【FGO】節分酒宴絵巻 鬼楽百重塔 エピローグ「鬼烙百重塔」
それは何処かで起きたいつかの話。
日本の片田舎から確認されたという微小特異点―――。
そこには、本来あるはずのない謎の塔が建築されていた。
建築学的にはありえない高さと形状で、目的も意味も不明なまま
そびえたつその塔には、いったいどのような秘密が隠されて
いるのだろうか?
そして、微小特異点の確認とほぼ同じタイミングで
レイシフトしたことが確認されている角の生えた二人組の企みとは?
彼・・・つまり、坂田金時。
二人は殺し合う中でありながら、互いをずっと気にしている。
百階のさらに上、青空の下で、彼は温泉に浸かって、ただただ事の顛末を眺めている。
百重塔から数日後。
その日、酒呑童子はレクリエーションルームの扉を開いた。
俺はといえば、コントローラーを握ってアーチャーの横で協力プレイをしていた。
ぽこっと茨木童子の口に和菓子を放り込む。
根は真面目だから・・・。
地域によっては、「鬼も内」って言うところもあるみたいだよ?
代わろうか?
すっと、コントローラーを酒呑童子に向ける。
くすりと笑って画面に向き直る。
時折、けらけら笑う青い鬼の声、ギャーギャー文句を言いながら大ぶりに体を動かす黄色い鬼の声、そして、そんな二人の様子をどこか嬉しそうに笑って画面の中でヘッドショットを決めるアーチャー・インフェルノの姿がそこにあった。
完