【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

【FGO】「深海電脳楽土 SE.RA.PH」【第四幕 沈める森の美女(3/4)】

舞台は海洋油田基地セラフィックスへ。それは月の聖杯戦争を模した地獄。
最後のひとりになるまで脱出できない快楽の檻。
崩壊までのタイムリミットはあとわずか。
乱舞する欲望(エゴ)の最奥に潜むものは、果たして―――


・前回まで
突然カルデアのシステムを乗っ取った上級AI「BB」。
彼女は、カルデアの資源調達基地である海洋油田セラフィックスが、2030年のマリアナ海溝に沈んでいることを告げる。
特異点の反応を辿って、「BB」の案内する2030年にレイシフトした藤丸立香だが、BBのジャミングによって一緒に同行したネロ、エミヤ、玉藻の前と逸れてしまう。

新たにパッションリップを仲間に加えた一行は、SE.RA.PH.裏側を支配している強力なセンチネルである鈴鹿御前の特区を目指す。



いよいよ鈴鹿御前と決着か。。





え、偽物なのあれ?




そうなんだ。



JKキャラになってるよね、あれ。








マスターを見繕うとか言っていたような・・・。










特区の中央では、意気揚々と鈴鹿御前がこちらを待ち構えていた。






その前に聞きたい、鈴鹿御前、マスターは何処だ?








ロン毛・・・あぁ、トリスタンか。








そうして激突する両軍勢。


しかし、向こうのKPの効果の影響下、実質4対1でもスズカはこちらを圧倒していた。


JK風を装っているが、霊基はカルデアのサーヴァントより一段上だ。


宝具「文殊智剣大通連 恋愛発破 天鬼雨」

愛剣・大通連を250本まで分裂させ、数え切れないほどの宝剣が上空で同心円状に何重にも展開され、剣の豪雨を勢いよく降らせる。神通力。

その1本1本が宝具級の威力であるため、ギルガメッシュの「王の財宝」に匹敵する火力を持つ。

それでも、既に何度も戦った相手であり、同じ手はこちらも通用しない。

回避に専念しつつ4人1組で敵の出方を伺っていた。










そもそもキミはBBの言いなりでいいのかい?



スズカの態度が豹変する。ここ連日の戦いで彼女のプライドの高さはだいたいわかった。









え、ちょっと待って!なにその展開!



ぐるぐると魔力の渦がスズカを覆う。

空気が凝固したかのように、スズカの体はぴくりとも動かなくなった。





ありがとう。キャット!





問答無用!!!



スズカの胸に手を伸ばす。途端に視界がぼやけ、ぐるぐると世界が回る。












沈む意識の中で、スズカの本体と出会う。

すずかごぜん。文献によって、天女・盗賊・鬼とさまざまに伝えられる、平安時代の女性。
「立烏帽子」とも呼ばれ、坂上田村麻呂と共に多くの鬼を退治した伝承を持つ。
当初は日本を侵略するために大獄丸と手を組もうとしたが決裂。自分を倒しに来た坂上田村麻呂を大獄丸と勘違いして殺そうとするが、互いに一目惚れして紆余曲折の末にコンビを組む。
それ以降は二人で協力して悪路の高丸、大獄丸といった鬼を数多く退治した。坂上田村麻呂の為に宿敵の大嶽丸を倒したものの、その方法は大嶽丸の妻になる、というもの。
裏切られたと悲観した田村麻呂は真相を知ることなく、鬼の仲間として殺害された。(https://typemoon.wiki.cre.jp/wiki/%E9%88%B4%E9%B9%BF%E5%BE%A1%E5%89%8D)






スズカの心を覗いた。そして、その魂に触れる。


うん、大丈夫だ。








現実に戻った。(いや正確にはここもまた現実ではないんだけど・・・)

スズカは呆然としている。

色々と諦めた顔で、近くの崖際に向かって飛び出した。



ストップ!キャット!




がしっとスズカを捕らえるタマモキャット。

しかし、その勢いは消せず、二人とも崖っぷちに立っている状態―――。











ぽふぽふスズカの頭を撫でるキャット。スズカは黙って俯いている。

それは、肯定の証だとキャットは言った。




よろしく、スズカ。





揺らぐ地面。SE.RA.PH.に自然的な地震はない。即ち誰かが意図的に起こして・・・・・・。






そこに無数の目があった。









気づけば体中に激痛が走った。

魔神柱から伸びた触手をもろに受け、体ごと吹き飛ばされた。


なんとか、自体をいち早く察知したメルトリリスが受け止めてくれた。










今度はオレをかばってメルトリリスが触手を受けた。

彼女なら躱せた攻撃。だが、躱せば攻撃は自分に当たる。


だから、それを知っていて彼女は避けられた攻撃を避けなかった。










吹き飛ばされ、崖の向こう、SE.RA.PH.の底へと落ちていくメルトリリス。後を追おうにも魔神柱が行く手を塞ぐ。

焦る心を落ち着けて、スズカと目線を合わせた。

彼女は応えてくれた。

時間が無いことを案じて、連戦後だというのにいきなり宝具を展開。

「天鬼雨」が魔神柱に一斉に降り注ぐ。












スズカによって消滅した魔神柱。しかし既にメルトリリスは深い底に向かって落ちて消えていた。

仕方なくアーノルドの通信に応じる。






彼の言い方に苛立ちながらも、ここで起こった状況をざっくり説明する。

スズカのこと、魔神柱のこと、そしてメルトリリスのこと。



彼の意見は正しいし正確だ。

だけど、今はそれよりも優先する用事がある。



メルトリリスを助けに。


一瞬通信が切れた。マーブルの悲鳴がその後に聞こえた。





エミヤとトリスタンは既に諦めていた。彼らの言い方にも腹が立ったが、今はそれどころじゃない。



だいたい向こうで何があったのか察しがついた。察しがついて余計にイライラした。






メルトリリスを助ける。これはもう最優先事項なんだ。








さてもういいだろう。そう思って通信回線を一方的に切断した。

慌てる彼の顔が一瞬浮かんで、イライラが少し和らいだ。





スズカ、どうやって下に降りる?























彼女はここを知っていた。





















少し前の記憶を思い出す。
初めて会ったあの時。
まだ、何も知らなかったあの頃。


彼は笑顔で応えてくれた。


彼女は最期まで守ってくれた。




彼女は眩しかった。






でも、それももう叶わない。

助けられなかった結末。




















がらがらがら



がらがらがら



がらがら―――――――。黒い鉄の波が押し寄せる。










しっかりと掴んだその手は温かかった。懐かしくて、つい抱きしめてしまいそうになる。





ギリギリセーフ。そう言ってちょっとだけ笑う。






メルト・・・?


鉄の波が下に渦巻く中、彼女を抱き抱えてその名を呼んだ。あれ、呆れられちゃったかな?




言われてその手に再び触れる。細く小さい、壊れてしまいそうなその手に。





あぁ、――――――そうだったね。


温もりが一層近くなる。鼻がくすぐったい。彼女の吐息が鼻にかかった。




ぎゅ




っと。


スズカの声で状況を思い出す。そうだ、早くここから脱出しないと。




しかし、状況は予断を許さない。鉄の海から湧き出るゴミとなった亡者の攻勢プログラム。




なんとか来た道で戻ろう。

御前様ワイヤー!




実際のところ、エミヤの軍事用特殊カーボンワイヤーで、ここまで降りてきた。
(なんて便利なものを持っているんだ・・・)

しかし、アクシデントか意図的か、ワイヤーは切断されていた。


あ、もうこれ助からないかも。



ポロロン


亡者の悲鳴に混じって、琴線の可憐な音色が木霊する。






ありがとう、トリスタン。







(、、、、、そうなんだ)




はい遭難者4号―――!ミイラ取りがなんとやら・・・。










あれ?この声は




BB!













(ん?ということは、逆にいえば・・・)





くっ、急にクライマックス感を出してきやがって・・・!


























































そこにはこの世の全てがある。







全ての、欲がある。














正義の味方だった男は、




一番正義とは遠い方法で、



世界中の人々を救った。




でも、その功績は誰一人知る由もない。





男は世界を救った。それ以外の命を全て断つことで正義を成した。





悪でも良い。外道でも良い。





男は泣いて、笑って、泣いて、それを良しとした。




既に鉄心。




全てを失い、あらゆるものを壊した。




人々を救う英雄だった彼に残されたのは、





人間を効率良く殺すやり方だけだった。





体は 、 ● で、 できている。




――――――。




――――――。





彼は、エミヤだったもの。





衛宮であり、正義の味方を目指したもの。




あぁ



おぞましい声がする。



これ以上は、だめ、だ、



●さなきゃ、●さなきゃ、



早く―――――一刻も早く、この場にいる全てを●すんだ。




エミヤだったものは、引き金を引いた。




無銘「――――――――。」





今までで一番軽い引き金だった。