【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

【FGO】期間限定イベント「鬼哭酔夢魔京 羅生門」【開幕 平安桜前線】

レイシフトしてたどり着いたのは桜の咲き誇る京の街。
一見すると美しい景色だけれど、
そこにいる人々は何かがおかしい・・・・・・?
甘い匂いに誘われるがまま進んだ先で───金太郎と鬼退治?
夢か幻か、強大な鬼を相手に総力戦に挑む事となったマスター。
闘いの先に待つものとは?














「あら?簡単じゃないですか。酒に毒を盛ればいいのです。神便鬼毒酒(しんべんきどくしゅ)、それで寝込みを襲うのです」
















その昔。「京都」がまだ「京の都」と呼ばれていた時、二体の鬼が悪名を轟かせていた。




鬼の一人は「茨木童子(いばらぎどうじ)」。

大江山に住み、人々に悪事を働き、都を暴れまわった。









「あんた、それ本気(マジ)で言ってんのか。」








もう一人の鬼は「酒天童子(しゅてんどうじ)」。

龍神の子と呼ばれ、平安の世に棲む数多くの鬼を束ねた鬼族の頭領。

茨木童子と同じく、都の人間を襲い、これを喰っていたという。








「私はいつでも殺す気(マジ)ですよ、金時。それとも、あのような悪鬼羅刹をいつまでも放っておいて良いと、あなたはそう思うのですか?」








酒天童子たちの悪事に業を煮やした公家は、源頼光(みなもとのよりみつ)に討伐を命じる。


頼光は、自身の優秀な部下を4人集め、頼光四天王を作り、鬼退治の命を受けた。







「いや、、、、そりゃ・・・・・・。だけど頼光さん―――――――。そいつは、なんつーか、、、漢じゃねェっつーか、、」








酒天童子討伐は、難行とされたが、頼光四天王の中には神秘殺しと呼ばれた平安最強の強者がいた。


坂田金時(さかたきんとき)。


その名を後世に轟かす日本を代表する英雄である。








「話はここまでです。すぐ仕度をしなさい。これで、あの忌まわしい鬼達も最期です。」



「―――――――――。」









彼は酒天童子をよく知っていた。


何しろ、幼い頃からの顔馴染みだった。








坂田金時は、雷神の力を受け継ぎ生まれた。


そのため、真っ当な人間として扱われず、周りの人間からは恐れられ、彼いつも一人孤立していた。


そんな彼が、同じく人間から忌み嫌われていた鬼たちの里に足を伸ばしたのは、彼がまだ幼かった時の事だ。





少年・坂田金時は、自分を恐れない鬼たち、酒天童子とすぐに打ち解けた。


金時は、子供ながらに大のおとなを凌ぐ怪力を持っていたが、同じ子供ぐらいの鬼と力は互角で、よく力比べをしていた。


特に親しかった酒天童子とはあらゆる勝負事をした。


だが、その全部が決着が付かなかった。





いや、彼女はいつも引き分けにしてくれていたのかもしれない。


後に、金時はそう思うことがあった。








しばらくして、大江山で暴れまわった金時は、その能力を見込まれ、源頼光の部下として都に住むことになる。


必然的に彼は鬼たちと袂を分かち、そして、その後すぐ鬼たちは人間の敵だということを知った。


「鬼は悪、害、敵」


そう教えられて金時は大人になった。いつしかの記憶を遠くに置いて。








「酒天――――――――。オレは...」














神便鬼毒酒で酒天童子は眠っている。


鬼は人間の何倍も生きているから外見は変わらない。


子供の事、いつも一緒にいたあの時の姿のままの彼女を、その首を・・・。


後ろから自慢の黄金のマサカリで落とした。







『ほな、お先に・・・。』





















すぅと一呼吸。深く吸い込んだ空気を吐いた。


足元の桜がふわりと舞い上がって風に運ばれていく。





そこは周りを緑生い茂る山々に囲まれた小高い野原だった。


辺り一面、大きな桜の木が満開に咲いて立っている。








いつもより3割増のノイズ音でロマンが説明する。

今回は、日本、それも平安時代の京都で特異点らしき反応が発見されたのだ。










マシュに言われて気がついた。

何だが、美味しそうというか、甘い匂いが・・・・・・。








マシュも綺麗だよ。


普段の自分なら絶対言わないけど、このどこか懐かしい日本の風景の中にいるとつい緊張感が緩んでしまう。







そう言ってマシュの指す方向を見た。

確かに桜の花びらが人型に積もっている。

まるで、誰かがそこで酒に酔ってそのまま眠ってしまい、桜が積もったとでもいうような・・・・・・。





くしゃみで横の桜の花びらが一気に散った。

坂田金時は鼻をすすりながら、ゆっくり起き上がった。







(遅)







モニターの向こう側でロマンが叫んだ。確かに今回の探索は、調査も兼ねてマシュと二人だけで来たはずだった。




グッド・ゴールデン・モーニング!(おはようゴールデンな朝だねの意)


 現代のカルデアに召喚された坂田金時は、すぐに自分の身なりを現代に合わせてコーディネイトしていた(新しいもの好きらしい)。

 彼はとにかく金色が好きで、何かとゴールデンと表現する癖がある。

 バーサーカークラスであるものの、狂化ランクは低く、普通に意思疎通会話ができる珍しいタイプのバーサーカーだ。







そこで初めて金時は、マシュの存在に気づいた。


「うぉ!?」


堪らず後ずさりする。








(なんかマシュが勘違いしてるけど・・・)


そんなことないよ!マシュ!(そのボディラインがくっきり出た鎧最高だね→最低)



あ、ちなみにこの大英雄、坂田金時。女性耐性はめっぽう弱い。







ガスっ!



そのまま金時は右腕で自分の頬に一発入れた。




(不器用な男だ・・・・・・。)







ノリノリだけど、ってことは今回は坂田金時の逸話に関すること?


それって何処に・・・?






ロマンがモニター状況を知らせる。歯切れが悪いのも無理はない。「GYAOOO」なんて叫ぶ生き物は日本にはいないはずだ。







しかし、事は肩すら鳴らさず終わった。


何分、サーヴァント中最高クラスの筋力値を持つ男だ。

黄金の雷撃を放つそのマサカリから放たれる一撃は、どんなものでも必ず一発で沈む。


一振りで終わる戦闘なんて、彼にとっては、肩慣らしにもなっていないだろう。

















(それはどうかな)








あぁ、やっぱり―――――。カルデアでもドレイク船長の部屋とか荊軻さんの部屋とか(マルタさんの部屋からも時々)匂ってくるし・・・。






さっきまであんなに調子が良かった金時の顔色が突然曇った。

どうやら、何か心当たりがあるみたい。






ん?そういえば、結局金時ってどうやってここに来たの?




強制的に喚ぶ。しかし、そんなことそう簡単にできることじゃない。














しかし、京に向かって進んでいくと、どんどん酒の匂いが強くなっていった。





入ってすぐ住人の異常に気づいた。明らかに様子がおかしい。






うん、なんだろうカオスだね。どこの奇祭ですか?








あぁ、うん。



ん?そういえば気のせいかマシュの顔が真っ赤なような・・・。




いきなりマシュが手を掴んで自分の盾の内側に体を引き寄せた。必然的にオレは盾とマシュの間に挟まれる(というか密着する)形になった。

(むぎゅっと何か柔らかいものが・・・)





そして、急に人が変わったかのようにマシュの態度が一変する。









あの、さっきからマシュの様子が変ねんですけど!?







え、あ、あぁ。うん。





(あ、これあかんやつや・・・)







(やっぱり)










特にはなにも。シラフです。






(これはこれでメッチャヤバイんですけど・・・いろいろ)







ああぁ!うん、そうだね!頑張ろうね!





そのままうちのほろ酔いシールダーは、酔拳のごとく予測の付かない動きで世紀末感ある住人を片っ端からなぎ倒していった。











金時が何かを嗅ぎつけたらいい。しかし、こっちは何が変わったかよくわからない。











一行はそのまま京の居住区をまっすぐ進む。匂いが目に見えて濃くなっていく。







道端には明らかに「人ではない何者か」によって殺された死体がある。


酒の匂いと混ざって異臭を放っていた。












そこまで言いかけて金時は口を閉じた。


言いたくなかったというより無意識に口を閉じたように見えた。








京の中心に向かう。昼間なのに太陽は消え、暗い雷雲のような雲が空を覆っていた。



一行は目の前の門で足を止めた。ここからならよくわかる。あの門からただならない魔力の反応がある。





通信状況は悪化する一方。ロマンの言葉は続かず、途中で切れてしまった。

周りに立ち込める霧が邪魔しているらしい。








門の上に誰かいた。着物を着た少女の姿だ。ただ、額に大きな角が二本生えている。







顔を合わせるなり金時は彼女に聞いた。

やりとりから察するに二人は顔馴染みらしい。

そして、お互いの出す殺気を見て、味方ではないと瞬時に思った。






金時は、少女の後ろでふわふわ浮かぶもう一人の少女に気づいていた。

もう一人の少女も着物姿であどけない体つきだ。額にやはり角が生えていて、すぅすぅと眠っている。







茨木童子は狂ったように回った。狂気に満ちたその少女の声は、見た目に反して冷酷に聞こえる。









酒天童子

確か、坂田金時が生前退治した鬼の名前。

その酒天童子が、茨木童子の生贄になっている・・・?









茨木童子が右手を構えて金時に向けた。

その瞬間、彼女の魔力数値が跳ね上がった。



突然巨大な腕が出現し、豪炎と共に金時に向かって放たれた。

(さながらロケットパンチ・・・!)






茨木童子はかつて、その腕を切り落とされた逸話がある。

その切り落とされた腕を自身の豪炎と混ぜて放ったのだ。

それが彼女の宝具「大怨忌」。



















茨木童子の背後にふわりと浮かぶ酒天童子

よく見ると、バチバチと弾ける黒い霧に覆われている。

まるで霧が彼女の体を拘束しているようだ。












やっぱり?だって明らかに台詞が・・・だし!






そう言いながらも金時は、右手でマサカリを取り出した。

黄金に輝く伝説の神具。雷神の力を持つ金時の宝具。






雷雲と豪炎、その2つが目の前で激しく衝突する。




その昔、人間に恐れられた鬼と鬼に恐れられた人間の力比べが始まった。
































「わかってる。―――――――――」


「だからオレは、アイツを、この手で――――――。」