【FGO】Epic of Remnant 亜種特異点II 伝承地底世界アガルタ「アガルタの女」【第16節 アガルタの女1/2】
・前回まで
地底世界アガルタが地上を突き破り、空中に飛び出した。
アガルタにいた女性は、特異点が生み出したものだが、男性は地上から連れてこられたただの人間だ。事態が事態だし、脱出するためになるべく全員を今のうちに集めておくのは良いアイディアだ。
事の状況の割に冷静なホームズの問にシェヘラザードは冷たく返した。
一体全長がどれだけあるのかわからないが、その被害だけは簡単に想像ができる。
秘匿されてきた神秘の崩壊。それは、回り回ってこのカルデアにも影響を及ぼす。即ち、人理観測も、サーヴァントシステムも失われ、英霊召喚も行うことができなくなる。
死を恐れるシェヘラザード。彼女がサーヴァントシステムを否定するのは、召喚に応じて「生」を受けることで必ず訪れる「死」を恐れるからだった。
え
そうだね。
そして何より、ここで犠牲者を出させない!
彼、だって・・・?
(そう、ソロモンは全ての成し得る可能性を捨てて、この世界から去っていった、そんな悲しい事を、彼女は望んでいるだ)
ロマンがいたら、それこそ説教案件だ。
シェヘラザードは、自分で選んだ物語から、次々と物語のキャラクターを召喚して、攻めてくる。
彼女の宝具は語るだけでその存在を召喚できる。今はまだ下級怪物レベルだが、その霊核はサーヴァントのそれと変わらない。
それだけ強力な限定召喚を、彼女は「語る」だけで可能としているのだ。
さらに彼女は、アストルフォの攻撃を「受けない」。いや、当たらないと言ったほうが正しいのかもしれない。
何か、魔術的なもので回避しているのか、シェヘラザードに大きなダメージを与えられずにいた。
対王特化!?なんだそれ!?
な――――――!?
彼・・・・?!
これは、、、、魔神柱反応!?
目の前に現れたSE.RA.PH.以来、三本目の魔神柱。禍々しいその姿は、エルドラドの神殿と不思議にマッチしている。
たぶん。
そりゃまぁ、オレ一人じゃないけどね。
しかし、この魔神柱、何度倒しても次の瞬間再生して全回復で攻撃を仕掛けてくる。
一方こちらはペンテシレイアとの戦い以降ずっと回復できずに魔力消耗し続けている。
全員、限界は近かった。
突然、蘇生が止まり、魔神柱が消えた。
それは、あちらの蘇生に回数制限があったのか、それとも・・・。
それは彼女が初めて見せた歓喜。しかし、その笑い声の中にも震えた怯える様子がある。
心配だけど、彼に任せてみよう。
この感じ、知っている・・・。
な、何に?
あ、、、う、うんそうだね。
うん、でもマシュ、今は静かに!)
(頼む、、、この流れからなんとかいい話っぽい理性的な結論を・・・!)
だめだった。
その姿はまさに混沌。生と、死を司る悪魔。
聞こえ心地の良い耳障りなその歌は、彼が全てを捨てて全力でこちらを殺しにくる合図でもあった。