第一話「例のあのひと」
浩次:ときどき自分が架空の人物なんじゃないかって思うことがある。
綾香:それについて考える事はオススメしないわ。
浩次:もしかしたら自分は神様から授かった命を無駄な事にばかりつかっていたのではないか!?
綾香:浩次、出家でもする気?
浩次:出家はしないけど、カレーならあるよ。
むぐむぐむぐ。
綾香:あら?カレーに何か入っているわ。
浩次:どうやら当たりのカレーを引いたようだね。
綾香:何をしてくれるのかしら?
浩次:そのアイテムは秘宝と呼ばれる宝なのさ。
綾香:「秘宝」が固有名称なのは敢えてつっこんでおくわ。
浩次:山田くん、座布団一枚!
綾香:で?これはどんな価値があるの?
浩次:それは市の秘宝だよ。
綾香:市の?
浩次:それを使うと区間内の交通運賃から商店街の割引、市内のゲーセンで優先的に「○鼓の達人」が叩ける、市営バスでバス停ごとにピンポーンが押せるなど、贅沢の限りを尽くせる!
綾香:そ・・・それって。
浩次:ふふふ。この秘宝を巡って数多の魔法使いが死闘を繰り広げてきたという。
綾香:魔法使いとか言わないでよ。浩次
浩次:さぁ、これで綾香さんも「例のあのひと」に狙われる運命を背負ってしまった!生き残るのはどちらか一人のみ――。
ぴちゅーん(緑色の閃光)
綾香:そうね。とりあえず荒川区から出ないとだめね。市の秘宝。
例のあのひと:いちご味じゃないとだめだ!ブルーハワイや抹茶は外道の極み!!(蛇語)
部下B:お・・・お許しを!!
ぎゃあああああああああ
ぎゃあああああああ
綾香:どうしたの?
浩次:カレーの中に茄子が入ってた・・・つまりこれは・・・
夏野菜カレー(どどん!)
つづL