出血大サービス
それは何の前触れも無く起こった。
駅のホームで大宮に向かう電車を待っていた時の事、
天候は次第に雲行きが怪しくなり、風も昨日に比べ冷たさを含んで体を抜ける。
と、鼻水が出たかと思った。
私はそれを左手で拭った。
するとどうだろう、拭ったハズの左手が真っ赤じゃないか。
ア・・・・レ・・・
電車が来る。
これを乗り過ごしたら時間に間に合わない。
左の鼻からまた液体が垂れる感触がする。
わかってはいながら、条件反射で今度は右手で拭う。
やっぱり赤い。
電車がホームに入ってきた。
1、駅のトイレに行く。
2、このまま電車の中でなんとかする。
私には後5秒程度しかシンキングタイムはなかった。
そして気がつけば、私は車両の中にいた。
実に運が悪い事にハンカチやティッシュの類を、たまたま切らして持ち合わせてなかった事にその時気がついた。
既に両手が真っ赤、
必死に人目を避ける。
運の良い事にたまたま誰もいない4人掛けの向かい席があった。
私は両手を隠してそこに滑り込んだ。
そしてバッグの中からいつも(なぜか)持ち歩いている手ぬぐいで鼻を覆う。
これで、一先ずは・・・・。
目的地まで二十数分、大丈夫、時間はたっぷりある。
随時鼻から流れるその滴は、手ぬぐいが両手と同じ色になるまで、止まることはなかった。
いやww時間には間に合ったけどねwww
車内で何回も拭いたけど実際の自分の顔が気になって気になって・・・
顔をひたすら隠しながらもうスピードで到着駅のトイレにかけこんださ。
まぁ、何事もなかったので良かったが。
とりあえず、ついてなかった。
なんかね、気圧が下がると出るんだわ、よく。
こればっかりはね。どうしようも。
人に見られていない(と思っているだけかも)から良しとしようか。
そんな5月7日の朝。