亜種特異IV [ 禁忌降臨庭園 セイレム ] 異端なるセイレム【第2節 一つの結び目】
それは突如として何の前触れもなく現れた。
地上の明かりをすべてかき消し、夜の帳に紛れて町一つを覆い
尽くすように広がるその光景は"暗闇"と呼ぶに相応しい───。
暗き闇の中より放たれる悪意に満ちた特大の魔力は、
人理焼却を目論む魔神の影を彷彿とさせる。
すべての元凶を排除した時、異端の地にて訪れる結末とは…?
朝が来た。
どこか心配そうにマタ・ハリはマシュを見て言った。
しかし、メディアはマタ・ハリの問いかけを無視して差し迫った様子でマシュに答えを求めた。
試しに、とサンソンは自分の身体が霊体になるのを試してみた。
なにか言おうと思ったが、反論が浮かばなかったのか、メディアはそのまま言葉を濁して口を閉じた。
マタ・ハリが自分たち以外の気配を察知いて、サンソンの言葉を止めた。
その後すぐ、アビゲイルと哪吒が階段から現れた。
(なぜか得意げ)
しばらくして家にホプキンスの家から、カーター氏の家に戻った。
その、色々と疲れた。。
いやそれが、大変で。。
ロビンから話してもらおう。
助かるよマシュ。だいぶ一座のプロンプターっぽくなってきたね
世話かけてゴメン、ロビン。。。
魔女狩り?それじゃあ宗教関係?それとも軍人?
このままじゃティテュバも絞首刑に・・・。
まって、その前に工房化について詳しく聞かせて。
確か霊体化も可能になったんだって?
発見者としてメディアの意見は?
あ、そう、そうだ。カルデアとの通信は?
オレはティテュバの事は無視できない。マシュはどう?
じゃあ、ティテュバ救出も一緒にやろう。もう一度ホプキンスに会ってくる。
問題は、誰がってことだけど・・・。
できればもう一人来て欲しいけど?
ホプキンスの館には、メディアも加わった。「魔女」としての側面を持つ彼女とは相性が悪いが、もし彼が魔神柱で巧妙にそれを隠しているのだとしたら、メディアがいてくれた方が安心だ。
メディアが観察するにはこれが一番早いでしょ。まぁ実はもう吐きそうだけど。
うぅ、了解。
押収されたティテュバの道具。あれに何らかの魔力があったとしたら、それは看過できない。
そこをなんとか。
そうそう、東洋にも薬食同源という言葉が・・・。
うん、サンソンしいやり方だ。
いや、それは強引じゃ・・・。
よし、返ったらシェイクスピアを一発殴ろう。
え?
いや、冗談じゃない!
(いかん、これはもう向こうの術中だ)
面倒なことになったな・・・・。
あぁ、患者を優先して。信頼を得る方法は一つじゃないし。
「魔女を火刑にせよ」というお題目で芝居をしろって・・・。
そういえば、ジャンヌ絡みの台本があった気が。
OKとりあえず、演ってみよう。やばそうなところは観客の反応次第でアドリブも考えよう。
え、本気?
ごめんごめん!
マシュ、落ち着け。
どーん!
板は、燃えました。
で、
大丈夫かい?メディア。想像以上にひどい場所だ。
ティテュバはどこへ・・・?
丘・・・いやな予感が・・・。
ロビン?
誰かを先に行かせよう!
引き受けました!
だが、それは、間に合わなかった。
哪吒!それにサンソンはーーーー
え・・・
アビゲイル・・・。
じゃあ、わざと、オレたちが演目をやっていて邪魔ができないようにして・・・。
自分たちを騙したな!?ホプキンス!
・・・このっ!
それでも法の番人か!じゅうぶん干渉してるじゃないか!
あんたとは埒があかない・・・・。
なんだと?
その日、カーター氏の家に戻ったのは、ティテュバの埋葬を見届けた深夜だった。
で、皆を集めて話って何だい、メディア?
それと、ウェイトリー家の件だね。
確かに不安だし、心配あけど、魔神柱を倒すという目的は変わらないよ。
すると、通信回復は絶望的?
あ、それ言っちゃう?
ちょ、ロビン?
マシュの忠告で気になってはいたけれど・・・。
ふむ。サンソン、君の意見は?
この事はあとで話そう。
悪魔・・・ね・・・。
すぐに確認しよう!メディア、この屋敷は安全?
え、じゃあゾンビってこと!?
・・・。
ティテュバ・・・・なのか?
ええい!カーター氏の前だけど、もう仕方ない!
メディア?さん?またおかしくなられました?
どうしたの?
え、エルフ耳ーーーー!?