【FGO】復刻:天魔御伽草子 鬼ヶ島 ライト版【第十幕 酒と鬼】
むかしむかしあるところに───
まるでお伽噺からそのまま抜け出してきたような
奇妙な形の島がありました。
特殊な特異点を発見し、鬼の巣くう島へとレイシフトしたマスター。
ゴールデンなお供たちと、鬼退治に挑む!
お伽噺の終幕はめでたしめでたしと相成るでしょうか・・・?
その昔、大江山には魔の鬼が出ると噂された。
酒呑童子とその部下の鬼たち。
鬼は人を喰らい、都を恐怖に染めた。
鬼たちの悪行に頭を悩ませた上皇は、源頼光率いる四天王に、これの討伐を命じる。
頼光は、酒呑童子が好物とした日本酒に毒を混ぜて眠らせた。
そして、その首を落としたものこそが四天王の一人、坂田金時、と言われている。
一行は弁慶の案内で、謎の茶屋に来ていた。
そう、以前訪れた羅生門の状況とあまりに似すぎている・・・。
全員の予想が当たった。
おぉう、想像以上に手遅れになってる・・・。
あれ?なんか縮んだね。
山育ちは柄悪いなぁ・・・。
(あ、地雷踏んだ)
まぁ、見た感じそんな雰囲気だよね。首謀者がこんなとこにいるわけないし。
いや・・・なんでそれが茶屋経営になったのさ・・・。
(素直じゃないんだな・・・お互い・・・)
やっぱり聖杯案件かこれ。
いや、たぶん「弁慶になりたい」って想いが歪んで叶ってるからそんな無駄に筋骨隆々な体になったんだと思うよ。
(酔っぱらいはみんな酔ってないって言うんだよ、マシュ)
あぁ、そういうこと。
いいんじゃない?利害は一致しているし。
やはり当事者だった男は言うことが違う。というか、よっぽど酷い目にあったんだろうな。
(え、そんなさり気なく鬼気とか言われてもナニソレ)
交渉は決裂(そもそも誰も交渉してないが)、一行は酒呑童子一派との戦闘に突入した。
しかし、口で言う割にどう見ても殺しにかかっているとは思えない金時。
それを煮え切らないようななんとも言えない顔で、酒呑童子は受け流していた。
雷槌畝り、豪雷貫く。宝具が酒呑童子をかする。
ふわりと攻撃を躱し、酔いどれるように、踊るように酒呑童子は戦う。
弁慶が牛若丸の前に立ち、茨木童子の攻撃の間に入った。
茨木童子の指から放たれる十の炎が弁慶を包み込む。
瞬間。牛若丸が弁慶と茨木童子の間に割って入った。
牛若丸の愛刀が、茨木童子の炎を真っ二つに割いた。
あれが、牛若丸が数多持つという宝具に昇華した奥義・・・・。
よし、そろそろ終わらせよう!
酒が注がれた器を茨木童子に渡す。
ぶおん。
巨大な包丁で空気を切断したかのような豪快な音が、しゃがんだ茨木童子の頭の位置をかすめた。
あ、あなたはあの(どことなく母性溢れる)女武士さん。
うすうす気付いていたけど、ええええええええ!!!!
母?
金時くん、お母さんを泣かせるのは良くないと思います!(頭の中で何かが高速で回る音)
(歯切れ悪いな・・・。あれ、もしかして修羅場?)
なんだろうこの授業参観感は・・・。
(やはり鬼には鬼がかって厳しい人だな・・・)
うーん、なんとなくイバラギちゃんどんまい。
ざん、と豪快に地面を蹴る音が響いた後、一瞬のうちに茨木童子と酒呑童子は、小山の向こう側に飛んでいった。
すみません、他に色々やることがありまして・・・。
な に こ れ
ドクターは一言多いんだよなぁ・・・。
結局、第三の関所まで、頼光さんの姿を見ることは無かった。