亜種特異IV [ 禁忌降臨庭園 セイレム ] 異端なるセイレム【第3節 二つの結び目】
それは突如として何の前触れもなく現れた。
地上の明かりをすべてかき消し、夜の帳に紛れて町一つを覆い
尽くすように広がるその光景は"暗闇"と呼ぶに相応しい───。
暗き闇の中より放たれる悪意に満ちた特大の魔力は、
人理焼却を目論む魔神の影を彷彿とさせる。
すべての元凶を排除した時、異端の地にて訪れる結末とは…?
死せるクトゥルー、ルルイエの館にて、夢見るままに待ちいたり
それこそ果てのない存在と自己の
一にして全、
全にして一
の状態にほかならなかった。
単に一つの時空連続体に属するものではなく、存在の全的な無限の領域、制限をもたず空想も数学もともに凌駕する最果の絶対領域、その窮極的な生気汪溢する本質に結びつくものだった。
銀の鍵の門を越えて
始まりも終わりもない存在。