亜種特異点lll [ 屍山血河舞台 下総国 ] 英霊剣豪七番勝負 【第一節 第一歌 プルガトリオ(序)1-2】
そのあまりの突然の一閃には、武蔵ちゃんも驚いている様子だった。
武蔵ちゃん・・・?
宝蔵院胤舜(ほうぞういんいんしゅん)?
えっと、、、誰だっけ?
胤舜を見て、武蔵ちゃんが剣を握る手を強めたが、何も触れないことにした。
やっぱり、そんな気配はしていたけど。
その名を聞いて、胤舜は戸惑いを見せた。
これは、自分も最初にしたリアクションだ。
随分溜めの長いノリツッコミだな。。
まぁね、わかるよ。うんうん。
うん。
え、つまり。お互いに少なからず因縁があるってこと?
ええっと、ちょっと、待って!二人共!
・・・・ってあれ?またイヤな気配が・・・。
三度周囲が闇に染まる。
ぬいが不安そうにこちらを見ている。
いかん、子供を不安にさせたら大人(未成年だけど)失格だ。
うーむ。なんというか、もしかしてみんな脳筋?
気づけば周囲は怪異の物の怪に囲まれていた。
どう見てもこちらを餌にしか見ていないようだ。
色々な英雄を見てきたけど、ここまで楽しそうに勝負事に望む人達は英霊の中でも珍しいんじゃないだろうか。
にしても、武蔵ちゃんのあの剣ってどうなってるの??極太ビームサーベルにしか見えないけど・・・。
胤舜には数えておけと言われたが、何、二人共早すぎて途中から数え切れなくなってしまった。。
うん。まぁ、、、(武蔵ちゃん、負けず嫌いなんだな・・・。)
これは、認めてくれたってことでいいのかな。
はぐれサーヴァントってことでいいのかな。今までもカルデアとは別にその時代に召喚されるサーヴァントは居たから・・・。
おぬいちゃんが不思議そうな顔をしている。ここで胤舜もお化けだと思われたら色々面倒なことになるな・・・。
えっと、普通よりもすごい人って意味だよ!
つまり、千葉県ぐらいの場所ってことかな。
西暦とな?
胤舜は、おぬいちゃんに気を使っていらないと言ってるが、サーヴァント云々の事情を知らないおぬいちゃんからすれば、単純に好意を断られたと思われてしまったようだ。
参ったなと頭をかいて、胤舜は竹筒を受け取った。
まぁでも召喚されて、魔力切れを起こしていないということは、聖杯が下総国のどこかにあるのかもしれない。
そうそれ。
また聖杯戦争か。そうだとしたら放っておけない。
よくないけど、放っておけない。
(顔だけならさっき一瞬出ていたけど黙っておこう)
もし、このまま武蔵ちゃんが助けてくれるなら・・・。
いや、ただ、見て見ぬふりのが、最終的に疲れますから。
おぬいちゃんは話についていけず不思議そうな顔をしていたが、何でもないよとなだめて、進んだ。