ナンバーズ86「唸れ!カオス・ナンバーズ 遊馬に向けたファイナルブロー」
《燃える闘志》によって攻撃力が倍となったホープが、アリトのリードブローを突破する。
全力でぶつかり合おうとお互いに誓うアリトと遊馬。
しかし、アリトのその表情には何かを耐えているような見栄が隠れていた。
遊馬「お前まさか……、オレ達を助けた時の傷が……」
アリト「へ――――、傷のひとつやふたつ、屁でもねえぜ!」
遊馬「アリト……、そこまでオレとのデュエルを―――――。」
遊馬に悟られたのに気づいたアリトは、そんな気兼ねをかけまいと笑って遊馬に答えた。
アストラル『彼は痛みを越え、それさえも楽しもうと――――その気持ちに遊馬も……』
しかし、事態はそう落ち着いている場合でもない。
アストラル『ぐあ!―――――そして……このワタシの体も……うぅ……どうやらこのフィールドがワタシに何らかの影響を―――――!?』
アストラルの体を徐々に蝕むスフィアフィールド。遊馬の残りライフも相まって、その存在は既に薄れつつあった。
アリト「いくぞ!!遊馬!!」
遊馬「おう!!」
それでも二人は戦う。
大切な仲間を守るため。自らの世界を守るため。
それでも二人は譲らない。
仲間の誇りをその胸に。誓いの想いをその拳に。
燃える闘士と、希望皇。両者の決闘はさらに激化の一途をたどる。
第86話「唸れ!カオス・ナンバーズ 遊馬に向けたファイナルブロー」
どんな汚い手を使っても遊馬に勝ち、ナンバーズを奪いたいというギラグの作戦を良しとしないアリト。ギラグを退け、自分の身分を明かすアリトの正直な思いに遊馬も触発され、アリト自身とアストラルの存在を賭けた決闘が、港に展開されたスフィアフィールドの中で行われていた。
ギラグの作戦に巻き込まれた真月零と璃緒の予言に駆けつけた神代凌牙兄妹。小鳥もフライパン持参して駆けつけ、アリトとの激戦を見守る。
璃緒「二人共凄い気迫……」
凌牙「あぁ……。奴らは本気だ……。」
小鳥「遊馬……、気を付けて―――――。」
アリト「オレのターン、ドロー!!」
○「オレは《BK スイッチヒッター》を召喚!!」
《BK スイッチヒッター》
☆4/炎属性/戦士族/ATK1500/DEF1400
このカードを「BK」と名のついたモンスターエクシーズのエクシーズ素材とする場合、1体で2体分の素材とする事ができる。
(※アニメ効果)
○「さらに、オレは手札より魔法カード《バーニングナックル・スピリッツ》を発動!!このカードは、デッキの一番上のカードを墓地に送り、それが「BK」ならそれ以外のレベル4以下の「BK」を墓地から特殊召喚する!!」
《バーニングナックル・スピリッツ》
通常魔法
自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。それが「BK」と名のついたモンスターだった場合、そのカード以外の自分の墓地の「BK」と名のついたレベル4以下のモンスター1体を選択して自分フィールド上に特殊召喚する。
○「きた!オレがドローしたのは《BK カウンターブロー》。オレは、このカードを墓地に送り、《BK ヘッドギア》を特殊召喚する!!」
《BK ヘッドギア》
☆4/炎属性/戦士族/ATK1000/DEF1800
1ターンに1度、このカードは戦闘では破壊されない。
(※アニメ効果)
○「さらに!《BK スイッチヒッター》の効果発動!!コイツは、エクシーズ召喚の素材となる時、2体分となる!!」
アストラル『遊馬!来るぞ!!』
遊馬「おう!!」
アリト「見せつけてやるぜ!!本気のオレを、刻み込め遊馬!!」
「オレはレベル4の《BK スイッチヒッター》2体分と、《BK ヘッドギア》でオーバーレイ!!」
「3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
「現れろ!!《No.105 BK 流星のセスタス》!!!!」
《No.105 BK 流星のセスタス》
ランク4/炎属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF1600
レベル4モンスター×3
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。このカードがこのカードの攻撃力よりも高い攻撃力を持つモンスターと戦闘を行う場合、このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する事ができる。このカードはこの戦闘では破壊されず、この戦闘は無効化されない。この戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
遊馬「“No.105”!?」
アストラル『オーバーハンドレットナンバーズ……。』
遊馬「これが……、アリトのエースモンスター……。」
○「オレは流星のセスタスで、希望皇ホープを攻撃!!」
遊馬「ばかな!?ホープの攻撃力は《燃える闘志》の効果によって5000なのに!?」
アリト「あぁ!オレは行く時は行くんだぜ!!いっけぇ!!!」
「“スターダスト・インパクト”!!!!!」
アストラル『警戒しろ遊馬。必ずあのモンスターには何かある――――!』
遊馬「わかってるって!」
●「オレは、オーバーレイユニットを1つ使い、モンスターの攻撃を無効にする!!」
「“ムーンバリア”!!!」
○「突き破れ!!オレも、オーバーレイユニットを1つ使い、セスタスの効果発動!!セスタスは、相手モンスターより攻撃力が低い場合、このバトルで破壊されず、さらにこのバトルは無効にされない!!しかも、オレが受けるダメージは代わりにお前が受ける!!」
遊馬「なに!?」
アストラル『ホープとセスタスの攻撃力の差は……2500!!』
遊馬「オレにそのダメージが――――!」
アリト「再び喰らえ!!“スターダスト・インパクト”!!!!」
遊馬「どおぉぉぉぉぉぉうわああああああああああああああああああああ!!!!」
激しい衝撃が遊馬の体に走る。ホープがセスタスに攻撃した超過ダメージが、セスタスの効果によって遊馬に流星のごとく降り注がれる。
遊馬LP3000→2500
○「へ!オレはカードを1枚伏せてターンエンド!!」
小鳥「あ――――、そんな……」
璃緒「一撃でライフが500に……!」
凌牙「このままじゃマズイぜ……遊馬」
零「―――――――。」
小鳥「遊馬―――。」
アリト「どおした?これでオレ達の楽しいデュエルは終いかよ?」
遊馬「ぐ――――――、まだまだ!もっと楽しんでやるぜ!」
アストラル『だが……我々のライフは残り5000……。このままでは――――』
遊馬「わかってる!オレもアストラルも、絶対に負けられないデュエルだ……。でも、それでもオレはこのデュエルを特別なモノにしてぇんだ!!オレ達は今まで、色んな奴と戦ってきた…。ナンバーズを集めるため、奪われないため……。」
それは絶対に負けられない戦い。一瞬でも隙を見せれば、大切な仲間を失う、命懸けの決闘。
遊馬「でもアイツと……アリトと戦ってるとよ、どうしようもなく熱くなっちまうんだよ!!燃えてきちまうんだよ!!!」
アストラル『遊馬……。――――――ワタシに君の燃える想いを消すことなど、できないのだろう。……だったら、ワタシも―――――――いくしかないようだな』
お互いにその目を見つめ、そして確固たる意志を確認する。燃える闘志をカードに乗せて、遠き二つの魂をぶつけ合う。
遊馬「――――――――――――。いくぜえええ!!!アストラル!!!!」
「オレのターン、ドロー!!!」
遊馬「アリト!今度はオレ達の全力モードを見せてやる!!」
アストラル『いくぞ遊馬!!!』
遊馬「おう!!!」
「「かっとビングだ!!!オレ!!」」
全力を誓った戦い。元よりこの力が無ければ突破できない相手――――――。
遊馬「オレと!!」
アストラル『ワタシで!!』
『「オーバーレイ!!!」』
燃え上がる魂は空中で交わり、一つになる。
『「“遠き二つの魂が交わりし時、語り継がれる力が現れる”!!!!」』
『「エクシーズ・チェンジ、ZEXAL!!!」』
その魂は最強の力。全てを創造し、決闘を更なる高みへと昇華させる力。
アリト「遊馬……アストラル……。これがお前らのフルパワーってかよ!!かっけぇ!かっけえぜ!!」
零「これがゼアル――――!」
凌牙「どうやら奴等、諦めてなどいなかったようだな。」
小鳥「そうよ!遊馬とアストラルが諦めるなんてこと絶対にしない!いけー!ゼアル!!」
●「オレは魔法カード《エクシーズ・トレジャー》を発動!!これにより、フィールドのモンスターエクシーズ1体につき、1枚カードをドローできる!!」
《エクシーズ・トレジャー》
通常魔法
フィールド上に表側表示で存在するモンスターエクシーズの数だけ、自分のデッキからカードをドローできる。
「今、フィールドにいるモンスターは2体!よってオレは2枚のカードをドロー!!」
アストラル『遊馬!』
遊馬「いくぜ!!」
●「オレは、希望皇ホープをエクシーズ素材として―――――――」
『「カオス・エクシーズ・チェンジ!!!!」』
『「現れろ、カオス・ナンバーズ39!!混沌を光に変える使者、《CNo.39 希望皇ホープレイ》!!!!!」』
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
ランク4/光属性/戦士族/ATK2500/DEF2000/
自分のライフが1000以上の場合、このカードはエクシーズ召喚できない。自分フィールド上に存在する「No.39」と名の付くモンスター1体をこのカードのエクシーズ素材として特殊召喚することができる。 このとき「No.39」と名の付くモンスターのエクシーズ素材をこのカードのエクシーズ素材とする事ができる。このカードは「No.」と名の付くモンスターとの戦闘でしか破壊されない。 このカードのエクシーズ素材1つを取り除いて発動する。このカードの攻撃力を500ポイントアップし、相手モンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンする。
(※アニメ効果)
小鳥「ホープレイ!!」
零「でも、まずくないですか?攻撃力が5000から2500に減っちゃって……。」
凌牙「いや、これでイイ。流星のセスタスの効果は、相手モンスターの攻撃力が上の時しか発動されない。」
遊馬「いくぜアストラル!!」
アストラル『ワタシ達の力の全てを出す!!』
アリト「来い!味わってやるぜ!!」
●「いっけぇ!!希望皇ホープレイ!!流星のセスタスを攻撃!!!」
アリト「突っ込め!!!流星のセスタス!!!」
小鳥「でも―――――このままでは相打ちよ!!?」
「“ホープ・剣・カオススラッシュ”!!!!」
「“スターダスト・インパクト”!!!!」
激突する両者。耐性を持つナンバーズ同士の戦いは、お互いに互角の攻撃力であるために双方その攻撃によって破壊される。
●「しかしこの瞬間、速攻魔法《エクシーズ・スタンドアップ》を発動!!」
アリト「なに!?」
遊馬「オレ達のフィールドのモンスターエクシーズ1体が、バトルで破壊され墓地に送られた時――――――」
アストラル『モンスター効果を無効にし、そのモンスターを特殊召喚する事ができる!!!』
《エクシーズ・スタンドアップ》
速攻魔法
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体が戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、そのモンスターエクシーズ1体を自分フィールド上に特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できない。
遊馬「復活しろ!!希望皇ホープレイ!!!」
小鳥「ホープレイが復活した!」
アストラル『流星のセスタスを葬るには、捨て身で挑むしかなかった……。』
遊馬「これがオレ達の力――――――ゼアルの力だ!!!」
アリト「へへ、嬉しいぜ!じゃあオレもその先の底力を見せてやらねぇとな!」
凌牙「なに!?」
ホープレイと共に、墓地より現れたのは、破壊したハズの流星のセスタス。
遊馬「アリトの場に……流星のセスタスが……」
『「―――――まさか!!」』
○「お前だけじゃない!オレも《エクシーズ・スタンドアップ》を発動していたのさ!!」
アストラル『ワタシ達と同じカードを―――――!』
●「《エクシーズ・スタンドアップ》で特殊召喚されたモンスターは、このターン攻撃できない―――――。オレは、カードを2枚伏せてターンエンド!」
同じ攻撃力でぶつかり、同じカードでそれに応じる。まさに互角の戦いを繰り広げる二人。
ギラグ「(アリト……。お前……。)」
遠くから二人の決闘を見つめるギラグ。スフィアフィールドを展開し、自分達の空間の中で戦う。それでアリト達バリアン世界の住人は初めて本来の力を引き出すことができる。
しかし、精神体に近い彼らの体もまた、ナンバーズとの戦いに敗れるとカードと共に消滅してしまう。
アリト「ははは!最高だよ遊馬!!お前達の本気を感じることができて……。そうだ!オレが求めていたのはこんなデュエルなんだ!!!オレの全ての想いを力にしてぶつけてやる!!」
遊馬「おおアリト!!オレもこのデュエルで、お前に全てをぶつけてやるぜえええ!!」
アリト「面白ぇ!オレも、オレの全てをさらけ出す!!」
そう言ってアリトは自身の右手に装着していた手甲をかざした。手甲に型どられている赤い宝石がアリトの言葉に合わせて輝きを放つ。
「“バリアル・フォーゼ”!!!!」
アリト「見ろ、オレの真の姿―――――オレの真の想いを!!!」
ギラグ「アリト!!!」
眩く辺りが紅色に染まる。既にミザエル戦で目の当たりにしているバリアンの真の姿。アリトも本来のその姿に戻ったのだ。
ギラグ「お前―――――そこまで……。」
アリト「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
燃え上がる炎に包まれて、アリトの体は一回り大きく変貌した。
遊馬「これが――――アリトの……」
その体は赤い鎧に包まれていた。ミザエルの時のようにスマートではなく、どこか重厚感が漂うのは、牢に閉ざされたのような形をしている頭部の仮面のせいかもしれない。トロンと同じく、その仮面の下からギラギラした視線が遊馬に注がれている。
『「真の姿――――!?」』
凌牙「あれが奴の……本当の姿……。」
零「―――――――――。」
ミザエル戦同じ様にアリトに対してもキっと睨みを効かせたまま零は静かに見ていた。
遊馬「(あれがアリト―――――。だが、アリトはアリトだ――――――。)」
ミザエル戦では気を失っていた遊馬。バリアンの真の姿を見るのはこれが初めてである。
アリト『へへへ遊馬ぁ、これで全てそろったぁ!お楽しみはこれからだぜ!―――来い!!』
遊馬「アリト……。」
アリト『いくぜ!!オレのターン、ドロー!!』
○『オレは魔法カード《エクシーズ・トレジャー》を発動!!!フィールドのモンスターエクシーズ1体につき、1枚のカードをドローできる。』
アリト『モンスターは2体。よってオレは2枚のカードをドローする!!』
○「いくぞ遊馬!!オレは《RUM−バリアンズ・フォース》を発動!!!」
《RUM −バリアンズ・フォース》
通常魔法
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高いモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。この効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズは「戦闘では破壊されない効果」を無効にし、相手フィールド上に存在するモンスターエクシーズ1体を選択して、選択モンスターのエクシーズ素材全てを、このカードの効果でエクシーズ召喚されたモンスターエクシーズの下に重ねてエクシーズ素材とする。選択モンスターの攻撃力は、この効果で奪われたエクシーズ素材の数×300ポイントダウンする。
遊馬「何!?ランクアップ!?」
アストラル『ナンバーズをランクアップさせようと云うのか!?』
○『このカードは、自分のモンスターエクシーズをランクアップさせ、カオス・エクシーズを特殊召喚する!!』
アリト『オレは、ランク4の流星のセスタスで、オーバレイネットワークを再構築!!!』
『闇を呑み込め、混沌よ!!光を持って貫くがよい!!!』
次元を超えて歪められた空間。その闇に直結した光は、自らの世界から直接その力を引きずり出す。
『カオス・エクシーズ・チェンジ!!!』
『現れろ!《CNo.105 BK 彗星のカエストス》!!!!!!』
《CNo.105 BK 彗星のカエストス》
ランク5/炎属性/戦士族・エクシーズ/ATK2800/DEF2000
レベル5モンスター×4
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える。また、このカードは「No.105 BK 流星のセスタス」をエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択した相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
禍々しい程の熱と闇。その中から現れたのは、漆黒に燃えたぎる炎を連れて、混沌という言葉を背負い、修羅のような出で立ちとオーラを放つ巨大な拳士だった。
遊馬「これがカオス・ナンバーズ……。」
アリト『そうだ!オレの想いの丈だ!!』
○「彗星のカエストスの効果発動!!カオス・オーバーレイユニットを1つ使い、相手モンスター1体を破壊して、その攻撃力分のダメージを相手プレイヤーに与える!!」
凌牙「マズイ!!これが決まったら遊馬は終わり――――――――!」
小鳥「あぁーーーー」
●「罠発動!!《オーバー・トレーニング》!!!これで、オレのモンスター1体はこのターン破壊されない!!」
《オーバー・トレーニング》
通常罠
自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターはこのターン破壊されず、次の自分のエンドフェイズ時に破壊され墓地へ送られる。
アリト『なに!?カエストスの効果を弾いただと……!?だが攻撃はさせて貰うぞ!!』
「“ゴッド・エクスプロージョン”!!!!」
遊馬「ぐうおおあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
《オーバー・トレーニング》によってこのターンの破壊耐性が付いたものの、彗星のカエストスの攻撃による超過ダメージが遊馬を襲う。
小鳥「遊馬!!」
遊馬LP500→200
アストラル『確かにダメージは受けたが、ホープレイは破壊されなかった……。』
アリト『さすがだな……。遊馬、アストラル。』
○『オレはカードを1枚伏せてターンエンド!!』
アリト『(彗星のカエストスの攻撃を防ぐとは……。面白ぇ―!面白ぇ――――!面白えええぞ!!!)』
アリト『さぁ来い!遊馬、アストラル!!もっと、お前達の全力をこのオレにぶつけてこい!!』
遊馬「アリト―――――。こんなに熱いデュエルなのに、お前はバリアンで……オレ達は――――!!」
アリト『デュエルを楽しもうぜ!遊馬!!』
遊馬「――――――!!」
あくまでも純粋にデュエルを楽しむアリト。それは自分達の世界も、仲間の命も背負っているとは思えないほど彼は明るく生き生きとしていた。
アリト『オレ達のデュエル、最後の最後まで熱く楽しもうぜ!!』
遊馬「アリト……。」
アストラル『そうだ、遊馬。彼の想いに答えよう――――最後まで』
遊馬「アストラル……。」
背負うもの、賭けるもの、無くしたくもの、負けられない理由、それは全てきっかけでしかない。それらは全て戦う理由でしかない。
一度始めればただただ純粋に楽しむ。このカードでどうコンボを作ろうか。次はどんなカードを引くのか。相手はどんなモンスターを繰り出してくるのか。
アリト『遊馬ぁ!!』
遊馬「アリト!!オレもこのデュエル、とことん楽しんでやらぁ!!オレのターン―――――」
アリト「よっしゃあ!来い!!」
『「全ての想いを!!!(ワタシは)(オレは)このドローに賭ける!!!」』
『「最強デュエリストのデュエルは全て必然!!ドローカードさえも、デュエリストが創造する!!!」』
『「“シャイニングドロー”!!!!!」』
●「来たぜ!!オレはコイツを召喚だぁ!!!天翔ける空の王、汝の爪牙で万物を掌握せよ!!!来い、《ZW−荒鷲激神爪(イーグル・クロー)》!!!!」
《ZW−荒鷲激神爪(イーグル・クロー)》
☆5/風属性/鳥獣族/ATK2000/DEFXXXX
相手のライフポイントが自分のライフポイントよりも2000以上多い場合、このカードをリリースなしで召喚できる。自分フィールド上に存在するこのカードは攻撃力2000ポイントアップの装備カードとなり、自分フィールド上に存在する「CNo.39 希望皇ホープレイ」に装備する事ができる。装備モンスターが戦闘を行う時、1度だけ相手が発動した罠カードの効果を無効にする事ができる。
●「こいつは相手ライフがオレ達より2000ポイント以上ある時、リリースなしで召喚できる!」
アリト『ゼアルウェポン……!?』
●『そして、ワタシ達の場に希望皇ホープレイがいる時、《ZW−荒鷲激神爪》はホープレイの装備カードとなる!!―――――その攻撃力は、2000ポイントアップする!!!』
「“イーグル・チャージ”!!!!!」
《CNo.39 希望皇ホープレイ》
ATK2500→4500
○「んなことさせるかぁ!墓地にいる《BK カウンターブロー》の効果発動!!このモンスターを墓地から除外する事で、相手の墓地にある罠カードを発動させる事ができる!!!」
《BK カウンターブロー》
☆3/炎属性/戦士族/ATK 0/DEF1100
「BK」と名のついたモンスターが自分フィールド上に存在する時、墓地のこのカードをゲームから除外して、相手の墓地にある罠カードを発動させる事ができる。
○『オレの発動させるカードはこれだぁ!!《バトル・ラッシュ》!!!』
《バトル・ラッシュ》
通常罠
相手モンスターとの戦闘時に発動できる。自分フィールド上のモンスターはこの戦闘では破壊されない。この戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。
凌牙「なに!?相手の墓地から罠を――――!!」
○『これでこのバトル、オレのフィールドのモンスター1体は破壊されず、さらにオレの受けるバトルダメージを無効にして、その数値分のダメージを相手に与える!!!』
●「荒鷲激神爪の効果発動!!バトルの時に一度だけ、相手の罠カードを無効にできる!!!」
○『それも読んでいたぜ!!これでトドメだぁ!!!カウンター罠《コークスクリュー・クロス》!!!バトル中に相手のカード効果が発動された時、その効果を無効にし、相手に500ポイントのダメージを与える!!!』
《コークスクリュー・クロス》
カウンター罠
バトルフェイズ中に相手のカードの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。さらに、相手ライフに500ポイントダメージを与える。
遊馬「なに!?荒鷲激神爪にカウンターを!?」
ギラグ「――――――いったか!!?」
小鳥「遊馬!!!アストラル!!!」
アリト『これで終わりだあああああああああああああ!!!!!』
遊馬「まだだ!!!まだ終わっちゃいない!!!オレは全ての力を吐き出す!!!」
●「カウンター罠《ラスト・チャンス》発動!!!!相手の墓地から、カウンター罠1枚を発動する!!!」
《ラスト・チャンス》
カウンター罠
相手のカウンター罠カードが発動した時に発動できる。相手の墓地のカウンター罠カード1枚を選択し、自分のカウンター罠カードとして発動する。
アリト『なんだと!?お前も墓地から―――――!?』
●『「(ワタシは)(オレは)《カウンターズ・ハイ》を発動!!!バトルで発動したカウンター罠を無効にして、破壊!!!!」』
《カウンターズ・ハイ》
カウンター罠
戦闘中に発動した相手のカウンター罠カードの効果を無効にし破壊する。このカードの発動した戦闘によって発生するお互いのプレイヤーへの戦闘ダメージは倍になる。
●「そして、このバトルで受けるダメージは、倍となる!!!」
アリト『そ、そんな馬鹿な!!!!』
遊馬「いっくぜええええええええええ!!!!かっとビングだぁ!!!オレェェェ!!!!」
「“イーグル・カウンター・マグナム”!!!!!」
アリト『ぐ―――――――――――!!!』
打ち返された拳は、混沌の拳士を砕く。
舞い上がる爆炎を切り裂く希望の星。
「“ホープ・剣・カオスイーグル・スラッシュ”!!!!!!!」
アリト『ぐああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!』
アリトLP2800→0
そうして決着。
アリトのライフがゼロになったと同時にスフィアフィールドはシャーク達の前にゆっくりと降下し、そして消滅した。
バリアン世界を作り上げていた空間がなくなったせいか、倒れるアリトの姿は、今までの人間体に戻っていた。
遊馬「アリト!!!アリト!!!」
ゼアルを解いてアリトに駆け寄る遊馬。しかし、アリト自身は既に衰弱していた。
遊馬「おいアリト!!アリト!!大丈夫かよ!!」
アリト「へへ……。楽しかったな……遊馬……。」
遊馬「あぁ、オレもだ!またやろうな!?」
デュエルは一回限りのゲームじゃない。その気になれば、何回も何十回も何百回もできる。だけどそれは、普通の友達同士の場合だけだ。
この戦いに賭けていた想いを敢えて閉じて、アリトはただ首を横に振って遊馬の呼びかけに答えた。
遊馬「アリト……、お前まさか―――――。」
アリト「アストラル、持っていけ。オレの魂を―――――」
アストラル『……。』
精神体で存在するアストラルと同じように、アリト達バリアンもその本体は精神体にある。自分の記憶としてナンバーズをその身に刻むアストラルは、ナンバーズを奪われる事が直接自分の消滅に繋がる。それはナンバーズの奪い合いが直接魂の奪い合いになるからだ。
同じく、精神体としてナンバーズを持っているアリト自身も、ナンバーズの回収は命を賭けている。そんなアリトの覚悟を呑んだアストラルは、静かにその手を差し出してアリトに向けた。
遊馬「アストラル!」
しかし、アリトに向けた手をすぐに止め、自分のその手をアストラルは驚いた様子で見つめた。
アストラル『ナンバーズを吸収できない……?』
アリト「……どうやらお迎えだ、遊馬。」
違和感を感じて途惑うアストラルに気を取られている内に、アリトの背後にはバリアンの異次元空間が広がっていた。
アリト「じゃあな。」
ただ一言、アリトはそう言って次元の穴に吸い込まれていった。
遊馬「おいアリト!!!」
アストラル『アリト……。ぐ!!!!!』
直後、アストラルの身体に走る衝撃。余りの痛みにその体を包み、地面に伏せて堪える。
小鳥「アストラル!!」
遊馬「アストラル!!どうしたんだよ!!アストラル!!」
・・・・・・
アリト「おい!!ギラグお前か!?余計な事しやがって……」
遊馬との戦った港から廃工場へ転送されたアリト。意図的に異次元に引きずり込んだ相手をギラグだと思い、アリトは廃工場を見回す。
???「フ―――――。ハハハハハハハハハハ。」
アリト「――――!?お前は……」
遊馬「おい!!アストラル!!アストラル!!!」
痛みに苦しむアストラル。
一方、アリトの気配を辿ってやってきたギラグは、廃工場で倒れていたアリトを発見した。
ギラグ「おい!!!アリト!!」
アリト「や……やられた……!」
ギラグ「え―――――、だ、誰に!?」
アリト「真……月……。」
ギラグ「アリト!!!しっかりしろ!!!アリト!!!」
「アリトオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!」
アリトの口から出た真月の名前。アストラルの苦しみ。そして復讐に燃えるギラグ。
次回、「ギラグ猛襲!炸裂、秘孔死爆無惚(ひこうしばくむほう)」
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