【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

【実写版】ルパン三世【小栗旬】

※ネタバレ注意


「こいつぁ俺がいただくぜぇ」



LUPIN THE THIRD。

観てきました。劇場実写版ルパン三世。俗に云う小栗ルパン。


 香港警察の本部を訪れた銭形警部は、捜査官たちを前に、シンガポールの現代美術館で発生した盗難事件のブリーフィングを始めた。犯人は1年間消息を絶っていたルパン三世峰不二子、ピエール、ジローら若手の盗賊たちだったが、銭形は事件の黒幕に往年の盗賊トーマス・ドーソンが絡んでいると考え、捜査官たちを引き連れドーソンの邸宅に張り込んだ。

 ドーソンはメンバーたちに、自身が盗み出したコレクションを見せ、その中でアントニウスクレオパトラに贈ったジュエリー「クリムゾン・ハート」の一部である「光の首飾り」を手に取り、盗みの師であり、かつての相棒だったルパン一世との思い出を語った。

 しかし、そこにメンバーのマイケル・リーが雇った傭兵のロイヤル、マリア、サーベルが乱入し銭形ら警官隊と銃撃戦を展開した。邸宅を脱出しようとしたドーソンたちだったが、ドーソンはロイヤルに射殺され、「光の首飾り」もマイケルに奪われてしまった。脱出に成功したルパンは、マイケルを探すため、ドーソンの用心棒だった次元大介と不二子と手を組み泥棒稼業を続けることにした。


「俺たちは泥棒だ。盗まれたら盗み返すだけさ。」

世界一のジュエリー「クリムゾン・ハート・オブ・クレオパトラ」を巡るルパン一味と裏組織の激しい攻防。トリック、変装、ガンアクション、剣戟、ロケットランチャーからフィアット500、手錠にマシンガンにハーレーにコンバットとワルサーと斬鉄剣

 飛び出す予告状、「ルパン三世、参上」。実写として制作されたこの作品はルパンに欠かせない要素が数多く盛り込まれている。

 シケモクやカップラーメン、バーボンや味噌汁など細かい小道具もあり、ルパンファン歴20年の私も納得の作品でした。(ちなみに管理人は幼稚園の時、将来の夢にルパン三世と書いて保育士の先生を困らせた経歴がある)


「いつか必ずおまえを手に入れてみせるぜ、不二子ちゃん。」


 小栗旬という人物が演じる、陽気だけど侮れない、かっこ良くて、どこかダサくて女に弱い国籍不明の猿顔の男がなかなかの完成度でした。よく研究されているなぁと観ながら私は関心していました。


 もちろん賛否両論あるでしょうし、実写化と言ったらどうしても原作を超えられない部分がありますからね。(本当ならもっと五右衛門にムチャクチャしてほしかった)

 それでもこの映画は原作ファンもそれを知らない映画ファンも楽しく観れる作品になっていました。


 アニメほどコミカルではなかったのは個人的には高評価。どうしてもアニメはコミカルなお調子者に移りがちなので、大人のハードボイルド感を終始出していたところは私の好きなテイストでした。それでも不二子絡みになると「わぁーってねぇな!女はそこがイイんだよぉー!」と次元に語るシーンもやっぱりルパン。


 この作品の実写が難しいのが、ルパンは結局お調子ものなのか、完璧なのか、本当の姿を誰も知らない「掴みどころが無い男」なところだと私は思っています。

 つまり誰も正解を知らない。お調子者で、でも隙がなくて、悪だけど光。闇にいるけどどこか正義。ずるくて正直な、そんな人間は、なかなか表現できないと思います。

 それを小栗ルパンはきちんと再現してくれました。20年ルパンファンをやっていて、私も「ルパンならこう言うだろう」「きっとこの銭形はルパンだ」「次元なら不二子にこう言うだろう」「とっつあんは確かにこういう動きするな」「この腕の動かし方はルパンだ」「五右衛門は確かにこういう目線で話す」「不二子ちゃんはこういう時に弱い女になるなー」とか、そういうピタリとくるシーンがいくつもありました。


 確かにキャストだけでは完璧な作品は難しかったかもしれない。そういう意味では、各キャラクターにはまだ未完成な部分もありました。それでも、演出と脚本、小道具が作品を極限まで「ルパン」に近づけてくれました。

 脚本と演技指導、アクションスタッフがそれだけ優秀だったのでしょう。


 ルパンで言えば独特のイントネーション「そりゃあねぇぜ〜、ふじこぉ〜」と呆れる台詞などルパンならではの言い回しは実際に再現するのは難しい。身のこなし、多彩に変化する表情。「不敵な笑み」というのがこんなにしっくり来る人間もなかなかいないでしょう。

 次元で言えば帽子と視線。原作やアニメでは99%視線は隠れているが、実写でそれをやってしまうと誰でも良くなってしまう。だけど、目元がずっと見えている次元は次元なのか。だから映画の次元の視線はいつも帽子のつばとギリギリの位置にあって、次元の視線を忠実に徹底していました。
 
 不二子はシリーズ・映画では必ず自信満々→徐々に弱っていくヒロインになっていくのですが、その流れが絶妙に仕込まれているのが良かったです。気高くも弱い部分を持っているのを、マイケルとの設定で良く表していたと思います。その影がルパンにとっては気をひきたくなる要素だったのでしょう。

 五右衛門はフィクションとの戦いですね。登場人物の中でこんな奴は絶対にいない感が一番強い人物。敢えてキャラとしても話が余り通じない浮いた空気を自ら作っていたと思います。その上で、みたらし団子やレーザー観察など観ているものがくすっとしてしまう五右衛門にしかできない演出が面白かったです。サンマやおにぎり、味噌汁もいいですね。

 銭形は、私は清潔感との戦いだと思っています。原作やアニメの銭形はプライベートなしで仕事=ルパン逮捕=人生みたいなものなので、常にそれだけで行動している感じ(それが清潔感の無さに繋がっている?)が必要だと思っています。泥臭さと云ってもいいですが、コミカルなタッチじゃなくて、ただどこかひややかにルパンを追いつつ、最後に出し抜かれてくっそー!っていう流れをどれだけ再現するかだと思います。ある意味ルパンよりバランスが際どい銭形ですが、カップラーメンやお釣りの件はいかにもとっつあんならではの演出ですね。埼玉県警のパトカーから身を乗り出す様は実写版とっつあんそのままでした。
 また、映画の中ではルパンとはファーストコンタクトだったのに、いつの間にか人生をかけて追っかけている。ドーソンの現場で動く約束を破られ、徐々にルパンに恨みを持つようになっていく話の作りが巧妙でした。


 そして最後にフィアット。これがもう完璧でした。ルパンと次元が札束を詰め込んだ大袋を背負いながら銃弾が後ろから飛んでくるシーン。笑いながらフィアットに乗り込み、急発進で逃げ出すあの感じは原作を再現率が物凄く高かったです。あそこで実写化成功してるなと個人的には思いました。

 願わくば五右衛門の斬鉄シーンですが、フィクションのあの演出を現実に持ってきてしまうと作品のバランスが崩れてしまうので致し方ないですね。


 後はルパンと不二子のダンスシーンは必見。敵か味方か、というまだ状況の中で男と女のアダルトな感じがイイ演出でした。ああいう時の大人になるルパンも、小栗ルパンで再現されていました。


総評

ルパン度★★★★★(第一作目にして完璧だと思います)

次元度★★★☆☆(おっさん度がもうちっとほしかった。ガンアクションは文句なし)

五右衛門度★★☆☆☆(斬鉄がもっと見たかったけど、それをやると最強になってしまうので仕方ない)

不二子度★★★☆☆(色っぽさはあったけど艶っぽさが足りなかったな)

銭形度★★★★☆(実写にして方向性を変えたのは高ポイントです。ただ綺麗過ぎた)

ストーリー★★★★★(文句なし。これをテレビシリーズでやっても何の問題もないでしょう)

ガンアクション★★★★☆(マグナム・マシンガン・ロケランなど網羅されてました。ただワルサーにももっと火を吹いてほしかった!)

泥棒度★★★☆☆(オーシャンズ11のようなみんなで協力して突破していくルパンスタイルとは違った作りでした。でも物語冒頭のルパンな感じはまさに大泥棒。あと変装)

音楽★★★★☆(最初はアニメの曲じゃないと物足りないなーと思っていましたが布袋さんのテーマもよく会っていました。クライマックスの戦闘シーンが良く映える。ただ、五右衛門のシーンはやはり尺八を入れるべきだと思った)

カーチェイス度★★★★★(フィアット完全再現。文句なし。ただ、スポンサーがフィアットな都合上。カーチェイスで傷を付けられなかったのが残念。ちょっとやっぱりヘコんでたりミラー曲がってたりした方がそれっぽかったかなー。)


総合得点:85点


細かい演出が映画をここまで昇華させてくれました。ただ、もっともっと役者自身が作りこんでいくと、もっと完成度が上がると思います。小栗ルパンはもうほぼ完成されていますし。続編に期待したいです。




映画 ルパン三世 ORIGINAL SOUNDTRACK

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brumm 1/43 Fiat 500 Lupin III WANTED LUPIN

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