【FGO】幕間の物語~源頼光~「母ならず、女ならず、けれど私は」
それは、ある日の図書館でした。
と、一部始終を本棚の影でデバガメっているわけですが・・・。
二人とも楽しそうで良かった。
紫式部さんも同じ時代の人なんだよね?
あれ?酒呑
楽しそうに笑う酒呑童子。それは、かつての彼女の最後のことだろう。
自分の死に際を楽しそうに語る彼女に憤りを覚える金時。
坂田金時の武勇伝の中でも有名な大江山の鬼退治。だが、その結末は、金時自身のトラウマでもあった。
二人って仲良いんだよね...?
酒呑童子の煽りをほどほどに抑えつつ、二人の様子を窺う。
うん。、、ゴールデンだ
突然、頼光の様子が一変した。顔色が一気に真っ青になり、その場に倒れてしまう。
急いで駆けつける金時、しかも金時の様子を見るに、ただ倒れただけではないようだ。
ぐ、、、空間にノイズが・・・・。
空間が割れ、中から巨大な足音がこちらに向かってきていた。
ま、まさか丑御前?
なにそれ!?
こちらに向かってくる頼光の目に光は無い。どこか遠いところを見ているような瞳で、ただ泣きたいような、怒りたいような複雑な表情を浮かべていた。
機械音声のように、ぶつ切りにそういうと、前振り無しで刀を酒呑童子に向けた。
その刀が酒呑童子に届かないように、間に金時が立っていた。恐らく、こうなることを予感していたのだろう。
一瞬の後、金時のマサカリが大きく弾かれた。頼光の軽い一振りで金時は大きく後退した。
スパっと一瞬。酒呑の首に頼光の刀が通る。
首から上下に分かれ、即死した酒呑童子の体がその場に倒れた。
しゅ、酒呑童子!!!!!
すると、酒呑童子の死体は液体状になって、床に溶けていった。どうやら偽物のだようだ。
近づく者全てに刀を向けるその姿は修羅のごとく。
うん、頼光さんをこのままにしておけない!
よくわからないが、金時は紫式部の陰陽術を使って、何かをしようとしている。
勢いだけだったが、それでも、頼光さんを止められるならば・・・!
ここは頼光さんの・・・・中?
付き合うに決まってるでしょ。
すると、これは例のレムレムの・・・・。
ざっくりしすぎでしょ。
よし、じゃあ早く止めよう
なにそれ?聖竜の・・・・?
あ、逆鱗ね。
うん、そう、だね。
金時、言いにくいなら、言わなくてもいいよ
・・・・・。
そうか、それでさっきの話で、頼国、頼家って・・・。
し、仕事の鬼・・・
なら、オレたちが止めなきゃいけない。
そこにいたのは、頼光が抱えていた闇が具現化した怪物だった。
よし、戻った!
こっちも大丈夫!
頼光さん・・・。
おかえりなさい、頼光さん。
いつもの頼光さんのままで大丈夫だよ。
うん。
生前男として扱われ、子を成しても母になることを許されず、ただ、武者として一生を終えた英雄。
彼女は今、カルデアで、確かな絆で繋がった人と共にいる。
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歴史上、男とされていた源頼朝。今まで明かされなかった頼光が母に憧れた話。
英霊として召喚された彼女を、母としても慕ってくれるマスターがいて、生前息子として大事に育てた金時がいる、というのは彼女にとってとても幸運で幸せな居場所だったんだなって改めて思いました。
同年代の話相手を作ってあげたくて、紫式部と合わせるように仕向けた金時の孝行っぷりもいいですし、それにちょっかいを出してくる酒呑童子がまたいいですね。
頼光が暴走したときは、ちゃんと金時とマスターが帰ってくるまで時間稼ぎをしていてくれたのも、なんだかんだいって優しいところがあるなあと思いました。
単なる女性化、というわけではなくてこういう背景があるとぐっとキャラクターに深みが増しますね。私のライコーさんも絆10なので、これからもよろしくお願いします。