【FGO】第五の聖杯 イ・プルーリバス・ウナム【第十九節 北米神話大戦 序】
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1783年。アメリカ。
独立戦争の終戦年。
当時、イギリス本国とアメリカ植民地との長い戦争が続いた。
この戦争を経て、元々数多の植民地でしかなかったこの国は、アメリカとして独立することに成功する。
魔術的な神秘は西洋に比べて少ないが、現実世界の基盤としてアメリカ無くしては人類史は成立しない。
また、先住民族による呪術、霊術は独自に発展しており、今なおその文化を残す地域も存在する。
歴史的大国アメリカ。
これは、時代の変革における、異質な戦い。
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・前回まで
全面対決に打って出たアメリカ軍に対抗すべく出陣するケルト軍。
両軍の先頭を切るのはインド神話に出典を持つ英雄アルジュナとカルナ。
二人は両軍の最前線で誰にも入り込めない大規模の戦闘を繰り広げていた。
一方、南軍の最前線では、激しい戦闘が既に始まっていた。
グランド・オーダーにおけるサーヴァントはクラス補正を強く受ける。
ランサーであるカルナはセイバーとは相性が悪く、アーチャーには相性が良い。
勝機はカルナにある。
そう誰もが思った次の瞬間。
カルナの胸には巨大な赤槍が突き刺さっていた。
カルナは勿論、待ち望んだ決死の戦いに水を差され、アルジュナも突如現れたクー・フーリンを睨みつけた。
マシュはその姿を見て、最初のグランド・オーダーで出会ったキャスターのクー・フーリンを思い出した。
動揺するマシュ。あの時は雰囲気がまるで違う。
そこにいたのは、属性が悪に反転した反英雄のクー・フーリン。本来あり得ない別人である。
最後の切り札として控えていたスカサハだった。頼りになる存在だったが故にその衝撃は大きかった。
攻撃全てが重い必殺。
魔槍ゲイボルグは、真名を解放すれば心臓を貫く必滅の槍になる。
幸いクー・フーリン本来の強みである俊敏性は下がっていたため、とにかくサーヴァントを展開して攻撃の手を与え続ける。
シャトー・ディフから出張してきたエドモン・ダンデスにも手伝ってもらい、なんとか戦線を維持していた。
Zeroの時のセイバーと同じく、クー・フーリンもマシュの盾には何か心当たりがあるようだ。
しかし、彼は冷徹にマシュにその宝具を向けた。
瞬間。辺りが霧に包まれた。
クー・フーリンとマシュに間に飛び込んできたフォウの姿が消え、突如痩せ細った青年が現れた。
マーリン。それはアーサー王に使えた魔法使いの名と同じ。姿形は初めて見るが、その服装はどことなくフォウと重なる部分があった。
男はサーヴァントでも人間でもない。ただの傍観者だと言う。
マーリンと名乗る青年はそう言うと霧と共に姿を消した。まるで白昼夢のように。
しんと静まり返った中に、カルナの声が響き渡った。
マーリンが時間を稼いでいる隙にカルナは宝具の真名を解放した。
エクスカリバーと同等かそれ以上の威力を誇るカルナの最強宝具。瀕死の状態で威力は多少ダウンしているが、それでも不意をついたクー・フーリンには効果があった。
その言葉を最後に、カルナはアルジュナを残し、荒野から姿を消した。
そう言い捨ててクー・フーリンは撤退していった。後を追うにもアルジュナがその間に立ちはだかる。
いつもの冷静な口調とは裏腹に、ナイチンゲールの言葉にアルジュナは動揺していた。
自分でもわかっているが、それを認めたくない気持ちが強かった。
敢えて悪の立場としてカルナに勝負を挑んだのが何よりの証拠だった。
カルナが敗北した今、アルジュナには残ったケルト軍としての役目がある。
アルジュナの宝具「破壊神の手翳(パーシュパタ)」は、破壊神シヴァより授かった鏃であり、伝承によればシヴァが使えば宇宙が消滅するほどの力を持つとされている。
アルジュナが使用した場合でも世界を七度滅ぼせるほどの威力があるとされ、その威力を恐れたアルジュナは結局この武器を使うことはなかった。
世界そのものを飲み込む神造兵器であり、対人宝具としては最大規模の威力を誇る。
まぁなんとかなったが、それでも勝負は拮抗していた。
罪を償うにも既にカルナはいない。
居場所のないまま、アルジュナは一人戦線を離れていった。