【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

【FGO】Epic of Remnant 亜種特異点I 悪性隔絶魔境 新宿「新宿幻霊事件」【第14節 懐郷ホームシック】

歪んだ歴史を修復しようとする時、膨大な取りこぼしが発生する。
排斥された狂気が作り上げた脚本。
忘れ去られた世紀末の神話。
かつてない規模の殺人事件が、亜種特異点となって完成する
完全犯罪計画、起動―――――幻霊よ、背徳の街で踊り狂え。



・前回まで
再び現れた狼王ロボと首無し騎士ヘシアン。
しかも今度は幻霊をさらに付け足して、透明化の能力を得てアヴェンジャーとして出現。
反撃の隙きを伺うも、強化されたアヴェンジャーに圧される一行。
止むを得ない状況の中、ジャンヌが足止め役を買ってくれたが、それは命懸けの役目でもあった。。。



狼王は孤独だった。





薄れ行くかつての記憶を呼び覚ます。

常世の月に吠える。


狼王は、孤独だった。










アルトリアがキュライッシュ・・・なんとかのバイクのエンジンをふかす。

後部に乗ってアルトリアの腰に手を回して体を固定する。すぐ、向こう側から狼王の咆哮が聞こえる。


(なぜか彼女の顔が赤いが、体裁を気にしているのだろうか・・・)


さきほどのパーティに加え、ここにはゲストが1匹いた。

アルトリアがこの新宿で出会った白い野良犬(アルトリアはカヴァスII世と呼んでいる)だ。




ホームズは言った。狙いは、狼王ロボの妻ブランカと一瞬見間違えること、だから、匂いは誤魔化す必要がないと。


気づけば犬愛好家のごとく犬を抱きかかえるアルトリア。


久しぶりに見たフォウは、何か意思表示したいようだった。

少し見守っていると、通信モニターを通して、カヴァスに話しかけている。



なぜわかる名探偵と悪の首領。




え、動物読唇術ってなに・・・??



そこはほら、もう、ね。




道路が地鳴りで揺れている。何度も体験した、巨大な獣が襲い掛かってくるその様・・・。



信頼しているよ。




魔力残滓から一瞬浮かび上がる巨大な狼の実像。

それを合図にアルトリアはアクセルを全開にした。



途端に体が全部持っていかれそうなほどの風圧を浴びる。

後ろからは狼王がこちらに迫ってくる。

キュライッシュ・・・なんとかはアルトリアの魔力を動力に加速している。並のバイクでは既に到達できない速度にまで、加速していた。




ガシャンと道路の上で鉄の歯が噛み合う激しい音がした。しかし、響いた音はそれだけだ。



今度も同じく狼王は回避する。もはや見てから判断しているのではなく、ある種、獣の本能で危機察知が人間のソレを越えているようだ。



この風圧ではしゃべる余裕が無いので、返事の代わりにアルトリアの体に回し腕に力を込めた。


狼王の動きが変わった。明らかにカヴァスに反応している。



ガシャンと、特大のトラバサミが狼王の体を挟み込む。

モリアーティが計算して算出したロボの停止位置には寸分の狂いも無かった。



うん、もう休ませてあげよう。



狼は吠える。全ての人類を殺すまで彼は止まらない。

死の怨念を抱えて、その凶刃が降り注がれる。



しかし、それを計算していないモリアーティではなかった。

既に3度目の戦闘を介して、その行動パターンは彼の計算によって暴かれている。

的確に紙一重で攻撃を躱し、打てば当たる魔弾をロボに放つ。


銃撃音が新宿の町並みに反響する。

それと同時に徐々に、ロボの咆哮も弱っていった。












「やったか!?」禁止!フラグを立てない!



どんなに傷ついてもロボは攻撃の姿勢を変えなかった。それは、そういう生き方をずっと前から決めていたという意思表示でもあった。



トドメを刺そうとしたアルトリアの前に、首無し騎士が立ちふさがった。

そして、カランと持っている武器をそのまま地面に放った。


首が無くても何をしたいかわかる。

降伏の証。これ以上、ロボを傷つけないでほしいという意志無き首無し騎士が見せた意思だった。



ザクリ、ガブという肉肉しい音の後に、血が吹き出す音。



後を追おうとしたアルトリアをホームズが止めた。

ロボは、首無し騎士が自分をかばったのを見て、攻撃の意思を止めていた。



首無し騎士は何も語らない。でも、その意思は痛いほど伝わってくる。



千切れた前足を痛々しく動かして、ロボは新宿の街に姿を消した。













吠える力も残っていない。

こうして歩いているのが不思議だった。

背中が軽い。あの人間はどうしただろうか。最後にそんなことを考えていた。


月を見上げる。


知っている空だった。時代は変わり、景色は変わっても、空はあの時と同じ真っ黒な空。



だから、



狼王は、孤独だった。




最後に鼻の先に何かが触れた気がした。