【FGO】第五の聖杯 イ・プルーリバス・ウナム【第二十節 北米神話大戦 破】
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1783年。アメリカ。
独立戦争の終戦年。
当時、イギリス本国とアメリカ植民地との長い戦争が続いた。
この戦争を経て、元々数多の植民地でしかなかったこの国は、アメリカとして独立することに成功する。
魔術的な神秘は西洋に比べて少ないが、現実世界の基盤としてアメリカ無くしては人類史は成立しない。
また、先住民族による呪術、霊術は独自に発展しており、今なおその文化を残す地域も存在する。
歴史的大国アメリカ。
これは、時代の変革における、異質な戦い。
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・前回まで
両軍の前線に立っていたカルナとアルジュナの激突は、クー・フーリンの介入によってカルナが敗れることとなった。
カルナは最後の力で宝具を発動し、クー・フーリンにダメージを与えた後、そのまま消滅してしまう。
戦う相手を失ったアルジュナも戦線を離れ、ラーマ率いるアメリカ南軍は、カルナによって傷を負ったクー・フーリンを追った。
クー・フーリンの師匠であり影の国を守る人類最強の守護者。死という概念の無い彼女にとって、敗北することは決して無いとされていた。
しかし、クー・フーリンと対峙した時、スカサハの予想は当たっていた。
森の中に響き渡るこの世のものとは思えない槍の刺突音。
どちらも百発百中・必滅の呪いを持っているため、描く軌道は全く同じ。
因果を逆転させ、心臓を穿つ結果を先に作ろうにも、同時に放つことでお互いの心臓が貫かれることで、矛盾が生じ、結果宝具の発動自体が相殺されてしまうのだ。
表情は一貫して変わらないスカサハだが、その言葉の裏には苦虫を潰したような言い淀みがあった。
メイヴは聖杯に祈った。クー・フーリンを王にして、と。自分と同じ残酷で無慈悲な王であれと。
スカサハがそう唱えると何も無いハズの空間に亀裂が生じた。
空間に入った罅は門の形になり、宇宙船に穴が空いたかのように周囲の物体を吸い込み始めた。
「死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)」それは、スカサハがその座を治める影の国への入り口を開く宝具。
スカサハにとってそれは必殺の宝具。ゲイボルグ同士で決着が着かないことは想定していた。だから、この戦いに決着を着けられるならば、この技しかないと思っていた。
しかし、それを見て笑ったのはクー・フーリンの方だった。
「噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)」
魔槍ゲイ・ボルクの素材となった紅の海獣クリードの骨で出来た甲冑であり、クー・フーリン・オルタが扱う魔防具。
ゲイボルグの素材で出来た甲冑。それはスカサハも知らないクー・フーリンのとっておきだった。
これによってスキル「精霊の狂騒」が発動。敵の宝具発動を封印できる。つまり、封印され隙が出来た相手は、全身武装したこの鎧に対抗する術を持たない。
戦士として華々しく戦った一方で、自分では本来なり得なかった醜い王の姿を何人も見てきた。
クー・フーリンにとっては"王"とはそういうものだった。
傷を負ったままスカサハは自身の開いた門に自らを飛び込ませた。
どことも言えない影の世界で、二人のランサーは勝負を約束した。
勝利しても敗北しても、戦わないと気が済まない戦闘狂。
李書文のそんな一面を見て、スカサハはかつての生意気だった弟子の姿を思い出していた。
そのころ、アメリカ北軍。
南軍がケルトを攻める間。こちらはアメリカ領土を守る。
この時代の崩壊は、ケルト領土の拡大による要因が大きい。これ以上アメリカという土地を失うならば、時代が歴史の矛盾に耐え切れずに崩壊してしまう。
士気高まる中、ケルト軍からベオウルフが姿を現した。
ベオウルフ最大の強みはその冴えた技にある。
バーサーカーの全体的なステータスアップの反動で付与される狂化スキル。これにより正常な判断力や意思疎通能力を失うサーヴァントがほとんどだが、ベオウルフの狂化は最低ランクのため、バーサーカーとしてのデメリットはゼロに等しかった。
その時、スカサハとの約束を果たすため、李書文が両軍の間に立ちはだかる。
お互いギラリと睨み、笑いあったと思った瞬間。
手にしていた武器を放り捨て、拳ひとつでお互いぶつかりだしたのだ。
これが後の世にいう北米ステゴロ戦争と言われたエピソードである(嘘)