【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

【FGO】幕間の物語 - 地底都市 出発前夜 - 【捏造】




「アガルタ」レイシフト、その前日。











「地底ねぇ...」


パラ、と本棚からとある分厚い本を手に取り、ページをめくる。


「確かに、私の時代にもあったよ。地球の内側は空洞で、別の高度な文明があるとか...」


アフタヌーンティーを口に注いで、ページに目を通しながら、新宿のアーチャーは言った。


「やはり、今近代の英霊たちに色々聞いてまわっててね、一通り聞きまわったところで、最近来たあなたもその時代の人間だったなと、ふと思ってこうして聞いてみたわけさ」


「ふむ。」


パタンと本閉じて棚に戻した。確認したい内容はそこには無かったらしい。


「私は数学者だから、地質学とかオカルトとかそういうのは専門外でね。そもそも単純な物理学的視点で見れば、そんな話は」

「”到底あり得ない”だろう?あり得ないからこっちは困ってるんだ・・・」


そんな事はわかっている、とばかりにダ・ヴィンチはため息混じりに言った。


「ふむ。私の計算では、「それ」がカルデアから観測された。そういう事だろう?」


もう一口、カップを口に注いで、チェアーに腰掛ける。そして、ダ・ヴィンチが来る前に読んでいた読書を再開した。


「話が早いね。そう、どうやら次の亜種特異点は地底のようなんだ。それも数々の逸話、伝説で語り継がれるような大空間の中で、魔神柱の反応が出た」


「魔神柱か・・・」


「何か、心当たりはあるかい?」


読んでいた本から視線を外す。彼は彼女の顔を見ずに言った。


「ハハ、ついでに聞いてみた、みたいな口ぶりだが、本音は"そっち"だろう?」


「あらら、さすがにバレちゃったか・・・。そうさ、第一の亜種特異点の首謀者であり、高名な数学者であるモ・・・おっと、真名は迂闊に言わない約束だったね。――――教授、あなたなら何か知っているんじゃないかと思ってね。」


「悪いが――。新宿の記憶はあるが、アレと今の私は別の人間だよ。それに、私が知っていることは一通り君たちには話したし、もし知っていたとしてもこのタイミングでは話せないなぁ」


「それは知っている。と捉えてしまって構わないのかい?」


「さぁてね。何しろ私は悪の天才数学者だよ。安易に相手を信頼し、情報を渡すのは、無能者のすることだと思ってる」


「おや、ウチのマスターくんに安易に信頼されてしまったからこそ、今あなたはここにいるのでは?」


「―――まぁ彼は、そういう意味では最高に無能者だな。ただ――――――」


「?」


アーチャーは読んでいた本をパタンと閉じた。長いこと話していたが、その時初めて彼女に顔を向けた。


「今回はソウダネ・・・。ある意味では新宿より辛く、残酷な結末が迎えているかもしれないネ。まぁ、その程度で挫けるようなマスターではないと思うが」


「信頼されてるねぇ、彼は。それもあなたの計算かい?」


「まぁね――。私が言えるのはここまでだ。アイツと同じ事を言うつもりはないが、根拠の少ない仮説だけで物事を語るのは嫌いでネ。」


「そりゃどうも。貴重な情報だ、参考にするよ」


「あぁ、そうだ――――――」


部屋を去ろうとしたダ・ヴィンチを、アーチャーは呼び止めた。


「彼に伝えておいてくれ。新宿では"社会のルール"が壊れていたが、恐らく今度は"世界のルール"が壊れている。とね」


「世界のルール?」


「隔絶された新宿とは違う。世界そのものが壊れているケースだ。法律が、秩序が壊れた国にいると、人間は自分だけが間違っていて他が全て正しいと思う錯覚に陥る。だがそれはマヤカシだ。だから、精一杯抵抗しないと飲み込まれる。」


「ふぅん。世界のルールね・・・。」


「それと――――――」


アーチャーは立ち上がって読んでいた本を棚に戻した。


「恐らく女難の相が出ている。だから、女絡みの揉め事はできるだけ避けるべきカナ」


「それも、計算かい?」


「いんやぁ、年寄りの勘ダヨ」



















『えー、えー、こほん。カルデアマスターの藤丸立香くん、カルデアマスターの藤丸立香くん、居たらちゃちゃーっと管制室に来られたし。以上。』