【FGO】「アーサー・ペンドラゴン(プロトタイプ)体験クエスト」後編
そこは黄金の草原。
約束の場所。
透き通るような女性の声。彼方の理想郷で、人の在り方を傍観する夢の住人。
それは日本で起こったイフの聖杯戦争。
アーサーの反応を見て、女魔術師は当然のように笑った。
知らないはずのその言葉は不思議と彼の心に残った。
それは、とある魔術師のマスターと出会い、そして騎士として誓いをたてたイフの物語。
透き通るような声で、最後にマーリンはそう言った。
それからアーサーは、世界中のあらゆる時代を渡り、人類を救済する騎士となった。
視界がぐるぐるする。確かに自分はマイルームで仮眠をとっていたハズだ。
辺りを見渡せば、荒廃した世界が広がっている。人の気配は目の前の騎士しかいない。。。
もう慣れたよ。
う、うん、な、なんか頭がぐるぐるするけど・・・。
あ、ちょっとやばいかも。
大丈夫、つい最近新宿上空から落下したこともあるしね。
まぁ、オレも理由があってここに来たわけじゃないけど・・・。
ん?何か言った?
バサっと騎士はフードを取った。中身は、聡明な顔立ちをしていた。
ペンドラゴンの騎士。それは、、、冬木で、、、
その名前は知っている。ただ、あの時見たのは黒く邪悪な感じだった。
あれが邪悪なアーサー王の姿だというのなら、今目の前にいるのは正真正銘の・・・・・・。
知っているといえば知っている。その一部始終を彼に離した。
ありがとう、アーサー王。
彼は何かを考えているようだ。静かに佇んでいるだけでも王様のカリスマ性を感じる。
彼?って誰?
アーサー王の話は興味深かった。
アーサー王の事象は武蔵ちゃんと似ている。いや、それにしてもさっきの話は・・・
そこまで言いかけて、後ろを振り返った。
初めは生命の気配が無い世界だと思った。
しかし、目の前には生物がいる。ただし、全身を機械で作られた、動く怪物だ。
わかった、その代わり終わったらさっきの話を聞かせて!
その輝きはまさに星の光。
十三拘束解放シール・サーティーン──円卓議決開始デシジョン・スタート!
───承認。ベディヴィエール、ガレス、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド
是は、世界を救う戦いである
・・・アーサー
『約束された勝利の剣エクスカリバー』!!!
拘束解放された対軍宝具は、二頭の怪物を一瞬で包んだ。
アーサー王の巨獣狩り。その伝承が目の前で繰り広げられていた。
約束です。さっきの話を聞かせてほしい。
アーサー王がその名を言いかけた時、絶妙なタイミングでマシュの通信が入った。
マシュー!
ちょっと待って、今アーサー王と・・・。
え?
マシュの言葉を聞いてアーサー王を見た。確かにそこにいるが、マシュ達からは見えないらしい。
な、なるほど。イリヤと同じ異世界から来た存在ってことですね。
待って!最後まで・・・。
やっぱり、ロマニ・アーキマン。
その言葉を最後に、アーサー王は別の時空へ転移した。後のダ・ヴィンチちゃんの話だと、偶然で出会う確率はゼロに近いらしかった。
それはかつての幕間の物語。
世界を救うために、自分の全てを投げ出した。
一人の医療ドクターの話。