「デッドヒート・サマーレース! 〜夢と希望のイシュタルカップ2017〜」【チーム結成 ワイルドスピード&ハイ】
久々の休日をマシュとともに満喫していたマスターのもとへ女神イシュタルが薔薇色の笑みを浮かべながら訪れた。
新たな特異点を発見したというイシュタルは、その特異点を放っておくと世界に悪影響が出ることを二人に告げる。
正式なミッションとしての作戦を要請しようとするマシュを制し イシュタルは特異点を崩壊させるための「ある儀式」について語りだす。
特異点を正すのは、誰もが熱狂する夏の祭り―――
そう、レースクイーンたちによる大陸横断レースしかないと……!
その日、何気なく廊下を歩いていたネロ・クラウディウスは、一枚の張り紙に目を留めた。
誰に言うでもなく一人で当時の事情を弁明する皇帝陛下。
噂をすれば、とネロの前に現れたマスター。気さくに振った手を見て、振り返してくれた。
『ああ・・・・・でも今はレースがいいな(キラッ)』
マスターはそのまま情熱的にネロを壁際に追い込み、そのまま片方の逃げ道を「ドン」と手を付いて塞いだ。
予想外の行動に頬を赤めるネロ。ぼそぼそと視線を逸して反論する。
『キミだけを応援したいんだ・・・・』
耳元で彼女だけに聞こえるように囁く。
そう言うとネロはスキップしたままダ・ヴィンチ工房に向かった。マスターはその後姿を邪悪な笑みを浮かべながら見ていた。
その日、何気なく廊下を歩いていたアルトリア・ペンドラゴン(オルタ)は、一枚の張り紙に目を留めた。
(戦闘集団・・・・?)
と、黒王が一人でぼそぼそ呟いていると・・・。
『やぁ、相変わらず川澄綾子のようないい声をしているね、アルトリア(キラッ)』
どこからともなくマスターが現れた。
どこまで聞かれていたのか気になって、珍しく顔を赤くして焦る黒王。
『そんな事より・・・・一位のキミがみたいな・・・・』
この姿勢をなんと呼べばいいのかわからないが、これまた壁にアルトリアを追い込んで片方を腕をついて塞ぎ、顔を近づけて誘うように甘く囁いた。
すると、思ったより冷静に彼女は言葉を返した。
(チャキ)
ブォンと黒剣モルガンを振り抜くと、通りすがりの間の悪い詩人は、壁に勢い良くめり込んで動かなくなった。
(何をどう辿ったらメイドになるという発想になったのか・・・・・)
あれ、なんか悪寒が・・・・。
赤い水着を纏ったネロが、ダ・ヴィンチ工房の扉を叩いた。(というより部屋主の返事を待つ前に勝手に入っていった)
ネロが取り出した企画書を手に取るダ・ヴィンチちゃん。
いつの間に話を聞いていたのか、同じく水着姿になったアルトリア・オルタがそこにいた。
上から目線のさらに上から目線。王と皇帝の譲れない何かが会話の中に感じて取れる。
(おわかりのようにこの二人、全く同じ目的で参加する気である)
その日、シミュレータが一台壊れ、レーシングカー制作が当日ギリギリまでかかり、サポートで入った徹夜気味のホームズが別件で事件を解決したり、起こしたりしていた。