【FGOシナリオまとめ】Lostbelt No.1[永久凍土帝国 アナスタシア -獣国の皇女-] 第2節 ヤガ -1-
再び世界を喪い、虚数空間への一週間の潜航を経た彼らに、ついに実数空間へ舞い戻る時が来た。
刺客の殺戮猟兵オプリチニキを「縁」とし突入したその敵地は、「ヤガ」と呼ばれる新人類が暮らす、凍結された北陸の大地。
異なる"歴史"を歩んだ新世界より、新たな聖杯戦争の号砲は鳴らされる。
ふと思う。
どこまでが奇跡で、どこまでが偶然だったのか。
そして、どこからが運命だったのか。
世界を救った事実はある。
いや、結果として世界が救われただけだ。
周囲から英雄だと讃えられた。
いや、讃えられた英雄の傍にいただけだ。
俺は何もできない。
オレは何もしちゃいない。
だから証明しないと。
俺ができるってことを。
之が間違っていないことを。
証明するんだ。
サイレンのような、警報のような、、、とにかく胸騒ぎがする音が村に響いた。
うーん。様子を見てみよう。
(無視)
いかん、あれは・・・・・。
(・・・・今まででいちばん説得力のある言葉だ・・・・)そして、ずっと言おうと思ってたけど、通信越しに声がデカイ。
なんと、初見にわかりやすい解説付きだ・・・!
周りの反応は様々だったが、反抗精神をなんとか押し殺して黙って見ている、としか見えなかった。
銃声。近くで見ていなくてもわかる。
いきなり発砲したのだ。
ヤガの一人はその場で膝をついて雪の上に倒れた。白い地面がじわじわ赤く染まって行く。
しかし、彼女の前で下手な動きはできないのか、倒れたヤガを救護しようとする者は誰もいない。
ヤガ達に動揺が走る。全員、一歩下がって周りを見回した。
これは・・・・。
なんて・・・。そんな・・・。
騒動が収まる頃には、広場の雪は真っ赤に染まっていた。
マシュは言葉を選んだ。自分で口に出すのが憚られたんだろう。
(間引き・・・)
(そうだけど・・・)
言峰神父・・・
(・・・。)
2004年の冬木で・・・。
自分を一度殺したやつなだけに言い草が酷い。
ということは、あの神父はこの「ロシア」のサーヴァント?
・・・!?まずい、この声は!
・・・。殺戮猟兵の姿は見えないが、いつどこから発砲されてもおかしくない。
そして、それを回避する手段が今は、、、無い。
誰が、お前なんかに・・・!
マシュの言葉に怒りが籠もる。
・・・?
おかしい、彼女は確かに口にした、その名を。
だけど、なんだろう、理解、でき、、ない。
あれ。
あんたはロシア側のサーヴァントじゃないのか?
イヴァン雷帝・・・。
彼女は馬車の荷台に飛び乗って本当にそのまま離れていった。
マシュは申し訳なさそうに言う。それは、自分がデミサーヴァントとしての力を持ちながら、敵を前にして何もできなかったという自責からだろう。
でも、自分だって何もできなかった。あそこで全員殺されていてもおかしくなかったんだ。
別の場所から女性の声が聞こえた。
ホームズの予想は的中していた。町のヤガ達は悲鳴を上げて逃げ回っている。
あかん、バレた!(まぁ、さっき敵にバレたばっかりだけど)
うわ、、これはまずい。
銃口を向けられ、咄嗟にパツシィは引き金を引いた。
反射だったにしても、それで周囲の見る目は変わってしまった。
よし行こう!(あのヒゲの話は無視して!)
いざ、にはならないさ、マシュ。
ちょっとまってぇぇ!!
そうして、ダ・ヴィンチちゃんのナビに従い、家々の死角を縫うように走って、一行は街を脱出した。
なんとか、生き延びた・・・。
それは(主にホームズが)ごめん!
とりあえずホームズの指示した座標に向けて進むことに。
これでもう、あの街には戻れない。