、調子は大丈夫?
少女は周りを見ず、その場にしゃがみこんで両手を合わせ、神に祈るようにずっと言葉を零していた。
もう、目を開けても大丈夫だよ。
そっと少女の手に触れて話しかける。
巨人が消えたことがわかると、すぐに少女は立ち上がってぴょんぴょん跳ねた。どことなく、フォウっぽさを思わせる。
少女は戦闘を見ていない。つまり、巨人がどこかに消えたと思っているようだ。
カルデアのマスターと、こっちはマシュキリエライト。
そうか、「先輩」という言葉は通じないか。
何やらわけありのようだが、どうやら近くの集落から来たらしい。それで薬草を探しているところを巨人に襲われたのだろう。
うん、時代は逆行している気がする。
うん。
ただ、パツシィの事を思い出す。
ここがロストベストで、消える運命の世界なら、このゲルダという少女も例外ではなく・・・。
それでも、この子、見過ごせなかったんだ。
先程まで焦っていた少女は、フォウとぴょんぴょん飛んで遊んでいた。どうやら、フォウなりに慰めてくれているようだ。
ま さ か の
虹?自然現象?魔術?英霊?なんだろう・・・?
・・・・・・明るい子だね、ゲルダちゃん。
確かに。何か、理由があるのかもしれない。
(一般人っぽいのにルーンの魔術を知っている?)
(わかる)
まぁ、ともかくまずは薬草を採りに行って、その後で集落に案内してもらおう
え?オレも?
二人と一匹はそのままゲルダの案内で薬草のあるある地点を目指した。
マシュが魔力探知しながら進んだので、その後の巨人との接触はなかった。
そうか、山が燃えていても、太陽が巨大でも、生まれた時からここの人たちにはそれが当たり前なんだ。
気になるね。もしかしてユグドラシルの伝説がそもそもない、とか?
それってつまり、薬草がある場所って・・・?
ちょ、ちょっとまって!いきなり動かないで・・・!(小声)
ゲルダの案内する場所にはすぐにたどり着けた。
そこは、雪原が広がる景色とは正反対の春の高原のような草木が広がっていた。
でも、その分巨人種もぞろぞろいるね。
しかし、これだけいると、見付からないままは流石に難しいね。
それについては大丈夫!(しばらく背景続きだけど絵的に大丈夫かな?)
ゲルダの驚いた声を聞いて、巨人が一斉にこちらに気づいた。
この世のものではない雄叫びが響いた。
よし、これが作戦開始の合図だ!
マシュも巨人の戦闘にはだいぶ慣れてきたようだ。
彼らは知性はあるが、人間ほどではない。長ものの武器を持っているが、弓などの飛び道具はない。原始的だ。
無茶しないでね。
さすがにこれ以上の戦闘は避けたいけど・・・、でもまだまだ集まってくる!?
巨人がマシュに意識を向けている間に、ゲルダは薬草の群生する方へと飛び出した。
ゲルダちゃん、戻って!
マシュ、このまま離脱、西方向、下り斜面へ移動開始!
それってどういう・・・(ぺしゃんこという言葉が怖い)
時間が無いのでマシュが半ば無理やりゲルダを担いでオレルスボードの空いた空間に乗せる。
しっかり離れないようにマシュにしがみつく。
落下速度のような衝撃と共に、斜面に体を飛び出した。
うおおおおおお!!!!
狐が悪巧みをする時の表情。
彼女の顔はまさにそんな言葉がぴったりだった。