【FGO感想 勝利の虹色】無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング 消えぬ炎の快男児 第15節「此処に、ふたたびの黄昏を(後編)」【シナリオキャプチャ】
「彷徨海」からの連絡を受けたシャドウ・ボーダーが彼の地へと向かうためには、異聞帯の領域となった北欧を通過せねばならなかった。
氷の大地と炎の山脈に閉ざされた世界で見たものとは───
そこに彼女の意志はなく、全て炎の巨人の意のままに。
そして、巨人目掛けてシャドウ・ボーダーはフルスロットル。すぐ近くまできた終末を超えるために。
ナポレオンーー!!大丈夫ーー!!?
よし、種子を迎撃!ボーダーを守りつつ、スルトの侵攻を、止める!
それは、何もできない自分を認める言葉だった。
自分の体がスルトに侵食されていく。
自分の意志が消失していく。
そして、自分の僅かに残った意志とは別に勝手に言葉が口から漏れた。
彼は、オフェリアにその輝きを見せるため、炎の剣を振るい上げた。
終末剣、その輝きは、星の終焉。
その一撃を、ギリシャの大英雄はその斧剣で受け止めた。
1つ、2つ、3つ、いくら大英雄であってもその一撃をまともに受ければ一瞬で命を落とす。
4つ、5つ、6つ。だが、その大英雄は死なない。
7つ、炎の剣は威力を落とさない。
8つ、9つ、それでも、大英雄はイリヤの声に応えた。
十二の試練に比べれば、ヘラクレスにとってこの程度の窮地は屈するに値しない。
よし、いこうマシュ!
こくり。
マシュ、全力で支えてみせる。やろう!
この声は、ナポレオン?
「不可能だ」誰がそう思った。
しかし、その言葉は唯一、彼には通じない。
なぜなら、彼の辞書には・・・・。
砲兵が、皇帝が、その砲口を「不可能」に向けた。
勝利砲と彼は言った。その名前は、勝利を勝ち取る凱旋の象徴。
虹色の光が北欧の空に伸びた。
声が聞こえた。姿は見えない。
だけど、彼は確かにそこにいた。
ぺぺに言われたけど、今ならわかる。
きっと、今の私は笑っているんだろう。
スルトの肩から落ちていく。
着地の瞬間、落下速度遅延の魔術で自分の体を支える。
降りた先はちょうどマシュ達が立つ前線だった。
マスターです。
ニコリ、と彼女は笑った。
城で見た冷たい氷のような雰囲気はなくなっていた。
ありがとう、新所長。大丈夫、ナポレオンには言葉を貰ったよ。
よし、決戦だ!
震える手でオフェリアはフォウを撫でる。
既に彼女は覚悟を決めていたようだ。
そして、魔眼を向けた。
魔力が彼女の瞳から溢れる。
ピシ。
その激痛に耐えながらも、なお彼女は目を逸らさない。
ピシ。
オフェリアさん!!!!もう、それ以上は!!!!
その手に宿った巨大な令呪。それを自分の契約サーヴァントであるシグルドに対してオフェリアは発動した。
魔剣が唸る。
彼女が全身全霊全てを込めた、救世の光。
虹色の光を越えて。