【FGOコミカライズ感想】英霊剣豪七番勝負 第7話「勝負一番目(下)」【Fate / Grand Order Epic of Remnant- 英霊剣豪七番勝負】
カルデアのマスター・立香の意識は、突如江戸時代の日本へ奪われた。異なる歴史を辿る下総国にて、かつて夢で出会った女剣士・宮本武蔵と再会を果たした立香。二人は、凄惨な殺戮を繰り広げる七騎の“英霊剣豪”との死闘をくぐり抜けてゆく――。
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いざいざルチフェロなりしサタンの名の下に
出でよ血華咲き誇る我らが極地
敗北せし者を魂を取り込み喰らう
屍山血河の死合舞台
胤舜、プルガトリオがそう唱えると辺りの世界が一辺する。
大地は全て髑髏に代わり、空には赤い月と血に澱んだ雲が渦巻く。
生物の気配が全く無い世界で、二人は一瞬もお互いから目を離れず対峙していた。
上から見下すプルガトリオ。
下から見上げる宮本武蔵。
両者の緊張感が伝わる。
達人同士の戦いは、互いの攻撃軌道の読み合いだ。
相手が仕掛ける先を、さらにその先を、ひたすら読み合い、読み切った方に勝負の軍配が上がる。
だから、それはものすごい攻撃軌道線の応酬に見える。
両者、実力のうちでいえば、宝生院の槍術を修めたプルガトリオが優位に立つ。
故に、宮本武蔵が勝つとしたら、それは・・・・。
一太刀受ければ即死に繋がる剣戟の中、その僅か少し後方で、藤丸立香は令呪を構えた。
お互い、作戦を立てていたわけじゃない。ただ、呼吸で相手の意図することを理解し、瞬時に判断する。
「命ずる」ではなく、「我が友に捧ぐ」と、立香は1人の友人である女剣士に、その令呪を解放した。
ぐだ子の戦闘時の描写。ただ立ってみているわけじゃなく、確かに彼女も戦闘に参加して、命がけで支えていることがわかります。
特にその距離、うっかり戦闘に巻き込まれるかもしれないギリギリの距離で、令呪を放つその姿は・・・・・。
勝負はまさに一瞬。後にも先にもここしかないタイミングで、武蔵は渾身の一刀を振るう。
その刹那、それは余りにも今の武蔵では届かない領域。
だが、カルデアの令呪による魔力ブーストが、武蔵の剣速を限界突破させた。
令呪の瞬間加速。
その超人的な神業を持って、プルガトリオの槍の速度を超える。
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言葉にできないぐらい、その瞬間を切り取ったかのような、見事な立ち会い。
スキル「天眼」。それは、極めて特殊な魔眼として扱われる異能。
「彼女が望む結果を強引に引き寄せる力」。己の力では足りず、藤丸立香がいることで、勝利できたのは、最初からそれを見越していたからだ。
それは、確かに彼の爽やかな表情だった。
風に乗って消えゆく彼の姿を追って、武蔵は宿業を断ち切る力をくれたことに礼を言う。
画ならではの激しい達人同士の剣戟戦。スピード感と力強さ、そして、その中でも決して失われない躍動感。
本当に画面の中でキャラクター達が動き回っていて、その戦いに息を呑みます。
既に一画消費してしまった令呪、残されたもいずれも修羅の路。
果たしてどうなるか。