【FGO】幕間の物語〜ファラオ・ニトクリス【ニトクリス】
キャメロットから無事生還してはや数日。ある日、マシュと管制室の前を通ると、開けっ放しのドアから仄かな甘い香りがした。
中を覗けば、ゴツい二人の大男が酒を飲み比べていた。
あぐらをかいて自分のひざをバンバン叩きながら、ライダー・イスカンダルは笑った。
酒気漂う管制室で、二人の盃の中身をせわしなく気にかけていたニトクリスに声をかけた。
そういえば、イスカンダルもファラオなんだっけ。
太陽王オジマンディアス王、日本の法律に詳しいようで。
酔った勢いで、オジマンディアス王の肩をバンバン叩くイスカンダル。しかし、彼の王は気にも止めない。
と、自分の言葉が迂闊だったと萎縮するニトクリス。
話題が急に自分に向いたことに同様するニトクリス。
確か、クレオパトラが最後のファラオ、と呼ばれていたんだっけ。
生前の自分の行いを悔いるように、ニトクリスは言葉を濁した。
仇討ちだね。
ニトクリスの言葉を二人のファラオは黙って聞いていた。普段なら、人の話を聞く二人ではないが、こと相手がニトクリスだからだろうか。感情を読み取れない複雑な顔をしている。
シミュレーション端末を器用に操作するイスカンダル。サーヴァントのトレーニング用に、プラグラムエネミーと擬似空間で戦闘を行う模擬戦闘システムが管制室には備わっている。
管内放送からロマンの声がした。どこにいるのかはわからないが、システム起動のアラートに気づいたようだ。
突然の展開に同様するニトクリス。
なぜかファラオ二人はニヤニヤ笑っている。お互い、会話はしていないがやることは決めているようだ。
それまで萎縮していたニトクリスが声を荒げた。たとえ偉大な、尊敬する二人の前であっても、それだけは譲れない。それは、彼女がファラオとして生きた生前を失うに等しいからだ。
こうして、血の気の多いファラオ達との模擬戦闘が始まった。
いつの間にかクレオパトラが参加してる。。。
1時間、実に1時間かけて戦いは終わった。
宝具こそお互い展開しなかったものの、その戦いには手加減は無かった。
キャスタークラスという相性のハンデも抱えながら、それでもニトクリスは3人のファラオを制したのだ。
(マシュ、静かに。)
その言葉は広い管制室にビリビリと響いた。
(し、静かに。)
や め と け ス ト ッ プ 聖 杯 問 答
怒りと悲しみの入り混じったロマンの声がする。
とりあえず、二人でやっておくから。
あちこち壊れた管制室。
飲み直すと、英雄王の部屋に向かうファラオ3人の後を、ニトクリスは軽い足取りで追いかけていった。
その後、酒に酔った勢いで繰り広げられた「王の軍勢」と「王の財宝」の正面衝突で、施設の15%が吹き飛んだ。
ロマンは死んだ。