亜種特異lll [ 屍山血河舞台 下総国 ] 英霊剣豪七番勝負 【第十六節 天元の花、またいつの日か】
カルデアのマスターの意識は、突如として亜種平行世界へと奪われた。
暗闇と魔性が忍び寄る中世の日本に、殺戮の輩に貶められた七騎の「英霊剣豪」が刃向く――
かつての夢で出会った「宮本武蔵」とともに、赤き月の悪夢を斬り祓え。
悪鬼羅刹の七騎が嘲笑う
──見よ、血染めの月が太陽を食い尽くす
その日は、見事なまでの晴天だった。
お城はあのままなの?
つまり、二度とここには来られないってことか・・・。
ごめんね。たぶんもう一緒に居られないんだ。
おぬいちゃん・・・。
そうだね、言っていたっけ。
出会いと別れ。
ここは亜種平行世界。
旅立ちはすぐそこまで。
武蔵ちゃん・・・・・・。
さようなら、おぬいちゃん。
さようなら、田助くん。
さようなら、おたまさん、清姫、村正さん、段蔵ちゃん。
武蔵ちゃん。宝生院胤舜。
それから、巌窟王。
頼光さんと、酒呑童子。
あと、今はまだ名も知らない、千子村正に体を貸してくれた正義の味方。
ただいま、マシュ。久しぶりに帰ってきた気がするよ。
うん、そうするよ。色々とちょっと、疲れたから。
あぁ、ボクの知っているみんなだ。
・・・・・・・・・みんな、ただいま!
一足先に戻っていたんだな、宣教師さん。
今回も巌窟王には世話になってしまった・・・。
あれ!?む、武蔵ちゃん!?
それって、どういうこと!?
そこで通信は途切れた。
そうか、夢のようだった話でも、出会いはあった。
そして、これからもそれは続いていく。
それじゃあ、エミヤにお願いして、カルデア食堂に「うどん」のメニューを追加しておいてもらう。